ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

ヴァーリ「さぁようやく俺も参戦!もうこれからは俺とみーたんのラブコメとか拐われたみーたんを救い出す冒険活劇とかが満載の【魔王の末裔、ドルオタになって推しと付き合うってよ】が始まっちゃうやつかなぁ!」
戦兎「安心しろ。そんなアホみたいな話は一生始まらねぇからよ」
ヴァーリ「え?」
匙「そうだそうだ!それだったら主従の関係を越えた俺と会長のラブロマンスの方が先だろ!」
戦兎「ごめん。主従のラブロマンスは龍誠と部長で消化済みなのでお前の枠ないわ」
匙「なにぃ!?」
龍誠「とまぁこんな感じで今日もやっていく87話スタート」


眼中にありませんか?

「ん?」

 

オーフィスの来訪から次の日。戦兎は、学校か帰ると早速新たな龍誠の強化アイテム作りに勤しんでいた。

 

オーフィスには聞くと割りとあっさり協力を了承してくれて、お陰で研究自体はさくさく進んでいる。勉強と平行してやっているので、割りと寝る時間がない。まぁ悪魔になってからは多少の睡眠不足程度では何とも無いので適度に仮眠を取りつつやっている。

 

しかし最近ドッと疲れる。それは小猫のことだ。学校内では自重してくれる(と言うか学校では会わないようにしている)が、それ以外では常にベッタリ。

 

別に嫌ではない。だが疲れる。特に周りの生暖かい目が。

 

なので今日も勉強と龍誠の強化アイテム制作があるからと言って、小猫から逃げて来たのだが、少し龍誠にも来て貰わなくてはならなくなったので、龍誠の屋敷に来たのだが、部屋の中から声がした。

 

その部屋は小猫の部屋で、発情期もあり一人にしておくのは危険と判断されて、現在はこの屋敷に一時的に住んでいるのだが、その中から小猫以外に聞き覚えのある声が……

 

「おい黒歌!何してやがる!」

「んにゃ?」

 

バン!と扉を開け、戦兎は中に入ると、そこには黒歌と小猫が居た。

 

「お前言っただろ!こっちの家には入るなって!」

 

主に小猫の今の状態的に、黒歌は色んな意味で悪い影響しかなさそうだ。と言う判断で、基本的黒歌は(と言うかヴァーリチームは)戦兎の自宅に住んでいる。お陰で黒歌には冷蔵庫のスイーツを食われるわ、オカズを横からかっさらわれるわで、そりゃも大変なのだ。

 

まぁ悪いことだけじゃなく、初めてあった女の子で、名前はルフェイと言うのだが、彼女は冥界でやっているビルドのファンらしく、サインをねだられたりした。快く応じたが……

 

その中黒歌はニタニタ笑い、

 

「だってぇ、ヴァーリから白音が妙な様子だったって言うからどう言うことか聞いてみたのよ。それで多分そうかなって思ったら案の定発情期来てるし?折角だからアドバイスでもしてあげよっかなって」

「アドバイスじゃなくてからかいの間違いじゃないのか?」

 

戦兎はそう言って黒歌を小猫から離す。

 

「黒歌、言ったはずだぞ?今は塔城に余計なちょっかいを出すなって」

「にゃはは。何いってんのよ。私は白音の事を思ってるわよ?」

 

黒歌がそう言うと共に、戦兎の背中に衝撃が走り、

 

「せんぱい……」

 

姉さまとばかり話さないでください。と小猫は戦兎に抱きつく。

 

「お、おい塔城!?何いってんだ?」

「姉さまは名前で呼ぶのに私は名字だし、先輩は私を見てくれない。私は先輩になら何されても良いのに……先輩が望むなら何でもしますから」

 

艶っぽい息づかいと濡れた瞳。蒸気した赤い頬に、戦兎は思わず生唾を飲んだ。

 

「お、落ち着け塔城。今のお前は普通じゃない。だ、だからな?一旦まずは離れようぜ?」

「嫌です。もうこうなったら……」

 

突如グン!っと引っ張られ、戦兎はそのまま床に押し倒される。

 

「既成事実しかありません」

「待て待て待て!ホントマジで止まれ塔城!これ以上は洒落にならない!」

 

いつだって私は本気です。でも冗談だって思われてたなら……行動で示すしかないですね、と塔城は服を脱ぎ捨てて、戦兎に体を擦り寄せてくる。

 

