旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
すこし、遅れたのは爪が割れたので痛みで指が泊まったからです。
面倒なんで引き剥がしたら血が……
「さて、ここからどうしたものか……」
相手の《兵士》を二人撃破したあと、運動場は無音になっていた。
残った敵がどの駒の者かは知らないが、《騎士》のように敏捷性が高くないと弾幕をかいくぐれないと踏んだのだろう。
今、当方が装備しているのはデザートイーグルと光の刃の剣。
いい加減にこちらから相手を探しに行くべきだろうか。
「なあ、ユート。どうしたらいいと思う?」
『僕に聞かれても困るよ』
「だよね……ふむ」
少し考え込む。当方の予測ではそろそろ体育館での戦いが終わる頃だ。
……仕方ない。
こちらとしても不本意だが騎士の誉の解放段階を上げるとしよう。
「当初の予定通り、完全解放を使用する」
『了解、こっちもすぐに行動に移れるように待機してる』
「頼んだ。さてと……《
当方の体が騎士の誉によって出現する黒鎧に包まれる。フルフェイスの兜を頭につけ、魔力が黒い瘴気として漏れでる。
これが完全解放の姿だ。
完全解放のメリットは3つある。
ひとつは第一解放、第二解放とは段違いの身体能力の向上。
ひとつは際限無しに騎士の誉で貯蔵した武器を取り出せる。
あとひとつは……
「隠れるのならそれも結構。だがこちらには……」
当方はデザートイーグルを収納しBGM-71 TOWを取り出す。
これは対戦車ミサイルである。本来ならば半自動指令照準線一致誘導方式でミサイルを誘導するのだが……
そもそもの形状が従来のものとは違っている。
残っているのはスコープと発射装置などだけで、シルエットはほぼほぼ先程使ったSMAWロケットランチャーと大差ない。
それを片手で持ち、スコープをのぞき込む。
ピッピッと機械的な音と共にターゲットサイトが動いている。
ターゲットサイトが狭まり赤くなる。
……敵を察知したということだ。
「潜伏していても撃破する武装は整っている」
ドゴォォォン
TOWを発射した。その瞬間、茂みの中から人影が飛び出る。発射したタイミングなら隙があると思ったのだろうか。たしかに半自動指令照準線一致誘導式のものはレーザーサイトを弾着地点、もしくはターゲットに当て続ける必要がある。だがな
TOWはその弾道を自由自在に変える。しかも、速度を落とさずに。
まっすぐに相手に向かっていく。
「え……キャァァァ!!」
飛び出した敵は爆炎に包まれた。
これが完全解放の最後のメリット。
ある程度の改造がその場で行える。
今回はTOWの誘導方式を魔力感知に変えさせてもらった。これならば魔力を保持している悪魔ならば誰であろうと追尾できる。
他にも熱感知式やビーコン感知式に変えることも出来る。すぐさまどの誘導式か把握し対抗策を考え実行に移すほどの手腕はあちらにはなかったようだ。
「さて、あといったい何人いるんだ?」
『ライザー・フェニックスさまの《
本来の作戦では当方が囮になり潜伏している敵を炙り出し、実弾兵装で敵を撃破することだった。
少し順序や手段が変わったが問題は無いだろう。
ただ、完全解放は長時間行うと体力の消耗が激しくなる。この辺りで一旦ユートと合流するのが吉か。
と考えていたところにアナウンスが聞こえた。
『ライザー・フェニックスさまの《
『皆、聞こえる?朱乃の最高の一撃とリヴィの強襲により敵の頭数はかなり減ったわ。最初の作戦は上手くいったと言っていいでしょうね』
……なるほど、体育館ではイッセーたちに軍配が上がったようだ。
これであちらは残り9。数の利は少しずつ削り取っている。このままいけば勝てるだろう。
そう思っていた。
だが、現実はそう上手くは行かない。
『リアス・グレモリーさまの《
「……小猫ちゃん」
このアナウンスを皮切りに戦闘は
※※※
当方は最速でユートの隠れる体育倉庫の影に移動した。
もちろん、場所を把握されないように念の為に閃光爆弾を焚いてからな。
「聞いたか、今のアナウンス」
「あぁ、どうやら小猫ちゃんがやられたみたいだ」
「これで9対5か……」
完全解放から第二解放に騎士の誉の段階を戻す。
大きく息を吸い、運動場をのぞき込む。
「敵はどんなのかわかったか?」
「どうやら残りは《
「……体育館が潰れたから妥当と言えば妥当か」
先程、TOWが爆発したせいで運動場の一部にクレーターができているがさほど気にしない。
それに、イッセーがこちらに合流すれば駒の価値でいう戦力はこちらが上になる。
「イッセーと合流したら仕掛けるか」
「だね、イッセーくんを待つとしようか」
待つこと数分、体育館側からイッセーが運動場へ向かっている。
そんなイッセーをユートが腕を引いて止めた。
「ーーッ!……ってなんだ、木場か」
「うん」
「当方もいるぞ」
イッセーは当方たちであることを確認すると胸を撫で下ろしていた。
敵だと思っていたのか?
