ハイスクールD×D忌避されし存在   作:ダーク・シリウス

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再始動する忌避されし存在

「Dィ~ッ!! よかったわ復活出来て~!!」

 

「お前、殺しても絶対に死なねぇ奴かよ。ま、簡単に死ぬやつだとは思ってなかったがな」

 

「いやいや鮫ちゃん。死んだと思ったDに対して「死にやがってバカ野郎」ってアップルパイをお供えしてたの知ってたからな俺は」

 

「D、よかったのです・・・・・」

 

「無事でよかったよ、とは言い難い事がたくさんあったけど、とにかく君が生きていて嬉しかった」

 

「もう死んじゃうほど無茶しちゃダメだよ!?」

 

「またあなたと会えて私は嬉しいわ」

 

「D君、お帰りなさい!」

 

刃狗チームの鳶雄達から話しかけられ、一人ひとり謝罪と感謝の言葉を送るDの視界に入るウマ娘達。鳶雄達と離れてウマ娘達の下へ足を運ぶDを見て・・・・・。

 

「ト”レ”ーナ”ーア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!」

 

トウカイテイオーが滂沱の涙を流しながら両手をDに向かって突き出しながら走り出す。そんな彼女を正面から受け止めて抱きしめると他のウマ娘達もDに向かって走り出し、想いの丈を全力でぶつけた。

 

「うわああああああん! トレーナーさーん!」

 

「バカァー!!! 生きていたなら直ぐに戻って来なさいよぉー!!! バカァーッ!!!」

 

「お兄さまぁ~!!!」

 

「トレーナーさん! トレーナーさん! トレーナーさん!」

 

「やっぱり生きていたんだ! ずっと信じてたよ!」

 

「お帰りなさいDトレーナー!」

 

「Dトレーナーさん! お帰りなさい!」

 

「Dトレーナー!!」

 

一人一人のウマ娘に対しても謝罪の言葉を送って久しぶりの再会を噛みしめていると、源氏と和真がこの場から去ろうとしていた。

 

「・・・・・お爺ちゃん!」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・心配かけて、ごめんなさい」

 

源氏は何も答えず和真の転移魔法でこの場からいなくなった。が、Dは祖父の頬にキラリと月の光で反射した水滴が見えていた。

 

「D・・・・・」

 

まだいるリアス達もDに声を掛けたいが、彼女達の再会の感動の涙を流す場に入り込む事は出来ないと身を引こうとしたが音もなく移動してリアスの前にDが立ってた。

 

「D!?」

 

「・・・・・心配かけた、ごめんリアス」

 

「・・・・・っ」

 

いつもそっけなくて自分に何の興味もない言動を立ち振る舞えてくるDにはモヤモヤとさせられて、監視目的で魔方陣を介してDの働きぶりを見ていると、警備員の仕事でもトレーナーとして勤めても必ず女の子がいて幼少の頃、幼いDに淡い恋心を抱いていたことを知らないこの男はとつい嫉妬してしまったが、なんだ・・・・・。

 

「ふん、絶対に許さない。幼馴染の私を泣かせたんだから簡単に許すつもりはないわよ」

 

存外、私のことも気にしていたんだ・・・・・と知って表面上ツンツンしてても、実際は嬉しくあったリアスの後ろから朱乃が出てきてDの腕に自身の腕を絡めながら抱えた。リアスより大きい柔らかい塊をこれでもかと押し付けて。

 

「あら、私なら許しちゃうわよリアス? 今夜から一週間、謝罪を兼ねて私の家で添い寝してくれるなら」

 

「・・・・・死亡扱い、仕事無し、家無し、金だけある、しばらくホテル泊まり、構わない」

 

「やった! それじゃあ今すぐ私の家に帰りましょうD君!」

 

と、淡々と朱乃の提案を受け入れたDにリアスは目を張って、朱乃に腕を掴まれて引っ張られるDの片方の手を掴んで引き留めるリアス。

 

「待ちなさいよ!? それだったら私だって許す条件を出すわよ! 私個人の家に住んでくれるなら今までのことを水に流してあげるんだから!」

 

「あらあらまぁまぁ。それでしたら私もリアスの家に移り住むしかありませんわね」

 

「どうして朱乃が私の家に来るの! ダメに決まっているじゃない!」

 

と、乙女の戦いが勃発して黙っている女はこの場にいなかった。

 

「お待ちなさいな! それでしたらトレーナーさんにはメジロ家にしばらく滞在してもらいますわ!」

 

「サトノ家もトレーナーさんを迎え入れる準備を出来てます!」

 

「お仕事がないなら私のSPになってみませんか?」

 

「貴様等、余の者の処遇を誰の断わり無しで勝手に決めている」

 

「あなたの者でもありませんわよ?」

 

「み、皆さん落ち着いて下さ~い!」

 

一人の男を囲って一人のとこの為に言い争う乙女達だったが、その騒ぎを解決できたのはフジキセキが呼んだ秋川やよいだった。最初こそDを見て「Dトレーナーァ~~~!?」と意識が失いそうなほど驚いたが、家無きDをどこの家に泊まらせるか言い合っているウマ娘を察してこう宣言した。

