〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜 作:休日ぐーたら暇人
そして、こうなりました。
翌日 高田駐屯地
「何をしてるんです?」
高塚から『夕張達の様子を見て来てほしい』と言われてやって来た細川は夕張や明石、青葉らが配線やアンテナを弄っているのを見ながら質問した。
「あら、おはよう、細川くん。これはね、相互映像通信の為のセッティングなの」
「あぁ、なるほど。だからデカイ画面があるんですね」
4つほど並んだ大型画面と簡易机と椅子、ヘッドセット、カメラのみの簡単な物しかない。
「これで松島宮大将や滝崎少将と顔を合わせて話せるわけですね?」
「えぇ、どうせ、戦況が流動的になれば、面と向かって話をする事が多くなるからね」
「それに対して陸幕のアホ共は…おっと、失礼。愚痴を言いかけました」
「あはは…細川くんも高塚司令に似てきたね」
「おや、それは有難い。このまま、高塚司令の様に剛胆になれる様、努力しないと」
「うーん…なんて言うかな、憲兵さんは」
「思いっきり、苦笑いを浮かべますね」
そんな会話を交わし、夕張はセッティングに戻り、細川は暫くその状況を眺める。
そして、ふと大型画面に視線を向けると四つ目の画面がついていた。
「……夕張さん、いま、何処かと回線結んでますか?」
「いいえ。まだ、周波数とか合わせてるところだけど…どうしたの?」
「じゃあ…なんで、これ、何処かと繋がっているんですか?」
明らかに人工建造物、何処かの司令部か何かが画面に映っているのを細川は指差しながら訊いた。
「……ちょっと待って。確認してみる」
そう言って夕張は明石達の所に足を向ける。
暫く画面の様子を見ていた細川は画面の向こうで誰かが通り過ぎるのが見えた。
「ん、気のせい…」
『おい、カリーナ。なんでこの画面が点いているんだ? まったく、無駄な電気を…』
そして、互いが『それ』に気付いた時、絶叫が響きわたった。
暫くして
「えーと、まずは始めまして。日本陸軍少将の高塚です」
『グリフォン上級代行官ヘリアントスです。そちらの事はスプリングフィールドから事情を聞きました』
暫くのゴタゴタ劇の後、細川から報告を受けた高塚は『試験も兼ねて』、画面で話しているドールズ達の上司(直接ではないらしい)である、PMCグリフォン社『上級代行官』ヘリアントス(女性)と交信を始めた。
「こちらも其方の事は保護したドールズ達から聞いております。其方も気が抜けぬ状況の様ですね」
『形は違えど、人間は戦争から足を抜け出せないと言う事かもしれません。それと、遅れましたが、彼女達を保護して頂きありがとうございます』
「あぁ、いえいえ。成り行きと国内の戦闘下である為に一部法律が運用停止中とは言え、銃火器系武器の所持は我が国では逮捕案件です。警察が動いていない以上、我々の管轄ですし、しかも、所属組織が反社会組織で無い以上、連絡が取れる迄は下手な事は出来ませんので」
まあ、他にも色々あり過ぎて、政府や陸幕に預けれないのもあるが。
『ふむ…ところで、高塚少将。つかぬ事をお聞きしますが』
「なんでしょうか?」
『現場最上級者の貴方がわざわざ交信しに来たと言うことは、何か考えがあるのでは?』
ヘリアントスの言葉に高塚は苦笑いを浮かべながら自分の懸念、つまり、其方の敵である鉄血のユニットがこちらに流入しているのではないか。
そして、出来れば彼女達を戦列に加えたい、と希望を述べた。
『異世界の、しかも、過去の人間と話しているだけでも驚きだが…いや、高塚少将、その懸念は当たっているかもしれない』
「では、つまり…」
『ここ数日、前線から鉄血のボスクラス数名を見かけなくなった、と報告が上がっている…無論、確認はまだなのだが』
この時点で高塚も予想されていた事だけに渋い顔をするだけで済んだ。
『その事を鑑定しての、先の希望だが…」
暫くして
「え、彼女達の参加許可が降りんですか!?」
「と、言ってもお試し期間みたいなもんだがね」
交信を終えた高塚は市ヶ谷達に一連の事を話した。
「お試し期間、とは?」
「うむ、グリフォンの社長、クルーガー氏が別の用事で近くに居ないのと、最終的に社長の採択を受けなければならない事から、ヘリアントス女史の権限内でのとりあえずな処置なんだそうだ」
筑波からの問いに高塚が答える。
「それは…まあ、仕方ないですからね。と言うか、向こうに此方へ来る方法なんて…」
「やめとけ。それを考え始めたところでいい事なんて一つもないぞ…まあ、志願制である事や、『成績管理』やら何やら言われだが、此方としてはそれぐらいのリスクを抱えてもいいぐらいの良い話だしな」
「まあ、それは言えてますね。それで、彼女達はどう言う形で組み込みますか?」
細川からの問いに高塚は顎に手をあて、少し考えてから答えた。
「私直下の軽歩兵部隊と言う事でいいだろう。多分、その方が何かと都合がいい。済まないが、各種装輪・装軌車両と輸送ヘリの確保を頼む。無論、弾薬と予備部品の方もね…あー、嗜好品もかな? お菓子とか、供給追い付くかな…?」
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