ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦「部長の婚約を破棄させるため、レーティングゲームに望むことになった俺達は特訓に励むことに」
龍「みてろよぉ……あの焼鳥野郎後悔させたる!」
戦「まあ残念ながら今回はそれできないんだけどねってことで気になる第9話スタート!」


特訓

「おぉおおおおお!」

「はぁあああああ!」

 

龍誠の拳と、祐斗の木刀が交差する。

 

さて、現在龍誠達はグレモリー家が所有する山にて特訓を行っていた。

 

特訓と言っても個人個人で行われることは違い、龍誠は毎日筋トレや魔力の使い方、後は毎日祐斗や小猫と組手を行っていた。

 

しかしこれが意外ときつい。もう5日経つが戦って改めて知ったが祐斗も小猫も出鱈目に強い。

 

祐斗は普通に飛びかかっても速さに追い付けないし、小猫は正面からにつかみ合いになると負けそうになる。まぁこっちも昇格(プロモーション)で対抗はできるんだけど、それでも特性の使い方に関しては一日の長があるから結構キツイ。

 

「って言うけど君も大概だからね?」

「あ?」

 

ゼィゼィ言いながら荒く息を吐いていた龍誠に、汗を掻きながら言ってきたのは祐斗だ。

 

「正直まともに喰らったら命に関わりそうだから逃げながらチョイチョイ攻撃していくしかないよ。何の闘技やってたの?」

「システマって言う奴を少しな」

 

息を整え龍誠は立ち上がると、アーシアが水を持ってきてくれた。すると、

 

「あ、いたいた」

「戦兎?」

 

バイクから降りながらヘルメットを外したのは戦兎だ。彼は今まで少し別行動をしており、今合流となったのだ。

 

理由は単純。前回龍誠にベストマッチを見つけられた戦兎は、こうにゃら新装備じゃぁあああああああ!っと言って研究所に籠ってしまったのだ。

 

部長も、まぁ戦兎の場合はビルドの強化が戦闘力に直結するからねと言って別行動し今合流したという話だったんだけど、確かにでかいバックを背負って居るし恐らくあの中か?

 

「完成したの?」

「はい!」

 

そう言って戦兎が背中に背負っていたバックから取り出したのは弓型の武器で、水色の装飾がされている。

 

「名付けてカイゾクハッシャー!遠距離用の武器で攻撃方法は四つ。ひとつは各駅電車!」

「きゃ!」

「続いて急行電車!」

「あらあら」

「快速電車!」

「うわっ!」

「海賊電車!」

「危ないです……」

 

と、テンションが上がりまくった挙げ句、ブンブン振り回し始めた戦兎のカイゾクハッシャーをリアス達が避けるのを見ながら龍誠はため息を吐く。だが、

 

「さて、完成したもは良いけどまだ試してないんだよな」

「……」

 

嫌な予感。そう思いながら龍誠はソッとその場を後にしようとしたのだが、

 

「おいおい龍誠。どこに行くんだよ」

「戦兎?お前こそなんでベルトつけて海賊フルボトルと電車フルボトルだしてんだ?」

 

そりゃ当然。と言いながら戦兎はにっこり笑う。

 

「試し撃ちじゃぁああああああ!」

「ですよねぇええええええええ!」

 

こうして、龍誠は祐斗と戦ってボロボロの体で元気一杯の戦兎から逃げると言う無理ゲーを敢行することになった。

 

「止めなくて良いんですか?」

「二人とも良い走り込みになりそうだし良いんじゃないかしら?」

 

そう言って助ける気がなさそうなリアスに龍誠も思わず叫ぶ。

 

「部長の鬼!悪魔ぁあああああああ!」

「鬼ではないけど確かに悪魔ではあるわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつつ、戦兎の野郎遠慮なくやりやがって……いつかギャフンと言わせてやる」

 

戦兎と地獄の鬼ごっこやった日の夜。龍誠は全身に湿布を貼った体でグレモリー家が所有する山にあるロッジの廊下を歩いていた。しかしこのロッジ広すぎて迷いそうなんだが。

 

「あら龍誠。夜遅くにどうしたの?」

「いやちょっと寝れなくて……部長こそどうされたんですか?」

 

