旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
今回はオリジナル展開多め……だと思います
フリードはピョンピョン飛び回り、家屋の屋根を移動する。
「先に行かさせてもらうぞ!」
当方は悪魔の駒を取り込み悪魔化する。
人に見られようが知ったことか。
ここでフリードを逃がした方が損害が大きいに決まっている。
すぐさま加速しフリードに並ぶ。
「お!このフリードさんに追いつくなんて、リヴィくんも結構強くなったのね?」
「うるせ」
光の刃の剣から光ではなく水を放出させる。
そして、斬り掛かる。
しかしフリードが持つのはスピードが売りの《天閃の聖剣》。
こちらが動くよりも早く聖剣が動く。
もちろん想定済みだ。
さすがに聖剣と言えども、魔力で強化された弾丸より早いわけがない。
遠慮なくフリードの肩を撃ち抜かせてもらった。
「ぐぁ!」
持ち手を撃たれても聖剣を手放さなかったのは見事と言えるが、さすがに剣筋が逸れる。
その隙に水の剣を叩きつける。
「止まってろ」
フリードは咄嗟に聖剣を盾にする。
聖剣が使えるからといって《戦車》のパワーに並ぶには《天閃の聖剣》では難しい。ゼノヴィアの《破壊の聖剣》なら止められただろうがな。
ズガン!
鈍い音が鳴りフリードを地面に堕とす。
どこかの家の屋根を蹴りフリードに追撃を仕掛ける。
今度はフリードが当方の剣筋を強引に逸らし攻撃を躱す。
「うおっ!リヴィに……フリード!」
「イッセー……」
どうやら、当方たちとは別行動でエクスカリバーを追っていたイッセーたちと思わぬ形で合流してしまったみたいだ。
「その声はイッセーくんかい?へぇぇぇぇ、これまた珍妙な再開劇でござんすね!どうだい?ドラゴンパゥワーは増大してるかい?そろそろ殺していい?」
相変わらずのイカれた調子だ。
イッセーたちは神父服を脱ぎ捨て戦闘態勢をとる。
「ブーステッド・ギア!」
『Boost!』
「伸びろラインよ!」
サジの手元から黒く細い触手のようなものがフリード目掛けて飛んで行く。手の甲にはかわいらしくデフォルメされたトカゲの顔らしきもの……あの触手はトカゲの舌か。
「うぜぇっス!」
聖剣でそれを薙ぎ払おうとするが、トカゲは舌の軌道を変えて下へ落ちていく。
ピタッとフリードの右足に張り付き、そのままグルグルと巻きついた。
「そいつはちょっとやそっとじゃ斬れないぜ。木場!ハルトマン!これでそいつは逃げられねぇ!存分にやっちまえ!」
「ありがたい!」
「なら、加減は必要ないな。《
当方は瘴気とともに黒鎧で全身を覆う。
ユートは二本の魔剣を手に攻め立てる。
「チッ!《
「言葉と裏腹に随分楽しげだな!」
「そりゃ、もちろん。だってさぁ……」
ガギィィン!
破砕音をたてユートの魔剣と当方の水の剣が砕け散る。
「そんな魔剣くんや盗難品じゃあ、俺さまのエクスカリバーちゃんの相手になりはしませんぜ?」
水の剣は再び水を放出させればいいが、一振りで砕かれていては先に当方の魔力が尽きるな。
ユートも神器の使用には体力を使う。このままだとジリ貧だ。
赤龍帝の篭手の譲渡で押し切るか、それともエクスカリバーを持っているカレンたちを待つか……
「死んじゃえよ!」
「くっ!」
ユートはフリードの攻撃を幅の広い魔剣を作成し受け止めようとするが青白い聖なるオーラを纏った聖剣は魔剣を容易く砕く。
やはり、エクスカリバーよりフリード本体を狙った方がいいな。
しかし、フリードは戦いの天才。先程肩を撃ち抜かれてから銃で撃ち抜く隙は容易く見せない。
常に当方との直線上にユートが入るように立ち回ってやがる!
