ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「兵藤 一誠の襲撃により、閉じ込められた俺達。しかも俺は兵藤 一誠により白龍皇の毒を受けてしまう」
龍誠「つうかあいつなんでもありすぎだろ!勝てんのかよ!」
匙「作者曰く、めっちゃてんこ盛りにしてるけど自分なりにちゃんと着地させられる予定らしいぞ」
ヴァーリ「まぁ予定は未定……って言うけどな」
サイラオーグ「そもそも作者って誰だ?」
戦兎「えぇと……ほら、メタ的な?」
匙「まぁそもそもこの前書きも何でもありだからなぁ……」
ヴァーリ「とまぁそういうわけで91話始まるぞ」
戦兎「それ俺のやるやつな!?」


俺の憧れたヒーロー

「良かったのですか?オーフィスを残して」

「良いさ。アイツは残りカスみたいなもの。まぁ使い道もあるがそれよりこっちの方が重要さ」

 

一誠はそう言いながら、ハザードトリガーのような装置を出してスイッチを押すと、オーフィスの力が吸い込まれていく。

 

「さて、私は部下の配置をしてきます」

 

プルートはそう言って姿を消すと、それと入れ替わるようにやって来たのは、

 

「ジークフリート。どうした?」

「……」

 

ジークフリートはゆっくりとグラムを抜き、

 

「あぁ成程。やっぱりそういうことか」

「それを起動させて吸い込んでいるときは動けない……だろ?」

 

そうジークフリートは言いながら、一誠に向かって突進。そしてそのままグラムの刀身で一誠を貫いた。

 

「兵藤 一誠……アンタは危険過ぎる」

「それで俺を襲いに来たってことか」

 

何!?とジークフリートは驚愕し、グラムを引き抜こうとするが、びくともしない。

 

「くっ!」

 

ジークフリートは他の腕も生やし、他の剣も抜いて一誠に刺す。それでも一誠は笑い。

 

「言い忘れてたな。俺の転生特典は神滅具(ロンギヌス)神器創造(セイクリットクリエイター)。無限の才能の他にも【全耐性】ってのもあってな。これのお陰でドラゴン系神器(セイクリットギア)を宿してても龍殺し(ドラゴンスレイヤー)が効かない。まぁ普通なら刺されては死ぬが、この程度なら再生できるしな。しかし折角なぁ……これがあれば悪魔になっても光が効かなくなるし良いと思ったんだけど中々うまくいかないもんだよな」

 

そう言いながら一誠は、ハザードトリガー?の吸収が終わったのを確認し、ジークフリートに反撃しようとした次の瞬間。

 

「ん?」

 

銃声と共にジークフリートは地面に倒れる。するとジークフリートの後ろには、ドリルクラッシャー・ガンモードを構えたラビットタンク姿のビルドがいた。

 

「なんだあんたか。別に平気だったんだがな」

「……」

 

静かにビルド?は背を向けると、そのまま姿を消す。それを見送り、

 

「残念だったなぁ。ジークフリート。たった一人でお前の頑張りは誰にも知られることはなく死んでいくんだ」

 

一誠は笑いながら言うと、ジークフリートの遺体に手を翳し、遺体が消滅していく。

 

「さぁて、ショータイムだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ」

 

戦兎の処置を終え、黒歌は息を吐く。思っていた以上に白龍皇の毒はキツイ。そこに、

 

「お姉さま」

「あら、なぁに?白音」

 

黒歌は何時ものように笑みを浮かべながら答える。すると小猫は、

 

「なぜあのとき私を庇ったんですか?」

「……」

 

その問いに、黒歌は肩を竦めるだけだ。

 

「答えてください。貴女にとって私は都合の良い道具じゃなかったんですか?冥界でも私を強引に連れていこうとしましたし」

「別にぃ?気まぐれよ」

 

黒歌はそう答えるが、

 

「話しても良いんじゃないのか?」

『っ!』

 

そう言って入ってきたのは、ヴァーリだ。思わぬ登場に黒歌は顔をしかめるが、

 

「話す?」

「あぁ、こいつが話さねぇなら俺が話すぞ?」

 

ヴァーリは黒歌にそう問いかけると、

 

「勝手にすれば?」

 

それだけ言って横になると寝てしまう。そしてヴァーリは小猫を見ると、

 

「アイツの元主はな。猫魈に興味を持ちすぎたんだ。眷属に無茶な強化だけじゃない。お前に目をつけた」

「私に?」

 

小猫の呟きにヴァーリは頷くと、

 

