〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜 作:休日ぐーたら暇人
1330 新潟空港(仮司令部)
「緊急ながら、皆んなに集まってもらってすまない」
仮司令部のテントの中で司令部メンバーと各駐屯地娘ほか、日本陸軍(+山本大佐)ら主要な幹部達を集めた高塚がそう言って話を始める。
「まず、富山と小倉は久しぶりだろうが、大宮駐屯地の大宮氷乃大尉だ」
「陸自のマッドサイエンティスト大宮と憶えて…」
「憶えなくていいです」
大宮の言葉を市ヶ谷が止めた。
「それでだ…此方は特殊作戦群の」
「須走隆美だよ」
「出浦信よ。まあ、見ての通り、私はスナイパーね」
曰く『特戦群の証』の銀の得物を持つ2人が軽く挨拶する。
「そして、此方の武器娘は…」
「ふん…AMTRS所属のAH-1Sコブラだ」
不遜と言うべきか、偉そうと言うべきか、見下した態度のAMTRS(アマテラス)のコブラ。
「ちゃんとしないか…さて、特戦群2名を含めての緊急招集の理由だが、特戦群からの提案もあり、プランが纏まったので皆の意見を聞きたい」
そして、纏まったプランを一通り説明し終わると…提案者側である特戦群の2人も微妙な顔をする。
「え、ちょっと待って、なんでその顔になるの?」
「い、いや〜、指揮官って色々噂は聞いてたけど、まさかそれをするって…」
須走が苦笑いを浮かべながら言った。
「いやいや、待て待て。第一師団管区からのマグマ軍増援を考えれば短時間で済ます必要がある以上、こうしないとだな…」
「敵の指揮官も相当なやり手なのに、自殺願望のある指揮官とは思わなかったわ」
今度は出浦が呆れた風に言った。
「じゃあ、誰かこれより最良なプランを出してくれ。多角的に観て問題無いなら修正して採用する」
高塚の言葉に2人は黙る。
特戦群であれば自分達以上にマグマ軍の動きを知っている訳で…故に手が思い浮かばないのだろう。
「なあ、同志。我々の部隊だが、松本駐屯地に向かってもいいかね?」
そんな状況を横に置き、山本大佐が言った。
「えっ、ですが、同志達の部隊は…」
「それについては代理のアテがある。その代理が来れるなら、我々は松本駐屯地に向かうが…どうかな?」
「……わかりました。その代理が来れるなら、ですよ」
「ありがとう、同志」
「他に何かある者は? いないなら、解散だ。あっ、大宮はちょっと来い。それと高田達は後で話したい事があるから、ちょっと残ってくれ。じゃあ、分かれ」
暫くして
「さて、大宮。包み隠さず話せ…なんだ、あれは?」
ジロリと睨みながら高塚は大宮に訊いた。
大宮はマルタで何度か見た『キレ気味の睨み』に内心冷や汗を流しつつ答えた。
「あのAMTRSのコブラの事ですね。彼女は特戦群に次ぐ対マグマ軍への切り札です」
「切り札ね…の割には性格や態度はともかく、敵も味方も全部吹っ飛ばしそうな気がするんだが? こう言っちゃあなんだが、まるで艦娘や武器娘に深海棲艦を足した様な…ある種の禍々しさが出てるぞ?
「仕方ありませんし、その指摘はあっているかもしれません。何故なら、彼女は我々の技術にマグマ軍の技術を足した、『キメラ種』ですから」
「キメラだと!?」
「はい。なので、マグマ軍兵同様に上官に忠実であり、命令に従います。私以外で、高塚司令の命令なら何も考えず本能的に従いますが、下の人間にはあの態度です」
「……そんな者を連れて来て何をするつもりだ!? マグマ軍を地上から殲滅するつもりか? 終わりが見えないどころか、泥沼に陥るぞ!!」
思わず怒鳴る高塚に内心の動揺を隠しつつ大宮は飄々と答える。
「『そんな者』だからです。高塚司令、彼女を生み出した時はそれこそ破壊衝動に駆られて暴れていたんですよ? それに比べれば随分大人しくなりました」
「そんな話は聞いていない。それに、それなら余計に作戦に参加させれるか。敵も味方も丸ごと皆殺しにさせる様な者を投入する程、俺は困ってないぞ」
「だからこそ、連れて来たんです。マルタでの経験がある高塚司令しか彼女を任せられないからです」
「…ようやく本音を出したな」
「事実を言ったまでです。それと高塚司令が色々と口を出し過ぎです。まあ、それはともかくとして、彼女はキメラ故に『感情が無い』に等しい存在。なので、レキシントン達や深海棲艦を繋いだ高塚司令でないと『修正』出来ない、と判断しました」
「なんか、実験道具にされてる気がするが?」
「戦場は巨大な実験場ですよ?」
「あぁ、まったく、皮肉な話だよ」
苦笑いをうかべ、高塚は答えた。
暫くして
「同期に会いに行って巻き込まれると言うのも大変だったな」
大宮との話を終え、高田が連れて来た新発田と松塚達との挨拶を終えた高塚は松塚と松平が巻き込まれた原因を聞いて言った。
「ですが、高塚司令に直にお会い出来ましたので、怪我の功名と言う物かと」
「あはは、上手い事を言う。さて、君と松平大尉の今後だが、原隊は戦車かな?」
「はっ、第11戦車隊です」
真面目の具体化の様に松平が答えた。
「『士魂の11』か…残念ながら、2人が知っての通り、指揮伝達システムが失われている上にマグマ軍が跋扈している状況だ。そこでだ、2人の意志に任せたいが、ウチの戦車隊に来る気は無いかな?」
「戦車隊ですか?」
「あぁ、まあ、『日本解放軍戦車隊』なんて素っ気も何も無いが…戦車型の武器娘3名と74式戦車、これに旧型のロシア戦車も加わる混成編成だが…どうかな?」
「と、言うより、戦車隊を指揮する士官が居ないのが現実なんですけどね」
「市ヶ谷さん、ニコニコしながら現実を言わないで下さい」
市ヶ谷がニコニコしながら言うのを筑波が苦笑いを浮かべながらツッコミを入れる。
「まあ、それが一番大きいな。で、どうかな?」
「わかりました。自分でよければ」
「私もこのまま無駄飯食いで厄介になるよりはマシです」
「決まりだ。市ヶ谷さん、お願いします」
「わかりました」
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