その後、イッセーが力をユートに譲渡するもフリードはエクスカリバーの特性を存分に生かしユートの猛攻を防ぎ切る。
「ほう?《
その時、この場に第三者の声が響く。
「バルパーのじいさんか」
バルパー……聖剣計画の首謀者がこんな緒戦を見に来たというのか?
「……バルパー・ガリレイ!」
ユートが憎々しげにバルパーを睨む。
「いかにも」
バルパーは堂々と肯定した。こいつがユートの仇……
「フリード。何をしている」
「じいさん!このわけのわからねぇトカゲくんのベロが邪魔で逃げられねぇんスよ!」
「聖剣の使い方がまだ十分ではないか。おまえに渡した《因子》をもっと有効に使いたまえ。そのために私は研究していたのだからね。体に流れる聖なる因子をできるだけ聖剣の刀身に込めろ。そうすれば自ずと斬れ味は増す」
「へいへい!」
フリードの持つ聖剣の刀身にオーラが集まり、輝きを放つ。
「こうか!そらよ!」
ブシュッ!
サジの神器は難なく切断され、フリードを捕らえる術が無くなる。
だが、次の瞬間。
フリードは虚空に剣を振るった。
「おっと?カレンたん?もう追いついたのかい?」
フリードがそう言うとフリードが持つエクスカリバーと打ち合うもう一本のエクスカリバー……《透明の聖剣》とその使い手、カレンが姿を現す。
その体は以前見た鎧に包まれている。
「なんで……!」
「何って、カレンたんの力はその性質上。今から殺す相手には殺気が露見するものね!」
「そのままだ、カレン!」
すぐさまゼノヴィアが駆けつけ、フリードのいる場所に対して《破壊の聖剣》を振るうがフリードはそれを飛び退き躱す。
「やっほ。イッセーくん」
「イリナ!」
どうやらエクスカリバーを追うものが全員合流したようだ。
「フリード・セルゼン、バルパー・ガリレイ。反逆の従め。神の名のもとに断罪してくれる!」
「ハッ!俺の前で憎ったらしい神の名を出すんじゃねぇ!このビッチが!」
そういいながらフリードは懐から光の玉を取り出す。
「バルパーのじいさん!撤退だ!コカビエルの旦那に報告しに行くぜ!」
「致し方あるまい」
「あばよ、教会と悪魔の連合どもが!」
フリードが光の玉を地面に投げつける。
眩い閃光が迸り、当方たちの視力を奪う。
視力が戻った時には二人の神父の姿はなかった。
「追うぞ、イリナ、カレン、リヴィエール!」
「うん!」
「はい!」
「もちろんだ!」
その場を駆け出す当方たち。
「僕も追わせてもらおう!逃がすか、バルパー・ガリレイ!」
ユートも当方たちの後に続く。
※※※
当方たちは気配を追い続ける。
そして辿り着いたのは……
「またここかよ!」
以前、堕天使レイナーレが使用していた教会だった。
「また?……ああ……」
当方の言葉で察するカレン。原作知識があると話が早いので助かる。
「ここにコカビエルが……なにか因縁を感じるね」
「だな。ここに突入するのも二回目か」
コカビエルたちは以前、潜伏していた堕天使が使っていた教会を使用して虚を突くつもりだったのだろうか?