「眷属だけならまだしも、その身内にまでそれが及ぶなら……しかも力を使わせれば間違いなく暴走するだろう妹にいくなら、黒歌も看過できなかった。元々自分達の身の安全を保証すると言うのが黒歌がそいつの眷属になる条件だったしな。そして結局相手が強引な手に出て、黒歌がそいつを殺した」

「……」

 

小猫は呆然とその言葉を聞いていた。ヴァーリの目には偽りは感じない。真っ直ぐと小猫を見て、

 

「黒歌は本当はお前を連れていきたかった。だが追っ手もあり、お前を置いていくしかなく、そんな中お前がリアス・グレモリーの眷属になったのを知ってな、もしや無茶な強化をされては居ないかと危惧して、冥界でお前に接触したんだ」

「そんなの……一言も」

 

それはそうだろう。ヴァーリは首を振りながら言い、

 

「事情があったにせよ、お前を置いていった。こいつにとってはそれは今でも拭いされない後悔なのさ」

 

ヴァーリの話を聞き、小猫は黒歌を見る。

 

「いきなり聞いても受け入れられないだろう。少し休んで頭を冷やした方がいい。あと一時間もすればここを出て兵藤 一誠との戦いに臨まなければならないんだ。そうしないと戦兎も黒歌も助けられん」

「……はい」

 

小猫は、ヴァーリの言葉に素直に頷いて部屋を出る。

 

「ベラベラ喋るんだから……」

「悪かったな」

 

ヴァーリは頭を掻きながら、バツが悪そうに部屋を出ていき、

 

「聞こえてたでしょ?」

「あぁ」

 

黒歌が毒を受けてくれたお陰で、意識が少し戻っていた戦兎は、黒歌の問いかけに答える。しかし黒歌より毒の比重が多いためか体は異常に重い。と言っても、黒歌の仙術治療のお陰で痛覚と毒の侵食を抑えていなければ、今でも地獄の苦しみを味わっている筈だ。

 

「意外と良い奴だったんだな」

「今まで私を何だと思ってたわけ?」

 

人のお菓子を勝手に盗んでいく奴。と戦兎は言うと黒歌が笑う。

 

「私はあんたが分からないけどね」

「なにが?」

 

良いやつなのかろくでもない奴なのか……と言われ、戦兎は首を傾げていると、

 

「白音の好意を……どうして知らないふりをしたの?」

「……」

 

戦兎は少し黒歌から視線を逸らしながら、暫し考えてから、

 

「まぁ、別に龍誠にバレなきゃ良いし、お前別に龍誠と特別話さないだろ?」

「まぁ、会えば挨拶するくらいだけど」

 

黒歌は戦兎に頷くと、戦兎は少し呼吸を整えてから、

 

「アイツは良いやつだ。バカだけど今時珍しいくらい素直で優しい男だよ」

「?」

 

突然なんの話だろう?と黒歌は思うものの、戦兎の言葉を黙って聞く。

 

「だから昔からアイツモテんだ。本人が思ってる以上にな。だからみんな龍誠を好きになる」

「え?」

 

戦兎は力なく笑うと、

 

「俺もな。一応これでも何回か人を好きになったことがあった。好きって言っても憧れとかちょっと特別な子とかそんな感じだけど……な」

 

戦兎は息が続かないため、一度呼吸を整え、

 

「まぁ皆見事に龍誠を好きになるんだなこれが。あと何気にキツかったのは優しくしてくれてちょっと気になったら実は龍誠に近づくためだったのが判明したときかな……うん」

 

遠い目をしながら戦兎は言う。そして、

 

「そんなことが続くとやっぱり龍誠を逆恨みしそうになるし、好意を向けられると……困る。どう返せば良いのか分からないんだよ。それだけじゃない。心のどこかで俺の勘違いか?とかもしかしたらその内心変わりするんじゃ……とか色々考えちまって余計にな。塔城がそんな奴じゃないってのは分かってるんだけどな」

 

そんな戦兎の言葉に、黒歌はクスッと笑い出す。

 

「お前な。人が真面目な話をして居るときに……」

「いや、アンタ万丈 龍誠大好きすぎでしょ」

 

そんなんだからリアス・グレモリー達にある意味一番のライバルだなんて言われるのよ。と黒歌に言われ、

 

「でも優しいわね」

「なに?」

 

黒歌は笑みを浮かべながら、

 

「アンタは万丈 龍誠のせいにも女の子のせいにもしなかった。そこはカッコいいと思うけどね」

 

