〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜   作:休日ぐーたら暇人

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……まあ、合致してる筈。


登場人物 17


豊川かるら 陸自幹部 一尉

第10師団所属の豊川駐屯地の駐屯地娘。
豊川駐屯地には第10特科連隊・同野戦高射特科隊が駐屯している。
なお、ボクッ娘であり、走るのが好き。


松堂健朗 陸自陸曹 二曹(二等陸曹)

第10特科連隊本部管理中隊所属のベテラン陸曹。
砲手として入隊して以降、砲兵として携わり、照準手・砲班長・観測手・戦砲隊陸曹と陸自特科の発射プロセスを現場一線で歩んだが故に知識と経験を持つ。
アメリカでの実射で仲良くなった米兵からの指摘で二曹昇進後に改変を上申・実験するも、頭の固い連中には通じず、地方本部や本部管理中隊へ異動させられていた。



24 人事

2日後 豊川駐屯地

 

 

 

「はあ……人数も人材も足りねーよ」

 

豊川大尉・松堂二曹を中心とした『抽出特科隊(仮)』の人事異動を含めた申請書に判子を押しながら高塚は呟いた。

 

 

「それは司令部スタッフ? それとも現場?」

 

 

「現場だよ。更に言うなら、その現場を支えてくれる事務官系統も足りん。くそ! 最低30万は必要だと言ってたのに、長年無視してた結果がこれだよ!」

 

鯖江の意地悪な質問に高塚は憤慨を隠さずに表に出す。

無論、陸自を含めた防衛省だって色々事情はあるだろう…だが、冷戦終結以降から深海棲艦事変終結までの事は責任があるどころか、財務省を含めたあちこちの言い分にイエスマンの如く従った結果がこれなのだから、高塚は聞く気もない。

 

 

「予備兵力なんて更にアテになりませんからね。質云々以前に量が絶望的ですし」

 

 

「常備戦力と同等…まあ、最低でも半分ならまだマシも、10分の1でありますからな」

 

 

「はぁ……母数違い過ぎて、対応し難いし」

 

筑波とあきつ丸の言葉に高塚は溜め息を吐きながら愚痴る。

予備兵力チートなロシア軍でさえ苦戦する相手に少数で時代遅れ確定な陸自が苦戦しない筈は無い。

 

 

「失礼します…あっ、司令、お取り込み中でしたか?」

 

 

「いや、愚痴しか言ってないから、大丈夫。それで、要件は?」

 

 

「はい、司令部スタッフの増員要員が参りました」

 

 

「申請した覚えがまったく無いんだが…あぁ、陸幕のチョッカイかな? ウチに必要なのは前線要員、最低限に前線指揮官なんだがな」

 

 

「元上官が聞いたら少し悲しくなるんだけども…まあ、年齢も実力も今や階級すらも上ですからね。高塚陸士長…いえ、先輩」

 

そう言って市ヶ谷の後ろから入って来た幹部に高塚は立ち上がる。

 

 

「桃屋三尉…あ、いや、いま、尉官でしたっけ?」

 

 

「残念ながら、色んな絡みで三佐になってしまいましたよ…まあ、また、『逃れて』しまいましたがね」

 

 

「まあ、それは仕方ないかと…あっ、紹介するよ。桃屋博士(はくし)三等…面倒だ、少佐。俺の原隊に所属してて、なおかつ、俺の大学の間接的後輩だよ」

 

 

「桃屋です。幹部候補生教育後に高塚先輩所属の特科中隊に配属されていたんで、色んな意味で後輩になってしまいました」

 

高塚による桃屋三佐の紹介に筑波がポンッと手を叩いた。

 

 

「あー、確か幹部候補生時代に聞きましたが、『母親の盛大な勘違いで行方不明にされた候補生』の苗字が桃屋…」

 

 

「…うん、そうなんだよ…だから、あの時、俺は部屋に居たって…」

 

 

「落ち着いて、落ち着いて…で、桃屋少佐がスタッフ要員と言う事で配属された、と?」

 

 

「えぇ…ただ、私1人ではないのですが…」

 

 

「1人ではない?」

 

 

「幹補課程修了の曹長、それに即応前の准尉の2人を連れてきました。私や皆んな同様に原隊にも配属先にも行けない人間は沖縄でゴマンと居ますが、大半が配属転換を中々受け入れない様子で…そんな中で配属転換を受け入れた中でも優秀そうな課程修了者をチョイスしました。准尉は付近の即応のリストを探って打診してみました。まあ、本人達は直ぐに了承したんですがね」

 

 

「で、その曹長…いや、士官候補生と准尉は?」

 

 

「部屋の外に…呼んでも大丈夫ですか?」

 

 

「あぁ、早く面割りしたいからな」

 

 

 

暫くして

 

 

 

「細川優希幹部…いえ、士官候補生です。高塚少将」

 

 

「大桐次郎准尉です。即応前の老兵ですが、よろしくお願いします」

 

外見から言って親子程の歳の違いがある2人。

 

 

「細川候補生は…総合成績4位か。こんな左遷か地獄の1丁目によく志願したな」

 

人事書類を一読しながら高塚が言った。

 

 

「成績4位でも、つまらない部署にいるよりは、自分のやりたい事が出来る所に居たい人間なので」

 

 

「野心家の様な発言だな。猫でも被っていたか?」

 

 

「候補生時代は猫被りな毎日ですよ。まあ、その野心がある理由の一端に高塚少将もあるのですがね」

 

 

「やれやれ…士官なんだから、その言動に責任を持つ立場である事は重々承知する様に」

 

 

「わかっております」

 

さて、これが猫被りなのかどうなのかはわからないが、高塚は大桐准尉に話を回す。

 

 

「大桐准尉は……部隊付きに入るには少し早くないですかな?」

 

基本的に自衛隊において陸曹からは定年退官であり、退役年齢が決まっており、退役日はその人物の誕生日になっている。(例外は多少ある)

そして、各部隊先任上級曹長(曹長・准尉)定年退官者は退官2〜3ヶ月前から部隊付きとなる事が定例なのである。

だがだ…人事書類を見る限り、部隊付きへの異動が若干早い。

 

 

「…耳汚しになりますが、よろしいですか?」

 

 

「人間生きていればそんな事は一度、二度ぐらいは自ら経験するから大丈夫です」

 

そもそも、耳汚し話なら高塚の方が知っている。(笑)

 

 

「派閥争いです。それで着任したての若い部隊長が心理的にまいりまして…それを止めるべく一喝したところ、上級からの圧力で少し早い隊付きになりました」

 

 

「……なるほど」

 

なんとも言えぬ話に高塚も内心ため息を吐きながら頷く。

 

 

「まあ、ここには派閥だ、恩恵だ、と騒ぐ輩はいないので、内部統制…下士官兵の統率をお願いします」

 

 

 

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