ヴァーリ「レーティングゲームもついに終盤戦そして戦兎は新兵器でギュインギュインのズドドドドな大活躍繰り広げる!」
戦兎「おいこら!なにさらっと始めてんだ!」
龍誠「て言うかなんだよそのギュインギュインのズドドドドって!」
ヴァーリ「いやなんか一回は言っておかないといけない気がして……」
匙「いやぁ、もうちょっとだな。この章が終わって11章になれば出番があるしなぁ~」
戦兎&龍誠『……』
匙「え?なにその反応……」
戦兎「さ、と言うわけで77話スタート!」
匙「え!?おい!?」
龍誠「確か11章は台本だと番外編だったような……」
「新しいビルドと言うわけですか」
クィーシャは少し驚きつつも、臨戦態勢を整える。それを見た戦兎は、
「あぁ、名付けて仮面ライダービルド、ラビットラビットフォームってところかな!」
と言った次の瞬間。クィーシャの目の前に戦兎が拳を握った状態で立っていた。
「なっ!?」
「オォ!」
戦兎の拳が、クィーシャに刺さる。そのまま彼女は後方に吹っ飛ばされ、
「はぁ!」
「っ!」
クィーシャの吹っ飛ばされた方向に先回りした戦兎が、彼女に回し蹴りを放ち、別方向に吹っ飛ばし、
「ハァアアアア!」
戦兎はそれを2度3度と繰り返すと、最後に地面に叩きつける。
「がはっ!は、速すぎる……」
「それは当然だ。元々ラビットフルボトルは、反射神経や移動速度に跳躍力の強化の能力を持ったフルボトルだ。それを増幅して更に濃縮し作ったのがこのボトル。そしてボトルの強化によりプロモーションに耐えられるようになり、ハザードトリガーの使用も可能になった。因みにこの姿で使う駒は速度の制御と上乗せの両方を同時に行えるナイトだ」
オマケに、と言いながら戦兎は手を前に出すと、
「フルボトルバスター!」
声に合わせ、ビルドドライバーから大剣が出現。それを両手で持つと、
「はぁ!」
「くっ!」
戦兎がそれを振り下ろしてクィーシャを狙うが、それをなんとか避けつつ魔力で火炎を生み出し戦兎に投げつけた。だが戦兎は、フルボトルバスターの手元に力を入れると、なんと鍔本の辺りが折れ、剣の中には空洞があることが分かる。するとそこにラビットフルボトルを入れて、
《ラビット!》
フルボトルバスターを元に戻し、大剣状態にして赤いオーラの斬撃を飛ばす。
《フルボトルブレイク!》
「くっ!」
飛んできた火炎を赤い斬撃で掻き消しながら、クィーシャを襲ったが
《ラビット!パンダ!ジャストマッチデース!》
今度は戦兎はラビットフルボトルとパンダフルボトルをフルボトルバスターに入れ、大剣に戻さず折ったまま剣先をクィーシャに向けた。そして、
「ハァ!」
戦兎は走り出し、クィーシャの視界から外れる。クィーシャから見て突然消えたようにも見え、慌てて探す中背後から、
《ジャストマッチブレイク!》
「っ!」
音声と共に赤と白が混ざった光弾を剣先の銃口から発射され、クィーシャは
そこに、
《ラビット!パンダ!タカ!ミラクルマッチデース!ミラクルマッチブレイク!》
続けて3つフルボトルをフルボトルバスターに装填。それを大剣状態に戻して、クィーシャに突進。赤と白とオレンジのオーラを纏わせた斬撃でクィーシャを斬り、
「か……はぁ」
クィーシャはそのまま地面に倒れるとリタイアも光に包まれて消えると、
「サイラオーグ・バアル様のクイーン。リタイアです!」
「お疲れ様。戦兎」
「お疲れ様です」
リアスとアーシアに迎えられ、戦兎は控え室に戻ってきた。
残るはサイラオーグのみ。次はアーシアが出て直ぐにリタイアする事に……そう思っていると、
「運営に問いたい。もういいのではないか?このままでも先は誰でも読める。恐らく次にビジョップを出して直ぐにリタイアさせ、そして桐生 戦兎を出すのだろう?ならばもう俺は直ぐにでも戦いたい。そこで次の試合はリアス側と俺の全員で舞台に上がって戦うことを提案する」