そりゃどうも。と戦兎は言い、すると黒歌はだけどねと続けて、

 

「その点あの子は心配ないわよ。あの子は一途な飼い猫よ。私みたいな野良猫とは違う。まぁあんたが白音をどう思ってるかは別だけどね?」

 

そうだよな……戦兎がそう呟いた次の瞬間。

 

「うぐ……」

 

突然の眩暈と吐き気に、戦兎は思わず苦悶の表情を浮かべる。それを見た黒歌は体を起こし、

 

「ちょっと待ちなさい」

 

戦兎の体に触れ、表情を曇らせる。

 

「抑えてるのにそれでも毒の侵食が早い……いや、毒自体よりも氣が弱まってるのね。なら」

 

と黒歌は呟き、少し深呼吸すると、

 

「おい黒歌……お前何ムグ!」

 

戦兎の言葉は途中で切れた。それもその筈。何せ喋ろうにも黒歌の唇で塞がれたからだ。

 

「ん……ちゅう」

「むぐ」

 

ぷはっ……と二人は顔を離し、

 

「な、なにしやがる」

「仕方無いでしょ。こっちも毒でふらつくんだから……手で氣を送れる調子じゃないのよ。となると粘膜接触で直接送るしかない。まぁ一番は房中術が手っ取り早いけどそこまでやる体力ないし」

 

い、いやもう大丈夫だから……と戦兎は言うものの、

 

「何言ってんのよ。あんたが身を捩るから必要量の半分も氣が送れてないわ」

「いやなんか……悪い」

「今更遠慮するんじゃないわよ。これは医療処置。人工呼吸みたいな物。それにもう毒を吸い出すときにしてるんだから」

 

そう言って黒歌は戦兎の唇にまた自分の唇を重ね、ゆっくりと呼吸を送り込むと、戦兎の体が熱を帯びていく。

 

「はむ……チュ」

 

舌が絡まって、頭がボーッとしてきて、どれだけの時間唇を重ねたのか分からなくなってくる。

 

「これでよし、ね」

「……」

 

唇が離れ、ツゥっと互いの唇が糸を引くと、黒歌はペロッと唇を舐めてニコッと笑う。

 

「何固まってんのよ」

「いや……色々衝撃的すぎて」

 

と言うか謎の罪悪感が……と戦兎は内心呟いていると、

 

「あ、もしかしてファーストキスだった?ごめんねぇ?私もだからお相子ってことにしてよ」

「医療行為ならノーカンなんだろ?」

 

戦兎は黒歌にそう言って、また眠り出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし静かだな」

 

休憩を挟み、リアス達は建物の最上階を目指して歩を進める。そんな中、ヴァーリは呟いた。実際皆も思っていたことで、何かしらの襲撃を考えていたが、そう言ったものはなく、平和なものだ。

 

ヴァーリは視線を落とし、

 

「つうかお前はなぜ戦兎を助けたんだ?」

「……」

 

ヴァーリの視線の先にいるのはオーフィス。一誠に力の殆どを奪われたものの、彼女は異次元空間に自分の力を予め別にしておいて、後々回収することである程度力を取り戻して(無限の龍神である彼女にとっては、大幅処ではない弱体化だが)いる。そんな彼女はヴァーリを見ると、

 

「美空言っていた」

「みーたんが?」

 

そう、とオーフィスは言いながら、

 

「一緒にお風呂入ったとき言ってた。最近戦兎が何かこそこそしていて危なくないか心配だと、だから我は聞いた。戦兎がいなくなったら悲しいかと。そしたら肯定したので、守らなければならないと判断した」

「そうか」

 

ヴァーリはそうオーフィスに返しながらも、

 

(ちくしょー!みーたんとお風呂とか羨ましすぎかぁあああああ!つうかオーフィス良いよなぁ!みーたんにいつも抱きつかれてるし可愛がってもらってる。俺だってみーたんにちやほやされたーい!撫で撫でしてもらったりぃ、膝枕も良いなぁ。あ!ご飯のアーンもお約束だ。あとみーたんって俺は呼ぶんだから俺もアダ名で呼んでもらうか。そうだなぁ……ヴァーリだしヴァー君?いやこれはダメだ。うん。絶対だめだ。聞くだけで嫌な思い出が甦る……となるとヴァーリきゅん?ヴァーたんも良いかなぁ……あ!ダーリンとか最高じゃね!?ダーリン!ハニー!って呼び会いたいなぁ!あぁやっべ、興奮してきた!もう胸のドキドキが止まりませんなぁ!みーたんのダーリン呼びとか全国1億2000万人居るみーたんファンの夢と希望!それが今俺の元にぃいいいいい!)

