〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜 作:休日ぐーたら暇人
登場人物 14
岐阜歩見 陸自幹部 少尉
岐阜県岐阜分屯地に所属する駐屯地娘。
岐阜分屯地は空自岐阜基地に隣接しており、施設科中隊が駐屯しているが、分屯地の真の存在意義はここが補給廠である事。
施設科な為、ガタイがよく、M2重機関銃ほか、重量物をホイホイで持って行ってしまう程の怪力。
今回は守山駐屯地を代行で守備していた。
飯田志郎 陸自隊員 一等陸士
守山駐屯地所属の第10師団司令部付き陸士。
主に筑波の下にいる事が多かった為、第10師団が攻勢に出た後、筑波から預かった資料を託されていた。
翌日早朝(日の出数時間前)
「……あれだな」
途中から匍匐前進で目的の場所を偵察出来る場所まで前進して来た高塚は静かに呟く。
「……ねえ、司令官、あれが気になってた事?」
「あぁ、筑波の手帳に記述があったからな」
付いて来た鯖江の問いに高塚が答える。
視線の先には煌々と照らした数多の大型ライトの下でこれまた多数マグマ兵が作業をしている。
筑波の資料(手帳)にはこの場所のことが書かれていたが、詳細を調べる前に攻勢に出た為、赤丸で『要注意地域』と書いてあるだけだった。
「どう見ても、敵の補給拠点だね」
「確かにな…だが、どうも、納得出来ん」
確かに普通に見ればその結論に至るだろう。
しかし、高塚はどうも感覚的に違う様な気がしていた…言葉では上手く説明出来ないが。
「…どちらにしろ、放置していくには規模的に無理だ。今から襲撃を掛ける」
「了解、司令官」
しばらくして
(……にしても、朝駆けの様な夜討ちになるとはな)
一旦戻り、部隊を集めて来た高塚は内心呟く。
と言ってもその戦力は限られてはいるが。
そもそも、高塚が率いる先鋒隊自体が機動力重視の為に少数であった。
「それで、どうするの? 司令官」
「大型ライト利用して、ライトの外側から射撃を加え、ある程度減らしてから制圧する。ダスターとチャーフィーの火力もあるから、大丈夫だろう」
「待って下さい……発砲音がします」
鯖江との話が終わった時、久居がそう言って止まった。
高塚もそう言われて耳をすますと、確かに聞こえた。
「……司令、この連射音、妙に馴染みがあるけど…」
「あぁ、元砲兵の俺でも何度も聞いた音だ。急ごう」
その頃……
『わーちゃん、移動するから、お願いね〜』
「わーちゃん言うな、キャリバー」
いま現在唯一繋がる無線周波数の相手に刺々しく返す『わーちゃん』ことWA2000。
なお、相手は『キャリバー』でも有名なM2HB重機関銃である。
(そもそも、鉄血の追撃で逃げてる内に鉄血には似ても似つかない敵が拠点構えてる時点で大事なのに、キャリバー以外はグリフォン本部とも連絡すら取れないってどう言う事なのかしら)
キャリバーが次の射撃地点に到着するまでの間、WA2000はそんな事を考えながらマグマ軍兵士にヘッドショットを決めていく。
そうしている内に、キャリバーが再び射撃を開始した。
「間違いない。キャリバー50だ」
マグマ軍の補給所まで接近した高塚は射撃音とマグマ軍の様子を見て判断した。
「ですが、別働隊なんて…」
「いや、MGの射撃前に別の発砲音もしていた。多分、スナイパーがいるんだろう…と、なると、そんな歪な編成でも動けるのは…」
「まさか…岐阜で保護した『ドールズ』達?」
久居の疑問に高塚は自らの推測をある程度語り、それを聞いた鯖江が答えると高塚は頷いた。
「だが、これぞチャンスだ。鯖江と久居は10名づつ連れて左右に展開・援護射撃。チャーフィー、打撃砲撃開始!」
「はーい! いっくよー!」
元が航空機搭載用の75ミリ砲を地上用に仕立てなおしたと言えどもそこは大砲である。
射程は同口径の野砲に比べれば短いが、それは戦車砲と言う『直射射撃』型の砲が持つ物であり、しかも、今回は良くて300メートル程の距離にいる敵を薙ぎ払ってくれればいいのであって、別に問題は無い。
「よし、チャーフィーとダスターは先頭、歩兵はその後ろから続け! ダスターも掃射始め!」
「了解! ナムで見せた恐ろしさ、とくとご覧あれ!」
連装のボファース40ミリ機関砲の掃射が加わり、AKしか持たないマグマ軍歩兵を圧倒する。
だが……
「高塚司令! あれを!」
「あれは…マグマ軍のハインドか!」
飯田の声に視線を向けると補給か、あるいは警備用かはわからないが、マグマ軍のMi-24ハインドが飛上がろと背中の光輪を作動させようとしている。
「ダスター! 頼む!!」
「いいよ、司令官! それが本来のお仕事だしね!」
高塚の指示に連装機関砲をハインドに向けて射撃を開始。
漸く浮力を得た時の射撃だった為か、姿勢バランスを崩し、ハインドは地上に接触、ついで背中の光輪を地面に接触した為に飛べずに地上に転がる。
「制圧急げ!! 連絡させるな! 連絡されると、更に厄介になるぞ!!」
前に立ち、明らかに目立ちながら陣頭指揮を執り、制圧を進める高塚。
この制圧劇は陽の光が顔を見せるまで続くのだが……それまで高塚はずっと陣頭指揮を取り続けた。
そして……マグマ軍制圧後の捜索でこの『補給拠点』の正体がわかった時、高塚は余りの事に後続の本隊に急遽合流指示を出した。
今は1秒でも早く第10師団との合流を急ぐ状況下でありながら、高塚はそれを(自身の心情的にも)一時的に押し留めなければならない程の事がこの『補給拠点』にはあったのだ。
多くの者が語る『もし、偶然とは言え、これが判明していなければ、更に陸軍(旧陸自)は日本奪還の為に長期間の殲滅戦を行わなければならなかったかもしれない』と言われる事を……。
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