ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「炎磨達との一件も終わり、俺達は平穏を味わっていた」
龍誠「しかしあのときはやばかったよなぁ……」
匙「良いよなぁ。俺もロボ動かしたかったぜ……」
ヴァーリ「俺も出たかった……」
サイラオーグ「折角俺も新衣装用意していたんだがな……」
戦兎「サイラオーグさんの新衣装とか嫌な予感しかしないな……ってな感じの85話スタート!」


第十二章 進級試験とウロボロス
変化


炎磨達との一件から暫く経ったある日リアスは見た。

 

「桐生くん!あ、あの!今彼女がいないなら私と付き合ってください!」

「ごめん。今そういうのを考えれないんだ」

 

別の場所で朱乃は見た。

 

「ねぇ桐生くんさ、映画とか興味ない?知り合いからチケット貰ったんだけど一緒にどうかな?」

「あぁごめん。その日は用事があって」

 

調理実習終わりにアーシア・ゼノヴィア・イリナは聞いた。

 

「ねぇねぇ、折角調理実習でクッキー作ったんだし誰かにあげようよ」

「私は木場きゅんかなぁ」

「私は万丈」

「生徒会の匙くんもいいよね」

「私は……桐生くんにしようかな」

「良いじゃん!今桐生彼女居ないらしいし攻めちゃいなよ」

 

廊下で佑斗は貰った。

 

「あの木場くん。これを桐生くんに渡して欲しいんだけど……き、昨日頑張って書いたんだけど中は読まないでね!」

 

教室でギャスパーは聞かれた。

 

「ねぇギャスパーくんって桐生先輩と仲良いよね?じゃあさ、あの人の好みとか知らない?」

 

そして皆は部室に集まった。

 

(あれ?最近なんか戦兎(くん)(さん)モテてない?)

 

と、誰も口にしてないのに心は一致している。

 

戦兎が良い奴なのも知っている。だが同級生の女子からは距離をおかれる存在だった筈。それが皆の認識だ。

 

だがどうだろう。最近戦兎は女性人気が高い。

 

理由は単純。戦兎が最近落ち着いたからだ。そもそも戦兎が避けられてたのは場所を考えない実験を行い、龍誠とばかりつるんで周りとの交流が少なかったのが大きい。

 

だがリアス達と出会い、そう言った面が鳴りを潜め、更にギャスパーや小猫の面倒を見てたり、生徒会の由良に引っ張られて手伝わされているうちに、彼本来の面倒見の良さとお人好しさが表に出た上に、ギャスパーの勉強を見ていた序でに、その同級生達にも教えてあげていたところ、そこから噂が広がったらしい。戦兎は、結構良いやつなんだと。そして勉強を教えるのがうまい。まぁこれは龍誠を、何気に偏差値が高い駒王学園に合格させた手腕が生きている。

 

それに元々イケメンなので、そうなれば急にモテても仕方ないのかもしれない。そんな中戦兎は部室にやって来て、

 

「ムグムグ……」

「あれ?先輩それどうしたんですか?」

 

入ってきた戦兎は、手にクッキーの入った袋を持っていて、ギャスパーが聞くと、

 

「あぁ、さっきクラスメイトに貰った。何でも今日の調理実習で作ったんだと」

『ングッ!』

 

それを聞いたゼノヴィアとアーシアとイリナ達は、飲んでいたお茶を吹きそうになりつつ耐え、

 

「あ、戦兎くん」

「んー?」

 

これなんだけど……と佑斗に手紙を渡され、

 

「なんだこれ」

「うちのクラスの女の子から」

 

そうかと言ってもラブレター?を貰いながら、戦兎が椅子に座ると隣にいた小猫が、こちらを覗き込んでくる。

 

「どうするんですか?」

「何が?」

 

それです、とラブレター?を指差し、小猫は言うが、

 

「さてね」

 

とだけ戦兎は言って、クッキーの入った袋を差し出す。すると、

 

「っ!」

「あっ!」

 

グィッと袋を小猫は奪い取り、そのままザラザラと全部口に流し込み、全部食ってしまった。

 

「俺まだ3枚しか……ってかお前どんだけ口に放り込んだんだよ。猫又なのにリスみたくなってるぞ」

「……」

 