「うるせぇよ!」

 

スパーン!と匙はヴァーリの頭をひっぱたいた。

 

「なぜ俺の心の声が……」

「全部声に出てたからな」

「まじで?」

 

全員がドン引く中、ヴァーリが驚愕していると、

 

「バカが……」

 

龍誠に背負ってもらい、上を目指していた戦兎は呟く。

 

「戦兎。目を覚ましたのか?」

「あぁ……」

 

龍誠にそう答え、戦兎が視線を動かすと、

 

「戦兎先輩。大丈夫ですか?」

「あ、あぁ……取り敢えずな」

 

ものっすごい後ろめたい。とにかく後ろめたい。なんでこんな後ろめたさを味会わないといけないのかって言う気分だ。

 

そんな中、

 

「だが問題は兵藤一誠を倒すかだな」

 

そう粒いたのは、ゼノヴィアだ。それには皆同感で、あの出鱈目さは何度戦っても勝てる気がしない。

 

「それでもやるしかねぇ」

 

龍誠は低く静かに言った。その声音はゾッとするほどの怒りを秘めている。すると、

 

『ん?』

 

上を目指し歩く途中。ローブを被り大鎌を手に持つ骸骨の集団が廊下にたむろしていた。

 

「成程。死神(グリム・リッパー)か。簡単にはたどり着かせてくれないか」

 

サイラオーグはため息を吐きながら、スクラッシュドライバーを装着し、他の皆もベルトを着け、

 

「戦兎を頼む」

「は、はい」

 

龍誠も戦兎をアーシアに預け、

 

『変身!』

『潤動!』

《Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!》

《潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!》

《潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!》

《割れる!食われる!砕け散る!クロコダイルインローグ!オラァ!キャー!》

《フィーバー!パーフェクト!》

 

変身を完了し、皆はグリム・リッパーに向かって走り出す。

 

「くそ!廊下だと狭いから戦いにくいな!」

 

ヴァーリはそう言いながら、扉を開けて部屋に飛び込むと、追ってきたグリム・リッパーを次々と倒していく。

 

「しかも数も多いしな!」

 

と匙もツインブレイカーをアタックモードにして応戦。だが数に圧倒されそうだ。

 

《クラックアップフィニッシュ!》

『はぁ!』

 

まずフウとライが巨大な歯車を形成。それをサイラオーグが殴って発射して吹き飛ばす。

 

「あっぶね!」

 

それを龍誠は、その場でバク転するようにジャンプしながらスレスレで避けると、

 

「オマケだ!」

《Ready Go!ドラゴニックフィニッシュ!》

 

クルリと体勢を戻しながら、足を振って蒼いドラゴンを放つと、それが歯車に噛みつき一緒にグリム・リッパーを消し飛ばした。

 

「けほっ!けほっ!」

 

煙を吸い込んでリアスは思わず咳き込み、

 

「今吹き飛ばします」

 

と言ってルフェイが杖を振ると、土煙が晴れ、

 

「フシュルルルルルル」

『……』

 

廊下をギリギリ通れるサイズの蛇みたいな見た目のドラゴンが顔を出していた。

 

「ドラゴンか!?」

「だがなぜここにドラゴンが……」

 

ヴァーリが驚き、匙が困惑していると、

 

神滅具(ロンギヌス)には望んだ魔獣を作り出すという能力があるだろう?」

魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)ね!?」

 

サイラオーグが答え、リアスは叫びながら咄嗟に滅びの魔力を撃つが、ドラゴンには効果はなく、こちらに向かって飛びかかってきた。その瞬間、

 

『なっ!』

 

天井に穴が開き、上から降ってきたのは、

 

「グラム!?」

 

そう、見間違えるはずもない。ジークフリートが使っていた魔帝剣・グラムだ。他にもジークフリートが使っていた剣が全て地面に刺さっていて、

 

「っ!」

「祐斗!?」

 

リアスが驚愕する中、祐斗は飛び出してグラムを掴む。

 

(やっぱり!)