 

「許可!!! Dトレーナーは変わらず女子寮の寮長室に暮らして構わない!! というか、これからも警備員の仕事を継続してほしい!」

 

「・・・・・ありがとう、ごめんなさい」

 

「しばらくは仕事をせずのんびりと過ごしてほしい! Dトレーナーの受け入れを整うまでがキミの有給とする!」

 

「・・・・・ありがとうございます。あと、お願いがある。俺の生存の公表、しばらく秘匿」

 

「疑問! 何故Dトレーナーの存在を隠す必要がある! とても喜ばしい事である!」

 

「・・・・・URA」

 

「納得! わかった! こちらから手配をしよう!」

 

「・・・・・シンボリルドルフ達、同様」

 

「Dさんがそう言うならしょうがないが、兵藤家の皇女達は気付いているはずだが?」

 

「・・・・・放置、一般生徒の前上涼子達、秘密裏、報告」

 

「わかりました」

 

話し合うDと学園長の決まりならばとウマ娘達は引き下がり、リアスと朱乃も仕方なしと身を引いたことで騒ぎはあっという間に収まってそれぞれ帰宅する。

 

「いいこと! 明日そっちに顔を出すから部屋からいなくなったら許さないんだから!」

 

「私も会いに行きますわ」

 

「トレーナー、着替えて来るから待ってて! 一緒に寮に帰ろう!」

 

「いなくならないでよね!」

 

「じゃあ、俺達も帰るとするか。Dの顏を見れて安心したよ」

 

「そうねー。私も安心しちゃって眠たくなってきたわ」

 

「D、またお店に顔を出してほしいのです。待っているのです」

 

「問題は解決したことで私もお暇させてもらおう。今宵は色々と貴重な体験をさせてもらえたから礼は不要だよ」

 

「儂も京都に寄り道してから帰るとするかのぅ」

 

「おう、ありがとうなメフィストと闘戦勝仏」

 

それぞれこの場から離れてDとアザゼル、一香だけが残った状態でアザゼルが口を開いた。

 

「さてD・・・お前さん、意識あったろ。何で直ぐに帰ってこなかったんだ」

 

「えっ?」

 

「・・・・・」

 

アザゼルの発言に一香の驚きの反応を、Dは問われた質問に沈黙で返したのでアザゼルは呆れ混じりで溜息を吐いた。

 

「大方、死んだことにすれば仮に生きていることを知ったお前を狙う輩がお前の周りにいる連中にまで危険が及ぶからか」

 

「・・・・・」

 

「ったく、実際に俺達は兵藤家と式森家に協力要請された死神一行、しかも英雄派までがお前の生存に嗅ぎ付けて襲われはしたがよ、お前は優しすぎるんだよバカ野郎が」

 

真紅の髪ごとDの頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でるアザゼル。

 

「これだけは絶対に覚えておけD。お前と関わった人間の分だけお前の死はいい迷惑なんだよ。迷惑を掛けたくなければ無様でも何でも生にしがみ付いて絶対に生き続けろ。いいな!」

 

「・・・・・確約、否、善処する」

 

可愛くねぇー! と言ったところで一香から可愛いわよ! とシバかれたアザゼルだった。

 

「ねぇ一誠、お母さんには謝ってくれないの? ねぇ、心配かけたお詫びの言葉を言ってくれないの? ねぇ?」

 

Dの周りをチョロチョロと回りながら聞く一香の言動は「コイツウゼェー」とDとアザゼルの心を一つにさせた。

 

「・・・・・ごめん、なさい」

 

一言謝らないとますますこの親はウザくなるという理由で感情を込めず謝罪したら、ピタリと動きを止めた一香が笑顔を浮かべて背後からDを抱きしめながら頭を撫でる。

 

「二度も親より先に死ぬ思いをするなんて困った子供ね! こうなったら私が一誠の側で生活をするしかなくないかしら?」

 

「・・・・・」

 

「おいDが凄く嫌そうな顔をしているぞ。嫌われたくなかったら止めておけ」

 

何でなのよー! とDの肩を掴んで激しく揺さぶる一香の頭を挟むように拳を押し付け、グリグリッと捩じり込む仕草をした矢先、痛い痛い!? と悲鳴を上げDからのお仕置きから逃れたい一心で離れ、八つ当たり気味にアザゼルとDに問い詰めた。

 

「それからもう一つ! あの二人は一体何なの? 二人は知っているみたいだったけれど」

 

「俺は知っているだけで、直接交流を持っているDの方がよく知っている。これだけ言えばあいつ等が誰なのかもうわかるだろ」

 

「そう、あの二人が・・・・・もっと早く気づけたらお礼を言いたかったわ」

 

「・・・・・鈍感」

 

「・・・・・本当に息子が辛辣だわ・・・・・こうなったのもあの二人の世界の所為よね?」

 

「少なくとも、Dが純粋な性格で成長出来る環境ではなかっただろ。それにあの二人と対峙して分かったが、あいつ等は神クラスに至っていやがる」

 

「・・・・・だから、俺の目標」

 

異世界に行きたがる理由はそれか、と納得しているアザゼルを他所にどこか不安げな表情でDを見つめる一香も問いかけた。

 

「・・・ね、ねぇ? もう一人のお母さんにも出会ってる? もし出会っているなら一誠の直感でどっちが強そうなのか教えてくれる?」

 

「・・・・・もう一人の方、俺の魔法、あの人のお母さん、師匠」

 

一香が撃沈した。よもやもう一人の自分が息子の魔法の師匠だとは露にも思わず、しかも自分より強いと息子の口から言われちまえば落ち込まずにはいられなかった。―――しかも! 私がしたかったことを奪われていた!