「にゃあ……先輩の匂い。興奮します」

「うっ!」

 

カミっと首を甘噛みし、そのまま軽く吸い上げて来た。

 

「これで私のもの」

 

マーキングのつもりだろうか?良く分からんが、小猫はそのまま戦兎のベルトを外し始める。

 

「って何してんだおい!ば、ばか!ズボン脱がせようとするな!」

「脱がせないとできませんから」

 

何をする気だ!と戦兎は暴れるが、ガッチリとロックされ、戦兎は身動きが取れない。

 

「私初めてですけど、ちっちゃくても戦兎先輩のを受け入れて見せますから」

「くそ、ホントに……やめろ!」

 

戦兎は割りと本気で拒絶する。だが小猫は、

 

「私が……嫌いですか?」

「え?」

 

ポロリと小猫の眼から涙がこぼれる。

 

「私は先輩の事を思うとこんなに胸が痛いのに……苦しくて悲しくて、辛いのに。先輩は私を少しも見てくれない。私は、そんなに眼中にありませんか?」

「それは……」

 

戦兎は思わず口ごもる。どう答えるべきか……何を答えれば良いのだろうか。

 

そう思った瞬間、

 

「はい、そこまで」

「え?」

 

トンっと黒歌が小猫の首を撫でると、そのまま小猫はカクンと力を失い、そのまま気を失ってしまった。

 

お前何かしたのか?と戦兎が問うと、命の心配はないから安心しなさいなと黒歌は言いつつ、

 

「んじゃ、また後でね~」

「あ、おい!」

 

黒歌は戦兎の制止を無視して、そのまま部屋を出ていく。すると、

 

「うぅ……」

「ん?起きたか」

 

ムクリと体を起こし、ぼんやりと戦兎を見た。その様子に、

 

「私……発情期で」

「ん?」

(様子が元に戻ってる?)

 

戦兎が少し疑問符を浮かべてる中、寝ぼけた頭に活を入れ、小猫は少しずつ思い出していく。その結果、

 

「っ!」

 

ボフン!と、小猫は顔から水蒸気の噴火でも起きそうな勢いで赤面した。

 

「あ、あの……その」

「もしかしてお前……発情期収まった?」

 

コクリと、小猫は頷き戦兎は苦笑いを浮かべると、

 

「あぁ~。あれだ。普通の状態じゃなかったんだ。俺も犬に噛まれたと思って気にしないでおくから」

「それはそれで嫌ですけど……」

 

ボソッと何か言うので、戦兎は首をかしげつつ、

 

「あとまぁ……塔城。せめて服くらいはちゃんと着てくれ」

「え?」

 

目をパチクリと瞬きさせ、小猫はゆっくりと自分の格好を確認。そして今のあられもない格好を自覚し、

 

「っ!」

 

バッと両腕で隠す。正直今さら隠しても、全部丸見えしたあとなので、意味など無いのだが。

 

「取り敢えず出るから退いてくれないか?」

「は、はい」

 

小猫は戦兎の上から降りると、戦兎も体を伸ばしながら立ち上がる。

 

「ま、取り敢えずお互い取り返しのつかない自体になるのは避けられたんだし良いんじゃね?」

「はい……」

 

いっそなっていた方がよかったかもしれない。小猫にそんな思いがよぎるものの、戦兎は笑って、

 

「んじゃ、また明日な」

 

と、言って今度こそ部屋から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ……」

 

カチャカチャとパソコンのキーボードを叩き、ガラガラと椅子に座ったまま滑って、機械を組み立ててエンプティ

ボトルを挿す。そこに、

 

「ヤッホー」

「……」

 

さっきまで小猫のところにいた黒歌が、アイスを片手に入ってきた。

 

「さっきまで万丈 龍誠?もいたけど帰ったの?」

「あぁ、アイツには少し来て貰うだけで十分だったからな」

 

戦兎はそう言って組み立てを続ける。だが、

 

「もう何怒ってんのよ」

「っ!」

 

黒歌にいきなり背中に抱き付かれ、戦兎はドライバーを落とす。

 

「お前どういうつもりだ?」

「んー?お礼?」

 

なに?と戦兎が聞くと、

 

「ほら、白音が迫っても手を出さなかったじゃない?それとも白音に魅力感じなかった?だとしたら一発殴らせなさいよ」

「アホか。発情期何て言う特殊な状態の相手に変なことするかよ。そもそも下手に手を出せば相手の命に関わるってのにな」

 