ちょっとレーティングゲームの戦術について勉強をね。と彼女は言いながら部屋に招き入れてくれる。

 

「紅茶で良いかしら?」

「あ、ご丁寧にどうも」

 

龍誠はリアスの手からカップを受け取りながら彼女に視線を向けた。

 

「レーティングゲームの戦術でしたっけ?」

「えぇ、でもライザーを相手にするには気休め程度にしかならないでしょうね」

 

そうなんですか?と龍誠が聞くとリアスが頷く。

 

「フェニックスは不死身よ。どれ程の傷を与えても炎と共に復活する。事実上ライザーは公式戦でのレーティングゲームでは家の都合でわざと負けたのを除けば無敗よ」

「いやそれ反則じゃないですか!」

 

そうね……とリアスは言う。だがそれに続けて倒す方法もあるわと言った。

 

「フェニックスの再生にも限界はある。だから魔王クラスの一撃で吹き飛ばすか、心が折れるまで倒し続けるか。この二つよ」

 

どっちにしろ大変そうだなぁ。と龍誠はため息を吐く。それには同感ねとリアスは頷きながら、

 

「でもごめんなさいね。私の我が儘に付き合わせちゃって」

「我が儘?」

「ほら、私が結婚したくないからこうなったわけだし」

 

あぁ、と龍誠は納得する。そう言うことか、

 

「良いんですけど。何で嫌なんですか?いやまぁアイツチャラいし他の女にも手を出しまくっててロクな奴じゃなさそうですけど……」

 

龍誠のそんな言葉にリアスはクスリと笑いながら少し遠くをみるような眼をすると、

 

「私はね。ただのリアスとして愛してくれる人と結婚したいの。でもライザーは私をグレモリーのリアスとしてみるわ。勿論いずれ私はグレモリーの家を継ぐし相応に自由はなくなる。別にそれをいやとは思わない。でも結婚だけは本当の私を愛してくれる人としたいのよ」

 

そう言うリアスに龍誠は成程と頷く。こうやって聞くと結構彼女は普通の女の子っぽい感性も持ち合わせているようだ。いや普通のことか。なにせ悪魔とは言え自分と年齢は然程変わりはしないのだから。

 

「そう言えば龍誠って好きな子が居るって言ってたわよね?どんな子なの?告白とかしないの?」

「……」

 

彼女に悪気はない。と言うか知らないのだからこういう風に聞いてきても何も不思議はない。とはいえ誤魔化せる状況じゃないしな。

 

「もうできないんですよ」

 

まぁ部長になら良いかと思いながら言うとリアスは首を傾げる。そんな彼女の顔を見ながら、

 

「その子はもう死んでしまいましたから」

「っ!」

 

龍誠の言葉にリアスは表情を凍りつかせた。だが龍誠は落ち着いた顔で言葉を進める。

 

「小倉 香澄って言う子でしてね。出会ったのは中学の時。クラスが同じになったのは2年の時で席が近くて班分けの時によく一緒になりまして。まぁ初恋って奴です。んでまぁ必死に話し掛けましたよ。そして何となく良い雰囲気になってそろそろ告白するかって思いながら一緒に帰ってました。あ、戦兎は空気読んで別行動でしたがね?そんでよし言おう!ってちょっと人通りの少ない路地に入ったら人とすれ違いまして。そしたら……」

 

ズブッて言う音がしましてね。そう言う龍誠にリアスは何を言っているのか分からなかった。一体なんの話なのだ?と言う状態だ。

 

「そいつ俺らを狙った通り魔だったんですよ。理由は後で手紙みたいなのが出てきて知ったんですが【幸せそうなのが気に入らなかった】らしいです。俺達ほぼ毎日同じルートで帰ってましたから。んで家から包丁持ち出して香澄をぶっ刺したんだそうです。そのあと俺の方にも包丁向けてきたんですけどそのあと辺りから記憶が曖昧になってきて気が付いたら顔がグチャグチャに変形した犯人と近所で騒ぎを聞いた人からの警察に犯人から引き離された俺がいたって訳です。後で聞いたら馬乗りになって一心不乱に殴り付けてたそうです」

 