『っ!?』
サイラオーグの突然の提案に、戦兎達だけではなく観客も驚愕する。だが確かに展開が読め今の状態をそのままやるなら、一気に進めると言うのも手だろう。
それは運営サイドも同じだったようで、直ぐに了承。勿論リアス側が認めればと言う前置きもあったが、それを拒む理由はない。とリアスは了承し、次の試合が実質最終決戦となるのだった。
「嘗めていた訳じゃない。だがそれでも想像以上に強敵だった」
そう転移してきた戦兎達に、サイラオーグは言う。
「俺たちだってそうです。想像以上に厄介でしたよ」
「そうか」
と戦兎とサイラオーグの二人は言葉を交わし、ベルトを装着した。
「戦兎」
「はい?」
頼んだわよ。リアスに改めて言われ、戦兎は頷きを返してハザードトリガーを起動しながら、サイラオーグの前に立つ。
《マックスハザードオン!》
「悪いけどあんたには勝たせてもらう」
《デンジャー!》
「そうはいかない。俺も負けられない理由がある」
そう言って二人はベルトにそれぞれボトルを挿入し、戦兎はレバーを回して、
《ラビット&ラビット!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!》
《クロコダイル!》
レバーから手を離すと同時に、サイラオーグはレバーを下ろした。
《Are you ready?》
『変身!』
《紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!》
《割れる!食われる!砕け散る!クロコダイルインローグ!オラァ!キャー!》
二人は変身を完了して拳を握ると、
『ハァ!』
ドン!と空気が振動し、それと同時にサイラオーグが後方に吹っ飛ぶ。同時に殴り掛かった二人だが、速さと言う点では戦兎に分があったらしい。
そしてそのまま戦兎は走り出すと、サイラオーグと間合いを詰めて蹴りを放つ。
「ぐっ!」
サイラオーグは苦悶の声を漏らしながら後退り、戦兎は背後に回り込んでパンチ、正面に行ってキックと連続で叩き込んでいく。
「オォ!」
そして横から拳を叩き込もうと、戦兎が振りかぶったその時、
「なっ!?」
パシッと戦兎の拳をキャッチし、サイラオーグはゆっくりと顔だけをそっちに向けた。
「クィーシャのお陰だ。初見だったら対応できなかった」
「なに?」
戦兎はサイラオーグの言葉に首を傾げると、
「お前のその姿には欠点がある。それは確かに速い。だが動きが単調で、走り出すと殆ど一直線にしか動けないことだ。曲がるときも態々一度減速してから直角に曲がっている。これは恐らくお前がこの力を使い慣れてないからだろう。大方完成して日が浅い新兵器と言ったところか?これならそっちのナイトの2人の方が厄介だったぞ。」
「っ!」
戦兎はサイラオーグの言葉に驚愕し、その間にサイラオーグはゆっくりと空いた方の手でベルトのレバーに手を掛けた。
《クラックアップフィニッシュ!》
「ハァ!」
「ぐぁあああああああ!」
拳にオーラを集めたサイラオーグは、戦兎を渾身の一撃で殴り飛ばし、戦兎!とリアスはサイラオーグのクラックアップフィニッシュによって吹っ飛んだ戦兎に駆け寄る。
「う……ぐ」
「す、直ぐに治療を!」
だ、大丈夫だ。と戦兎は立ち上がり、
「流石に厄介だな」
「いや、そっちこそ当たる直前に体を捻って軸をずらして威力を半減させるとはな」
そう言い合いながら、戦兎はフルボトルバスターを構えてサイラオーグに突進。それを横に避けて脇腹に一発。
「ぐっ!」
よろめいたところに、サイラオーグの追い討ちを掛け、連続で拳を叩き込む。
「がはっ!」
「オォ!」