戦兎はため息を吐いてから言い、黒歌はピュ~っと口笛を吹いて、

 

「あんたって結構良いやつよね」

「俺は最初から良いやつだよ」

どうだかね~。と黒歌は言いながらアイスを舐める。ねっとりと舌を這わせ、扇情的な食べ方だ。黒歌がやるとこれまた様になり、戦兎は思わず横目でそれを見ていた。

 

「へぇ?結構ちゃんと男なのね」

「うっ」

 

黒歌は少し前屈み気味の戦兎を抱きついたまま見て笑い、戦兎はバツが悪そうな顔をする。

 

「ま、別に良いんだけどね。じゃあほら、私とヤっちゃおうか」

「……は?」

 

黒歌の突然の提案に、戦兎はポカンと返す。すると、

 

「言ったでしょ?お礼に来たって。白音に迫られて色々溜まったでしょ?だから私で発散させてあげる。私だったら白音と違ってヤっても大丈夫だし色々サービスできるわよ?」

 

ムニュっと当ててくる胸の柔らかさに、戦兎は思わず生唾を呑むものの、

 

「やめとく。お前相手だと何企んでんのか分かったもんじゃねぇからな」

「何も企んでないわよ?ただ単に白音から寝取るってのも、興奮するじゃない?それにあんた童貞だし?」

「まず俺と塔城は寝取る寝取られるどうこうの間柄じゃない。そして童貞なのは余計なお世話だ。最近コクられる事も出てきたけど、元々俺はモテなかったんだからな。何時だってモテるのは龍誠の方だったよ」

 

顔は良いのにねぇ。と黒歌は戦兎の顔を覗き込む。

 

(コイツ睫毛なげぇな)

 

そう戦兎は思いながら組み立てを続けるが、

 

「うん。あんたの方が私は好みだわ」

「なにが?」

 

顔と黒歌は言いながら耳元で囁く。

 

「あんたは結構妖怪受けする顔立ちしてるしね」

「どんな顔だよ」

 

ちょっとムッツリそうなとことか?黒歌はそう言いながら首に腕を回してくる。

 

「まぁ変身ありきとは言え腕っぷしも強いし?性格も良くて顔も良し。うん、いけるわね」

「俺の意思を尊重しろ」

 

嫌なの?そう黒歌は言いながら、胸を更に押し付けてくる。だが、

 

「いや……とは言わんがそれでもやめとくよ。そう言うのはやっぱり好き合ってるもの同士がやる行為だからな」

「これまお堅いこと」

 

ほっとけ、と戦兎は少しやさぐれたような言い方をしつつ、

 

「というか黒歌」

「なぁに?」

 

ありがとな。そう戦兎が言うと、黒歌は目をパチクリとさせ、いきなり何?と首を傾げた。

 

「お前さっき塔城の発情期止めてくれただろ?お陰で楽そうになってた」

「あぁそれ?だって仕方ないでしょ?まだ白音は自分で発情期をコントロール出来ないからね。まだ暫く自然に収まるまで掛かりそうだったし、面白いのも見れたからあれ以上はね。ただでさえ猫魈は絶滅危惧種なんだから大事にしていかないと」

 

て言うかああなったのはあんたの責任でもあんだからね~。そう黒歌が言って戦兎はなんのこっちゃと返す。

 

すると、

 

『ん?』

 

ビー!とパソコンがアラートを鳴らして、それと同時に、

 

「うわ!」

「きゃ!」

 

ボン!とパソコンやあっちっこっちの機械が爆発し、最終的に戦兎が弄っていた機械とエンプティフルボトルにエネルギーが集中すると、それも大爆発。

 

二人はそれにより後方に吹き飛ばされた。

 

「ちょっと……」

「すまん」

 

二人仲良く黒こげになり、黒歌に睨まれて戦兎は視線をそらす。すると机の上の物体に気づき、

 

「これは……」

 

と言って近づくと、机の上には岩石の塊に、フルボトルが挿さったような物が置ちていて、

 

「オーフィスの力が一気に入り込んだことで暴発したのか。あっつ!」

 

手にとったが余りの熱さに戦兎は悲鳴を上げながら落として呟く。

 

「とにかく、第一段階は完成……かな?」




シャイニングアサルトホッパー……カッコいい。

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