そのあともあんまり覚えてないんですよね。警察に事情聞かれて俺が未成年だし相手は刃物持ってたんで罪には問われませんでしたがその時に香澄は……と龍誠は一度切る。

 

「香澄の父親に言われました。何ですぐに警察を呼ばなかったと。犯人を殴る前に呼べばよかったと。そもそも何でお前が生きてるんだ。どうせ死んだって悲しむ家族もいないくせにってね」

「龍誠……」

 

聞いた話では内臓まで達してた上に傷口から包丁を引き抜かれてたので出血多量もあり恐らくすぐ救急車を呼んだとしても助からなかったらしいが、それでもきっと娘を失った父親はifを願うだろう。

 

俺だって何で俺じゃなくて香澄から刺したんだって思う。

 

「戦兎とバカやってるときふと思うんです。俺ってこんな楽しい思いして良いのかなって」

「龍誠」

「アーシア助けようとしたときだって色々言いましたけどほんとはまた何もできないままなのが嫌だっただけなんです。全然かっこいい理由なんかじゃない。俺のためだったんです」

「龍誠!」

「今でも夢に見る、刺さる景色。俺は何もできなくてただ見てるだけのカカシで」

「龍誠!!!」

 

パン!っと両頬を挟むようなビンタでリアスは強引に龍誠を自分の方を見させると龍誠は少し黙るが、最後に力の無い笑みを浮かべ、

 

「俺はだからもう誰かを好きになったりできないんです。また誰かを好きになって辛い思いをしたくない。何より俺はもうそんな資格なんてありません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、いっちょやりますか!」

 

一方その頃。戦兎は外で一人変身をすると、息を吐き……

 

昇格(プロモーション)。クイーン!」

 

そう叫んだ次の瞬間、戦兎の全身に電流が走り変身が強制解除されてしまう。

 

「ダメか……」

 

地面に転がりながら、戦兎は大きなため息を吐いていると、

 

「お疲れ様です」

「塔城?」

 

慌てて戦兎は起き上がりながら声の方を見ると、そこには小猫が立っていた。

 

「なにしてるんですか?」

「あぁ、ちょっとした実験をな」

 

そう言いながら戦兎は立ち上がると埃を払う。

 

「どうも変身状態で昇格(プロモーション)が行え無いんだよ。なんでか拒絶反応が出ちゃってさ。全部試してみてたんだけどダメ」

 

どうしたもんかなぁと戦兎は腕を組ながら考えていると、小猫が首を傾げる。

 

「そもそもなぜ拒絶反応が起きるのでしょう?」

「多分昇格(プロモーション)を行った際に急激な変化が起きるからかな。待てよ、ならビルドの方をそれに対応させれば……ビジョップ、ナイト、ルークなら変化は限定的だから」

 

ブツブツ言いながら考え込むと戦兎の髪の毛がピョコン!と逆立つ。

 

「良いぞ良いぞ!良いアイディアが浮かんできた!」

「アイディアですか?」

「そう!ビルドの強化アイテム!俺の変化にビルドが耐えられないなら耐えられるビルドにすれば良い!簡単なことだったんだよ!ありがとな塔城!」

 

流石にライザー戦には間に合いそうにないが、レーティングゲームが終わったら早速研究しようと決めて座ると、ドライバーを置いてフルボトルを出す。

 

「今度はどうしたんですか?」

昇格(プロモーション)はいいからライザー戦までに他にもいくつかベストマッチを見つけようかと思ってさ。やっぱりベストマッチが俺の強さの肝だからな」

《タートル!ロボ!》

「あぁもう!なんだって俺はこういう運がねぇかなぁ……」

 

個数は決まってるしベストマッチになったやつは他のボトルとベストマッチになることはないので、しらみつぶしでやっていけばその内見つかるとはいえ数が如何せん多いので結構面倒なのだ。

 

すると小猫はフルボトルを一つとって、

 

「そう言えば何でビルドってボトルを二本使うんですか?」

「初期の構想段階では一本だったらしい。そのあと二本の方が汎用性が高いって言うこととベストマッチが判明して二本になったらしい。父さんの研究データによればな」

 

と言うか最初は有機物系のボトルしかなかったし。と言うと小猫はどういうことですか?と聞いてくるので答える。

 

