ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「さてさて龍誠が脱落し、サイラオーグさんとのレーティングゲームもいよいよ中盤戦。見逃せない展開が続くぞ!」
龍誠「くそぅ!せっかくの見せ場かと思いきや俺負けるのかよぉ!」
戦兎「まぁまぁ、やっぱりサブキャラには荷が重かったって事だ」
龍誠「なにをぉ!」
ヴァーリ「とまぁそんなわけで……」
匙「75話始まるよ~」
戦兎「それ俺の台詞!」
ヴァーリ&匙『ここ逃すと出番無いんだよ!』


中盤戦

「……」

 

龍誠がリタイアし、祐斗が戻ってくる中、戦兎は手に爪が食い込むほど強く拳を握っていた。

 

「次は8ね」

 

その間にダイスは振られ、リアスは戻ってくる。そこの戦兎が、

 

「今度こそ俺が……」

「いや、私がいこう」

 

ズコッと出足を挫かれながら、戦兎が見るとゼノヴィアが立っている。

 

「戦兎は終盤まで休んでた方がいい。寝不足なんだろう?」

「別に平気だって」

 

良いからゆっくりしておけ、とゼノヴィアは布にくるまれたデュランダルを手に立ち上がる。

 

「そうね、ゼノヴィアとあともう一人……」

 

とリアスはロスヴァイセを見る。実際には駒の数ならそれこそ戦兎を出してもいいのだが、戦兎は個人も援護もこなせるタイプだ。出来れば終盤に出したい。と思っていると、

 

「僕がいきます!」

 

そう声をあげたのはギャスパー。それに少しリアスは驚いていた。ギャスパーはこういう時、余り前に出ない。そんな彼?が自分から出たいというのは意外だ。

 

「おいギャスパー。大丈夫かよ」

「大丈夫です!ぼくだってグレモリー眷属ですから……小猫ちゃんや龍誠先輩の仇を取ってきます!」

 

そう戦兎に言いながらギャスパーはゼノヴィアと共に魔方陣の上に立つ。そして、

 

「二人とも、気を付けてね!」

『はい!』

 

リアスに二人は頷き転移する。そして二人が出たのは、岩だらけの荒れ地だ。

 

隠れ易いが少し動きにくい。パワータイプのナイトであるゼノヴィアはまだ良いが、祐斗だったら脚に影響が出たかもしれない。

 

そこに、サイラオーグ側の眷属も転移してきた。

 

ひょろ長い男と美少年の二人で名前は、

 

「確かルークのラードラ・ブネにビジョップのミスティータ・サブノックだったか?」

「どちらも断絶した家の方ですね」

 

そもそもサイラオーグは断絶した家の者を多く眷属にしているが、これは有能であればどんどん登用していくと言う、サイラオーグの思いがあるのだろう。

 

だが断絶した家は人間と子孫を為して生き延びた家も多く、一部の純血主義意識が強い悪魔の上役からは嫌われていると聞いた事があった。

 

「まぁとにかく勝つだけだ」

 

と、ゼノヴィアは布を外すとその中から現れたのは、彼女の代名詞になりつつある聖剣・デュランダル。だが今までのものとは少し変わっており、

 

「ゼノヴィア先輩それは?」

「教会の錬金術師がしてくれてな。教会に保管されているエクスカリバー六本をデュランダルと融合させた一振り。名付けてエクスデュランダルだ!」

 

ブン!と振り心地を改めて確かめつつ、ゼノヴィアはエクスデュランダルを構える。

 

ギャスパーもそれを見て準備を整えていると、試合開始の合図がされた。

 

「まずはぼくが!」

 

とギャスパーは無数のコウモリになって分かれると、

 

「はぁ!」

 

とゼノヴィアがエクスデュランダルを振り下ろす。だが、

 

『へ?』

 

聖剣の波動を纏わせたその一撃は、地面を切っ先から遥か先まで一直線に切り裂き、途中にあった岩をバターのように真っ二つにしてしまった。

 