「待て、なにか出てくるぞ」
ゼノヴィアの言う通り、教会から何者かが出てくる……
ゾワゾワと空気が変わる。
今まで感じたことのないプレッシャー……
まさか……
「コカビエルか?」
十の黒い羽根をはためかせるソレはライザー・フェニックスなんて比じゃないほどのプレッシャーを放つ。
グリゴリ幹部のコカビエルと見て間違いないだろう。、
「フリードの話によると聖剣使いと悪魔が二人ずつ、それに離反者である小娘が来ているようだが……ふむ」
コカビエルはこちらに気付くと距離を一瞬で詰め光の剣を振るう。
くらったら間違いなく即死。
「当たる訳には行かないのでね!」
全員が散開しコカビエルを囲むように位置につく。
「ほう…この俺に勝つ気だと?」
「当たり前だ。堕天使コカビエル、お前の野望もここで潰える!」
ゼノヴィアがそう言いエクスカリバーを振るうがコカビエルはそれを光の剣で叩き逸らす。そして、パンチでゼノヴィアを吹き飛ばす。
入れ替わりになるようにユートも仕掛けるが魔剣は容易く砕かれる。
「つまらん」
この場にいる全員が悟る。当方たちの力ではこの堕天使を相手取るには不十分過ぎると。
「撤退だ!敵の本拠地は割れた!部長たちと合流するのが得策だ!」
「くっ……わかったよ!」
当方の声にユートは同意し撤退を始める。
「逃がすと思うか?」
「いいや、逃げさせてもらう!」
当方が囮になれば時間を稼げるはずだ。
「リヴィエールくんだけじゃアレだし私も残る!」
イリナも当方と同じようにコカビエルを引き受けるようだ。
「……逃げましょう、ゼノヴィアさん」
「しかし……」
「機会は時機に来ます。今は退くべき時なんです」
カレンはゼノヴィアを説得し撤退を始めた。
「全く、人間というのは理解に苦しむ」
「理解してほしいなんて頼んでないがな!」
当方はマシンガンを取り出し斉射する。
弾丸の一つ一つが魔力で強化されている。
足止めにはなるはずだ!
「そんな豆鉄砲では止めることなどできんよ」
コカビエルはそういい羽根を刃のように扱い弾丸を全て叩き落とす。
なんてスピードだ。
「くそ!」
これではロケランなどもさほど影響がないだろう。
ここで全力を出し切る訳にはいかない。
そもそも、当方の全力如きで……
「リヴィエールくん、同時に仕掛けるよ!」
「ああ、まだだ!」
当方は両手でマシンガンを斉射しイリナは《擬態の聖剣》の特性を活かしその刃を幾重にも増やし刺突を弾丸の合間を縫うように繰り出す。
「ふむ、その発想はよい。だが……」
コカビエルは攻撃範囲から一息で当方たちにちかずく。
「相手の力量を見誤ったな」
黒い羽根が当方たちを襲った。
「くっ!」
「きゃぁぁ!」
当方は黒鎧と悪魔の駒の加護で防御力が跳ね上がっているがイリナは聖剣を使えると言ってもただの人間。
致命傷になりかねない。
このままでは命の危機に直結する。
イリナを庇うように当方が前に出るが、イリナの体は既に傷だらけだ。
当方たちも逃げ切るためには……
そうだ。
フリードの真似をしよう。
そう思い、当方はスタングレネードを取り出す。
それをコカビエルの前……つまり当方の前で爆発させる。
魔力によって強化された光は一瞬、太陽のような光を発した。
網膜が目を閉じていても焼かれる。
だが、感覚は生きている。
イリナを抱きかかえ当方も後退を始める。
「逃げるか……まあ、いい。次に相見える時にはもっと歯ごたえをつけてこい!」
……その慢心はいつか命取りになると思うが、今はありがたく逃げ切らせてもらう。
「完全解放を長時間できるようになったのか?」
「まあ、ある程度はな。魔力で生成した水を纏ってさらに強化された状態はまだ少しの間しかできないがな」
「そういえば、その時のイメージってどんなの?」
「サトシゲッコウガの初期で水を纏っているときのやつかな」
次回
第20話 《月光校舎》
「そういえば、思い出したのだけど、作者は《月光条例》というマンガが好きだそうだね」
「……この小説を月打させるつもりか?」