〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜   作:休日ぐーたら暇人

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43 追撃 後編

新発田市郊外

 

 

 

「んーと、人手を上越に取られたせいか、結構包囲網が孔だらけだったな」

 

新発田市内を抜け、マグマ軍郊外包囲陣まで辿り着いた松塚が陣容を偵察しながら呟いた。

 

 

「ロシア軍は辿り着いて無いみたいだけど…今なら、慎也を通して駐屯地から討って出れないか?」

 

 

「それも考えたが、残念ながら市内のマグマ軍を片付ける前に郊外の部隊が入って来て市街戦になる。様子を見るに事前に避難させてるだろうけど、学校や病院を巻き込む可能性が高いし、避難していない住民が居る可能性もある。多分、リスクが高過ぎて消極的になるだろうな」

 

 

「ちっ、絶好の好機を不意にするか」

 

松塚の返答に舌打ちをして吐き捨てる松平。

そんな同期に苦笑いを浮かべながら、松塚は思考に頭脳を回そうとした時、上空から独特の音が聞こえた為、顔を上げる。

 

 

「ロシア海軍のKa-27対潜ヘリ? なんでこんな所に??」

 

何故に対潜ヘリが、と思った時に松塚はシリアでの事を思い出す。

 

 

「みんな、そのまま伏せた状態で顔を上げるな! 下手に頭を上げると爆風で首をもってかれる!」

 

 

「え、え!?」

 

松塚の言葉に意味がわからない松平、意味がわかったのか、あるいはそう『プログラム』されているのか、何も言わず伏せるロシアン・ドールズ。

そして……それは『着弾』した。

 

 

 

新発田市郊外付近上空

 

 

『ダンチャーク、イマ』

 

ロシア語からの変換ソフトを使った為か微妙に感情の無い音声と共に地上では爆発がおきる。

新潟県沖合いのロシア海軍巡洋艦アドミラル・ナヒーモフから発射された『カリブリ』巡航ミサイルは新発田市郊外に展開するマグマ軍に向けて発射された。

無論、今回はロシア側のご厚意で被害範囲が市街地内に被らない様に発射してくれている…故に打撃力は微妙だが。

 

 

「いよいよね…総員、リペリング降下用意!!」

 

そう指示を出し、高田はリペリングロープと装具を確認する。

第2普通科連隊はヘリを主体とした空中機動(ヘリボーン)部隊な為、久々の十八番であり、真骨頂な任務である。

 

 

「よーい…降下!!」

 

M i17がハイドラ・ロケット弾ポットを乱射している間に高田はスプリングフィールド達と共にリペリング降下する。

 

 

「降下した隊員から周囲展開! 軍神謙信公の土地に土足で踏み込んだ奴らに天誅を下してやりなさい!」

 

 

 

 

「…あれは、2普連か」

 

巡航ミサイル攻撃が終わり、頭を上げた松塚が呟いた。

視線の先には見慣れた迷彩服の兵士達が第2普通科連隊の部隊マークが描かれたロシア製輸送ヘリ(M i17)からリペリング降下する光景だった。

 

 

「ようやく、あのロシア艦艇が味方である確固たる証拠が現れたな」

 

 

「あぁ、しかも、あの特徴的なKa-27から降りてるのはロシア海軍歩兵隊だ。となると、友軍はそこまで来ているみたいだな」

 

そうと解ればやる事は1つ。

 

 

「松平は28達と支援射撃、マカロフ、41は俺と共に友軍と合流する。オッケー?」

 

 

「「「「「ダー!」」」」」

 

 

「よし、じゃあ、行こうか」

 

 

 

 

暫くして 奪還部隊本隊 73APC(コマンドカー)

 

 

『高塚司令! 高田大尉からです! 高田・ロシア海軍歩兵隊は新発田市郊外に到達、現在、包囲軍と戦闘中。なお、新発田駐屯地からの偵察班と接触したとの事です!』

 

ヘッドセットを介して高田からの報告を興奮気味に伝える細川。

現在、高塚達は台湾軍と共に退却するマグマ軍を追撃していた。

 

 

「わかった。高田には此方も予定通りだから、焦らず確実に制圧・解放するように…と返信してくれ」

 

 

『わかりました』

 

そう返事をしてから細川は交信先を切り替えて、高田達の方に先程の返信を伝える。

 

 

『冷静だね、司令官』

 

 

「別に…まあ、今は一喜一憂してる時でも無いしね」

 

鯖江からの通話に高塚はそう答えた。

 

 

『追撃は順調です。敵は本来の後方への増援派と後退派の2つに分かれている為か、足並みが乱れに乱れています」

 

追加報告とばかりに市ヶ谷が言った。

 

 

「後は対馬達ら、アメリカ・台湾海兵隊が上手く展開していれば更に効率はよくなるが…どちらにしろ、油断しなければ勝ちは確定だな…ふっ、こんな事を言うから油断してしまうんだがな」

 

最後は自虐気味に呟く高塚。

作戦は順調に進行している…しかし、高塚からすれば『罠の臭い』がしないとは言え、少しの齟齬で成功一歩手前で大ドンデン返しをされた事象など歴史書を調べれば数多にある事を知っている為、神経質になったいる自分に苦言を言った。

 

 

『司令、少し肩から力を抜きましょう。それこそ、無駄に疲れますよ』

 

 

 

「…そうだな、筑波」

 

筑波の言葉に高塚は内心、溜息を吐く。

疲れているな…と思いながら。

 

 

 

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