戦兎「えぇと前回は……ねっむ」
龍誠「いやテンション低いな!」
戦兎「もう寝ずに強化アイテム作ってたからなぁ……寝不足も良いところなんだよ」
龍誠「お前こういうときくらいシャキッとしろよシャキッと!」
戦兎「お前みたいな筋肉バカじゃないんだよ」
龍誠「誰がバカだ!筋肉をつけろ筋肉……ってもうついてるか」
戦兎「そんな感じでやっていく74話スタート」
匙「わりぃ!遅れた!」
ヴァーリ「あれ?もしかして終わった?」
戦兎&龍誠『うん』
匙「しまったぁ!俺たちここでしかしばらく出番無いのに!」
ヴァーリ「ちくしょおおおお!」
『シュート!』
祐斗とベルーガの試合は祐斗の勝ちで幕を閉じたが、レーティングゲームはまだ終わりじゃない。と言うわけでリアスとサイラオーグがダイスを振ると、
「今度は10か。一気にでかい数字が出たな」
「でも10なら祐斗以外皆出れるな」
戦兎と龍誠が言うとリアスは、
「そうね、ここは堅実にいきましょう。次は小猫とロスヴァイセよ」
『はい!』
そして彼女の指示で小猫とロスヴァイセが立ち上がる。
「折角木場が景気よく勝ったんだ。頑張ってこいよ」
「はい」
そう軽く戦兎と小猫は言葉を交わしてから、転移の魔方陣に乗っていき、
「アレが今度のステージか」
戦兎の視線の先にあるモニターに写し出されるのは古い神殿のような場所だ。そこに降り立った小猫とロスヴァイセの前に、サイラオーグの眷属も降り立つ。
一人はライトアーマーを着た金髪の優男。そしてもう一人は巨人だ。
「金髪の方はナイトのリーバン・クロセル。断絶したクロセル家の末裔ね。もう一人はルークのガンドマ・バラム。元々力自慢の家の悪魔よ」
そうリアスが説明している中、試合は開始。小猫は最初から猫耳と尻尾を出した仙術モードレベル2(命名小猫)となる。仙術により闘気を全身に纏わすことで身体能力を大きく底上げする技である。
「行きます!」
と言って小猫がガンドマとの距離を一気に詰めてパンチ。だがその破壊力は巨人であるガンドマが大きく体勢を崩すほどだ。その間に、
「援護を!」
「させるか!」
ロスヴァイセが魔方陣を出して援護しようとしたところに、突如重力が掛かる。
「貴方ですか」
「俺を忘れてもらっちゃ困るな」
そう言ったリーバンは剣を抜くとロスヴァイセに襲い掛かる。だが、
「この!」
強烈な閃光が放たれ、辺りを光が包んだ。
「貴方は人間と悪魔の混血。そしてこの重力は
「だがそれくらいの対処はあるぜ!」
そう言ったリーバンは鏡を出現させて閃光を防ぐ。だが、
「なっ!?」
リーバンは驚いて目を見開いた。何せ目の前にいたのはさっきまではロスヴァイセだったはずなのに、ガンドマが何故かいたのだ。
「自分と相手を入れ換える魔法か!」
「そう言うことです!」
とロスヴァイセは特大の魔方陣を出現し、
「小猫さん!大丈夫ですか?」
「はい、相手のルークの氣を乱してありますので魔術的にも物理的にも防御力はありません!」
了解です!とロスヴァイセは特大の魔方陣に魔力を流し込み、
「フルバースト!」
爆発と振動がモニター越しにも感じるほどで、様々な属性の魔術がリーバンとガンドマに降り注ぐ。そしてそれが晴れると、
「ん?」
戦兎が疑問符を浮かべた。何せ地面に倒れているのはリーバンのみで……
「隙を見せたな」
『っ!』
リーバンはそう言って頭だけを動かすと小猫とロスヴァイセを視界に修めて重力を発生。そこに、
「オォオオオオオオオオオオ!」
ガンドマが現れ、その巨大な拳を小猫に振り下ろした。
「小猫さん!」
その後リーバンとガンドマはリタイアとなって消え、ロスヴァイセは小猫に駆け寄る。
