続きはありません。
作者はモンハンはゲームしかやってません。
また、文章力皆無のガバガバクソノンケ学生なので「この表現はおかしい」という点についてはやんわりと指摘していただけると粋スギです。
あとくっそ汚い描写があるので、苦手な方はブラウザバック推奨です。
大砂漠の中を突き進む赤銅の巨体。
骨格のみに目を向ければ、それは鯨を連想させるような構造をしている。しかし、酸化した鉱物によって彩られた外殻や鱗、更に頭部には圧倒的な存在感を放つ巨大な角が存在し、それが異形の生物であることを物語っている。
全長約11451.4cm
『豪山龍 ダレン・モーラン』
この世界における、全ての生物の頂点に立っている『古龍』の一端。
────その巨体が、移動式集会所たるバルバレへ災害をもたらそうとしていた。
◆◇◆◇◆
「囲めぇ──ッ!!」
「絶対に奴を行かせるな──!!」
飛び交う怒号と共に、撃龍船の群れが古龍を囲っていく。なりふり構っている暇はないのだ。各々が搭載されている兵器を打ち出していく。
「■■■■■■■────!!」
雨のように降り注ぐバリスタ弾や大砲の弾に外殻を穿たれたダレン・モーランが絶叫する。
「行けるぞッ!このまま押し切れ────!!」
ハンター達の間に嬉声が生まれ、リーダー格の人物がすぐにそれを引き締める。油断をすれば俺達はこの大砂漠の底へ沈むことになるぞ、と。
それほどまでに強大な存在なのだ。ハンター達とて、そんな事は分かっている。故に、気を引き締める。
──しかし。
轟音と共に1隻の船が大破する。
ダレン・モーランのタックルだ。
ひしゃげながら砂の底へ沈んでゆく船を見て呆けるハンター達。しかし、その間にも体当たりによる猛攻が続き、1隻、また1隻と船が沈んでゆく。
ハンター達の表情が絶望に染まる。
もうだめだ。誰かがぼそりと呟いた言葉が伝播する。ハンター達の雰囲気は最悪だった。
極めつけに、1隻の撃龍船がダレン・モーランの前に躍り出る。
誰もが叫ぶ。ダレン・モーランに勝てるわけないだろ!と。しかし、そんな制止の声は無情にも届かずに。
──────ダレン・モーランは不幸にも黒塗りの高級撃龍船に追突してしまった。
船体が木っ端微塵になる光景を幻視し、殆どの者が目を伏せ、一部の者はその愚行に軽蔑の視線を向けようとした。しかし、自ら命を絶つような愚行を嘲笑うことのできる者は一人もいなかった。
なぜなら、傷一つ無い黒塗りの船体が砂の海を掻き分けダレン・モーランと並走していたのだから。
◆◇◆◇◆
耳をつんざく轟音と、激しい衝撃によって、一人の男──失礼。1本のうんこであり、女の子でもある男が目を覚ました。
「ファッ!?」
男(便宜上、ここでは男とする)の名は田所。
糞のように浅黒い肌に、整ってはいないが愛嬌のある顔(近くで見るとイボがあり、くっそ汚い)。
身長は170cm。ハンターの平均身長よりも5cm程小さいが、丸太のように太い腕や体躯は、分厚い筋肉に覆われている。
本来であれば安全な航路を通り、バルバレに到着するつもりであったが、この衝撃である。
──舵取りをしている池沼がやらかしたな。
そう察した彼は船内のベッドから飛び起き、立て掛けてあった大剣を背負い、部屋を飛び出した。
「なんだこの龍!?」
目の前には巨大な山のような龍。
思っていた以上の事をやらかしたであろう舵取りに詰め寄る。
「三浦先輩、何してんすか!?」
「あっ、田所。起きたかゾ」
彼の名は三浦。がっしりとした体格に、坊主頭が特徴的である。
あくまでもマイペースで、全く取り乱した様子のない彼に田所は憤慨する。
「ふざけんな!大体、どこをどうすれば古龍種なんかと遭遇するんですか!?」
砂漠地帯を移動するということで、古龍種であるダレン・モーランの出現情報は事前に調べていた。
「ダレン・モーランに手伝ってもらえばバルバレに早く着くゾ~。でも近づいたら船体に体当たりされたゾ…」
「何やってんだこの池沼……」
呆れてものも言えない田所。もしもこの船が通常のものであれば、自分たちは既に大砂漠の砂に埋もれているであろうことを思い、肝を冷やす田所。船が無事だったのは、ひとえに使用されている素材のおかげだろう。
「流石は『風翔龍』の素材。加工に手間を掛けただけありますね…」
『風翔龍』またの名を、『鋼龍 クシャルダオラ』
船体が黒塗りなのは、この龍の素材を用いているからである。本来、黒銀色に鈍く輝く外殻や鱗は、加工を経て強度を増し、漆黒へと変化した。
勿論、古龍の素材を使用し船を建造するというのは前代未聞の試みであり、莫大な費用がかかった。
「……待てよ。三浦先輩、今もバルバレに向かっているんですか?」