ガスッ!と回し蹴りで戦兎を転ばし、踏みつけて追撃。だがそれを転がって避け、戦兎は腕の力で飛び上がると、空中で体勢を戻して立ち上がった。
「その速さにも更に慣れてきたな」
手をグーパーしながら、サイラオーグはそう呟く。それを見ながら戦兎は、
「はぁ、流石にこれ以上は無理か」
と言いながらボトルを外した。
「何だ?まさか諦めたわけではないだろうな?」
「そんなわけないでしょう?そんな簡単に諦められるんなら苦労しませんよ」
戦兎は半分に折ったボトルを戻しながらそう答える。
「俺には負けられない理由がありますから」
「ほぅ?どんな理由なんだ?」
そう言うあんたこそ理由はあるんじゃないですか?と戦兎が問うと、
「約束だ。ある大切な人と誓ったな。誰よりも強く、そしてこの冥界を引っ張っていける男になれと。俺はその為に魔王になる。魔王になって、誰もが未来を見て歩ける冥界を作って見せる。俺のような才能がないやつもやればできるんだと見せつけてやる。その為にも……お前達には我が大義の為に犠牲になってもらう」
サイラオーグはハッキリとそう答えた。それに対して戦兎は、
「対したものですね。ホント俺の理由なんて酷く個人的なもんですよ」
「個人的?」
えぇ、と戦兎は言い、
「俺はですね。基本的に力は愛と平和の為に使うもんだと思ってます。でもレーティングゲームでだけは違う理由です」
「そうだろうな」
サイラオーグもレーティングゲームでの戦いに愛と平和はないと理解している。すると戦兎は、
「だからレーティングゲームで俺が戦う理由はただ一つ。うちの主である、リアス・グレモリー様の為ですよ」
「リアスの為?」
はい、と戦兎は笑いながら続けた。
「俺はこう見えても忠誠心高めでしてね?何せ部長は俺の親友の命の恩人だ。あの人が居なかったら俺は親友を失ってた。それに部長は俺の科学の話を真面目に聞いてくれる。龍誠はすぐ寝ちまいますからね。それに……」
学校生活が楽しくなった。戦兎はそう言いながら頭を掻いて、
「俺ずっと友達って言うと龍誠だけでした。いやまぁ親戚の女は居ましたけど友達って言う感じじゃないし。でも部長に会って、悪魔になってオカルト研究部に入って、そしたら学校生活がもっと楽しくなったし、愛と平和の為にとか、損得とかそんなの抜きにして力になりたいって思える仲間にも出会えた。全部部長のお陰なんです。だから俺も部長に恩返しがしたい。部長がレーティングゲームの覇者になりたいなら俺はその為に命を賭けて良い。だからここで負けられない。寧ろ勝って、若手ナンバー1を部長に名乗って貰いますよ」
戦兎……とリアスが呟く中、戦兎はさっき抜いたボトルを再度振り、蓋を捻ると、今度は側面に青い戦車の模様が現れた。
《タンク!》
それをまた真ん中で折って、ビルドドライバーに装填した。
《タンク&タンク!》
そしてレバーを回し、
《ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!Are you ready?》
「ビルドアップ!」
《オーバーフロー!》
すると赤い装甲が弾け飛び、後方から青い戦車が走ってきた。
「なにっ!?」
サイラオーグ驚く中、その戦車はサイラオーグに砲身を向けて砲撃。
ドォン!と言う音と共に発射された砲弾に、サイラオーグは怯んで後ずさる。
「ハァ!」
そこに戦兎が飛び上がると、青い戦車がバラバラに分解し、戦兎に装着され、
《鋼鉄のブルーウォーリア!タンクタンク!ヤベーイ!ツエーイ!》
そうして地面に着地した戦兎は、今度は青い装甲に身を包んだビルドに変わり、
「行くぞ!」
とサイラオーグに突進。
「ハァ!」
まずは一発。だがそれをサイラオーグはガードした。だが、
「ぐぅっ!」
余りの衝撃にガード上から殴られ、よろけてしまう。そこに戦兎は更に蹴りで追撃。
「ぐほっ!」
