〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜   作:休日ぐーたら暇人

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なお、今作の姉妹については作者は持っていない。(おい)


登場人物 21

2A3 コンデンサトール2P ロシア軍武器娘

今作オリジナルの武器娘。
420㎜カノン砲を装備する自走砲で砲身は20mに達する。
もともとはオカ自走迫撃砲同様にアトミックカノンとして開発されたが、その後、主軸がミサイルに移行した為に退役したコンデンサトールをロシア軍は武器娘として復活させたが、方針転換等により放置状態になり、日本への支援物資に紛れ込み、日本にやってきた。


2B1 オカ自走迫撃砲 ロシア軍武器娘

今作オリジナルの武器娘。
かのオカ自走迫撃砲の武器娘。
コンデンサトールと共に武器娘として復活したが、此方も持て余した為に日本への支援物資に紛れ込みやってきた。
オカ自走迫撃砲も砲身は20mに達し、射程も大和と同等。


2S5 ギアツィント-S自走カノン砲 ロシア軍武器娘

今作オリジナルの武器娘。
コンデンサトールやオカと違い、此方は前線砲兵隊用の自走砲。
本来は戦闘室付き122㎜榴弾砲自走砲として開発されたのだが、現場等々の意見により152㎜カノン砲を搭載する仕様に変更した為、M110の様な吹き曝しの状態となった。
性能は悪くなかったのだが、ソ連本国部隊のみで運用された為、生産数等わかっていない。
此方も持て余されて、日本へ密航してきた。



29 色物

翌日 鯖江駐屯地

 

 

「つまり、彼女達はこのままこちらに居てもいい、と?」

 

 

「うむ、どうやら、向こうも彼女達を持て余していた様だ。まあ、コンデンサトールとオカはアトミックカノンだからな。武器娘にしたはいいが、核砲弾なんぞ撃ち込まれた日には、担当者は顔真っ青だよ」

 

 

昨日の一件を素早く山本大佐に相談し、山本大佐ルートからロシア大使館・ロシア政府に確認をとったところ、『支援物品に紛れ混んだ? 日本に居るの? じゃあ、そっち所属でいいや』とアッサリ決まったらしい。

 

 

「さて、なら、3人は抽出砲兵隊に編入確定ですね。まあ、最初は大変だろうけど」

 

オカ自走迫撃砲は再装填・発射に5分から10分半を有する…まあ、物が物だけに仕方ないが。

しかし、750キロの砲弾を約40キロも飛ばすのだから、恐ろしいものである。

 

 

「その砲兵隊は何処に居るのかね?」

 

 

「今日はドライブです」

 

 

 

その頃 抽出砲兵(特科)隊

 

 

「すみません、急に押しかける形になってしまって」

 

 

「いえいえ、出来たばかりの隊に適材適所と砲兵武器娘を配備してくれましたからな」

 

松堂二曹を車長、後部座席に桃屋と豊川が座った軽装甲機動車を先頭にアメリカ製M119 105㎜軽榴弾砲を牽引した高機動車数台とR30・74・75・87ら武器娘、105㎜榴弾砲が乗る1トン半、弾薬車(仮定).2台の編成で『ドライブ中』だった。

 

 

「にしても、随分と小振りな編成になりましたね」

 

 

「手間やスペースを取るFHではなく、小回りの効く105㎜なんで特車も必要ありません。また、最低限必要な物に限定しましたから、FH装備に比べれば小振り見えます」

 

高塚と同じ特科隊だった桃屋からすれば『特車』と言われるクレーン付き大型牽引トラックを始めとした大型車で固められていたFH装備部隊との違いを正直に呟いた。

実際、幹部は殆どの場合、現場を動かす陸曹以下砲班員と共に火砲を扱うなんて事は無い。

よって、それを演習や検閲で横目で見ながら自分達の事をやるのだが、見てるだけでもそれは大変である。

防弾チョッキと装具を着けたまま火砲を展開し、背の高い荷台から重軽量様々な荷物を降ろし、孔を掘り、擬装網を展開し、更に射撃をして、更に撤収…天候や状況によっては追加の作業や警戒に人を出すわで、定員割れの砲班員の負担を更に増やしている…これではどんなに鍛えた人間でも疲れない筈が無い。

 

 

「やはり、下っ端だっただけあって、苦労を知っておりますな。高塚司令は『要らん物は構わず載せるな。ホントに必要な物だけ載せろ』と言ったお陰で随分と軽くなりましたよ」

 

 

「まあ、あの可燃物の塊はいただけませんな」

 

 

「いや、まったく…高塚司令が『行軍中の危険性フル無視な奴等なんて放置しておけ』とお構いなく言いますからね」

 

互いに苦笑いを浮かべる桃屋と松堂二曹。

確かに車両はディーゼルエンジン、幌や擬装網は耐火性である…が、荷台に乗る物の大半は耐火性は無く、逆に燃えやすい物ばかりだ。

そもそも、防御力皆無な幌や車体に中口径弾や砲弾・爆弾の破片・炸裂弾の命中とその被害を考慮して無い時点で終わってるが……陸上自衛隊はどうも、戦力の骨幹たる人員への配慮、特に疲労や防御意識は最後に回す悪癖が何処にあるらしい。

 

 

「さすが、生死の修羅場を潜っただけのお方ですな…ん、止まれ!」

 

関心するかの様に言った松堂は正面に視線を移した瞬間、そうドライバーに怒鳴る。

ドライバーの三曹は慌てて急ブレーキを踏み、軽装甲機動車を止める。

後部座席に座る桃屋は運転席と助手席の間に身を乗り出して前を覗く。

そして、視線の先には……明らかに『機械』らしい4本脚の如何にもスマートでは無い単純構造な『ロボット』が居た。

 

 

「…隊長、あんなロボット、ウチにありましたっけ?」

 

 

「いや、似たのはアメリカとかにあるが…あんなにスモールサイズにはなってない」

 

視線先にあるロボットに松堂と桃屋は言葉を交わす。

そして、ロボットは此方をジーと見つつ、クルリと身を翻すと暫く進み、また止まって此方をジーと見る。

 

 

「……付いて来て欲しいみたいですね」

 

その行動に豊川が呟いた。

 

「だな…松堂二曹、蛇が出るか、雉が出るかわからんが、付いて行ってみよう」

 

 

「わかりました」

 

 

数時間後

 

 

 

「で、付いて行ってみれば、ドールズの2人を見つけた、と」

 

桃屋の報告に高塚は苦笑いを浮かべながら呟いた。

あの後、桃屋達は『ロボット』にひたすら付いて行き、最終的にはM1895らの仲間であるドールズ2人を保護した。

 

 

「はい…ところで、あのロボットと彼女達は…」

 

 

「ロボットは『ダイナゲート』、『働き蟻』と訳すらしい。なお、保護した2人のペットらしいが、本来は彼女達の『敵』だそうだ」

 

 

「…の割には何もありませんでしたが?」

 

 

「曰く、戦闘の損壊や鹵獲後の処理でそこら辺の設定が消えた物をペット代わりにする者がいるそうだ。まあ、話の又聞きだがら、穴はあるがね。はて、あの2人…まあ、姉妹だが」

 

 

「…姉妹でしたか」

 

 

「あぁ、で、彼女達は95式自動歩槍と97式自動歩槍だ」

 

 

「歩槍…中国製小銃ですか」

 

 

「と言っても、支那に所有権はないがね」

 

 

 

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