旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話   作:何処でも行方不明

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プロローグ

あくる日/日本

 

1人の少年は春の心地よい風を受けながらコンクリートで整備された道を歩いていた。

高校に進学する時に少し奮発して買った運動靴とこの1年ですっかり着慣れてしまった制服に身を包み地面を歩く。

それは普通の登校風景。学校指定の鞄には筆記用具や教科書ノートが入っていて制服の胸ポケットには生徒手帳。鼻歌を歌いながら呑気に歩いている。

少年の名前は《リヴィエール・A・ハルトマン》

ドイツと日本のハーフであり、自分の名前が若干顔文字に見えることに少し悩んでいる高校2年の男子。

リヴィの愛称で呼ばれている彼は一見すると普通の高校生(外見は黒髪の末端に白のメッシュが入っているので普通ではないし顔も整っているので普通では無いかもしれない)である。

ただ彼にはひとつ周りからは秘匿しているものがあった。

それは彼の身に宿る不思議な力

騎士の誉(ナイト・オブ・オーナー)

そしてあとひとつ。

彼には前世の記憶がある。

 

※※※

 

十数年前 別世界/日本

 

リヴィの転生前の少年は一般的な高校生だった。

大学受験の前日。地元から遠く離れた大学に受験するために新幹線で現地に向かっていた。

その際、やっていたのはもちろん受験前の復習……ではなく、携帯ゲーム。

受験前に緊張をほぐそうといつも通りを装っているが、内心は不安でいっぱいだ。

その証拠にいつもならクリアできるステージをミスが重なりクリアできていない。

ならばイヤホンをして音楽を聞いて寝てやる。

と言わんばかりに少年はゲーム機の電源を切りスマホにイヤホンを刺し音楽を聴き始めた。

そして、シートを倒し目的地に着く時間を検索。その時間にアラームをセットし目を閉じた。

 

 

ガタガタとする音で少年は目が覚めた。

まどろみの中感じれたのは揺れだった。

車両がやけに揺れているのだ。

そして、不意に揺れが収まった。

少年が目を開けると……

 

そこは光の届かない海底だった。

 

※※※

 

「……??」

 

意味がわからない。そういった表情で辺りを見回す少年。

新幹線は海の中を通ってはいない筈だ。

それに何故か何も感じない。

息苦しさも体表に触れているはずであろう水の温度も感じない。

水に触れている抵抗もなく異質な場所にいると嫌でも感じれた。

 

「……おはようございます」

 

「……!?」

 

突如、少年の前に光が見えた。

光ではない。

あれは龍。

日本の伝承に伝わる龍だった。

蛇のような体には手足が生え、頭部には2本の長い髭と鹿のような角。

龍は少年に近づき話を続けた。

 

「申し訳ありませんがあなたは死にました」

 

「……?」

 

「死因は列車の脱線による頭部の殴打。即死であなたの意識は眠っている状態だったので認識できてないのも無理がないかもしれません」

 

「…!?!?」

 

龍は少年が戸惑っているのを見て待つことにした。

気持ちの整理がつくまでは待つつもりのようだ。

 

そして数刻の時間が流れた。

 

「さて、貴方には選ぶ権利があります。

輪廻転生の枠に埋まり、自分という存在を無くして新たな生を得る生まれ変わり。

そして、記憶を引き継ぎより良き人生を行うための転生。

どちらがいいですか?」

 

「……!」

 

「わかりました。ならば、貴方には特別な来世を」

 

※※※

 

そして転生した。

本来は記憶を引き継ぐだけのものだったはずなのだ。

……それが何故か珍妙な力を持っている。

理由は不明。

力はオンオフができるようで普段はオフにしている。

というかオンにしたら両腕が黒い鎧に包まれるのでオンにするわけが無い。

そもそも、転生と言っても少年の前世はさほど影響しなかった。

前世の記憶は知識程度のもので周りから見たら少し賢い程度。

どうやら前世のリヴィは医学生を目指していたようで体の構造等に精通していたり勉学優秀であったり中々にハイスペックだったようだ。

最も、それを理解できるほどの知識は受け継がれなかったようで理解できたのは漢字を読めたり自分から調べだした小学校四年生からだったらしいが。

 

「やあ、リヴィ」

 

「ん〜?あ、ユート」

 

そんな彼は現在普通の高校生活を楽しもうとしている。

前世の記憶があり妙な力を持っていてもそこはソレ。

高校生活を楽しみたいのであればそんなものは使わなくてもいい。ただし、今後の人生に関わるかもしれないので評定平均は良くしておく。

 

「そういえば結局1年の時は部活には入らなかったね?」

 

「なにかこう……ビビっと来るものがなくてね……まあ、いざとなったら勉強漬けになれば問題ないし……」

 

訂正、楽しもうとはするのだが前世の記憶が影響してるのか部活<勉強なリヴィ。気がついたら机の上に参考書を広げている性格が祟ってなんと、高校に上がってからできた友人は片手の指で数える程しかいないのだ。

なお、先程話しかけてきたのは数少ない友人の木場祐斗だったりする。

 

「相変わらず勉強ばっかりだね……じゃあ、僕がいるオカルト研究部に来るかい?」

 

「オカ研……たしかグレモリー先輩が部長をやっているんだったっけ?」

 

「そうだよ。どうかな?」

 

「考えてみるよ。放課後には答え出すから」

 

※※※

 

そして、放課後。

リヴィは今日の予定が無いことを確認し木場の机に向かった。

 

「で、どうするんだい?」

 

「話だけでも聞いてみようかな」

 

リヴィの答えを聞くと木場は席を立った。

 

「じゃあ行こうか」

 

「ああ」

 

その時、教室が少しザワついたようだが当の二人は全く気にきにしていなかった。




「さて次回のお話について話そうか」

「と言ってもなにも始まってないから進まないんじゃないの?」

「ユート……そんなこと言ってくれるなよ……」

「そういえば、初期案では僕の代わりに裕美っていうのを出して、その子をヒロインにするつもりだったとか」

「あ〜……そんな話し合ったな。読者様の意見とか来たら方針変えるんじゃね?」

「それに、この小説って生存報告を兼ねてるから作者はなにも考えずに書いてるとか」

「メメタァ」

「次話更新はいつになるんだろうね?」

「とりあえず言っておく。他の小説書けよ作者ぁ……」

次回
第1話 《詳細不明の神器》

「そういえば、リヴィはドラゴン波出るのかい?」

「さぁ?」
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