「ごほっ!良かった……ロスヴァイセさんが残ってくれればまだグレモリー眷属は戦えます」
「ごめんなさい……小猫さん」
謝らないでください。二人も倒せたんですから……小猫はそう言いながらリタイアの光に包まれて消えた。
「サイラオーグ・バアル選手のナイトとルーク各一名、リアス・グレモリー選手のルーク一名リタイアです」
「……」
「せ、戦兎?落ち着けよ?」
「なに言ってんだ。別に死ぬわけじゃないんだ。落ち着いてるよ」
とても落ち着いているやつのオーラじゃねぇぞ……と龍誠は思うが、余り突っ込むのもアレなので黙っておく。そこにリアスがダイスを振りに行き、
『シュート!』
とダイスを振る。数は四と三の合計七だ。
「また微妙な数字ですわね」
というのは朱乃。この数字は確かに全体的に消費駒が多いこちらとしては、かなり組み合わせが限定される。単機で出すのも不可能ではないが、それはまだこの序盤でやるべきじゃない。そう思っていると、
「じゃあお……」
じゃあ俺が出ます。と戦兎が言おうとすると、
「ハイハイハイ!俺が出ます!」
と意思表示したのは龍誠だ。それを見てリアスは、
「そうね、龍誠と祐斗でいきましょう。その間に戦兎は少し落ち着きなさいね」
落ち着いてますけど……と言うものの戦兎は大人しく従い、龍誠と祐斗は転移魔方陣に乗る。
「ドッカーンと勝ってくるぜ!」
と言って二人は転移。転移先は広い広野だ。そしてそこに来たのは……
「あぁ!フウとライ!」
「あともう一人はビジョップの人だね」
オーッスと言いながらライは登場。しかし……
「向こうは三人か。少し大変かもね」
「なに弱気になってんだよ。ここで勝てば三人も削れるってことじゃねぇか」
そう言って龍誠はビルドドライバーを装着し、クローズドラゴンとドラゴンフルボトルを持つ。すると、
「安心しな。お前らが相手するのは二人だぜ?」
「え?」
祐斗が驚く中、フウとライは紫の銃をそれぞれ持ち、フルボトルを挿す。
《ギアエンジン!》
《ギアリモコン!》
それから二人は銃を交差させ、ゆっくりとこちらを見る。
《ファンキーマッチ!》
『潤動!』
《フィーバー!パーフェクト!》
二人は銃口から出る煙に包まれ、白と緑の歯車が特徴的な姿に変わる。形状自体はゼファードルとのレーティングゲームでも見たが、
「ヘルブロス……」
「参上!ってな」
そう、一人になってる上にフウとライの声がその一人から聞こえる。それが意味するものと言えば、
「うそーん」
「合体しちゃったよ……」
と、とにかく行くぞ!と龍誠は慌てて変身し、祐斗も聖魔剣を構える。
《Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!》
龍誠はビートクローザーを構え、
「祐斗。俺がフウとライの……デブブロス?と闘うからビジョップを任せたぜ」
「わかった。気を付けてね。あとヘルブロスだと思ったよ?」
そうとも言うな!と龍誠は走り出してヘルブロスとなったフウとライにビートクローザーを振り下ろす。だが、
「いっで!」
フウとライはそれをギリギリで避けつつ銃口を龍誠に押し当てて発砲。
『はぁ!』
「っ!」
そしてフウとライは腕の歯車を高速回転させて龍誠に電動ノコギリのようにぶつけて吹き飛ばす。
「おらまだ終わらねぇぜ!」
そうライが言うと、紫の銃を二挺持ちで構えて連射。
「あっぶね!」
慌てて龍誠は転がって避けるが、向こうは的確に狙ってくるため何発か貰ってしまう。
「くそ!思ったより厄介だな」
龍誠はビートクローザーにロックフルボトルを挿しながら呟き、
《スペシャルチューン!ヒッパレーヒッパレーヒッパレー!メガスラッシュ!》
