R-18でも書いてます
ボッチは何処へ行ってもボッチなのだ。
ボッチには必ずボッチになる原因はある。顔・性格・声・聴力や滑舌が悪くて会話にならない・息が臭い・ワキガ・ハゲ…理由は色々ある。
だが、それが治らず居場所を変えたところで何も代わらない。
転校しても転勤しても異世界転生しても、どうせそこでボッチになる。
だってボッチになる原因は改善していないのだから。
これは特殊な力を授かって異世界に転生した八人のボッチ達、HACHIMENの物語。
一人目はハヤマーガー
二人目のガハマガーとは転生前の世界で兄弟であった。
この二人は、ハイエースで連続幼女誘拐&暴行事件の犯人として捕まって死刑になった。
事件のインタビューでは、被害者の名字が葉山や由比ヶ浜だったから何をしても良いと思ったと答えて民衆の怒りを買った。
彼らはこの世界で特殊な能力を授かった。
兄はミニ四駆をハイエースに変える能力。
弟はハイエースをミニ四駆に変える能力。
彼らは生前、この能力を持っていれば捕まることは無かったのかも知れない。
だが、残念な事にこの世界にはミニ四駆もハイエースも無かったのだ。
三人目はハチマソ
転生者のリーダーだが、彼以外の誰もが自分がリーダーだと思っているのでハチマソは全然好かれていない。
そもそも、彼ら転生者は家族以外の誰にも愛されなかった人間の集まりだ。
授かった特殊な力以外は前世のスペックをそのまま引き継ぎなので、誰かに愛されることは今後も無いであろう。
ハチマソは何と最年長の50歳だ。
彼の力は自分の夢を自由に操る能力だ。そして、寝ている間は怪我をしても自動的に止血されて、毒などの状態悪化も自動的に修正される。
しかし、それ以外に特に力は無い。
そしてこの能力は使う度に睡眠時間一時間ごとに、体中の水分が1kg減って腹の脂肪が10kg増えるという副作用がある。
そのおかげで彼は丸々としている。
四人目はヘチマン
自分の身体の水分を消費して指先からヘチマを作る能力者だった。
しかし、そのヘチマの中身は黄色く不味い水なので飲めたものでは無い。
彼の前世はブラック飲食業のアルバイトだった。気遣いが致命的に下手だった。
おかげで調理中の作業ミスで色々あって尿を漏らしながら死んでしまった。
おかげで今でもスキンヘッドの大男と刃物が恐くて近寄れない。
敢えて言うが死因はあくまで調理ミスである。決して大男は関係ない。
五人目から八人目は既に死んだ。
というのも老衰で死亡してこの世界に転生してきたからだ。
魂が衰えきったのが死因だったので、この世界に奇跡的に転生したが、見る見るうちに老化した為この世界に耐えきれずそのまま死んだ。
あくまで、前世で死んだ歳まで強制的に老化する、転生システムの都合だ。
作者が四人以上HACHIMENのメンバーを考えるのに飽きたからでは無い。
彼らが転生したのは、筋肉質のマッチョな男しかいない世界。
そして天候には恵まれているが、植物や人間以外の動物がいない故に食料が無い世界。
男達はいきなり自然発生する為に女性は存在しない。
男達が不毛の砂漠で力こそが正義だと、己の肉体のみを駆使して戦い、喰らい合う世界だった。
勿論、ヒロインなんかいないし、いても手に入らない。
ハチマソは、その肉体が増え続ける特性から捕獲されて、定期的に身体を囓られる食用家畜と化した。
ヘチマンはそんなハチマソに水分を供給する係として生き残ろうとしたが、水だけは普通にあるのであっさりと殺された。
それを知ったハヤマガーとガハマガーは逃げ出したが、捕まって殺された。
HACHIMENの唯一の生き残りはハチマソだけ。
ハチマソは寝ていながらも自分が喰われていることに気が付いていた。
しかしどう足掻いても助からないことは彼もよく解っていた。
彼は夢に逃げる力は持っていても、現実を変える力は全く持っていないからだ。
だから彼は自らの身体を徐々に解体されながら、いずれ迫り来る死を知っていながら夢の世界に逃げ続ける。
夢の世界では彼を傷つけるものはいない。
何処までも彼だけに都合の良い展開が待っている。
ならば、無理に目を覚まして辛い現実と向き合う必要は無かった。
寝ていさえすれば、彼はその夢の世界では絶対無敵のヒーローだ。
誰に害されることも、誰に奪われることも無く、一方的に護り、そして奪える。
だから今日もハチマソは目を覚まさない。
生きていながら、起きることが出来る身体でありながら、現実を拒絶して、死んだように眠り続けるのだ。
現実を拒絶した先に、積み上げられる真実は無いのだと何処かで理解していたとしても、彼は今日も無意味な夢を求め続けるのだ。
頑張れ、ハチマソ!!