〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜 作:休日ぐーたら暇人
登場人物 25
離島棲鬼 深海棲艦 中将
深海棲艦のゴスロリ担当(……)で、元地中海方面管区幹部。
スイーツ・甘物好きで、マルタでも日本でもスイーツ・甘物巡りをしていた。
今回は台湾軍派遣部隊輸送護衛支援部隊司令として、同行していた。
翌日 高田駐屯地
「初めてお目に掛かります。台湾軍日本救援派遣部隊司令官劉志偉(リウヂーウェイ)大佐です」
「同じく副司令官の呉恵君(ウーフェンジュン)中佐です。そして、こちらは台湾軍の武器娘です」
「CM-11アルヨ。よろしくネ」
「AH-1Wスーパーコブラです」
「日本奪還部隊司令官の高塚健人です。まあ、既にご存知だと思いますが、よろしく」
この日、佐世保の本隊より空路で先行していた台湾軍日本救援派遣部隊先遣隊(派遣部隊司令部要員、並びに各部隊の隊長・副隊長・参謀等の部隊幹部クラスと武器娘)が高田駐屯地に到着した。
「ご存知も何も、貴方はマルタの英雄、台湾では『マルタの林保源』ではありませんか! 貴方の活躍を聞いた台湾軍の将校達は『根本博中将がマルタで蘇った!』と口々に言っていた程です!」
「更に我が国の承認の口添えをしてくれた事も聞いております!」
「あ、いや、根本中将ほか帝国陸軍の方々と比べられるなど恐縮ですし、台湾の承認に関しては海軍と外務が主軸なので、私は別に…」
なんだかハイテンションな台湾軍将校達を前にタジタジながら話す高塚。
そして、話の内容にピンとこないが故に呆然とする市ヶ谷と筑波に対して、細川が動いた。
「あー、台湾軍の皆様。ちょうどこれから、新潟北部奪還の打ち合わせを行いますので、情報共有も含めて参加致しませんか? 別の見地からの意見も必要と思いますので」
細川の言葉に台湾軍首脳部も納得し、市ヶ谷の案内で会議室へと移動する。
「すまん、細川。助かった」
「いえいえ。ですが、高塚司令、旧帝国陸軍の将星方と比べられるのを謙遜されるのは理解しますが、ご自身のネームバリューを含めて、そこはご理解下さい」
「いや、アメリカやヨーロッパなんか、俺クラスの人間はゴロゴロいるぞ?」
「そのゴロゴロ居るヨーロッパやアメリカ、更にロシアが一進一退で苦戦しているの中にほぼ単独でここまでやってのけているんですから…まあ、それが高塚司令のいいところなんですがね」
「細川、その通りだが言い過ぎてるぞ」
「筑波、お前さんもか…まあ、自分も修行が足りない事は確かだしな」
そう言って苦笑いを浮かべながら、高塚は打ち合わせ場所の会議室に足を向けた。
暫くして 会議室
台湾軍派遣部隊と山本大佐以下のメンバーの軽い紹介の後、作戦参謀に就任した高田大尉から大筋の状況説明が始まった。
「…以上、航空偵察等の結果、新発田駐屯地方面に敵移動要塞等は確認されませんでしたが、下越、更には長野方面に敵大部隊が集結しています」
高田からの説明に多くの人間が困惑の表情を浮かべる。
そもそも、兵力母数はマグマ軍が圧倒的に優位であり、下越と長野方面に兵力を集めて二正面作戦を強要するなど朝飯前である。
対し、台湾軍派遣部隊が加わってくれるとは言え、主力である日本陸軍の兵数が少ない為、防御にしろ、攻撃しろ、頭を悩ませる。
「ちなみに、高田大尉。大筋の作戦プランは?」
「長野方面の敵兵力の事を考えるに、短期間で下越のマグマ軍を粉砕し、ここに戻る必要があります」
「ふむ、川中島の戦いの上杉謙信の様に襲い、武田信玄の別働隊の様に戻ってくるか…やれやれ、難しいな」
歴女高田大尉のフレーズに合わせて言うと、皆と同じく困惑顔だった高田大尉の顔もパッと明るくなり、聞いていた全員も理解出来たのか頷いた。
「ですが、そうなりますと大兵力との正面衝突になります。敵は我々を留めておくだけでいい。しかし、我々は下越の敵を撃滅・解放後に長野方面の敵に備える為に戻る…行動を縛られます」
細川の言葉に『では、どうするか?』の話になり、参加者から様々な意見が出始め、討論戦になる。
そんな中、高塚はジッと地図と偵察報告を眺め、それを細川と市ヶ谷は眺める。
(さすがにリスクが高い作戦だと思いますが?)
(そうですね…ですが、視点を変えれば打開策が生まれるかもしれませんよ…高塚司令みたいに)
ヒソヒソと市ヶ谷と細川が語り、そう言って細川はニヤリと笑う。
「…高田大尉、敵さんは長篠をやってるのかい?」
「長篠…あっ、野戦築城ですね? いえ、今のところは陣張り…部隊配置のみです」
「陣張りのみか…佐渡って上杉謙信とかの上杉家にとっては重要な資金源だよね?」
「え? えぇ、佐渡金山は江戸幕府に抑えられるまで……あぁ!!」
一連の高塚との会話の流れで何かに気付いて声を上げる高田大尉とその声に討論を止める参加者、そして、ニヤリと笑う高塚。
「…なるほど、我が方主力で敵主力を誘引し、佐渡島を起点に敵後方へ逆襲上陸を仕掛け、敵を包囲・撃滅する。毛利公の厳島合戦の逆バージョンですね、先輩」
桃屋の言葉に高塚は頷き、続ける。
「うむ、佐渡島には海軍の警備隊と警備府があるし、海からの攻撃は海の苦手なマグマ軍にとっても心理的に効くだろう。そうなると、問題は投入戦力だが」
「ならば、我々陸戦隊が志願致します!」
台湾軍派遣部隊先遣隊の中に居た中華民国海軍陸戦隊(台湾軍海兵隊)指揮官が立ち上がった。
「アメリカ海兵隊と共に鍛えてきた我々でありますし、逆襲上陸は我らの十八番。さっそく十八番で盟友の役に立てるなど、武人の誉れと言ってよい事ですから!」
「…急な作戦です。部隊行動に支障はありませんか?」
「御心配にはおよびません。陸戦隊を含めた本隊は休息と日本の環境に慣らせる為に暫く佐世保に留まる事になっています。今からでも対応可能です。また、私を通じて海軍へ支援要請を行いましょう。海軍も喜んでお手伝いしてくれる筈です」
劉大佐の言葉に高塚は頷いた。
「わかりました。こちらも部隊は無理でも輸送艦等の都合はつけましょう」
「ならば、我々も本国に打診してみよう」
そう言って山本大佐がニヤリと笑う。
「我々も部隊は無理でも、太平洋艦隊の艦艇ぐらいは回してくれる筈だ。海軍も艦艇は出番が無くてウズウズしているだろうしな」
「ありがとうございます…では、新潟北部奪還の大筋な作戦は以上となります。詳細なスケジュールは各隊の準備が整い次第お知らせ致します。以上、解散!」
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