と金色の錠を野球のスイングの如くビートクローザーを振って打ち出す。しかし、
『はっ!』
《ギアエンジン!》
《ギアリモコン!》
フウとライはそれぞれの紫の銃に装填したフルボトルを一度抜いて挿し直すと、
《ファンキードライブ!》
「っ!」
巨大な白と緑の歯車が銃口からそれぞれ発射され、龍誠の錠とぶつかり合う。それは最初は拮抗していたものの、徐々に龍誠の錠が押し返されてしまい、そのまま纏めて龍誠に帰って来た。
「がはっ!」
「龍誠くん!」
祐斗が爆発と共に地面を転がり、咳き込む龍誠を心配するがビジョップは祐斗を足止めし、フウとライは追い討ちを掛ける。
「くっ!」
飛んで来る銃弾をビートクローザーで弾き、間合いを詰めた龍誠は蒼炎を拳に纏わせてパンチ。
「ぐっ!」
だが逆にカウンターを入れられ、更に銃口を龍誠の額に当てて発砲。痛みと衝撃に後ろに転がった龍誠。しかし、
「まだだ……」
と龍誠は立ち上がる。ただ強いというのは理解できた。ゼファードルとの試合でもわかってはいたが、この二人は出鱈目に強い。
二人に分かれていてもコンビネーションは抜群だったが、合体すると1+1=2所じゃなく、龍誠はどうやって倒すかと思案していると、
「よぉし、アレいくか!」
『アレ?』
龍誠の呟きにフウとライが首を傾げる中、
「行くぞ!ドラゴンモード!」
ビシィ!と何やら決めポーズを決める龍誠だが、何も起こらない。
「あれ?ドラゴンモード!ドゥラグォンモォド!ドラゴーンモード!」
なにやら気合いを入れているが、なにかが起きる様子はなく、ピューっと風が吹いているだけだ。
「ダメか。兵藤 一誠と戦ったときみたいにドラゴンの腕とか翼出せないかと思ったのに……」
そこで龍誠は無い頭で考える。だが龍誠の頭では良い案は思い付きそうになかった。
「良く分からねぇけど」
「行くぞ!」
そこにフウとライが銃を二丁構えて発砲しながら走ってくる。
「ちっ!
それに対してルークに
「くそ!
「こっちは変身してると出来ないからな……」
と言ってフウとライは言い合いながら回避。すると、
「
『っ!』
ギュン!と一気に最大速度まで加速した龍誠は、一瞬で2人の死角に入り込むとビートクローザーで一閃。
「ぐっ!」
「いっで!」
よっしゃ!と龍誠は言いながらよろけたフウとライの肩を掴むと、
「
『ちっ!』
フウとライは咄嗟に腕の歯車を回し、龍誠を殴りながらガリガリ削る。
「いででででで!くそ!舐めんな!」
だが龍誠はルークの頑丈さで強引に耐えながら、ベルトのレバーを回した。
《Ready Go!ドラゴニックフィニッシュ!》
「おぉおおおおお!らぁあああああああ!」
右腕に蒼炎を集め、ルークのバカ力で思いっきり相手の顔面をぶん殴る。
『ぐぼぉ!』
「どうだぁ!」
龍誠の渾身の一発により、フウとライは大きく後ろに吹っ飛んだ。
「さっすが!」
「きゃあ!」
その間に祐斗はビジョップの相手をしながら言う。こっちはかなり余裕なようだが、
「くそ!思いっきり貰っちまった」
「頭がグラグラするな……」
と、フウとライは立ち上がる。しかし、
「よぉし、コツは掴んできたぜ!」
そう言って龍誠はナイトに
『ぐっ!』
「ずっとルークかクイーンばっか使ってたけどよ、単純に走るだけなら純粋にナイトの方がいいな!」
と龍誠は続けて何度も走り抜けながらビートクローザーで切る。だが、
「舐めんな!」
と言ってライが銃口を向けると偏差撃ちで龍誠を撃ち抜いた。更に続けて、
「はぁ!」
「っ!」
フウが腕の歯車を回して倒れた龍誠を追撃。それを咄嗟にビートクローザーで防ぐが、凄まじい音と火花に顔をしかめる。
「このまま押し込んでやる!」
「ちっ!