モゴモゴと小猫は咀嚼して嚥下し、ケフッとしながらお茶を飲む。

 

「おいなに怒ってんだよ」

「別に」

 

小猫は目を背け、素っ気なく答えた。だが戦兎は少し首を傾げると、

 

「おい、お前なんか顔赤くないか?」

「ぴっ!」

 

ぴ?と戦兎が思った瞬間、小猫は突然振り返り、そのまま振り回した手が戦兎の腹部にめり込み、

 

「ふごっ!」

『あ……』

 

見事に鳩尾に決まった戦兎は、そのまま椅子から吹っ飛ばされ、壁にめり込んだ。

 

「な、なんで?」

「せ、先輩すいません!」

 

小猫が慌てつつも、何処か覚束ない足取りで戦兎に近づき、壁から引き剥がす。

 

「ん?なんだ戦兎。お前また小猫ちゃんに余計なこと言ったのか?」

「いや今回はマジで謎……」

 

と、入ってきた龍誠とやり取りをしつつ、小猫に手伝ってもらって壁から脱出し、

 

「お前マジで大丈夫か?幾らなんでもいきなり壁にめり込ますのはお前らしくなさすぎだろ」

「すいません……」

 

流石に今回の件に関しては小猫に非があるので、素直に謝罪。

 

「つうかお前ホントに顔赤いけど大丈夫か?」

「だ、大丈夫ですから」

 

小猫は手を振って大丈夫だと言う。そこに改めて、

 

「オッスお前達元気にしてっか~」

 

と先日逃亡したものの、見事に堕天使幹部で構成された捜索隊に捕縛され、全身包帯グルグル巻きの上にギプスを着けて、松葉杖と一緒に帰って来たアザゼルが入ってきた。

 

「なんだ戦兎。お前も随分ボロボロだけどまた小猫に余計なこと言ったのか?」

「なぁ、なんで俺が悪い前提なんだよ」

 

普段の行いだろ。と戦兎に返しながらアザゼルはリアスを見て、

 

「ロスヴァイセからはどうだ?」

「結構苦戦してるみたいよ」

 

そんな話しをしていた。

 

現在ロスヴァイセは駒王学園にいない。と言っても別に何かあった訳じゃなく、サイラオーグとのレーティングゲームで余り活躍できなかったと感じたらしく、北欧にもどって何やらやっているらしい。リアスも最近色々自主練しているようだし、朱乃も最近父親と連絡を取って何やらやっているし、前回の戦いは各人に思うところが出来たようだ。

 

「ってそうだそうだ。忘れる所だった。おい戦兎・龍誠・木場・朱乃。お前らに重要な話がある」

『はい?』

 

突然のアザゼルの言葉に四人が顔を見ると、少し真面目な顔をしながら、

 

「お前ら四人にな。中級悪魔への昇格の話が来た」

『……はい!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥界の昇格試験は、主に実技と筆記らしい。

 

特に筆記は、冥界や悪魔に関することへのテストと、更にレポートらしい。

 

だがそれが結構大変だ。何せテストは来週。しかも中間テストも控えているため、連日龍誠達が住む豪邸で勉強会である。その中、

 

「ぎぎゃあああああああ!」

「龍誠!?」

 

全身が発光するほどの電流を喰らって、朱乃がギョっとする。

 

「あぁ!大丈夫?龍誠?」

「ら、らいひょうふ……」

 

朱乃が心配して覗き込んでくるが、龍誠は大丈夫だといって勉強を再開。そんな様子を見ていたリアスは、

 

「壮絶ね……」

 

と心配しながら呟いた。

 

現在龍誠は頭にヘッドギアと両手足にも機械をつけて勉強中。これは戦兎が作った機械で、名前は【合格君】と言う。

 

常に手と足のツボを刺激し、眠気を起こさせないようにする。だがそれでも寝ようとしたり、他の事に気を取られたりすると、手足の滅茶苦茶痛いツボの刺激に加え、頭のヘッドギアから電流が流れて強引に叩き起こすと言うとんでもアイテム。因みにヘッドギアからは常に暗記しなければならない単語を常に流し続けている。