「しまった……力加減を間違えた」

「今ぼくにも当たりそうになってましたからね!?」

 

す、すまない。と思っていたより威力があって驚いているゼノヴィアが謝ると、

 

「ラードラ。やはり当初の計画通りまずはあの剣士だ!」

「了解!」

 

そう言ってビジョップのミスティータは下がり、ラードラは前に出ると服を脱ぎ捨て上半身裸になると、

 

「グォオオオオオオ!」

 

体が肥大化し、一匹のドラゴンに変貌した。

 

「おいおい、ドラゴンに変身出来るなんて聞いてないぞ!?」

「言ってないからな!」

 

ゴォ!っと飛んでくる火球をゼノヴィアとギャスパーは避け、

 

「はぁ!」

 

エクスデュランダルを振り下ろして斬撃を飛ばした。だが、

 

「ちぃ!流石に腰の入ってない斬撃飛ばしじゃドラゴンの鱗は斬れないか」

 

と言ってゼノヴィアはギャスパーを見ると、

 

「ギャスパー!少し時間を稼いでくれ!こうなったら全開パワーで吹っ飛ばす!」

「分かりました!」

 

ゼノヴィアは下がり、エクスデュランダルを掲げて力を溜めた。だが、

 

「そこだ!聖剣よ!力を閉じろ!」

『っ!』

 

突如輝いていたエクスデュランダルは光を失い、ウンともスンとも言わなくなってしまった。

 

「な、なんだこれは!?」

「ざんねん……だったな」

 

と言うのは、明らかに消耗した様子のミスティータがいる。

 

「僕は人間と悪魔のハーフでね。そのお陰で神器(セイクリットギア)も持っている。その能力でね、相手の能力を封じることが出来る」

 

そう言ってミスティータは荒く息を吐く中、ラードラは更に火炎を放った。

 

「ゼノヴィア先輩!こっちです!」

「っ!」

 

ギャスパーに促され、慌ててゼノヴィアは岩影に隠れて火炎から逃れ、

 

「一度離れましょう。まずはゼノヴィア先輩の力を取り戻さないと」

「出来るのか?」

 

詳しく調べないとなりませんが……とギャスパーは言いながら走りだし、ゼノヴィアは後を追う。

 

そうしてしばらく走り、取り敢えず敵からある程度距離を稼いだところでギャスパーは岩影にゼノヴィアを立たせて、彼女を中心に魔方陣を描いていき、

 

「よし、後は魔方陣を起動させれば……」

 

とそこにズシン!と地面が揺れる。

 

「くっ!ラードラが近いのか」

「このままじゃ間に合わない……」

 

魔方陣を起動させながらギャスパーは呟く。無事解除はできそうだが、この見つかるまで時間の問題と言う中で解除は間に合わない。そうギャスパーは判断し、

 

「ゼノヴィア先輩。ここから動かないで下さいね」

「お、おいどこにいく気だ!?」

 

背中を向けるギャスパーにゼノヴィアが問うと、

 

「ゼノヴィア先輩ならあの二人を倒せます。ならぼくの仕事はゼノヴィア先輩が戦えるようになるまでの時間を稼ぐことです。だから僕が気を引きます。だからバレないようにここで息を潜めていてください」

「ま、待てギャスパー!」

 

ゼノヴィアの制止を振り切って、ギャスパーは走り出す。そして、

 

「僕はここだ!」

「ほう?一人か?と言うことは何処かで解除を試みているな?だがミスティータのはすぐにはできない。となれば時間稼ぎか?」

 

それがどうした!とギャスパーはコウモリに分裂してラードラに飛びかかる。だがそれをラードラは腕を振っただけで蹴散らし、ギャスパーは地面に落ちる。そしてそれをラードラは拾い上げると、

 

「言え!あの剣士がどこだ!」

「っ!」

 

ギュッとラードラに握り絞められ、体が軋みを上げた。それによりギャスパーは声にならない悲鳴をあげるが、

 

「いう……もんか」

「む?」

 

