〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜   作:休日ぐーたら暇人

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と言っても2000字程度で終結


登場人物 4


龍田 海軍艦娘(出向員) 准尉

天龍型2番艦で元マルタ・現水陸研所属の艦娘。(改二済み)
マルタ派遣終了後、天龍と共に水陸研に出向、教官として所属している。
訓練を受けた人間からは『鬼天龍・死神龍田』『微笑む死神』のあだ名で呼ばれているが本人は全く意に介していない。


杉谷太一 第14普通科(歩兵)連隊第二中隊 二等陸士(二等兵)

第14普通科連隊第二中隊所属の二等陸士(新隊員)で小銃手。
金沢駐屯地から鯖江駐屯地へ73式装甲車受領・慣熟訓練の為に移動、天龍・龍田の訓練を受けていた。


萩原満 第14普通科連隊第二中隊 二等陸士

第14普通科連隊第二中隊所属の二等陸士で分隊支援火器員、杉谷の同期。
訓練の為に金沢駐屯地から鯖江駐屯地へ移動、訓練を受けていた。
分隊支援火器員であるのは身体つきが良く、力持ちだから。


松島宮孝子 日本海軍(旧海自) 海軍大将

『マルタの英雄』の1人で現日本海軍の総指揮を執る皇族。
マルタ派遣終了後は深海棲艦との講和作業を進めながら戦後を睨んだ艦娘の処遇等に奔走、東京撤退戦では海軍の指揮を執り、現在は海軍の総指揮を執る。
後記の滝崎とは転生者同士・恋人同士・戦友である。


滝崎正義 日本海軍 海軍少将

『マルタの英雄』の1人で松島宮の副官兼参謀。
マルタ派遣終了後は松島宮同様、各種戦後処理に奔走。松島宮が海軍の総指揮を執ると松島宮や高塚達のサポートに回っている。
高塚とは親戚、松島宮とは転生者同士・恋人同士・戦友、艦娘達とは松島宮と共にマルタと『前世』で戦った戦友。(詳しくはマルタ鎮守府を参照)
なお、現在海軍は佐世保を前線司令部として、各海軍拠点への指揮統制と陸軍支援を行っている。


5 攻勢開始

4日後 0000時

 

 

 

「全隊準備完了です、司令」

 

普段の陸自制服と違い、本日は完全装備姿である市ヶ谷が言った。

そして、これまた完全装備姿の高塚は送受話器を握って静かに言った。

 

 

「全隊事前作戦通り。前進」

 

この指示の直後、周囲の73式装甲車を含めて全隊が動き始めた。

 

 

 

この日、奪還部隊は動き始めた。

鯖江駐屯地から金沢・富山両駐屯地に部隊を送り、駐屯地周辺の偵察を排除した。

その後、各駐屯地を起点に三方からの『南下奪還』を開始した。

 

 

 

約1時間半前 2230頃 マグマ軍防衛線前方

 

 

「ギッ…」

 

突然の襲撃に声を上げようとしたマグマ軍歩兵は背後を取られ、更に喉に銃剣のひと突きを受け、声も挙げれずに絶滅した。

その周囲には同じ様な死体が2つ転がっている。

 

 

「いや〜、いい夜だね…司令もこんな舞台を用意してくれるなんてね」

 

首に白いマフラーを巻いた人物はそう呟いた。

その周りには数名の影が見えるが全員物々しく武装している。

 

 

「じゃあ、次行こっか」

 

まるで何処かのお店にでも行くかの様な軽い感じでマフラーの人物は言うと、小集団は闇へと消えた。

 

 

 

0100 マグマ軍前線陣地

 

 

 

「……普通では無いです」

 

金沢は目の前の光景に呟いた。

明野達の事前航空偵察で確認していたマグマ軍前線陣地に突入したところ……陣地にはマグマ軍歩兵の死体しか残っていなかった。

 

 

(どの死体もAK47を持って、中には安全装置を解除した状態の物もあるのに…発砲した痕跡がない…しかも、背後から的確に人体急所をひと刺しで済ませてる…普通じゃあ無いです。かなりの遣り手の仕業ですね)

 

転がる死体を調べた金沢は心中でそう呟きながらある種の恐怖を感じていた。

本来、この類が得意な対馬まどか達の対馬警備隊は事前の作戦指示で『敵後方でのゲリラ戦』を命じられている為、前線のここには居ないのでそれは無い。

後は『S』と言われる『特殊作戦群』の噂は金沢も聞いた事はあるが…何故か違う気がした。

 

 

「……作戦通り、このまま前進します」

 

直率部隊に命じ、金沢達は再び進撃を開始した。

 

 

 

0200 高塚直率部隊

 

 

 

『各部隊順調に進行中です』

 

 

「そうか」

 

