〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜   作:休日ぐーたら暇人

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登場人物 30

習志野飛音 陸自幹部 一尉

『第一狂ってる団』で有名な第一空挺団で有名な習志野駐屯地の駐屯地娘。
堅実堅固で男勝りな幹部空挺隊員。
東京陥落時に習志野駐屯地を放棄・撤退し、沖縄に駐留していたが、空挺団長の独断で派遣された。


47 運用

その夜 高田駐屯地

 

 

「………」

 

黙って手紙を読み終えた高塚は元の通りに折り畳み直して横に置いた。

 

 

「それで、内容は何でしたか?」

 

一番気になっていたであろう市ヶ谷が訊いてきた。

 

 

「概要だけ言えば、空挺団長も空挺隊員も我慢の限界が来たから、空挺団長が出来る範囲の権限で習志野達を送った…と言う事かな」

 

横に置いた手紙を市ヶ谷に渡しながら言った。

 

 

「ある種の自主派遣ですか。なら、『志願を募って』と言うのも筋は通りますね」

 

市ヶ谷の隣で手紙を見ながら細川が呟いた。

 

 

「陸幕直下じゃあ、越権行為って言われてもおかしくない『自主派遣』だがな……にしても、書いてる事はその通りなんですよね」

 

苦笑いを浮かべながら筑波が言った。

曰く『前線と陸幕では意識齟齬の差が激しく、このままでは戦いにならない』と空挺団長は書いていた。

 

 

「まあ、空挺団としては東日本の一件もあるから、日本初の実戦空挺を外国軍空挺部隊にやられたくないんだろうね」

 

 

「「「あー、なるほど」」」

 

 

「なんでそちらはそれで納得出来てしまうんでしょうか?」

 

納得した桃屋・筑波・細川に対し、困惑する市ヶ谷。

 

 

「仕方ないですよ。男の軍人はプライドを気にする物ですから」

 

 

「だが、少数とは言え習志野空挺団が来てくれたのはありがたい。維持する事を怠らなければ手札が多いに越した事はないからな」

 

 

「まったくですね、先輩。自衛隊はマルチロール路線に拘り、自らの手足を縛ってしまった雰囲気がありますからね」

 

 

「あぁ…まあ、予算があるからな、仕方ないさ…あはは…」

 

何時もの結論に高塚も市ヶ谷達も苦笑いと溜息を吐いた。

 

 

 

翌日 高田駐屯地

 

 

長野方面解放の為の集結拠点である高田駐屯地に下越から秘密裏に戻って来ている解放部隊が続々と到着していた。

そんな中に……

 

 

「あれが解放部隊司令部か…ホントにテントなんだな」

 

 

「それ以外は揃えに揃えた装備の塊ですね」

 

第30普通科連隊から派遣された鈴木大尉と新発田大尉が周囲を見ながら言った。

間借りと言うべき司令部テントの周りには73式APC、M113、BTR-80、ハンヴィー、ティーゲル等々と言った支援品を含めた装備が司令部テントの周りを埋めている。

 

 

「ふっ、『砲兵は戦場の女神なり』と言うが、高塚司令は『砲兵ゆえに神になった』と言うべきだな」

 

 

「と、言いますと?」

 

鈴木の言い様に新発田は訊き返した。

 

 

「簡単だよ。砲兵とは時代や戦況によっては最前線に出るが、大半は最前線の一歩後ろに居る。故に遊動的な戦況を一歩退いた形で観察する事が出来る…これは前線を任された指揮官に必要な事だ」

 

 

「ですが、それは戦闘職種の指揮官全員に言える事ではありませんか?」

 

 

「と思うだろう? これが実は難しく、そして、理解し難いんだ。歩兵科士官だから言えるが、我々はほぼ最前線に投入される。故に『最前線』の視点が多くなる。また、戦車科も最前線に投入されるが装甲の塊ゆえに『その視点』でしか語れない。その点、砲兵は各種兵科の支援が主になるからこそ、様々な情報と多方面からの視点を要求される。まあ、高塚司令は大学卒の学者系だから、余計に物事が見えたんだろうね」

 

 

「……まるで、今の陸自上層部にはその視点が欠けてる、と言いたい様に思うのですが?」

 

 

「実際そうだよ。多分、高塚司令が居られなかったら、今頃我々がここには居ないだろうね…さて、立ち話は切り上げて、高塚司令に挨拶に行こうか」

 

そう言って鈴木と新発田は司令部テントに足を向けた。

 

 

 

暫くして

 

 

「今回、30普連には松本駐屯地に向かう我々司令部部隊に同行してもらう…あぁ、私は別行動だから、居るのは私以外の司令部員だがね」

 

 

「特戦群ではありませんが、高リスクな行動ですね」

 

ニヤリと笑う鈴木に対して、高塚は苦笑いを浮かべる。

 

 

「敵の指揮官も武闘派だそうだ。そして、リスクとリターンを考えれば敵指揮官を狙うよ…まあ、お互い様な案件だな」

 

 

「なるほど、承知しました…それで、今のところ、作戦全体に変更は無い訳ですね?」

 

 

「あぁ、変更があったとすれば、習志野空挺部隊が参加するぐらいだ。それ以外の大きな変更は無い。今のところはね」

 

 

「わかりました。ところで、我々の部隊の車輌は装軌式が主になるようですが…少し、おねだりをしてもいいでしょうか?」

 

 

「内容によるが…ますば聞こうか」

 

 

「では、我が部隊に全地形対応車、バギーの様な小回りの良い物を提供出来ますか?」

 

 

「ほう…平時では道交法上運用出来ないから、今の内に使えるか試そう、と言ったところかな?」

 

 

「高塚司令ならば、全地形対応車を自衛隊でも導入すべきだ、と言われと思いまして…マルタでテッケンクラートに乗られた筈ですから」

 

 

「はっはっは、なるほど、うん、確かにな。わかった、手元には無いが、出来る限り早急に確保しよう。ただ、次の作戦に、しかも、初っ端からバギーが入手出来るかは不透明だがね」

 

 

「いえ、下知だけでももらえれば今は構いません」

 

 

「そうか…では、その運用報告も頼むよ。水陸研でもその類は使っていたが、平時運用しか出来なかったからね。すまないが、頼む」

 

 

「わかりました」

 

 

 

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