〜りっく☆じあ〜す 『英雄』我道指揮官奮戦ス〜 作:休日ぐーたら暇人
本日は終戦記念日になります。
先の大戦で戦った英霊達よ、ありがとう。
安らかにお眠り下さい。
本来なら『大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!』を更新すべきなのですが、お盆前に急にゴタゴタと忙しくなり、書き上げる予定が狂ってしまいました。
出来る限り、近日中に更新致します。
では、長くなりましたが、どうぞ。
その頃 富岡ゴルフ倶楽部 クラブハウス駐車場付近
「どう思う、貴志部士長?」
「曹長。ただの銃オタクに期待し過ぎです」
クラブハウスの駐車場が見える場所に潜伏する曹長が率いる分隊。
彼らの視線の先には到底ゴルフ場には似合わない光景があった。
普段であればゴルフ客の車が駐車される場が、余りにも似合わない荷物運搬用トラックが団体で駐車され、クラブハウスの入り口やその周辺には荷物の積載の為に男達がひっきりなしに往復し、更には直接その銃口を向けてはいないとは言え、御丁寧にAKを持った武装員数名が見張りについている。
これだけでも手を出しにくい事この上ないのだが、更に厄介な物があった。
「専門外ですが…装軌装甲車に戦車が2輌づつ、火器を向けられていないにしても、正面から挑むには無茶があります」
「じゃあ、この状態で何もしないで静観しておくの?」
貴志部の言葉に分隊に同行する97式が異を唱える。
「やめなさい、97。私達ならともかく、人質を取られた状態で正面から突っ込むなんて無謀過ぎるわ」
妹の言葉に姉の95式がそう言って窘める。
空気が悪くなりそうになり、曹長が口を開こうとした瞬間、状況が動いた。
何か騒動がおきたのか、AKを持って積み込みを見張っていた武装員が慌てクラブハウスに入っていった。
「曹長! 見張りは激減しました! 今です!」
「誰かは解らないが、上手い具合に騒ぎをおこしてくれたようだ。二手に分かれて接近する。地形地物を上手く利用しろ。前進!」
曹長の指示に分隊は前進を開始した。
その頃 クラブハウス内部
「邪魔なんだよ!!」
「グガッ!?」
出会い頭の一瞬で先頭を進んでいた三等陸曹は何の躊躇いもなく、64式改で気合いの雄叫び代わりのセリフを叫びながら相手の顔面に床尾板(しょうびばん)打撃を行う。
一方、相手は防ぐ暇さえない中で自衛隊の近接格闘をくらうはめになり、床へひっくり返る。
「出来る限り銃は使うな! 出会い頭に格闘で倒せ!」
聞けばおかしく思える命令だが、理由はある。
それは自分達が固まっているが故に、下手に発砲すれば同士討ちになりかねない事と、敵に数や実情を掴ませない為だ。
「ふんっ! はあっ! やあっ!」
それを体現するかの様に前に出たドール…100式短機関銃が自分の得物を使い、銃床(じゅうしょう)打撃(顎へのストレート)、床尾板打撃、銃床打撃(顔面右横)で3人を瞬く間に倒してしまう。
「上手いですな、100式さん。おい、お前! お前達のリーダー、指揮官は何処に居る!?」
件の陸曹が100式の動きを褒めると同時にあっという間に仲間が倒され、固まっている武装員を問い詰める。
「ぶ、VIP室! 奥のVIP室が居室になってる!!」
「よし。半数はコイツらの拘束とこの場の確保だ。半数は続け!」
5人を残し、残りの分隊員と100式を連れてVIP室に向かう。
「ここだな…擲弾手、閃光弾準備」
「はい、何時でもどうぞ」
VIP室に到着し、扉の前で突入に備え擲弾筒手に音響閃光弾の準備を命じる。
「じゃあ、いつも通り、3で閃光弾のピンを抜いたら投げて渡せ。部屋に投げて炸裂を確認したら突入だ」
陸曹の言葉に面々が頷く。
「よし、いくぞ。1、2、3!」
3の言葉と同時に擲弾筒手が音響閃光弾のピンを抜くと陸曹に投げてよこす。
受け取った陸曹は素早く扉を少し開けると間髪入れずVIP室へと放り込む。
放り込んで数秒後に扉ごしにも聞こえる炸裂音と耳鳴り音が響く。
「GO!!」
陸曹の号令に100式と隊員が突入する。
部屋に突入すると音響閃光弾で視覚と聴覚をやられて転がる武装員3人と奥に居て片目をおさえたリーダーが居た。
「くそ! 自衛隊が!」
苦々しそうに叫びながら右手の拳銃を向けるが、擲弾筒手が自らの9㎜拳銃を撃ち込み、リーダーの拳銃を撃ち飛ばす。
「上手いぞ。床に転がっている奴らを拘束しろ。さて、運が悪かったな、リーダーさん」
「ちっ…しかし、なんでここに集まって来てるんだ?」
「だから、運が悪かったんだよ。ウチの小隊長がこのゴルフクラブを偵察隊の集結ポイントにしたからな。まあ、あんたにはこれから色々と話してもらう事になるけどな」
陸曹がニヤリと笑いながら言った。
3時間後 クラブハウス
「マグマ軍がいなかったのは、コイツらが哨戒部隊として、更に治安維持や民間人への配給を担当していたから。保護した少年が追跡されたのが、積み込み物品の中身を見られたから。積載をしていた民間人は食糧の特配を行うから参加した。まあ、聞けば妥当と言えば妥当だな」
件のゴルフクラブに司令部を前進させた高塚は佐山から報告を受け、そう言った。
「そうだね、同志。で、問題は彼らが積み込もうとした中身、少年が追い掛けられた理由だが……これは酷いな」
山本大佐はそう言って溜め息を吐く。
高塚・山本大佐らの前には積載前の物、あるいは積載されたのを降ろした物の一部が並べられていたが物は様々。
武器・弾薬は少ないが、何処からか盗んできたと思われる貴金類、数の多い民間人用配給品の食料品や物資、そして、積載されていない物を含めても異様に多い木箱。
「頑丈そうな木箱ですね。なんでしょうか?」
「……高塚司令、山本大佐、まさか…?」
不思議がる市ヶ谷に対し、何かを察した筑波。
高塚が頷くと近くにいた富山がバールで木箱の蓋を無理矢理開ける。
そして、中にあったのはキッチリと並べられてビニールで包装された『白い粉』の塊。
山本大佐が近付き、その一つを破り、中の粉を僅かに掬うと、試験薬の入った容器に入れる。
そして、それを少し振って反応を促すと……たちまち色が変わった。
「ヘロインだな」
「ヘロインですか」
「ヘロインだったんですね」
「ヘロインかよ」
「……え、どう言う事です? なんで、麻薬の類がここに??」
山本大佐、高塚、筑波、富山の反応に対して、漸く物が解ったものの疑問を口にする市ヶ谷。
「さて、北朝鮮か、或いは支那か…そこら辺から来た物が彼ら武装員達によって東京か何処に運ばれる予定の物を我々が押収した。それだけさ」
「にしても、この量だと末端価格でもエゲツイ事になりそうだな」
「ちなみに自分と富山はマルタでの邦人救出で見たので」
「あれは忘れないわ~。市ヶ谷さん、念のために全体に徹底した方がいいよ。『薬物使用者は下手したら死刑だ』ってさ」
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