 

グラムを見たとき、何かが共鳴した気がした。それに導かれるままに飛び出してしまったが、握って分かる。この剣は自分に使えと言っているのだと、

 

「ハァ!」

 

そして祐斗は剣を降ると、

 

『へ?』

 

何の抵抗もなく斬った所か、建物ごと横一文字に叩ききってしまい、祐斗は唖然としつついると、全身に強い疲労感が襲い、膝をついてしまう。

 

「ぷはっ!」

「祐斗大丈夫!?」

 

皆が祐斗に駆け寄る。祐斗は青い顔をしながらも大丈夫だと言い、

 

(たった一振りで寿命がかなり削られた……とんでもない魔剣だ。ちゃんと使いこなさないと命に関わる)

 

等と思っていると朱乃は、

 

「ですがなぜグラムがここに?」

 

確かに……と皆は頷く。するとヴァーリが、

 

「ジークフリートに何かがあった……と言ったところだろうな。とにかく上にいくしかないだろう。ちょうど屋上までの直通ルートが出来たところだ」

 

そう言って天井を指差すと、確かに空が見える。暗雲が立ち込めているが……

 

「じゃあ行くか」

 

龍誠は戦兎を背負い直して言うと、皆はそれに頷いて飛び上がった。そして屋上に出ると、そこには変身した一誠がいた。

 

「グラムがそっちに飛んでいったのは予想外だったが、それでも切り抜けたか、流石原作キャラ達だ」

「ふざけやがって……」

 

龍誠はそう言いながら戦兎を座らせ、一誠を見据えながらドラゴンの羽根と腕を出現させる。

 

「すいません。黒歌様もお願いします」

「分かりました」

 

アーシアに黒歌を任せ、ルフェイも準備万端。他の皆も一誠を見据えて構える中、

 

「おい、ジークフリートに何があった?」

「なんだ気になるのか?ヴァーリ。なぁに。俺を裏切って襲い掛かってきやがってな。殺しちまった。俺は悪くないぜ?正当防衛ってやつだ。まあまた作り直せば良い」

 

そうか、とヴァーリは言いながら臨戦態勢。そして!

 

「はぁ!」

 

龍誠は一誠に飛びかかり、顔面に拳を叩き込もうとするが、

 

「遅いな」

「っ!」

 

ギリギリで避けてカウンター。そこに匙とヴァーリとサイラオーグがトリプルキックを放つが、

 

「あらよっと!」

《Boost!》

 

強化した力の拳を振った余波で3人を吹き飛ばす。そこに、

 

「おぉ!」

 

祐斗がグラムを振り下ろすが、

 

「ぐっ!」

 

ガクン!と体から何かが抜けていく感覚に耐えるが、

 

「へぇ、やっぱりどんな形であれグラムはお前の元に行くのか」

「何を言ってるのか分からないけど……」

 

祐斗は一度離れると、そこに入れ違うように、

 

『ハァアアアアア!』

 

フウとライが二丁拳銃を乱射。それに合わせて他の皆も一斉射撃するが、

 

「よっと」

 

皆の攻撃が180度反転して帰ってくる。

 

『きゃああああ!』

「ぐぁああああ!」

「相手の攻撃のベクトルを反転させるって言う神器(セイクリットギア)もあるからな」

 

皆が後方に吹き飛ばされ、床を転がる中、龍誠は再度一誠に襲いかかる。

 

「はは!そうでなくっちゃなあ!そうじゃないと戦兎は助けられないぞぉ!」

「っ!……うぉおおおおお!」

 

龍誠は叫びながら一誠を何度も殴る。

 

「ふむ……ハザードレベル4.4か。こんなじゃダメだな。ならば」

 

と一誠は言って下がると、

 

《Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!》

赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!」

《Transfer!》

 

一誠の手から光の球体が現れ、それが真っ直ぐ飛び、

 

「くっ!」

《Penetrate!》

 

龍誠は咄嗟に防御したが、それは体をすり抜け、 それは動けない戦兎に向かうと、

 

「戦兎!」

「っ!」

 

その球体は戦兎の体に吸い込まれ、

 

「あがっ!」

『っ!』

 

戦兎は突然痙攣しだし、口から血の泡を吹き出すと血を吐きながら床を転がる。

 

「先輩!」

 

小猫が戦兎に駆け寄るが、戦兎の様子は明らかに普通じゃない。

 

「戦兎に何しやがった!」

「譲渡の力を飛ばしたのさ。そして他のやつには透過の力ですり抜けさせ、戦兎に力を譲渡した。いや厳密には戦兎自身じゃなくて、白龍皇の毒にだけどな。どうやらうまく処置してたみたいだが……まぁ無駄な足掻きだったと言うわけだ。残念無念また来年ってな」

 

龍誠はそんな一誠に黙って襲い掛かると、

 

