旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
特に特典が
「うまい!日本の食事はうまいぞ!」
「うんうん!これよ!これが故郷の味なのよ!」
「……また、食べられる日が来るなんて……」
上からゼノヴィア、イリナ、カレンがファミレスのメニューを食べながら感想を言う。
三者三様、カレンだけ悲壮感がすごい。
「にしてもよく食べるな……」
父の仕事が上手くいっているのと当方が基本的に物欲が無いため、金銭に不自由なことはなかったのだが4人分……しかもゼノヴィアとイリナはやたらと食べている。
「お〜い、リヴィ〜、来たぞ〜」
そこでようやくイッセーたちが到着した。
まあ、小猫ちゃんはわかる。
でも、なんでサジがいるんだ?
※※※
「リヴィエールの言いようでは私たちに話があるようだが、何用だ?」
イッセーたちがゼノヴィアたちと対面する様に席を譲る。
イッセーたちが席に着くなりゼノヴィアが切り出した。
「あんたら、エクスカリバーを奪還するためにこの国に来たんだよな?」
「そうだ。それはこの間説明したはずだよ」
公共の場だからか、それとも腹が膨れたからかゼノヴィアもイリナも今のところ敵意は出していない。
「エクスカリバーの破壊に協力したい」
イッセーがそういった。
その一言に対してゼノヴィアたちは目を丸くさせていた。互いに顔を見合わせている。
……まあ、そんな気はしてたけど。
大方、ユートのためだろうな。
「そうだね……一本ぐらいなら任せてもいいだろう。破壊できるのならね。ただし、そちらの正体がバレないようにしてくれ。こちらもそちらと関わりを持っているようには思われたくない」
おっと、これも予想外。だが、カレンの反応を見るからにこれも想定されている事項……《原作》の展開どおりなのだろう。
「ちょっと、ゼノヴィア。いいの?相手はイッセーくんとはいえ、悪魔なのよ?」
「イリナ、正直言ってコカビエルとの戦闘は頭数がいくつあっても足りないだろう。こちらに聖剣が3本あったとしても辛い」
「それはわかるわ。けれど!」
「最悪、私たちはエクスカリバーを破壊して逃げ帰ればいい。私たちのエクスカリバーも奪われるぐらいなら、自らの手で壊せばいいだろう。で、奥の手を使ったとしても任務を終え、無事に帰れる可能性は四割と言ったところかな」
「それでも高い確率だと私たちは覚悟を決めてこの国にに来たはずよ」
「そうだな、上にも任務遂行して来いと送り出された。自己犠牲に等しい」
「それこそ、私たち信徒の本懐じゃないの」
「気が変わったのさ。私の信仰は柔軟でね。いつもベストなカタチで動き出す」
「あなたね!前から思っていたけど、信仰が微妙におかしいわ!」
「否定はしないよ。だが、任務を遂行して無事帰ることこそが、本当の信仰だと信じる。カレンじゃないが、これも主からの試練だと考えればいい。……違う?」
「……違わないわ。でも」
「だからこそ、悪魔の力は借りない。リヴィエールの時もそう決めただろう?リヴィエールの場合は《悪魔》ではなく《湖の騎士》、この場合は《悪魔》ではなく《ドラゴン》の力を借りるのさ」
……?ちょっと、待て。
今、ゼノヴィアは当方の事をなんと言った?
《湖の騎士》?
「……知らなかったんですか?」
カレンが当方の表情を読み取り、話しかけてきた。
「リヴィさんの
「知らなかったもなにも、初耳なんだけど」
「……そういえば、悪魔側って
聞くところによると他にも英雄が使っていた武器やその力を神器化したものが幾つか存在しているらしい。
もっとも、その英雄の力が神器なのか。それとも、その英雄の力を神器化したのか……鶏が先か卵が先か。という話になるそうだ。
「OK、商談成立だ。俺はドラゴンの力を貸す。じゃあ、今回の俺のパートナーを呼んでもいいか?」
「好きにするといい」
いつの間にか話が一区切りついていたみたいだ。
※※※
「……話はわかったよ」
イッセーに電話で呼ばれたユートは嘆息しながらもコーヒーに口をつけた。
「正直言うと、エクスカリバー使いに破壊を承認されるのは遺憾だけどね」
「……けど、今はそれでも戦力が多い方がいい……私みたいな失敗作も木場さんみたいな被害者も出さないためには…」
「堕天使側の君には言われたくない」
ユートがカレンに憎悪の眼差しを向ける。
「……やっぱり、《聖剣計画》に恨みがあるんですね」
「当然だよ」
「………」
カレンとユートの会話は続かない。
そこでイリナがカレンに助け舟を出すように口を開いた。
「でもね、木場くん。あの計画のおかげで……」