73式指揮装甲車(73式装甲車の指揮官用タイプ)の車長ハッチで外を眺めながら高塚はヘッドセット経由で市ヶ谷からの報告を聞いていた。

 

 

『ねぇ、司令官。1ついい?』

 

 

「なんだ、鯖江中尉?」

 

隣のハッチに居る鯖江からヘッドセットで質問が入ってきた。

 

 

『鯖江でいいよ。司令官、『S』の介入があると思う?』

 

 

「さてね…まあ、半分運に近いだろうね。ただ、俺は介入されなくても大丈夫な作戦を立てて実行するだけだが」

 

 

『だよね。うん、やっぱり、何時もの司令官だね』

 

 

「おいおい、なんだなんだ?」

 

 

『気にしなくていいよ。それより、司令官は前に集中して』

 

 

「はいはい」

 

……こんな状況で高塚達は進行中であった。

 

 

 

 

0630 富山・小倉隊

 

 

「よーし、みんな来いや!」

 

 

「蹴散らせ!」

 

富山駐屯地から南下した富山・小倉隊は遂に敵と交戦に入った。

今までは『何故か敵が殲滅』されていたが、増援か交代かはわからないが敵部隊と接触・交戦していた。

 

 

「富山2尉! 前方より『芋虫』!」

 

歩兵を蹴散らしていた最中、陸士の1人が叫ぶ。

前方から『芋虫』ことマグマ軍歩兵戦闘車(BMT-1)が10輌ほどやってきた。

 

 

「チッ、対戦車火器前へ! 対戦車戦闘…」

 

 

「富山! 俺に任せろ」

 

富山の声を遮ったのは同行していた木曽だった。

木曽は2人の前に出ると雷巡である木曽の魚雷発射管から発射されたのは魚雷……では無く有線誘導ミサイル。

魚雷発射管に取り付く妖精さん達が操る有線誘導ミサイルは歩兵を展開する前にマグマ軍歩兵戦闘車に命中し、爆散した。

 

 

「「さっすが木曽!!」」

 

 

「あはは…賞賛するより進もうぜ」

 

苦笑いか、照れ笑いか…微笑みながら木曽は言った。

 

 

 

 

1013 金沢隊 前進偵察班

 

 

 

「……T-34・54・62・72…これに芋虫と歩兵…うぅ、完璧な機甲部隊です」

 

地形を利用し、察知した敵部隊を偵察していた金沢は陣容を観て言った。

一方………

 

 

「ほぇ〜、久々に見る光景にゃし」

 

 

「う、うーん…でも、数は少ない様な…」

 

 

「ねぇねぇ、私が突入するっぽい?」

 

同行する睦月・吹雪・夕立(共に改二)はマイペース。

 

 

「(富山さんや天龍さんに押し付けられる形で預かりましたが…なんでこんな状況でこんなにマイペースなんでしょうか…)あ、あの、皆さん、し、静かに…」

 

 

「じゃあ、行くにゃしい」

 

 

「了解です」

 

 

「ソロモンの悪夢、見せたげる!」

 

 

「ひ、ひゃ!? ちょ、ちょっと!?」

 

金沢が止めるのも聞かず、3人は隠れていた藪から飛び出すと艤装の主砲をマグマ軍に向けると走りながら的確に乱射する。

なお、上記の旧ソ連製戦車も全てマグマ軍では人体化している。

それがT-34だけで20体、T-54で10体、T-62で3体、指揮官格のT-72が1体、『芋虫』BMT-1が4体、警戒の歩兵数名の陣容。

そんな中に3人で突入は無謀な行為だ…但し、『普通の人間』なら。

 

 

「歩兵は片付けたにゃしい!」

 

 

「歩兵戦闘車も撃破完了です!」

 

 

「指揮官格のT-72も片付けたっぽい!」

 

……そう、数と戦いなら『艦歴』とマルタで経験した彼女達にはどう対処すればいいのかお手のものなのである。

 

 

「後は残りを片付けるっぽい!」

 

 

「援護します!」

 

 

「ふっふっふ、我らと逢った事、後悔するにゃしい!」

 

目の前で次々マグマ軍を片付けていく3人に金沢はぽかーんと観ているしかなかった。

 

 

 

1248 高塚直率部隊 敵前線司令部

 

 

 

「……慌てて撤収したみたいだな」

 

そう呟いた高塚。

敵前線司令部に到達した高塚達の前にあったのは物が煩雑に置かれた空っぽの司令部。

通信機材や重要書類等の物品は流石に忘れていないが、撤収に邪魔であったのであろう重機関銃だけでなく、AK-47やRPG-7と言った個人火器すら散らばっている。

 

 

「周囲警戒しつつ、安全化開始。この慌てぶりたがら、敵兵の取りこぼしがあるかもしれないからね」

 

鯖江がテキパキと指示を下す中、高塚はポツリと呟いた。

 

 

「終わったら飯だな、こりゃあ」

 

 

 

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