だがサイラオーグは素早く体勢を戻して反撃。だが、
「か、固い……」
逆に殴った方がダメージを受けた。
「当然でしょう?これはタンクフルボトルの力で頑丈さを上げ、ルークの力で頑丈さに磨きを掛け、パワーも上げてます。なのでこのアーマーの見た目のわりには身軽に動けるでしょう?」
と言いながら、フルボトルバスターを構えてサイラオーグを斬ろうとし、
「ぐっ!」
それを避けようとサイラオーグは横に動く。だが、戦兎は片手でサイラオーグの肩を掴むと、力付くで上から押さえ付けて、もう一方の手で持ったフルボトルバスターでサイラオーグを斬る。
「ぐぁ!」
そしてよろめいたサイラオーグに、フルボトルバスターの剣先を向けつつ、鍔本を折ると、
《タンク!ロケット!ガトリング!コミック!アルティメットマッチデース!》
ボトルを装填し、様々な色の混じったエネルギー弾が形成。そしてそれをサイラオーグに発射。
《アルティメットマッチブレイク!》
「ハッ!」
それはサイラオーグを吹き飛ばし、地面をゴロゴロ転がらせた。
《ラビット!ローズ!フェニックス!消防車!アルティメットマッチデース!アルティメットマッチブレイク!》
「オォ!」
だが戦兎はそこでは手を止めず、再度ボトルを装填してサイラオーグを狙い撃つ。
「ぐぅ!」
サイラオーグは腕を交差させ防御するも、ダメージは明らかだった。
「これでどうだ!」
《タンク!海賊!ウルフ!サメ!アルティメットマッチデース!アルティメットマッチブレイク!》
トドメとばかりに強烈な一撃を撃ち、サイラオーグは爆発の炎の中に消える。すると、
「ん?」
「まだ……終われない!」
サイラオーグは爆炎の中からそう言って駆け出して飛び出すと、戦兎に掴み掛かる。
「くっ!」
その鬼気迫る動きに戦兎は反応が一瞬遅れ、サイラオーグの手が戦兎の顔を掴み、
「負けて……たまるかぁああああああああああ!」
「俺だって同じだぁああああああああああああ!」
戦兎はそう言ってフルボトルバスターを大剣に戻し、サイラオーグの体に刃を押し付けて斬る。その際フルボトルバスターの刃が電動ノコギリのように動き、サイラオーグの体をガリガリと削った。しかしサイラオーグは気にせずもう一方の手で戦兎の体を殴る。
だが戦兎に効果は無く、
「ハァ!」
そのまま圧し斬り、サイラオーグは堪らず後ずさった。そしてそこに戦兎は剣先をサイラオーグの体に当て、鍔本を折ると、今度はベルトからボトルを引き抜いて、半分に折ってあったボトルを戻すとフルボトルバスターに装填。
《フルフルマッチデース!》
するとフルボトルバスターに、青いエネルギーがチャージされ、
《フルフルマッチブレイク!》
「ハァアアアア!!」
青い極太ビーム砲が発射。飲み込まれたサイラオーグは呑み込まれ、それが収まると、
「サイラオーグ・バアル選手リタイア!そしてキングが撃破されたことにより、勝者はリアス・グレモリーチームに決定しましたぁあああああ!」
今回の戦兎の理由はこの話を考え始めた頃からずっと言わせたかった言葉でした。
戦兎はリアスには感謝してるんですよ。龍誠が生きてるのも何だかんだで楽しい部活を出来るのも全部リアスのお陰なのですからね。4章でギャスパーを鍛えてるときにいってた、忠誠心高めって言うのは、あれはマジな話なんです。
なので戦兎は何だかんだ言ってリアス大好き野郎です(異性的なのは皆無)
まぁ戦兎は龍誠が居なきゃボッチ野郎ですし、オカルト研究部関係の知り合いや仲間との時間も結構満喫してるんですよね。だからその為だったら頑張っちゃうんです。
いやぁ、でもこの物語もやっと折り返し地点。総合評価が600越えましたが、まだまだ書きたいことはありますが取り敢えず中間です。と言うわけでこれからも末永くお付き合いくだされば幸いです。