ギャスパーはラードラを睨み付けながら、体をコウモリに分裂させて脱出し少し離れた所に降りると、魔力で炎を作ってラードラに当てる。だがそれはラードラの肌の表面で弾けるだけでダメージはない。

 

「っ!」

 

ゼノヴィアは咄嗟に飛び出しそうになるが、それを必死に踏み留まって自分の手で自身の口を塞ぐ。

 

こうでもしてないと声を出しそうだった。だがここで自分の場所を知られれば、ギャスパーの覚悟を無に返してしまう。それは出来ない。それはだけは許されないと必死に抑える。

 

「オォ!」

「くっ!」

 

ラードラの拳をギャスパーは転がって避けた。だが地面に拳が叩きつけられた衝撃だけでもギャスパーの体勢を崩し、ラードラの巨体がギャスパーを踏みつける。

 

「ひぎっ!」

 

メリィ!と音を立てて地面にめり込むギャスパー。そしてラードラは周りを見渡す。ゼノヴィアの聖剣は危険だ。だからこそいつまでもギャスパーに手間取っているわけにいかない。ゼノヴィアが解除を終わらせる前に片付けなければ……と見たその時、

 

「ギャスパー、礼を言う」

 

ラードラの視線の先にはゼノヴィアが立っている。ゆっくりとデュランダルを掲げ、その刀身の切っ先は天高く延び、見えなくなった。

 

「させるか!もう一度封じて……」

 

とミスティータは能力を発動させようとするが、彼の動きが完全に止まる。

 

「ミスティータ!?」

 

ラードラが慌てて見ると、リタイアの光に包まれて消えかけているギャスパーが、ミスティータを停止世界の邪眼(フォービドウン・バロール・ビュー)の能力で止めていた。

 

「ハァアアアアアア!」

 

その間にデュランダルの溜めを終えたゼノヴィアは、ラードラに目掛けて巨大な光の刃と化したデュランダルを振り下ろす。

 

「これで終わりだぁああああああ!」

 

振り下ろすと同時に地面が爆発し、閃光が辺りを包む。そして衝撃波で地面がえぐれ、辺り一帯には巨大なクレーターができていた。

 

「サイラオーグ・バアル選手のルークとビジョップ各一名。リアス・グレモリー選手のビジョップ一名リタイアです!」

「……」

 

その放送をゼノヴィアはぼんやりと聞いている。残るサイラオーグ側はクイーンとサイラオーグのみとなったが、サイラオーグは言わずもがなで、クイーンも相当な実力者だ。

 

気を引き締めなければ……そうゼノヴィアは決意し、自分のチームの控えへ戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「向こうはもうクイーンしかいないわ」

 

ダイスが何度か振り直され、9の数字が決定したとき、リアスはそういった。

 

サイラオーグは駒12の価値を持つ。となればこの9の時点でクイーンが登場するのは明白だ。

 

「そうなると誰を出すか……」

 

出すだけなら祐斗とロスヴァイセでも良いし、そろそろ戦兎を出しても良い。と思っていると朱乃が、

 

「私が出ますわ」

「朱乃?」

 

そう言って立ち上がる。そして、

 

「クイーンとの戦いの次はサイラオーグさんが控えています。ここで祐斗君達を使うより、クイーン同士戦った方がいいですわ。その方が次に人数も割けますから」

「いや姫島先輩。そろそろ俺が……」

 

そう言う戦兎の言葉に朱乃は、

 

「いいえ、さっきも言ったように戦兎君はせっかく新しいアイテムを持ってきてるんですからサイラオーグさんとの決戦まで出ない方がいいですわ。新しいのは早く見れば見るほど、そして回数を重ねれば重ねるほど対策を建てやすいのですから」

 

と言って朱乃は魔方陣に乗り、そのまま転移する。そして出たのは石造りの塔が立ち並ぶステージで、その塔の天辺に朱乃と、別の天辺にはサイラオーグのクイーンであるクィーシャ・アバドンが立っていた。

 