ビートクローザーを押し返しながら、再度
「成程、確かにこれは厄介だな」
「なに?」
フウの呟きに龍誠は首を傾げる。それから、
「いや、こっちの話だ!」
「っ!」
更にグッと押し込む。ガリガリと火花を更に散らす中、龍誠は敢えてビートクローザーに込めていた力を抜くと、
『うぉ!』
龍誠は顔を横に逸らし、勢い余って前のめりに体勢を崩したフウのライの拳を避けた。それにより、地面に思いっきり拳がめり込んだ2人の隙を突き、
「おらぁ!」
と横っ面をぶん殴り、今度は龍誠が上に乗ると、
「はぁ!」
そのまま下にした2人を殴る。1発2発3発と。すると2人は龍誠の拳を掴んでキャッチすると、
「流石に強いな」
「あぁ……」
何だ?離せよ!と龍誠は引っ張るが、その間にフウとライの全身の歯車が高速回転を始め、赤く発光して煙が出てきた。
「な、なんだぁ!?」
慌てて龍誠は離れようとするが、フウとライは決して手を離さない。
「戦ってわかったよ。お前は厄介な相手だ。だからこそここで潰させてもらう!」
「まぁ、そう言うわけだ」
とフウとライは言い、更に歯車は加速する。
「お、おい離せ!」
「離すか!」
ライはそう言うと更に龍誠の腕を引き、体を近付けると、
「これで終わりだ」
「っ!」
フウの一言と共に爆発。近くにいた祐斗たちも爆風で吹っ飛ぶほどで、
「がはっ……」
変身が強制解除された龍誠は地面に膝を付いていた。
「これで……良しかな」
「あぁ」
ライとフウも変身が強制解除され、地面に倒れている。
「これが狙いか?」
「まぁどんな手を使ってもお前を倒すのが目的だった。この試合はお前か戦兎が出てくる可能性が高かったからな。お前ら二人揃うと厄介なんだろ?だからどっちか倒したかった」
そう言うライに龍誠は笑う。
「なに笑ってんだ?」
「いや、お前ら運がねぇなって思ってよ」
何?と二人が言う中龍誠は、
「あいつがいれば大丈夫だ。あいつがいれば……このゲームに勝てる」
龍誠はそう言いながら、親指を立ててサムズアップをした。それは見ていた戦兎に向けられたものだ。
「戦兎。任せたぜ」
と言い残し、龍誠やフウとライはリタイアの光に消える。
「龍誠くん……」
祐斗は瓦礫の中から這い出ながら歯を噛み締め、刃に付いた血を振って取る。
足元にはサイラオーグのビジョップが倒れている。先程の爆発で吹っ飛んだ際に、向こうも体勢を崩したので吹っ飛ぶ方向をずらしてすれ違い様に斬ったのだが、
「順当に減らされたか……」
元々サイラオーグチームの方が人数が多い。しかも戦力的に重要な龍誠をだ。それに対して祐斗は悔しそうに拳を握る。そして、
「サイラオーグ・バアル選手のポーン二名及びビジョップが一名。リアス・グレモリー選手のポーン一名リタイアです!」
そう審判が告げるのだった。
ゼロワン取り敢えずまだ一話目ですが面白いですね!しかし初変身時に戦闘チュートリアルがあるとは新しい……ゼロワンドライバー買おうかなぁ……でもお金がなぁ……