 

余談だが、この電撃機能をカットしたヴァージョンのは、戦兎が内職で売ってて結構人気があったり。

 

「カクカクシカジカ……」

 

ぶつぶつ言いながら龍誠がやっていると佑斗が、

 

「龍誠君大変だね」

「いやこれでもレイヴェルのお陰でスケジュール調整できてるから大分楽だよ」

 

悪魔とは言え不眠不休は堪える。なので最近は彼女からマネージャーのようなことをしてもらっており、勉強のスケジュール管理をお願いしている。

 

最初は断ろうとしたが、レイヴェルにとっては案外楽しいらしく、先日改めて昇格試験の話をしに来たサーゼクスからもお願いされていた。

 

「つうか普段からコツコツやっておかねぇからこうなるんだよ。まぁ昇格の話が突然ではあったが、普段からやっておけば慌てて中間テストの勉強も合わせてやることもないし……」

「わかった!説教は全部終わったら聞くから!」

 

龍誠は、戦兎からの説教を聞こえない聞こえないと言いつつ、黙々と勉強を進めていると、

 

「龍誠様。一度休憩をいれましょう」

「あ、そうだな」

 

そんな中、レイヴェルがケーキとお茶を持ってきてくれる。 彼女はこうして適度に息抜きも入れてくれる。だが、

 

「ぎゃああああああああ!」

「やっべ!スイッチ切るの忘れてた」

『あ……』

 

ケーキに気を取られ、痛いツボ押し&電撃を喰らった龍誠の絶叫が響き、

 

「あれ?そう言えば塔城は……」

「何か具合が悪いらしくてね。さっきまではいたんだけどこの屋敷の部屋に戻っていったわ」

 

電源を落とし、【合格君】を龍誠から外した戦兎は、ふと周りを見回して言うと、リアスが教えてくれた。

 

「そう言えば最近様子おかしかったですしね」

「えぇ、あとで少し様子を見に行ってあげましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近体がおかしい。

 

常に熱を持ち、動悸が収まらない。息が荒くなり、下腹部が疼く。

 

体をうつ伏せにし、猫耳と尻尾が出っぱなしなのも気にせず、ベットに体を預けながらモゾモゾと動く。

 

「せんと……せんぱい」

 

戦兎の顔を思い出すだけで切なくなる。

 

戦兎が女子に告白されてる姿を見たとき、胸が張り裂けそうな気持ちになった。映画に誘われてるのを見て苛々し、クッキーを貰っててそれを結構美味しそうに食べててそれくらい自分でもって思い、ラブレターを貰ってたときは思わず破りたくなったし、戦兎の事を聞かれても絶対教えたくなかった。戦兎の事は自分だけがわかってれば良い。

 

「せんとせんぱい……せんとせんぱい」

 

戦兎が恋しくてたまらない。抱き締めて抱き締められて、匂いを嗅いで舐めて、そして……

 

「呼んだか?」

「っ!」

 

小猫はビクゥ!と体を強張らせ、掛けていた布団を慌てて頭から被った。

 

「おいおい、そんなお化け見たみたいな反応はなんだよ。つうかどうした?耳と尻尾出たままだぞ?」

「……」

 

布団の中から覗いてくる小猫に、戦兎は文句を言いつつ、

 

「大丈夫か?最近調子が悪そうだけど」

「平気ですよ」

 

小猫は素っ気なく答える。非常に不味い。近くにいるだけで冷静じゃ無くなっていく。

 

「少し捲るぞ」

 

と言って布団を戦兎は捲ると、額に手を当てる。

 

「少し熱っぽいかな?」

「あっ……」

 

小猫の漏らした艶っぽい声に、戦兎は驚きながら手を離した。

 

「お、おいホントに大丈夫か?」

 

戦兎も流石に心配しだすが、小猫はぼんやりと戦兎を見て、

 

「せんぱい……」

「え?うぉ!」

 

小猫はニュッと手を伸ばし、戦兎の襟を掴むとそのまま引っ張って引き倒すと、そのまま上に乗った。

 

「ハァ、せんぱい……」

「と、塔城さん?」

 