「すまん、二人とも。小猫ちゃんは……」
「アナウンスを聞いているから僕らも知ってるよ。無念だったろうね」
「ああ、森にトラップを作る時も一生懸命だった。普段はなにを考えているかわからないが、今回は張り切っていたと思う」
「……勝とうぜ」
「もちろんだよ、イッセーくん」
「当たり前だ」
3人で拳をコツンとぶつけあう。
オカルト研究部の男子トリオが揃った。
そろそろ行動を起こしてもいいだろうな。
「で、これからどうするんだ?」
「まずはここを仕切っている《
「体育館からのルートは部長の作戦で消し飛んだからな。あとは新校舎裏手の運動場を使うしかない。激戦になるだろうな」
そこで突如、女性の声が聞こえた。
「私はライザーさまに仕える《
……当方がさんざん銃火器を使っているのを見ていないのだろうか。
運動場のど真ん中で大声を上げるなんて撃ってくださいと言っているようなものだ。
しかし、母の教えは……
「名乗られてしまったら、《騎士》として、剣士として、隠れているわけにもいかないか」
「だな、当方としても同意見だ」
名乗られたなら名乗り返せ。そして、誇りある戦いをしろ。だとか。
それに、当方の神器の名前は《騎士の誉》。仮にも《騎士》と付いているのだから名乗り返すのが筋というものだ。
……これって、さっきまで強襲してた奴の考えることじゃないのは当方も承知している。
「さて、行くか」
そう呟くと当方とユートは運動場……詳しくはカーラマインの待つ野球グラウンドに真正面から向かっていった。
「たっく…」
イッセーは諦めたように呟いたが当方たちを追って真正面から出ていく。
※※※
「僕はグレモリー眷属の、《
「同じく、グレモリー眷属の《
「俺は《
それを聞くとカーラマインは嬉しそうに口の端を吊り上げた。
「リアス・グレモリーの眷属悪魔にお前達のような戦士がいたことをうれしく思うぞ。堂々と正面から出てくるなど、正気の沙汰ではないからな」
それを聞き当方は呆れてしまう。
たしかに同意見だが、それは自分も頭おかしいです。と言っているようなものじゃないか?
まあ、どうでもいいが。
「だが、私はお前達のようなバカが大好きだ。さて、やるか」
剣を鞘から抜き放つカーラマイン。それに答えるようにユートも銀光をきらめかせながら剣を抜き身にした。
「《騎士》同士の戦い。待ち望んでいたよ。個人的には尋常じゃない斬り合いを演じたいものだね」
「よく言った!リアス・グレモリーの《騎士》よ!」
そうして騎士同士の戦いが始まる。
「さて、当方たちも始めるもするか」
「……気づいていたのか」
当方が振り向くもそこには仮面で顔の半分を隠したライザー眷属の《戦車》とお嬢様っぽい《僧侶》がいた。
「当方たちも《戦車》同士で戦うかい?」
「ああ、それもいいだろう」
そうして当方は再びデザートイーグルと光の剣を構える。それに対し、相手の《戦車》は拳を構えた。
「念の為、もう一度自己紹介だ。当方はグレモリー眷属の《
「ほう……私はライザーさまに仕える《
「では……」
「「勝負!」」
「
「一瞬だったし、敵に手の内を見せるのはどうかと思うよ」
「短期決戦ならいいが、まだ序盤だったらな……」
「というか、リヴィは爆発物結構使ってるな」
「気がついたら使っていた。後悔はしていないし、するつもりもない」
次回
第13話 《
「サブタイトルがいつにも増して適当だな」
「もう、考えれないみたいだよ」