〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜   作:休日ぐーたら暇人

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先週は更新出来ず申し訳ありませんでした。
今年最後の更新(予定)な為、2話同時投稿致します。



52 長野北部解放戦 5

出現以降、世界でマグマ軍と戦うにつれて2つ判明した事がある。

まず第一に、マグマ兵自体が『海を嫌う』事だ。

これは湖として有名なカスピ海での事例だが、ロシア海軍スペツナズがマグマ兵を捕らえた時、このマグマ兵は誤ってカスピ海に落ちてしまい『全身を掻きまくっていた』そうだ。

よって、マグマ兵は『海水だけでも苦手』で『アレルギーに近く、全身蕁麻疹が出来たかの様に掻く』と言う事がわかったそうな。

そして、第二だが…ある意味、七不思議に近いが…マグマ軍は『航空・対空戦力が歪』である事だ。

まず、マグマ軍は『一部例外を除き』航空戦力はヘリしか『無い』。

つまり、高高度で戦える航空機なんて無い。故に固定翼機を投入されれば限定的航空優勢(或いはエアカバー)を取る事すら出来ない。

(実際、緊急事態と言う事で訓練機扱いにしていた妖精達が乗る烈風や紫電改等のレプシロ機に迎撃・撃墜される事案まで多数発生した)

また、ソ連・ロシア軍を模倣するマグマ軍はこれまた不思議な事に『対空火器にも偏りかある』のだ。

確かに対空戦車や携帯SAMは存在する。だが、中距離・長距離SAMが存在せず、旧ソ連の様に近接対空火器と中長距離対空誘導弾を組み合わせた、濃厚な多重迎撃網を構成していなかった。

そして……日本でもこの歪な構成を突かれたのであった。

 

 

 

その頃 千曲市 マグマ軍主力

 

ミサイルが四方八方から迫る中、擬体化されたシルカが23㎜機関砲を乱射し必死にミサイルを迎撃するマグマ軍。

しかし、対艦隊用航空攻撃を応用した全周囲飽和攻撃はその弾幕を抜け、次々に戦車やシルカをはじめとした目標にミサイルが着弾する。

密集状態で待機していたマグマ軍に数百機の大群から放たれたミサイルは例え本来の目標に外れたとしても、部隊中央部に向けて飛んでしまえば『まぐれ当たり』してしまう。

既にマグマ軍近接迎撃網は飽和状態であり、その迎撃能力は著しく低下していた。

そして、それを高高度で観察するグローバルホークからの映像により察知した攻撃隊は近接攻撃に移行した。

長距離レーダーとイージスシステムが有ればもう少しどうにかなったかもしれないが……それは無い物強請りだった。

 

 

 

その頃 高塚達

 

 

「よしよし、敵さん、空に注意がいってるな。タイミングがいいぞ」

 

特戦群の事前情報通りにライサ戦闘団司令部のあるカントリークラブに潜伏接近した高塚達。

慌てる司令部周辺の様子を見ながら高塚はニヤリと笑い呟いた。

 

 

「では、指揮官。はじめますか?」

 

豊川の言葉に高塚は頷いた。

 

 

「あぁ…皆、概要は話した通りだ。敵の指揮官は殺すな。生きて捕らえる。また、マグマ兵も戦闘不能にするだけでいい。無駄に殺す事はするな」

 

その指示に出浦を除く全員が頷いた。

 

 

「標的以外はどうでもいいのはともかく、敵指揮官を『生け捕りにする』なんて、高塚司令はリアリストね」

 

出浦が呆れながら言った。

 

 

「まあ、そう思われても仕方ないな。ただ、彼らを見てみろ。情報通りなら、敵指揮官が育てた部隊は精強だ。そんな中で総指揮官を戦死させた場合、孤立した人員がゲリラ化する。小野田少尉や南方でのゲリラ化した日本兵の事例から見れば厄介だ」

 

更に言うならば、総指揮官の仇を取らんと死兵化するのを高塚は恐れていた。

『死兵とは決して相対するな』は戦術の世界では絶対だからだ。

 

 

「故に出浦、下手に撃って殺すなよ」

 

 

「はいはい、わかってるわよ。射撃の腕は信じて欲しいわ」

 

 

「よし、じゃあ皆、やろうか」

 

 

 

数分後 ライサ戦闘団司令部

 

