〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜 作:休日ぐーたら暇人
旧年中お世話になりました。今年もよろしくお願いします。
旧年中の更新が少なくてすみませんでした。
本年は出来るだけ更新出来るよう、頑張ります。
松井田町仮設監視所
「了解、通信終了……いきなり、責任重大過ぎだし」
筑波と交信を終えた佐山がぼやいた。
「仕方ないぞ、指揮官。それで、どうする?」
指示を求めるモンシ・ナガンに佐山は言った。
「多分、あいつらに襲撃の報告は直ぐ入る。そして、やるなら、人質を取って、此方がやりにくくする様に動くだろう」
ここまで聞いたらモンシ・ナガンも言いたい事はわかった。
「女性達の解放か」
「あぁ、だが、この少数で出来る事は限りがある。そこで、実戦経験豊富な貴女達の力が最大限に必要です」
「わかったわ。それで、作戦は?」
暫くして……
「ガハッ! グッウゥゥ……」
腹に入れられた蹴りの衝撃を受け止めつつ、丸まる佐山。
状況にもよるが、アサルトライフルぐらいの弾丸は止めてくれる防弾チョッキもその命中衝撃までは受け止めてくれない。
故に蹴りの威力こそ素人だが、その打撃部と衝撃は身体に響く。
「で、お仲間は何処なんだ? 自衛隊さんよ?」
侮蔑感たっぷりな声と態度で佐山を蹴った男がニヤニヤしながら訊いてくる。
「(自分で言い出した事とは言え、少し荷が重かった…)この周辺に居るのは私1人だ」
腹這いで腹を抑えながらジロリと睨み付ける佐山。
その態度が気に入らなかった男は佐山の背中を踏みつけた。
「嘘を吐くな! 輸送トラックを襲ったのは自衛隊だろう!?」
ゲシゲシと踏みながらリーダ格の男は声を荒げながら質問する。
「(バカ…なんだろうな、こいつら。既にアメリカ、ロシア、台湾が支援しているのを知らないのか)それがどうした? あんた達が何者であれ、無届けでこんな武装をしていたら、マグマ軍かと襲われて当然じゃないか?」
わざとらしく挑発する様な物言いにリーダ格は我慢出来なかったらしく、持っていたトカレフを佐山に向ける。
「まあ、いい。あんた1人なのが物足りないが、お前の死体を警告代わりに置いておこう……あぁ、ここの住民にも『警告』しておかないとな」
ニタニタと笑いながらそんな事を呑気に口にするリーダ格。
周囲にいるAK47を持った3人の武装者も周囲の警戒も忘れ、同じくニタニタと笑いながら佐山に視線を向けていた。
(やっぱり、コイツらは素人だ。軍事訓練どころか、サバゲーもした事がないんじゃないか? まあ、だからこそ、こんなに無防備なんだな)
端から見れば絶体絶命な状況にも関わらず、佐山は内心でニヤリと笑っていた。
少し前
(それにしても、無茶な策ね)
愛銃のスコープ越しに佐山の状況を見ながらモンシ・ナガンは内心で呟く。
策は本当に単純な囮作戦。メンバーの中でもっとも自衛隊員らしい(当然である)佐山がわざと捕まり、注意が佐山に集まった時にモンシ・ナガンらが得物で制圧する、と言うもの。
故に佐山は彼らの前に堂々と現れて、『わざと』敵に捕まり、『わざと』敵の暴行にも侮蔑にも反抗していない。
更に佐山はモンシ・ナガンに対して、『奴らが私を刺射殺する素振りを見せるまで撃つな』と徹底していた。
(こんな無茶、後であの司令官になんて報告すればいいんだろうか?)
ふと、そんな事を考えた時、リーダー格が大袈裟に拳銃を構え直そうとしていた。
その光景にモンシ・ナガンはそれまでの思考を捨て、引き金を引いた。
……パーン!
「…ギャァァァ!!」
発砲音が聞こえた直後、トカレフを持っていた右手が手首の皮一枚で繋がっているのと、その激痛にリーダー格が叫び声をあげる。
一瞬の出来事に残りの3人は理解が追い付かないのか、視線も身体も固まる。
そして、慌て周囲を見渡し、リーダー格の右隣にいた男が持っていたAK47を佐山を向けた瞬間、無防備な頭をモンシ・ナガンの銃弾が貫く。
予告のない第2擊に反対側に居た2人が佐山の方に向き、AK47を構え様とする。
だが……
「ウ、ウラー!!」
その低身長と身軽さ、更に建物を巧みに利用して背後に回り込んでいたPPsh41が何時もの掛け声と共に得物を撃ちまくる。
無防備・無警戒の背後からの銃撃に2人の男は無様に撃ち倒される。
「皆さん! 早くここから離れて下さい!!」
立ち上がった佐山がその場に居た女性陣を含めた一般人達に叫ぶ。
何故なら、ここに居たのは『こいつらだけ』ではないからだ。
「指揮官さん! テクニカル!!」
気付いた41の叫びに佐山は横に飛び退く。
次の瞬間、TOYOTAのピックアップトラックに機関銃を荷台に据え付けたテクニカルが仲間の死体などお構い無しに轢きながら、佐山が先程までいた場所を猛スピードで通過する。
「早すぎだろう! 戻ってくんのがさ!!」
この厄介な車両は先程まで周辺警戒の為に離れていたが、佐山を捕まえた直後にリーダー格が呼び戻し、タイミングか悪い事にリーダー格達が撃たれたのを見ていたようだ。
『指揮官、もう一度囮をお願いね♪』
「はぁ!? って、くそ!!」
PTRDの要請に文句を言いかけるも、引き返してきたテクニカルに気付き、避ける事に意識を向ける。
そして、ギリギリながら2度目の回避を成功させた時……
「……ダスビダーニャ」
普段と変わらない妖艶ながら何処か冷たい声と共に引き金が引かれ、14.5㎜徹甲弾が放たれる。
3cm厚の装甲板を貫通出来るその弾丸はなんの防弾処置もされてないテクニカルの正面から入り込み、ボンネットの中をグシャグシャに壊し、運転手の胴体に大穴を開け、運転席後部を突き抜け、荷台に居た機関銃射手を上下半身に貫通・切断しながら飛び抜けた。
この時点で運転手と射手は絶命しており、荷台の副射手はその惨劇を見て飛び降り、助手席の男は慌てて横からハンドルを握るが、既に操作なと不能だった。
更に破壊されたボンネットの電装系のショートと油脂系の引火により、副射手が飛び降りて数秒後に爆発・炎上した。
「指揮官さん!?」
「大丈夫だ! それより、飛び降りた奴を捕まえろ!!」
近付いて来た41にそう命じ、彼女がそちらに向かったのを見ながら佐山は立ち上がり、リーダー格が落としたトカレフを拾い、右腕を抑え、のたうちながら逃げようとするリーダー格を足で踏んで止めた。
「てめーだけ逃げられる、なんて安い考えしてんのか?」
先程までの優しい口調から、荒い口調でトカレフをリーダー格の頭に向ける。
戦場の空気に呑まれ、今にもトカレフの引き金を引こうとする佐山は背後から抱き締められた。
「ダメよ、指揮官。貴方は若くて、こんな屑に手を汚してはダメよ」
PTRDの言葉に呑まれた意識が消えたのか、スッとトカレフを降ろす佐山。
そして、その時、援軍のヘリボーン部隊が到着した。
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