「お前なんなんだよ……俺達がお前に何をした!何でこんなことができんだよ!」

「何でだと?それは簡単さ。お前が……兵藤 一誠だったお前や戦兎みたいなバグがいるからさ!お前たちがいなければ俺はこんなことしなかったさ。だがお前たちがいるから俺はこんなことをしちまってる。ぜぇんぶお前たちが結果的に引き起こしてんだよ!お前たちと言う存在が生まれてきたからなんだよぉ!」

 

龍誠を押し返し、一誠はレバーを回す。

 

《Ready Go!エボルテックフィニッシュ!》

「はぁ!」

《チャオ!》

 

一誠の回し蹴りは、龍誠を吹き飛ばし、そのまま変身を解除させる。

 

「龍誠!」

 

リアスは駆け寄ろうとするが、龍誠はその前に、来るな!と叫ぶ。すると、

 

「……なぁ兵藤 一誠。もう一つ聞いて良いか?」

「なんだ?」

 

龍誠は立ち上がりながら、一誠を見る。

 

「俺の両親って……どんな人だったんだ?」

「はぁ?急に急になにか知らんがつまんない普通の人間だよ。口うるさいしめんどいから今は記憶を消して最初から子供の生まれない夫婦って言う風に変えた。お前みたいな兵藤一誠だった別物が生まれたときもバカみたいに騒いでたよ。この世界にいるはずのないやつなのにさぁ!」

 

一誠の言葉に、龍誠は優しい口調で答えた。

 

「そうか……良かったよ」

「なに?」

 

龍誠の返答が予想外だったのか、一誠はポカンとしている。

 

「ずっと俺は引っ掛かってた。俺は要らない子供だったんじゃないか……子供を捨てる位だから俺と言う存在は必要とされてなかったんじゃないかって。案外……俺は生まれてこなければ確かにお前がこんなことしなかったのかもしれない。でもそうじゃないんだな。俺は祝福されてたんだな。そんな普通の家庭で口うるさく言われたりする……そんな暖かい家の子供だったんだな」

 

龍誠はそう言いながらクローズマグマナックルを取り出し、

 

「分かってスッキリした。そして兵藤 一誠。一つ言っておくが、俺は兵藤 一誠だったものじゃねぇ」

「じゃあなんだっていうんだ?まさか俺こそ兵藤 一誠だなんて宣言するのか?」

 

笑う一誠に、龍誠は首を横に振って答える。

 

「俺は兵藤 一誠じゃない。俺は愛と平和の為……ラブ&ピースのためと顔も知らないけどそんな最高の両親が生きるこの世界を守るために戦う正義のヒーロー、仮面ライダークローズこと、万丈 龍誠だ!お前は言ったな、お前は俺だと。だがそれは違う。俺はお前と違ってこの力を誰かのために使う。俺が憧れた……桐生 戦兎(俺の最高のヒーロー)みたいな、誰かの明日を作るために使うんだ!」

 

龍誠がそう叫ぶと、ドラゴンマグマフルボトルが懐から飛び出し、表面にヒビが入って発光する。それはまるで地面の下でマグマが蠢いているようだ。

 

「……」

 

それに龍誠は確信をもって、クローズマグマナックルにドラゴンマグマフルボトルを挿す。

 

《ボトルバーン!》

 

それからクローズマグマナックルを変形させ、ビルドドライバーにセット。

 

《クローズマグマ!》

 

龍誠はレバーを回し、それと共に地面からナックル型の溶鉱炉が現れ、

 

「変身!」

《極熱筋肉!クローズマグマ!アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャ》

 

それがひっくり返るとマグマが龍誠に降り掛かり、その中から8体の龍が出ながら固まる。そしてナックル型の溶鉱炉が冷えて固まったそれを殴って破壊すると、その中から、今までとは比べ物にならないオーラを纏ったクローズが立っていた。

 

《アチャー!》

「力が漲る……!」

 

ドンッ!と地面を踏み締めながら、メタリックブラックとマグマを模したオレンジ色のクローズに変身した龍誠は低く喋る。

 

「魂が燃える……!」

 

拳を握り、高まる力と興奮を1度抑え、一誠に向かって全てを解放して吠えた。

 

「俺のマグマが迸る!もう誰にも止められねぇええええええ!」




という訳でクローズマグマ遂に登場。前々から感想などでいつ登場するんですか?と言われ続けてましたが何とか出せましたね。まぁ活躍は次回にと言うことになりますが……
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