ハァハァと息を荒くした小猫は、完全に何かが崩れていく。

そして思わず戦兎は小猫に対して敬語になってしまう。何と言うか……肉食動物に追い詰められた草食動物の気分だった。

 

「せんぱい……せつないです」

「お、おい塔城!?バカ!何処触ってんだ!脱がそうとすんな!」

 

服を剥かれそうになり、戦兎は慌てて袖からスタンガンを出し、

 

「サンダーボルいでででででで!」

「邪魔です」

 

腕を掴んで止めた小猫は、腕を握りしめながら押さえ込むと、そのまま戦兎の服を剥いていって、あっという間に上半身を裸にする。

 

「せんぱい……ペロォ」

「うひぃ!」

 

胸や首を猫特有のざらついた舌で舐められ、戦兎は変な悲鳴を上げた。

 

「ちゅ、ぺろ、しぇんぱい」

「おいとうじょ……う!や、やめろ!」

 

必死に抵抗するが、ルークのパワーに勝てるわけもなく、小猫は何と上の服を脱いで、小猫の柔肌が露わになる。

 

そのまま小猫は体を重ねると、小さくとも柔らかな胸の弾力を感じて、戦兎も自分の何かが壊れていくのを感じたが、

 

「は、離れろ!一回落ち着け!なぁ!?」

「落ち着いてますよ?せんぱいこそ、興奮してます?」

 

何時も子供とかチビとか言うくせに、と小猫は艶やかな笑みを浮かべる。ゾクゾクするほど綺麗な笑みだ。

 

「ねぇせんぱい……わたしもう限界です。もう切なくて、恋しくて」

 

そう言って小猫は、グリグリと腰を戦兎の上で擦り付け、スカートの裾を持ち上げると、

 

「ぶっ!」

 

戦兎は驚愕した。何せ小猫はスカートの下に何も履いてない。つまりまぁ、見事にもろ見えしたわけで……因みにその時気付いたが、さっきまでスカートの下に履いてたと思われる布地は暴れて布団を吹っ飛ばした際にベットの上に落っこちていた。いつの間に脱いだんだろうか?

 

「わたし、せんぱいとならできますから、だから……」

「ば、ばか落ち着け塔城。そう言うのはちゃんと好き合った者同士でするもんだ。なによりお前目が逝ってるぞ!?」

 

ジタバタ暴れ、抵抗するが小猫には効果なく、小猫は顔をゆっくりと戦兎に近づけながら、

 

「先輩が悪いんです。私の気持ちに気づかないから……」

「塔城?」

 

鼻先同士がくっつきそうなほど近づけ、小猫は戦兎の目を覗き込み、

 

「大丈夫です。初めてですけど優しくしますから」

「それは女が言う台詞じゃねぇ」

「言えば止まりますから」

「もう既に止まってねぇ」

「天井のシミを数えててください」

「それも女が言う台詞じゃねぇんだよ」

 

そんな中、ガチャリと扉が開かれ、戦兎はギョッとしながらその方を見る。そこに立っていたのはリアスで、彼女も少し目を丸くしながら、

 

「邪魔したわね」

 

パタンと扉を閉めてしまう。

 

「違う!部長!ヘールプ!俺の貞操のピンチです!」

 

その光景を見て、戦兎は割りとガチの助けを求めると、すぐにまた扉は開かれ、

 

「冗談よ」

 

と言って部屋に入ってくると、小猫の額や胸にお腹にも手を当て、

 

「んにゃ……」

「わかったんですか?」

 

成程とため息を吐くリアスに、戦兎が聞くと、

 

「取り敢えず一旦戦兎は服を着なさい」

「あ、はい」

 

言われるがままに服を着て、

 

「それから医者に連絡よ。転生悪魔の診察を専門にする人がいるからね」

「え?塔城病気なんですか?」

 

厳密には違うわ。そうリアスは言いつつも、

 

「でもある意味病気以上に厄介かもね」




多分このシリーズで一番えっちぃ描写した気がする……しかし小猫はうつ伏せでモジモジしたりパンツはいてなかったりどうしたんだろうね!僕子供だから分かんないや!分かるのはその辺を掘り下げると怒られるって事くらいだからね!

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