「元々俺の神器(セイクリットギア)である瓶詰め(ボトルチャージ)は空のボトルを作ってそれに何でもかんでも吸い込んで閉じ込めたり出したりする能力らしいんだけど小さい頃それやってたんだよ。んで自慢げに父さんに見せて驚かれて科学に応用できないかって言うことで研究を重ねた結果、俺のイメージからボトルを作り出すことに成功した。それがこの有機物系のボトルだ」

「イメージから?」

「そう。特別な機械にこのバングルとか繋げて有機物をイメージするとあら不思議。その生き物に因んだ力を持ったボトルが完成するって訳だ。だから厳密に言うと瓶詰め(ボトルチャージ)の正しい使い方によって作られたボトルじゃない。あくまでも俺のイメージから作られた生き物の力が入ったボトルなんだ。と言うかウサギとか亀ならともかくフェニックスだのって普通に生活してた俺には縁のない生き物だしな。閉じ込めたり出来るわけがねぇ」

 

じゃあこの戦車とかも同じように作ったんですか?と小猫は更に尋ねてくる。

 

「ああ。でも違う所もあってこれは父さんが俺の神器(セイクリットギア)を介してイメージして作ったんだ。父さんはビルドを誰かのために使う道具にしたかった。でも誰かのために使うときって言うのは戦わなくてはならないときもある。だから相手を倒す兵器の力も使えるように父さんが30本ボトルを作った。あ、俺が作ったのは29本しかなかったんだけどね。まぁそれでも父さんも途中で思い付かなくなったのか消しゴムだのコミックだのと変なのもあるけどさ」

 

それでその後さっき言ったように二本同時なら汎用性も広がるしって言うんで、有機物同士は無理でも有機物と無機物なら組み合わせられ、しかも特定の組み合わせで通常よりも高い力を発揮するベストマッチも見つかりビルドはどんどん進化していった。それがビルド誕生までの道って言う奴だ。

 

「因みに有機物最後の30本目のボトルは龍誠のイメージから作ったドラゴンフルボトルな」

「30本1セットが2つで合計60本がフルボトルの全てなんですね」

 

そう言うこと。と言いながら戦兎はラビットフルボトルを持ちながら笑みを浮かべる。それを見ながら小猫が、

 

「戦兎先輩はビルドの話をするときすごく楽しそうですね」

「まぁ……父さんとの絆みたいなものだからね」

 

自分のイメージで作ったボトルと父のイメージで作ったボトルで変身する。勝手かもしれないけどそれは何処かへ居なくなってしまった父と繋がる唯一の方法な感じがしてしまう。

 

「お父さんが大好きなんですね」

「大好きって言うか憧れって感じかな。

いつも科学を人のために使えることを考えてた。理想はいつもLOVE&PEACEだって言ってな」

 

愛と平和のために。それが科学の基礎だって耳にタコが出来るほど言われた。今ならただかっこいいだけじゃなくてあまっちょろい言い分なのは分かってるけど。それでも父はいつも真剣な眼差しだったのを覚えている。

 

「だから正義の味方に憧れてるんですね」

「ぶっ!」

 

突然の小猫からの不意打ちに戦兎は吹きながらどこでそれを!?と聞いた。

 

「龍誠先輩が戦兎先輩は今でも正義の味方ってやつに憧れてる可愛い奴なんだって」

「あの野郎……」

 

明日もっと痛めつけたろかと思いつつ不貞腐れると珍しく小猫が笑う。

 

「ん?」

「いえ、こうしてみると確かに戦兎先輩は残念だなと」

 

残念?と戦兎は首を傾げた。すると小猫が、

 

「戦兎先輩は一年でも有名ですから。イケメンで運動神経抜群で頭脳明晰で」

「ふふーん」

「二年生で一番の変人だと」

「なんだと!?」

 

最初はよかったのに最後で突き落とされた気分だ。それに対して小猫は更に続ける。

 

「教室で謎の発明品を起動させて爆発させること数十回で龍誠先輩相手に実験して騒ぎにしたりナルシストで口が悪くて残念すぎる先輩だって、私のクラスでも有名ですよ?」

「さいっあくだぁ!」

 

戦兎の叫びは夜の山にどこまでも響いていったのだが、それを知るものは居ない。

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