〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜   作:休日ぐーたら暇人

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とりあえず、書けたのを出します。


63 偵察

数日後 松本駐屯地

 

 

「12旅団人員による斥候ね」

 

 

「そうだ。我々としても群馬全体を掌握しきれていない。よって、特戦群とは別で斥候を出したい」

 

高塚の元にやって来た相馬原旅団長補はそう言って許可を求めて来た。

 

 

「まあ、それはやぶさかでもありません。幾ら特戦群か潜入しているとは言え、彼女達は戦略的に潜入している訳で、やはり、個々の事例の対応を考えた場合、戦術的な斥候は必要ですね」

 

 

「おぉ、やっぱり、高塚司令もそう思いますか!」

 

何故か目を輝かせて相馬原が高塚に迫る。

 

 

「問題はだ…そう言うんだったら、ちゃんとした人員選定をしたんだよね?」

 

ニコリと笑う高塚に相馬原は一瞬悲鳴を挙げそうになりながらも飲み込んだ。

笑みを浮かべども、目は笑っていない…いや、もっと言うなら、『ちゃんとしてないなら、ブチノメス』と言いたそうに見えた。

 

 

「あ、は、はい! ただ、ウチの新人カッパ野郎を充てる事になりそうなんで…」

 

 

「あぁ、なるほど。腕利きを出してほしいと? 相談を兼ねた進言か」

 

相馬原の言いたい事を理解した高塚は思案顔になる。

そして、普段の目に戻った事に内心ホッとしながら相馬原は続けた。

 

 

「高塚司令の直下、特に水陸研メンバーならこの問題は解決出来るかと」

 

 

「相馬原旅団長補、それは確かに正しいよ。だがね、その話から察するに割り当てるのは新人の少尉か、中級幹部課程を履修したばかりの中尉じゃないか?」

 

 

「え、あ、はい、そうですが…なにか?」

 

相馬原の返答に高塚はニヤリと笑うと、楽しそうに答えた。

 

 

「じゃあ、ウチの軽歩兵隊を出そう。水陸研メンバーはあちこちに出してて余裕がないが、斥候任務ならドールズ達も適任だしね」

 

コロコロと笑う高塚の真意を相馬原が知るのは暫く経ってからだった。

 

 

 

2日後 群馬県 草津町

 

 

「え、なに、これ?」

 

相馬原旅団長補から斥候任務を言い渡された新人少尉(3尉)が草津町で見たのは営業を続けていて、人間・マグマ軍問わずにお客を受け入れて繁盛する草津温泉だった。

 

 

「あ、あれ、おかしいな…草津はマグマ軍の占領地の筈なんだけど……あれ??」

 

地図と双眼鏡を見比べながら現状と想像の違いに困惑する少尉。

 

 

「少尉さん、私と95姉で偵察して来よっか?」

 

 

「…はあ??」

 

今回、斥候員の一員として奪還軍からの派遣として同行しているグリフィンの97式歩槍の言葉に少尉は更に混乱した。

 

 

「私と妹の97なら、この格好です。怪しまれずに溶け込んで情報収集が出来ます」

 

迷彩服な自衛隊員に比べ、95・97姉妹を初めとしたグリフィンのドールズ達は元が艦娘や武器娘に似て格好が非軍人的(一般人的)である。

 

「う、うむ……と、とにかく、危ない事はしない様に…」

 

 

「はいはい。じゃあ、行ってきまーす」

 

戸惑いながらも許可する少尉を他所に97は陽気に姉の95と共に草津温泉へと向かって行った。

 

 

 

2日後 松本駐屯地

 

 

「な、な、なんだ、この報告は!?」

 

 

「ふーむ、なるほどね」

 

件の少尉の報告を読んだ相馬原旅団補と少尉と95・97姉妹の報告を読んだ高塚の反応は大分違っていた。

 

 

「高塚司令! このトンチキな報告を信用するんですか!?」

 

 

「なら、こっちも読んでみてくれ、旅団長補。双方の報告は多少の違いはあれど、概ね合致しているが?」

 

95・97姉妹の報告書を渡しながら高塚は言った。

 

 

「ですが、草津がこんな事になってるなんて…」

 

 

「そうですか? マルタ島鎮守府の事もありますから、別段おかしくないですよ?」

 

 

「あー、うーん、確かにな〜」

 

横から見ていた市ヶ谷の言葉に細川はあっけらかんに、当事者と言っていい筑波は苦笑いを浮かべながら答えた。

 

 

「とにもかくにも、草津に前線を張るのは愚策だな。行ってみたら、湯治のマグマ軍大部隊に遭遇しました、なんて洒落にもならないし」

 

 

「マグマ軍は湯治に来てるんですかね?」

 

 

「まあ、元は火山からの出現ですから、家に帰る感覚では?」

 

 

高塚の言葉に筑波が疑問を口にするが、細川が仮説を言う。

 

 

「あの…話が脱線しそうです」

 

市ヶ谷が横道に外れそうなのを修正した。

 

 

「そうだな。草津は非戦闘地域に指定しよう。下手に刺激する事も無いだろうしな」

 

 

「となると、長野から群馬へと入る西ルートと新潟から入る北ルートですね。新潟空港と岐阜基地からの航空支援を要請出来るのはいいですね。ただ、少し距離が遠いのが難点です」

 

 

「それはヘリ部隊や砲兵でなんとかするしかないだろう。だが、そろそろ敵さんも何かしら対抗手段を出してくるだろうしな」

 

 

「やはり、永続的ではありませんか?」

 

高塚の言葉に細川が訊いた。

 

 

「少数でもマグマ軍と戦えたのは航空優勢を取っていたからな…そろそろ向こうも、日本や他所での戦闘経過を見て、対策ぐらいはしてくるだろう」

 

以前書いた通り、マグマ軍の航空・対空装備はアンバランスである。

航空機はヘリを中心にした回転翼機ばかりで、対空装備は対空機関砲・携帯・短距離SAMが全てである。

しかし、ここまで戦っていて無策な程、マグマ軍も馬鹿では無い筈だ。

 

そもそも、マグマ軍の真似元の旧ソ連軍は一部分野では馬鹿にされているが、かつての東側宗主国だけあって軍も技術も堅実堅固ながらも発展していた訳だが。

 

 

「まあ、今は情報が少ないからな」

 

そう言って高塚は苦笑いを浮かべた。

 

 

 

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