〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜 作:休日ぐーたら暇人
登場人物紹介 13
那珂 海軍艦娘(出向員) 少佐
元マルタ島鎮守府・現水陸研所属の川内型三番艦。
マルタ派遣終了後は水陸研に出向しつつ、他の那珂同様にアイドル活動中。(但し、マルタでのヨーロッパ活動によりアドバンテージがヤバイ)
水陸研では『花魁(の)那珂(様)』として有名で、水陸機動団や海兵隊との模擬戦では鮮やかに敵をボテクリかました。(海兵隊からは指揮下の水雷戦隊員を含め『NAK・GIRL'S』として恐れられた)
青葉 海軍艦娘 中佐
有名過ぎて紹介も要らない『パパラッチ』の青葉型1番艦。
マルタ派遣終了後は松島宮・滝崎の下で広報活動を行なっているが、最近はご近所たる高塚の水陸研での記録係になっていたりする。
『青葉新聞』は他の青葉との連絡網もあり健在で、特に高塚の水陸研に出入りする事から、『水陸研コーナー』なる記事を出し、読者に対して陸自(陸軍)の各種脆弱性への警鐘を鳴らしていたのは皮肉な話。
衣笠 海軍艦娘 中佐
青葉の妹である青葉型2番艦。
マルタ派遣終了後は松島宮・滝崎の指揮下で青葉の広報活動の手伝いをしている。
実は水陸研でも訓練相手になってたりしていたが……他の艦娘同様、訓練相手の方々をボテクリかましていたりする。
2日後
「……なんも出ないな」
73式APC(指揮官用)の車長ハッチから高塚は呟いた。
クロシュタント移動要塞討伐完了を受けた高塚は1日明けて進撃を開始した。
本来ならクロシュタント移動要塞討伐を待たずに進撃をしてもよかったのだが、富山達ら討伐参加者の参加も人員的に必須な上、山本大佐率いる民兵隊(正規軍)『第422親衛空挺特殊任務連隊』先鋒隊が到着し、戦列に加わった為の調整(移動手段はあるが燃料等の補給都合付け等)の為に数日ほど間を開ける必要があったからだ。
『事前斥候でも敵部隊は退いてる、って話じゃあなかった?』
「それでも、軽い妨害は覚悟してたんだ。素通りなんてのは逆におかしい」
インコムを通じて鯖江からの質問に高塚が答える。
詳細状況は分からないが、守山師団長以下第10師団主力の牽制攻勢が成功しているのはわかる。
しかし、裏を返せばマグマ軍としては10師団主力と奪還部隊が合流してしまえば更に状況は不味くなる訳で、こちらを遅滞させなければならない筈である。
しかし、今のところ、その動きすら無いのだ。
「……とりあえず、守山駐屯地に向かうしかないな」
先ずは第1目的地の守山駐屯地に向かう。
2時間後 守山駐屯地
「守山師団長!!!」
「いや、居ないだろう」
守山師団長LOVEな久居が突入していくのを見ながら高塚が密かにツッコミを入れる。
そして、それに付いて行く形で駐屯地に入ると久居はガタイの良い少女…岐阜歩見を捕まえていた。
「岐阜さん、守山師団長は!?」
「守山師団長は親ビン達と一緒に行ったっすよ」
「当然な回答だな。岐阜少尉、ご苦労様」
敬礼しながらそう言うと岐阜も反応した。
「えーと、高塚司令すっね。噂は聞いてるっす!」
「うーん、どんな噂か気になるところだが、それは後にして、守山師団長達が出たのはいつだ?」
「5日前っす」
「5日!? 高塚司令、早く追い掛けましょう!」
岐阜からの答えに久居が急かす。
「もちろんだ。だが、先ずは燃料補給と休憩だ。状況によるが、1時間後に出発する。岐阜少尉は春日井駐屯地の様子見をしてからやって来る後続隊を受け入れ後、後続隊と合流し、戦列に加わってくれ」
「了解っす!」
岐阜が敬礼で応えた時、1人の陸士が猛スピードで駆け寄って来た。
「はあ、はあ、はあ…た、高塚司令が到着と聞いて…あ〜…岐阜三尉、て、手紙忘れてます」
「あっ、そうっす! これを預かってたっす!」
その陸士の言葉に岐阜は何処からか置き手紙を取り出し、高塚に渡す。
受け取った高塚は置き手紙の便箋裏を見ると『第10師団司令部付き幹部 筑波博貴大尉』と綴られていた。
「異動したとは聞いたが、第10師団だったのか」
「はい。筑波一尉は『高塚司令が来たら、絶対に渡せ』と言われていたので…あっ、自分は師団司令部付き陸士の飯田志郎一等陸士であります」
「ありがとう、岐阜、飯田。ところで、こいつの大まかな内容は?」
「自分も少ししか聞いていませんが、近況の資料一式は筑波一尉より自分が預かっています」
「わかった。飯田一等兵は資料と装具一式を揃え、我々先鋒隊に同行せよ。復唱」
「は、はい! 飯田一等陸士は資料・装具を揃え、先鋒隊に同行します!」
「うん、よろしい。さっそく、頼む」
「はい!」
1時間後
休息と燃料補給を終えた高塚ら先鋒隊は再び南下を開始した。
そんな中、高塚は車長ハッチから筑波からの手紙と資料(メモ帳)を見ながら考えていた。
『ねえ、高塚司令。筑波一尉って誰?』
隣のハッチからインコムを通じての鯖江からの質問に高塚は鯖江の方を見ながら答える。
「マルタ島鎮守府派遣警備隊隊長で、あきつ丸や神州丸に次ぐ、第3の副官だ。最初は『色々』あったが…まあ、悪く無い奴だ」
『それで、その副官はなんて?』
「うん、『一瞥以来、司令の噂は10師団でも聴こえており、東京撤退戦の活躍や奪還軍司令就任についても聞き及んでいます、本来なら奪還軍主力との合流が理想的ではありますが、戦略・戦術的観点から止められず申し訳ありませんでした。出発前までに収集した情報資料を別途預けておきますので、掌握・有効利用の方、お願いします。では、現地にて』…だとさ」
『……なんか、司令の下にいたせいか、キッチリしてない?』
「あいつは元々キッチリしてるよ。マルタに居た時は『色々』あったからな…で、この資料には5日前までの敵の展開状況が書いてあったんだが…」
『…だが、なんなの?』
「うん、敵さんの動きは春日井・守山駐屯地を包囲しつつ、俺ら主力の足止めを狙う様な動きだった…が、10師団の攻勢でなんでか知らないが、俺らの足止めを放棄して10師団を追撃したみたいだ…何故かね?」
『…戦力無尽のマグマ軍からしたら、おかしな行動だね』
「あぁ、本来なら、10師団は後方か包囲部隊を分派して追撃し、春日井・守山駐屯地の包囲を解かずに、ほぼ最低限の留守しかいない駐屯地を占領し、俺ら主力の足止め継続と拠点破壊をしてしまえばいい筈だ。なのに、この様子から見ると囮を追い掛けるバカな猟犬の様な醜態だ……何かあるな」
資料と睨めっこしながら、高塚は呟いた。
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