狂った黒い月と私   作:(´・ω・)

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なにも残らない
なぜかって?
そんな兵器があるからさ


第37話 独帝再臨

深い

そこは光も届かない深淵。

 

ここは全ての船の墓場なのか

私は演じるだけだ。

何を演じればいい?

了解した。

その瞳に答えようではないか。

 

 

「燃料タンク補給完了。カタパルト用意完了、出撃用意できました」

 

さてと、少しだけ、いってきますか

 

「・・・・随分と解析が進んでいるようで何よりだ」

 

そのうち光学兵器も本格的な用意ができるかな?

 

「じぇねれーたーと直結した大型ライフルって随分と余剰火力じゃありません?」

 

まぁ、そうだよな、宇宙世紀でやってけるもんだもな

まぁ、ロマンがあるからいいじゃないの

 

「一撃で戦艦を沈めれるんだ、わざわざ機関部に対艦ライフルぶっぱなすよりらくさ」

「あと、あれ以上ブースター積むと加速で死にますよ」

「俺は耐える、それだけさ」

「いやいやいや、あんなの一日足らずで地球一周はできますよ、その意味わかります?」

「体が千切れるな」

 

殺人的な加速っていいよね

 

「あれだけブースターと補助のバーニアも倍増しておいたので多分追い付いてくれない様なことにはなりませんよ」

「そうか、なら予定通り敵主力艦隊をたった一人で蹴散らしますか」

「数は大体1000ですはい」

 

無理ゲーかな?

 

「あれ、武装は?弾薬足りる?」

「八連406mmガトリング砲とミサイルコンテナと51cm砲とかフルアーマー状態ですし」

 

あ、きついな、核いるな

「アトバズ無いの?」

「メガバズ有りますよ」

「しゃあない、第一射だけはそれでいいか」

「あなたの場合当てそうで怖いですね」

「別に、当ててしまってもかわんだろ」

 

盛大なフラグを言いつつカタパルトの上に乗る。

ぼこぼこと蠢くと言うよりは沸騰しているようにも見える赤黒い泥が全身を覆い、肌を焼き、皮膚と混ざりあい凝固していく。

 

「・・・・これがはじめてのフルスペか?」

「・・正直、その異形の怪物のような姿は見たくありませんね・・・・」

 

射出と同時に背中のエンジンが一斉に点火され艦娘でさえ肉さえ千切れるような加速に肉体はもはや使いものにならなかった。

死んだ

その事実だけだ。

 

だがな

もう肉体程度無くても良いのだ。

 

鎧の隙間からこぼれ落ちる己の肉体だったものの一部を眺めつつさらに速度を上げて空高く上空へ昇る。

 

やり方はいたって簡単。

大気圏ギリギリからの敵艦隊総旗艦のと周辺艦隊への狙撃。

 

 

大体成層圏あたりだろうか、敵の艦隊の一部が見えた。

 

やっぱり、来たか。

そう思いはするがもはやこいつには関係のないことでしかなかったな。

 

何一つ顔色変えず砲を向け、チャージを始める。

 

それに気づいたのか一部艦娘主体の陣形が崩れ始めたがそのときには

 

天より落ちた黄色い光が何もかもを焼き払っていた。

 

 

空っぽになっているはずの悪魔はなぜかその一瞬だけ笑っているようにも見えてしまった。

 

「さてと、軍艦さえなけりゃ艦娘なんて航行距離はたかがしれてるんだ、一気に決めさせてッ!!」

 

海上から放たれた一本の矢をとっさのところで避けはしたがメガバズはもちろんのように爆発四散した。

いや、はじめから狙われていたのだろう。

 

どれだけ速かろうが止まるときは止まる。

 

 

あぁそうだった。

もう、周辺の艦隊は始末したんだったな。

ほんの一瞬の出来事。

ただ最大速度で突っ込んで砲撃。いたって簡単だ。

 

「・・・肉体は飾りだったな・・・弾薬も全部叩き込んだし、なぁ、戦略的退却を薦めるぜ」

 

「提督・・・戻ってほしいとは願いません、もう、眠ってください」

 

数は一?

俺はそんなアホなことは教えた覚え

 

いや、違うか。

 

 

「加賀さん、俺はさ、もう俺じゃねえよ」

「知っています、その殻が全てを語っています」

 

全部見透かされているのは面倒だなぁ。

刹那、世界は書き変わった。

 

なんの前触れもなく海面は凍り、全身に穴が空いた。

 

「・・・いてぇな、不意討ちかぁ・・・・」

「・・・・・本体ではありませんね」

 

気づくの早いな

 

「まあな、じゃあ、このリトルボーイと一緒に吹き飛ぼうか」

 

 

栓を抜いたと同時に海底を全速で動き、戦線を離脱する

海底に足をつけたと同時に大きな爆発音が響いたような気がした。

 

何故だろうか、なぜこんなに楽しいのだろうか。

殺しなんてもう飽きたはずだ。

 

今さら戦争を楽しむ?

アホらしい

 

こうやってじゃれあってるのが心地いいだけなのか?

もう敵の主力はいない帰ってもいいではないか。

 

「・・・・生きてるな、あの程度でくたばる訳はないか」

 

ガトリング砲やバズーカを捨て、手から大剣を作る。

結局、重火器なんか弾がなけりゃ邪魔なだけなんだよ、最後は殴りあいだ。

 

残りの燃料からもう短期決戦のみ。

 

勝機は無いがまぁいいだろう。

 

「加賀・・・・その手でもう一度・・・・」

 

彼女はもう物言わず刀を抜いた。

わざわざ弓を捨ててまでだ。

 

戦いとは常に同じ敵との戦闘はそう想定してない。

故にとったのは至極真っ当

 

 

血が飛び。

内のものが流れ出した。

 

 

 

 

 

「・・・・だめかぁ」

 

大剣を投げ、注意を向けた直後に全燃料を使い裏手に回った抜刀からの流れるような牙突。

 

結果はご覧の有り様

 

胴体に思いっきり斬られた傷口があるだけ。

満足だよ

 

「・・・・・何故、なぜそんな真似をした

 

 

『加賀』」

 

本当にくだらない。

なんだいったい

糞が

 

俺の体だろうが

 

お前は退場だ『深海棲艦』

 

「この化け物をなぜ・・・・・知っているはずだ貴様は・・・」

 

はやくどけ

 

「一体何時、私が人類の味方になったとでも?」

「・・・ふざけるな、そんなもの艦娘・・・・・まさか、貴様!!真っ当な艦娘ではないな」

 

もう遅い、気づくのが数分違ったら結果は変わったな。

 

「えぇ、私が『狂帝』いえ、『演じるもの』な、だけですから♪」

「馬鹿な・・・・ことぉ・・・」

 

うまくやったよ。

ほんと

 

考え方を変えたな。

 

「始めに何があった・・・かは、大体想像できよう・・・・貴様は空母加賀の霊でありながら、その身はただの借り物なのだろう、ただ形を変えただけの怪物」

 

ん?

何処へ行くのだ?

 

いやまさかあれか

 

バカ言うんじゃない、自殺行為じゃねえか。

 

「・・・・彼処まで、あそこまでいけば・・・」

「わかりました・・・もう少し見逃してあげましょう、そこまでするなら止めはしません」

 

もう、諦めればいいものを。




はじめから何もかもが終わっていた。

次回『役者』
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