〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜   作:休日ぐーたら暇人

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中身を見れば題名と合致する筈。

登場人物24

ヘリアントス グリフォン 上級代行官

PMCグリフォン社の上級代行官を務める女性。
地位としてはナンバー2に近く、権限的には大凡の人事権やらを持つ重役クラス。
但し、合コンでは連敗中。容姿的に悪くはないのだが、何故なのか?(作者にはわからない)


35 いま恩に報いざるは何時報いるのか?

翌日 台北市 中華民国総統府

 

 

この日、中華民国初の女性総統を含めた中華民国(台湾)政府首脳陣が集まっていた。

 

 

「派遣部隊はいま、どの辺りですか?」

 

女性総統の質問に台湾軍制服組トップの参謀総長が答えた。

 

 

「本隊は本日中に佐世保へ入港、派遣部隊司令部並びに先遣隊は富山空港から新潟に入り、高田駐屯地へ向かう予定です」

 

 

「本隊の護衛は大丈夫かしら?」

 

 

「はい、我が海軍が動員可能な戦力総出でサポートしております。また、松島宮殿下指揮下の日本海軍と艦娘達、深海棲艦もこれに参加しており、二重三重の哨戒・護衛態勢下にあります」

 

 

「わかりました。我が国初の大規模軍事支援でもあります。慎重にお願いします」

 

 

「は、何せ我が国民が熱望しての派遣。失敗は許されませんからな」

 

参謀総長の言葉に集まっていた政府関係者全てが頷いた。

何故かと言えば…この派遣は台湾国民の意志と台湾政府の威信をかけたものだったからだ。

 

 

 

マグマ軍が日本・台湾に出現したのはほぼ同時期であった。

しかし、台湾は大陸に近く、更に台湾にマグマ軍が出現した時には敵対する中華人民共和国の国土の8割が占領されており、それまでに続々と台湾へ(第三国へ逃げる際の経由も含めて)逃げてくる人間がその脅威を連日メディアが報道するぐらいであった。

もともと、内省人・外省人や独立派・穏健派のゴタゴタが水面下にあったとは言え、長年支那人民解放軍の脅威を受けていた台湾国民の愛国心と国防意識は高く、更に装備面は若干の見劣りがあるとは言え、対抗戦術・戦略と訓練は欠かしていなかった台湾軍は出現したと同時に素早く対応した。

皮肉にも、台湾の山岳地帯は内陸部の島の真ん中に集中しており、長年の対人民解放軍の侵攻作戦…第二砲兵隊や航空部隊空爆による軍事拠点無力化・航空優勢権奪取後から空挺部隊・上陸部隊による台湾占領過程…における第2段階、つまり、空挺部隊や潜入工作・特殊部隊による後方浸透・ゲリラ戦と似た形で出現した為、台湾軍は冷静かつ素早く対応し、早期にマグマ軍の進出を阻止していた。

そして、マグマ軍対処がひと段落した時、台湾国民の大半が親友とも義兄弟とも言える日本がマグマ軍にほぼ占領されている事態に声を大にして『次は我々の番だ!』と日本への支援を高らかに挙げた。

この時点でほぼ国民の8割がたが賛成であった。

しかし、台湾政府自身は慎重であった。無論、国益等々を考えれば日本支援をしたいのが政府の本心であったが、台湾政府はそれこそ『消極的賛成派』とも言える大半の『反対派』の意見を出す事で事が足りた。

つまり、『日本も首都を占領され、特に反攻主力の陸上自衛隊は指揮システムが崩壊した為に統一指揮での反攻は実施不可能。反攻予定も未定なところに支援部隊を派遣し、万が一全滅した時のリスクが高い』と至極まっとうな見解であった。

この懸念が解消され、派遣に踏む切ったのは当然の如く、高塚の第10師団管区奪還の報であった。

 

 

 

その頃 台湾軍支援部隊輸送船団 『鞍馬』艦内『統合司令部』内

 

 

一番艦『しらね』が解体され、更に深海棲艦出現による艦艇不足と講和後の戦訓から継続運用されている『くらま』は正式な海軍復活に伴い書類等々において艦名を漢字表記になっただけで無く、指揮統制艦に改装されていた。

そして、現在は最高現場指揮官である松島宮の指揮専用艦として台湾軍派遣部隊輸送船団の護衛輪形陣真ん中にいた。

 

 

「やれやれ、台湾軍も動員戦力総出とは…頭が下がるな」

 

 

統合司令部内で松島宮はそう呟いた。

なにせ、台湾海軍は虎の子主力のキッド(左営)級ミサイル駆逐艦4隻の内、3隻を動員している事からもその意志がわかる。

 

 

「今のところ、マグマ軍らしき機影や不審な物の報告もない。まあ、深海棲艦が敵だった頃なら、こんな風には構えていれなかっただろうね」

 

 

「ソノ意見ニハ賛成ネ」

 

滝崎の言葉にそう答えて現れたのは深海棲艦のゴスロリ衣装担当(?)の離島棲鬼。

今回、彼女は深海棲艦側の司令官として鞍馬に乗艦している。

 

 

「賛成されるのもどうかと思うが…まあ、こればかりは実例があるから否定出来んな」

 

 

「あはは…まあ、俺としてはマグマ軍が出るより嫌な話を聞いたけどね」

 

 

「なんだ、それは?」

 

滝崎の言葉に松島宮が訊いた。

 

 

「外務と陸幕が台湾大使館(深海棲艦戦終了後、日本は台湾を正式承認した)に『派遣部隊は沖縄に寄りますか?』と訊いたらしい」

 

 

「…あー、乞食より酷いな」

 

 

「…ゴメンナサイ、話ガ見エナイノダケド?」

 

事情が見えた松島宮、何も知らない離島棲鬼の素直な反応。

 

 

「つまりだ、台湾軍派遣部隊が沖縄に寄港するなら、パレードかセレモニーでもやって、台湾の派遣が外務や陸幕の手柄だと主張したかったんだよ。まあ、台湾大使はそれを知ってか知らずか『一刻も早く部隊を派遣する必要があるので佐世保に直行する』と返答したそうだ」

 

 

 

「…ガメツイト言ウベキカ、馬鹿ト言ウベキカ」

 

 

「高塚が聞いたら、呆れるか罵倒するだけならいいが…下手したら、陸幕と外務に火砲を叩き込みかねん」

 

 

「「うん、やりそう」」

 

この場にいる3人は高塚の事をよく知る3人であり、ブチ切れた高塚が目が笑っていない笑みを見せつけながら何をするか知っているからである。

 

 

「少しは高塚に感謝する事すら出来んのか? あるいは言ってる事に真摯に聞くとか」

 

 

「無理だろう。そうでなかったら、嫉妬と甘言でホイホイと陸自上層部が財務省の味方になる訳ないよ。あれだけ、高塚に警告されたのに」

 

 

「…そうだったな…やれやれ…」

 

 

 

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