 

「ううう・・・・・ちくしょーう!? まだ見ぬ私ぃー!! 出会う時まで私は今より、明日の自分よりもっと強くなって見せて、息子の師匠の座を奪ってやるんだから覚悟しなさーい!!!」

 

夜天に向かって吠える一香。無かった目標ができた一香はこれから修行や魔法の習得に没頭するようになったが。

 

「あんなこと言っているが、出来そうなのか?」

 

「・・・・・最低限、メフィスト・フェレスを乗り越えない限り、無理」

 

「なるほどな。分かりやすい目標だな」

 

まぁ、頑張れやと一香に対して適当な応援を心中でしてアザゼルも帰るべく、最後に一言だけ話しかけようとしたDの足元の影から飛び出す―――。

 

「うええええええええーん! いっくうううううううううううううううううううううううん!」

 

「一誠くーん!」

 

楼羅と悠璃に押し倒されてそのまま抱きつかれ、泣きつかれてしまい二人を慰めて宥めて泣き止んでもらうまで時間が掛かった。それは他にもそうであった。寮長室に戻るや否や、Dの顏を見て驚き、そして大粒の涙を流して抱き着いてきた幽霊の玲子。翌朝、まだDの生存を知らない女子生徒達がシンボリルドルフ達に招かれて寮長室にいたDを見て酷く驚愕、抱き着いて大泣きした。そしてその日からDと添い寝したい少女達が寮長室に足を運ぶ日常と化とするのだった。

 

 

BOSS×BOSS

 

 

『祭りじゃー! 宴じゃー!』

 

『すぐにパーティの準備をしなくちゃね!』

 

「いや待て落ち着け! 落ち着いていられなくても落ち着け! 復活したからって喜ぶのはまだ早い状況なんだぞ!」

 

『なんでだよ! 坊主が死んでなかったんだから喜ぶべきだろうが!』

 

『そうだよアザゼルちゃん! 何がいけないっていうのさ!』

 

「Dの禁忌の力は健在だと知った兵藤家と式森家の連中がDの生存を簡単に許すわけないだろうが! 直接あいつに秘めた禁忌の力の暴走を味わった俺ですら国の中で起こしちゃいけねぇ爆弾だと認識するほどだぞ!」

 

『なんだと? じゃあオメーも坊主を危険視するって言うんだな?』

 

「すでに三度も起きている事象なんだ。だから兵藤家と式森家のお堅い連中を説得する必要がある。それに付き合えって言いたいんだよ」

 

『説得? あの子の身の安全のことなら私達が引き取る手もあるよ?』

 

『そいつは名案だなまー坊!』

 

「ちげーよ。俺が言いたいのは兵藤家と式森家は日本を統治して守護する一族だ。そんな奴らと俺達三大勢力はまだ同盟関係すら築いていない状態だから一触即発のままだ。この機に何としてでも同盟を結んでDに手出しさせないようにしなくちゃならねぇってことだよ」

 

『手出しか・・・・・あいつ等が簡単に従うとは思えねぇぞ?』

 

「その点については有力な連中にご協力してもらうのさ。人間相手には絶大な権力を発揮できる兵藤家と式森家でも頭が上がらねぇ存在はいくつかいるんだからな」

 

『なるほど・・・・・アザゼルちゃんの考えが理解できたよ。あの子のためなら喜んで協力するよ』

 

『だーははは! 奴らの泡を食う顔が目に浮かぶぜ!』

 

 

Heros.

 

「曹操、Dが復活してしまったそうだ」

 

「そうか。それならば慎重に事を運びつつ万全の準備を整えてから仕掛けるとしよう」

 

「こちらもしばらくは調整で時間が取られるからな。それと兵藤家の者達はどうする。こちらに引き込む段階まで進んではいるが」

 

「そのまま続けてくれ。奴等は戦力ではなくて素材として手に入れたいだけだからね」

 

「わかった。それから曹操、冥界で妙な騒ぎが発生している様だ」

 

「妙な騒ぎ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「知っているか。人間界で同胞の力を覚醒させた者がいるようだ」

 

「久し振りね。最後はいつだったかしら」

 

「128年振りだ」

 

「今度はどんな種族の人ー?」

 

「ドラゴンだ。それも神々でも勝てないドラゴンの血肉と力を得てな」

 

「うわー、僕達と同じ特別な存在だね!」

 

「そもそも人間界に俺達の力を覚醒させたってことは、俺達と同じ血を流している奴らがいるってことだよな?」

 

「その通りだ。だからこそ会うために行くぞ―――人間界へ」

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