〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜 作:休日ぐーたら暇人
登場人物 18
桃屋博士 陸自幹部 3佐(少佐)
元特科隊幹部で、佐官幹部課程を修了した幹部。
幹部候補生課程修了後に高塚の原隊である特科隊に配属された為、高塚とは知己。(この時はまだ上司)
しかし、対馬海峡迎撃戦やマグマ軍侵攻時は(皮肉にも)タイミングよく教育入校中であった為、実戦は経験していない。
なお、高塚・滝崎とは直接では無いが大学の後輩。
幹部候補生教育時代に実家に帰った際、母親の勘違いで『行方不明』になっている。
細川優希 陸自幹部 幹部候補生(曹長)
幹部候補生教育を修了した幹部候補生。
配属先は決まっていたものの、マグマ軍侵攻で異動不可能になり、奪還部隊への異動が決まった桃屋が声を掛けた為に直ぐに志願した。
教育時代は猫を被っており、実は結構な野心家。
(と言ってもその野心とは出世と自衛隊の実力強化なのだが)
結構優秀。
大桐次郎 陸自準幹部 准尉
定年前のベテラン准尉。
原隊の派閥争いの激化を一喝して止めたところ、それを逆恨みされたらしく、少し早く隊付きに入れられた。
普段は優しく、怒ると怖い、仕事の出来る人間。
豊川駐屯地
「…まあ、仕方ないよね」
書類一枚をペラペラと揺らしながら高塚が呟く。
本来なら一日も早く鯖江に帰り、北陸からの攻勢を掛けたいのだが、人事書類やら補給やら何やらの調整が入り動けない。
(と言っても、既に手空きな選抜メンバーが鯖江に帰り、準備していたりする)
だが、それは別に鯖江駐屯地でも出来る事なのでもあるが…では、何故に奪還司令部が動けないかと言うと…高塚が持つ書類と部屋の現状が原因だった。
「まさか、兵站末端ではなく、兵站発進点でダブついていたのは私も予想外でした」
「まあ、機転を利かしてくれてありがとうございます」
高塚と桃屋がそんな会話を交わし、前記の事の理由……それはいま、この部屋には沖縄からやって来た、『本来ならもっと早く来ていた』武器娘達がいるからだ。
「あのまま沖縄でバカンスかと思いましたわ」
旧陸自作業服&戦車兵服装のM4A3E8(シャーマン・イージーエイト)中戦車が言った。
「私はもう嫌よ! 沖縄の道路は走り飽きました!!」
機動戦闘車が出るまで唯一の装甲装輪偵察車両だった89式偵察警戒車が不満を爆発させる。
「え、えっと、旧式の二世代戦車は要らないかと思ってました」
気弱そうに眼鏡っ子の61式が控え目に言った。
「空砲しか撃った事のない旧式榴弾砲なので…」
こちらもこちらで控え目な105㎜榴弾砲。
「前線に出す前に放置プレイ…うふふ…」
ドM丸出しな74HSP。
「やっとばら撒けるよ!」
前線に出れるとわかって元気な75MSSR。
「高性能な私を前線に出さないなんて、あり得ないわね」
自信満々な87式自走高射機関砲。
この7名が集ったのは無論、マグマ軍と戦う為である…しかし、一度に7名が送られた理由はなんと、『兵站管理の不手際』だった。
桃屋が豊川へ向かう際、沖縄からは佐世保経由の海路、もしくは空路なのだが、その次便を確認しようとした時、彼女達に出会った。
そして、事情を聞いた桃屋は呆れ果てるしか無かった…彼女達の奪還司令部への配属は『次々に新たに発注される補給物資等の輸送手続きによる兵站管理麻痺により宙に浮いていた』のである。
これに桃屋自身が足を運んで確認した時の担当の回答は『兵器枠なんでスペースがありません』…今まで武器娘に直接的接触が無かった桃屋も『彼女達は艦娘と一緒だ。人員枠で輸送機に載せろ』と『笑顔でお話』を行い、ここまで来たのである。
「佐世保に居たら、滝崎が上手い事回したんだろうけど…いや、みんな、ホントに済まなかった」
「まあ、そんな事は慣れっこですわ…それより、私や61さんはどうするの?」
高塚の謝罪にイージーエイトはそう反応してみせた。
「それについては我が水陸研技術部のお仕事だが…うん、入ってくれ」
ノックの音に入室を促す高塚。
そして、入って来たのは明石だった。
「プランが出来たみたいだね、明石」
「はい、勿論! 憲兵殿が絶対に満足できますよ!」
「そうか…では、当事者も居る事だし、軽くプレゼンをしてくれるかな?」
「ではでは、ホントに軽く説明しますと、戦車の御二人はM51スーパーシャーマンとM48A5です!」
「つまり、105㎜砲を積んで火力アップか」
解り易過ぎて苦笑いを浮かべる高塚。
「残念ながら、こうでもしないと攻撃力に欠けますからね…89式偵察警戒車さんに関しましてはぶっちゃけ機材が情けないんで、さっそく工廠にブチ込みます!」
「はあ!? ちょ、ちょっと、どう言う…は、離せー! 司令官! 司令かーん……」
何故か天龍と龍田に両脇を挟まれ、そのままどこぞに連行されて行った89式偵察警戒車。
「あ、アンビリーバボ…」
「……私達もあああなるの?」
連行模様を見て、61がそう呟き、イージーエイトは心配そうに明石を見て訊いた。
「大丈夫ですよ〜。まあ、89さんは早急に改装が必要なんで、ああなりました。では、続けて砲兵隊の皆様ですが…」
この言葉に105㎜榴弾砲と75MSSRがビクリと反応する…なお、74HSPは恍惚な表情である。
「105㎜榴弾砲と74HSPさんは砲身延長と砲弾の改良、75MSSRさんはロケット弾と装填機構の改良です。詳しくは後程に…87式自走高射機関砲に関しては現状問題はないので大丈夫です」
「だよね」
なにせ、この中では(生産数少量とは言え)現役&バリバリ使えるのが87式自走高射機関砲なのである。
「さすが、ガンタンク…いや、スカイシューターの名がいいかな?」
「…某ロボットの名前はやめて下さい」
「そうか…まあ、実際言われてるんだが…とりあえず、全員解散。明石、後は頼む」
「了解です」
暫くして
「はぁぁぁぁ……」
イージーエイト達が出て行った後、高塚は盛大な溜め息を吐いて机に突っ伏した。
「大丈夫…な訳ないですよね」
「当たり前だ。『奪還部隊の動きが速過ぎて、到着地を設定出来なかった』って理由なんか聞く気にもなれんよ」
筑波の問いに首だけ上げて高塚が答える。
担当者と『お話』して桃屋が聞き出した『もう一つの理由』に高塚は心底呆れていた。
「それは置いといて、改装したとして、このまま、イージーエイトや61を前面に出しての攻勢は…」
「無理だ。良くて2.5世代だぞ? 中東戦争時代なら通用するが、敵さんのT-72の前に出したら、間違い無く、装甲がボール紙だ。こちらも第3世代クラス以上を持ってこないと難しい」
桃屋の問いに市ヶ谷が持って来た麦茶に口をつけながら高塚は言った。
「そう言ってポンポンと出てくる物でも…誰か!?」
市ヶ谷が扉に向かって誰何する。
すると、明野が入ってきた。
「明野さん、立ち聴きはやめて下さい」
「別にいいよ、市ヶ谷さん。どうせ、聞かれてもいい話だし」
「その事で提案があります!」
ズイっと前に出てきた明野に高塚は苦笑いを浮かべながら言った。
「まあ、聞くだけ聞こうか」
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