それは突然だった。

くぐもった発砲音が聞こえた様な気がした時、手近にいた歩兵が脇腹を抑えて倒れ込んだ。

そして、それが合図かの様に明確な発砲音な複数聞こえたと共に歩兵が数人倒れた。

 

 

「敵襲! 敵ノコマンドダ!!」

 

 

「敵ハ少数ダ! 落チ着ツイテ…グガッ!?」

 

 

「気ヲツケロ! 敵二スナイパーガイルゾ!」

 

高塚達の襲撃に慌てながらも素早く応戦するマグマ軍。

そして、将校の1人が通信機に手を伸ばした瞬間、その通信機に大孔があいた。

 

 

「マサカ…下手二装甲車輌ヲ前二出スナ! 敵二ハ対物…」

 

ガキーン!

 

ライサが叫び終わる前に襲撃部隊を掃射しようと近付いた擬体化したシルカに『対物ライフル』の銃撃が直撃し、シルカが大破した。

 

 

「ライサ大佐! ココハ自分達ガ対処致シマス! 司令部ヲ移動シテ下サイ!」

 

 

「…スマナイ。司令部移動! 決シテ無茶ハスルナ!」

 

 

「心得テオリマス。総員、ライサ司令ガ離脱スルマデ通スナ!」

 

 

 

一方 高塚達

 

 

「指揮官! 目標が逃走します!」

 

槓桿を引いて薬莢を排出していたスプリングフィールドが叫ぶ。

素早く確認すると司令部要員を引き連れ、撤収しようとしている。

 

 

「憲兵殿! ここはオレ達に任せて行ってくれ! 逃したら面倒なんだろ!!」

 

97式20㎜自動砲に新しい弾倉をはめながら天龍が怒鳴る。

 

 

「すまん! 恩にきるよ、天龍!」

 

 

「いいって事よ! 龍田! 憲兵殿に付いて行け!」

 

 

「うふふ、天龍ちゃんが言うなら、仕方ないわね〜」

 

 

「司令官、僕も行きます!」

 

 

「豊川もか。よし、3人行くから頼む!」

 

 

「へっ、やっぱ、憲兵殿だよな! おーし、皆、援護射撃!!」

 

 

 

その頃 松塚隊

 

 

「急げ急げ! 友軍が待っているぞ!!」

 

自らの乗車を抽出部隊の先頭に松塚は最大スピードで406号線を南下していた。

率いるのは高田・富山らが率いる歩兵・工兵の混成部隊に61と砲兵隊、更に台湾軍からのMC11戦車4輌を含めた抽出部隊。

まだ『本命』は投入されていないが、今は1分1秒も無駄にはできないからだ。

更に松塚は久々に興奮していた。元騎兵隊の祖父の血を受け継いだだけに先頭に立って指揮を振るいながら突っ走る事に。

 

 

「(馬が戦車に変わっただけだ。ハッチから身を乗り出し風を感じながら指揮を執る…悪くないな…ん?)……全車停止!!」

 

進路上に出た人影に松塚は停止命令を出す。

すると、その人影は此方に視線を向けるとまるで猫の様に首を傾げる、

 

 

「こりゃあ、ネコ! 飛び出すなと言うたやろ!!」

 

 

「あー、何時もの事や。諦めとき〜」

 

なんとも凹凸のある声とその主が出て来た。

 

 

「ん? 旅団管内で戦車は久々に見たが、何処の部隊や?」

 

ミニミ軽機関銃を持った女子…多分、自衛官…が松塚を見ながら尋ねる。

そして、それを答えたのは同行者。

 

 

「あぁ! 相馬原旅団長補!?」

 

 

「ガリルさん? IDWさん!?」

 

様子を見に来たのであろう高田とFF FNCが相手の正体を言ってくれた。

 

 

「おぉ、高田か! じゃあ、これは奪還軍の部隊か!」

 

 

「そうですよ、旅団長補! あっ、松塚大尉。第12旅団長補の相馬原1佐です!」

 

 

「あっ、どうも…車上からですが、松塚一尉です」

 

 

「おう、よろしく! で、なんだ、この戦車は? マグマ軍からぶん獲ったか?」

 

 

「それについては私が説明します。松塚大尉、時間がありません! 急ぎましょう!」

 

 

「あぁ、そうだな。えーと、ガリルさん、IDWさん、とりあえず乗って下さい。全隊、前進再開!!」

 

 

 

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