「そうだよ」
何故か食い気味に肯定する三浦。
田所は、確認の為に腰についているポーチを開き、羅針盤を掴み取る。船と並走する古龍種と羅針盤を確認。…直進方向に、移動式集会所バルバレあり。
「──三浦先輩。あいつ、殺りましょう」
「田所……どうしてゾ?」
「このまま直進すれば、バルバレに到着してしまいます。……あの巨体がバルバレに衝突してしまえばどうなるか、いくら頭の中が空っぽな先輩でも理解できますよね?」
「あっ、そっかぁ。じゃあ仕方ないゾ。……おい木村ァ!」
「何で殺す必要があるんですか」
突如として田所の背後に現れる男。
彼の名前は木村。
優しそうな顔をした好青年である。
「ファッ!?って、木村かよぉ!ビビらせんなよな~」
「それで、田所先輩。どうしますか?」
「どうするも何も、俺達はいつも通りに。
──行くぞ」
そう呟いた田所の表情は、普段の獣欲に満ちた野獣のモノでは無く、冷静に勝利を見据える狩人の『貌』になっていた。
◆◇◆◇◆
木村の放つボウガン弾がダレン・モーランの外殻の関節部分に滑り込み、肉を貫く。
三浦が大砲の弾を素手で投擲する。
田所は拘束用バリスタ弾や大銅鑼を用いてサポートに徹する。
3人の獅子奮迅の活躍。しかし、耐久力の高い敵に対し、決めあぐねていた。
「街が見えてきましたよ!」
砂によって霞がかってはいるが、3人の視界に映るのは間違いなくバルバレだ。このままでは大勢の人が犠牲になる。故に、田所は『奥の手』を使用する。
「木村、三浦先輩……『アレ』を使います。2人は撃龍槍の準備をお願いします」
「……わかりました。三浦先輩、行きますよ!」
三浦は船の操縦。木村は撃龍槍の準備。
それぞれが持ち場についたことを確認した田所は瞑目する。
そして、眼を開く。覚悟を決めた田所の目力は、そのホモ特有の鋭さから彼の出身である『シモキタ集会所』では『野獣の眼光』と呼ばれ、恐れられていた。
田所の姿勢が低くなる。大剣の切っ先を標的に向け、四肢に力を溜め込み────
「『邪剣・夜』──────!!」
込められた力が弾け、田所が跳ぶ。ドッ、と鈍い音が発せられ、船体が跳躍の反動で揺れる。裂帛の気合いと共に放たれた神速の突きが、過たずにダレン・モーランの眼球を粉砕した。
龍歴院という組織に『狩技』という特殊な技法があるが、彼の技はそれを自己流に手を加えたものである。
それ故に、『狩技』との相違点がある。
『狩技』はハンターの強靭な肉体があれば基本的にはデメリットが発生しない。しかし、この技『邪剣・夜』にはデメリットがある。
それは、全身の筋肉に極度の負担を掛けたが故に発生する、一時的な筋弛緩だ。
────彼の場合、括約筋が弛緩する。
要するに『邪剣・夜』を使用すると脱糞してしまうのである。
ブッチッパ!と最悪な音が響き、砂が褐色に染まる。どうやら今日は、腹の調子が悪かったようだ。水分を過剰に含んだ液状の糞は、砂の海に沈んでいった。
『邪剣・夜』は使用する際に発生する独特な脱糞音にちなんで『ブッチッ波』または『真の狩人は糞で殺す』とも呼ばれている。
余談ではあるが、彼の糞を使用したこやし玉は、比較的臭いに耐性のある危険度の高いモンスターや、何と本来であればこやし玉の効果が全く無い『ババコンガ』にさえも効果があるのだ。というか悶えさせて一時的に動きを止めることが出来る。それ故に、『シモキタ集会所』では30分で5万zの売上が出る程親しまれている。
巨体が痛みと異臭に耐えかね絶叫する。田所は船体に振り落とされた。
「先輩!大丈夫ですか!?…って、くっさ!」
「俺のことはいい!それよりも撃龍槍の準備は出来てるよなぁ!?」
「はい!」
「三浦先輩!移動をお願いします!!」
「よし、じゃあぶち込んでやるぜ」
そうして、撃龍槍をダレン・モーランの尻に突うずるっこんだ。
「■■■■■■■■■■──────!!」
眼球を破壊され、撃龍槍に純潔を散らされ狂い鳴くダレン・モーランは、進行方向を90度横に変更し、逃げていった。
「────やったぜ」
砂塵の舞う青空の中、3つの拳が打ち合わされた。
◆◇◆◇◆
同日、バルバレにて
「ぬわあああん疲れたもおおおおん」
枷の外れた様な声が、バルバレの星空に吸い込まれてゆく。
「先輩いっつも疲れてますね…」
「いいだろ別に…あっ、そうだ。この辺にぃ、美味い猫飯屋の屋台、あるらしいんすよ」
「あっ、そっかぁ」
「行きましょうよ。──行きましょう!遠野のやつも誘って!」
──────1本のうんこが、バルバレを救った。
そんな噂が、この街に語り継がれることとなる。
カラスの鳴き声が課長の声に聞こえた人はは私だけではないはず。
ないよね?(強制)