「やはり貴女でしたね。雷光の巫女」

「えぇ」

 

返事しながら朱乃はクィーシャを見る。アバドン家の特性は(ホール)。それを作り出しあらゆるものを取り込み消し去ることが出来る。これを使って、ゼファードルとのレーティングゲームでも優位に立ち回っているのを見ていた朱乃は、

 

「最初から全力ですわ!」

 

と言って全力全開の雷光をクィーシャに放つ。バリバリ音を立て、飛んでいく雷光。だがクィーシャは手を翳すと(ホール)が出現し、雷光は全て吸い込まれていく。

 

「なっ!」

「私の(ホール)は全てを吸い込む。貴女の雷光でもね。そして!」

 

クィーシャはそう言って別の(ホール)を作り出すとそこから光が溢れ、朱乃を痛め付けた。

 

「このように光のみを抽出して返すこともね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だろ……」

 

戦兎は思わずそう呟いていた。今まで何だかんだ言ってもこちらが有利な試合展開だった。だが今のは相性が悪かったのもあるが余りにもあっさりと……

 

「うちとは相性が悪いね」

 

祐斗の呟きに戦兎は頷く。朱乃もだがこちらは強力な一撃を貯めて撃つって言うのが多いので、ああいうカウンターに弱いのだ。

 

とは言え、それを差し引いても厄介な強さではある。しかし、

 

「次はサイラオーグさんだな」

 

そう言いつつ戦兎は準備運動を始めた。だが、

 

「……」

「部長?」

 

戦兎はリアスを見て首を傾げる。

 

「そうね、戦兎を出すのが良いかもしれない。でもサイラオーグはまだフェニックスの涙を持っているわ。となると実質サイラオーグを二回倒さなくちゃならない」

「……」

 

リアスに言われ、戦兎は腕を組む。正直、確かにサイラオーグを二度倒せと言われると怖い。いや多分新兵器ならば行けると思うのだが、安全とは言えない。とそこに、

 

「なら僕たちがいきますよ」

「え?」

 

立候補したのは祐斗。更にゼノヴィアとロスヴァイセもいた。

 

「僕たちが何とかしてサイラオーグさんを削ります」

「待て木場。俺の新兵器ならサイラオーグさんを二回倒すくらい出来るって」

 

まさか本気で言ってる?と祐斗に言われ、戦兎は口ごもる。

 

「このゲームは負けられない。なら確実性を取るべきだ」

「だがあの人相手に……」

 

そう心配する戦兎にゼノヴィアは、

 

「おいおい、私達だってグレモリー眷属なんだぞ。お前や龍誠ばかり注目されるがな」

「えぇ、ちゃんと戦兎君に繋ぎますから」

 

ロスヴァイセもゼノヴィアに同意し、3人は魔方陣に乗ると、

 

『行ってきます』

 

と言って3人は転移する。そしてその先には広い平原が広がっており、サイラオーグが一人立っていた。

 

「成程、桐生 戦兎ではなくお前たちか。良い判断だな」

「ありがとうございます」

 

祐斗はサイラオーグにそう返しながら、聖魔剣を構える。それに合わせてゼノヴィアもエクスデュランダルを構え、ロスヴァイセも魔方陣を展開する。

 

対するサイラオーグは自然体。変身する様子はない。それを不審に思っていると、

 

「おっと変身しないのはお前達を侮っているわけじゃない。ただ今勢いのあるグレモリー眷属の聖魔剣やデュランダルに北欧魔術の使い手が同時に来ているんだ。生身で味わってみなければな勿体ないだろう!」

 

とサイラオーグは獰猛な肉食獣のような笑みを浮かべて、走り出したのだった。




ゼロワン良いですよね~。ただ割りとえげつない展開でしたなwそして不破さんやっぱりいい人だよねw

あとVシネグリスを見てきました。あれはやばい。カズミンかっこよすぎる。そして幻さんの髭が失われた衝撃の事実は……おっと、読みすぎた。これ以上はネタバレになりますね。
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