「知ってるよ。そんなこと。だから、成功例である君たちがいるんだ。だから、あのフリード・セルゼンがエクスカリバーを持っているんだ……!」
「……とりあえず、エクスカリバー破壊の共同戦線と行こう。私たちは基本的にリヴィエールと共に行動するのでなにかあったらリヴィエールを通して伝えてくれ」
「……当方がなんで教会側の連絡役になっているのだろうか」
「ごめんね、リヴィくん。昔と今じゃ、この町も変わってるし、地元民の土地勘っていうのも充分役に立つのよ」
「……まあ、いいけど」
当方は伝票を持って席を立つ。
「じゃあ、イッセー、ユート、小猫ちゃんにサジ。また後で……って言っても学園でどうせ会うか」
※※※
数日後の放課後。当方はカレン、ゼノヴィア、イリナと共に街を探索していた。
コカビエルの尻尾どころかフリードすら影も形も見せない。そろそろ嫌気がさしてくる。
「なかなか見つからないものだな」
「まだ、一週間も経っていません。まだまだこれからですよ」
カレンはそういいながら神父服を整える。
なんというか、当方よりも年下なのにしっかりとしている。
「……敵だ」
ゼノヴィアの言葉に戦闘態勢をとる。
いつもの片手に銃、片手に魔剣のスタイルだ。
なお、《透明の聖剣》はカレンが持っている。
「……堕天使の団体か。コカビエル配下だな」
「そうなるね。さっさと倒してしまおう」
「……一人ぐらい生け捕りにした方がいいかもです」
「難しいこと言わないでよ、カレンちゃん」
他の三人も各々にエクスカリバーを構える。
……って各々にエクスカリバーを構えるってパワーワードっぽいよな。
パワーワードの意味は深く理解してないが。
「とりあえず、翼を撃ち抜けばいいんだろ?」
騎士の誉の第二解放で堕天使の翼を寸分違わずデザートイーグルで撃ち抜く。
翼を撃ち抜かれた堕天使は息絶えてしまった。
「威力高すぎです。翼を丸ごと吹き飛ばせば堕天使でも致命傷になりますよ」
「わかった。今度は中腹辺りを狙ってみよう」
それでも無理だったら足だ。激痛で足が止まれば倒すのは容易くなる……と思っていた。
カレンが文字通り消え失せるまでは。
そして、一人を残して堕天使たちの首が飛ぶ。
「……これでいいですか?」
「……聖剣とはいったい」
どうにも、カレンの特典は使い勝手はかなりいいが《暗殺》や《殺害》といった方向に寄っているらしい。
これでも、まだ扱い切れてないらしいがもし完璧に操れるようになったらどこまで強くなるのだろうか。
その時、耳に触る声が聞こえた。
「ヒャヒャヒャ!流石はカレンたんですなぁ!迷いもなく、堕天使様たちの首をチョン切りましたぞ!」
「フリード……」
そう、イカれ神父のフリードだ。
「なにやら、君たち。ボクちんたちを嗅ぎ回っているみたいですがぁ?やめた方がいいですぞぉ?」
いちいち癇に障る喋り方するな。鬱陶しい。
「コカビエルのところに案内してくれるのかい?」
「そんなわけないでしょーが!あちこちをフラフラ歩き回っているアンタらを笑いに来たんだよ!」
たまらず発砲してしまった。
発砲音は出ないので硝煙のみが銃口から出ている。
しかし、フリードは弾着点にはいなかった。
「あれぇ?その顔はリヴィエールくんじゃぁ、あっりませんかぁ?これまた珍妙な再会劇でござんすねぇ!」
フリードはそういいながら当方に向かって剣を振る……
剣速が異常だ!これが《
当方も欲しくなってしまうな。
なんとか刃を合わすことができるが、フリードにはまだまだ余裕がありそうだ。
「とまあ?今はアンタら見かけただけで、俺の狙いはアンタらじゃなないのよ、おわかり?」
「わかるか!」
「あらやだ、悪魔様。すこしおツムが足りてないんじゃないの?」
悪魔化してないのでフリードの声が英語で聞こえるため咄嗟に翻訳できないが、なんか腹立つことを言われている気がする!
「逃げる気か?」
「さすがのエクスカリバーでも、エクスカリバー三本を相手にするのは〜、ちと分が悪い!後で殺してやるよ!」
フリードはそういいながら、去っていく。
嵐のようだったな。
……て
「追うよ!」
イリナの声で我に返り、すぐに駆け出す。
何が狙いかは知らないが野放しにするはずがないだろう?
「今は昔、首取の翁というものありけり。野山に混じりて首を取りつつ……」
「何読んでるんだ?」
「《首取の翁》っていう同人誌」
「なにそのブラックユーモア限定みたいなやつ」
「血飛沫にやたらと手が凝っているね」
「もはやただのダ○ソ本だ」
次回
第19話 《堕天使の教会》
「なにやら次回のサブタイが《またか》って感じなのだが?」
「作者はサブタイ考えるのほんと嫌いだね……」