旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
それはそうとひとつわかったことがあります。
《擬態の聖剣》とリヴィの相性が思いの外いい(若干ネタバレ)
「はぁはぁ……」
コカビエルから逃げ切りひとまず休憩を取る。
《騎士の誉》を解く。
イリナを抱きかかえたままだが……
「リヴィエール……くん?」
「しゃべるな。傷が悪化するかもしれない。今から治療できるヤツのところに連れていくからな」
向かう場所は兵藤家。アーシアの神器なら怪我の治療ができる。
イリナを抱え直しおんぶする。
「恥ずかしいと思うが少しばかり耐えてくれよ」
少々こちらも恥ずかしいのでな。……主に背に当たる柔らかな感触が。完全解放の時は鎧があったのでそうでもなかったが今は普通の服だ。意識しないようにしないと……
夜の道を駆け出し兵藤家を目指す。
先程の場所は兵藤家からさほど離れていない公園だったので十分ほどでついた。
「……血塗れの女性を背負った奴がインターホンを鳴らすのはどうもな……どうにか……?」
少し葛藤していると玄関の扉が開かれた。
「リヴィ、イリナ!」
イッセーが駆けてきた。
その後には部長とアーシアがいる。
「私の眷属の中でも防御力がトップのリヴィが生傷を作ってくるなんて……」
「へ?」
どうやら、当方も傷を作っているみたいだ。
イッセーたちの顔を見た時から少し痛むなとは感じていたが……ふむ、腹の方に傷があるのが見える。
「当方よりもイリナを……アーシアさん、頼めるかな?」
「は、はい!」
……アーシアと会話するのって治療の時ぐらいしかないような気がする。気のせいだといいけど。
「誰にやられたんだ?」
「……コカビエルだ」
「コカビエルですって……」
そこで強烈なプレッシャーを上から感じた。
上を向くと件のコカビエルが月を背景に浮かんでいる。
「いかにも。はじめましてかな、グレモリー家の娘。紅髪が麗しいものだ。忌々しい兄君を思い出して反吐が出そうだよ」
「あなたが私の下僕に傷をつけたのね?」
「ああ。俺たちの根城まで来たのでな、それなりの歓迎をした。まあ、そいつらが囮になってくれたおかげで、三匹ほど逃がしたが」
「今度は何をしに来た……!」
当方はイリナをアーシアに任せてからコカビエルを睨み上げる。
「グレモリーの娘、お前の根城である駒王学園を中心にこの町で暴れさせてもらうぞ。そうすればサーゼクスも出てくるだろう?」
「やはり、堕天使と神、悪魔の戦争をもう一度起こすのが狙いなようね」
「ほう?すでに知っていたか」
「……戦闘狂め」
「そうだ。そうだとも!俺は三つどもえの戦争が終わってからひどく退屈でな!アザゼルもシェムハザも次の戦争に消極的だ。ゆえに俺は個人で火種を起こすことにした!戦争をするためにな!サーゼクスの妹とレヴィアタンの妹、それらが通う学び舎だ。さぞ、魔力の波動が立ち込めていて、混沌が楽しめるだろう!戦場としては丁度いい!」
「滅茶苦茶だ……」
会話がひと段落し落ち着くコカビエル。その顔は今から遊びに行く子どものような笑顔があった。
「ハハハ!戦争をしよう!魔王サーゼクス・ルシファーの妹リアス・グレモリーよ!」
そう言ってコカビエルは学校の方に飛んで行く。
「イッセー、リヴィ、学園に向かうわよ!」
「「はい!」」
※※※
学園にはオカルト研究部と生徒会執行部が集まっていた。
その中でソーナ会長は当方を見つけ話しかけてきた。
「リヴィエールくん……あなたも合流したのですね」
「ソーナ会長……そのせつはご心配をおかけしました……」
「いえ、大丈夫です。学園を結界で覆いましたが、これは最小限に抑えるためのものです。はっきり言って、コカビエルが本気を出せば、学園だけでなく、この地方都市そのものが崩壊します」
「そんな……」
戦争を起こしたいから都市を破壊する……まさにわがままな子どもだな。しかも、その子どもが聖書やその関連書物に出てくる堕天使の幹部ときた。
……状況は控えめに言っても最悪だな。
「攻撃を抑えるために私と眷属はそれぞれの配置について、結界を張り続けます。できるだけ被害を最小限に抑えたいものですから……本来、私たちの学び舎が傷つくのは耐え難いものですが、堕天使の幹部が動いた以上、堪えなくてはならないでしょうね」
ソーナ会長は憎々しげに学園の方を見つめる。おそらくはコカビエルに向けたものだろう。
学園に被害が出るのは確実、それが壊滅的になるかどうかは頑張り次第……か。
「部長、すでにサーゼクス様に増援を打診しました」
「……そう。今回ばかりは我儘を言ってられない……お兄さまの迷惑だとかで応援を拒んでいては……」
部長は当方の……詳しくは当方の腹にできた生傷を見て言った。眷属に被害が出てるからこれ以上は見過ごせないってことか……
「加勢が到着するのは一時間後だそうですわ」
「一時間……。わかりました、その間、私たち生徒会はシトリー眷属の名にかけて、結界を張り続けてみせます」
「一時間ね。さて、私の下僕悪魔たち。私たちはオフェンスよ。結果内の学園に飛び込んで、コカビエルの注意をひくわ。これはフェニックスとの一戦とは違い、死戦よ!それでも死ぬことは許さない!生きて帰ってあの学園に通うわよ、皆!」
『『はい!』』
部長の言葉に全員が気合の入った返事をした。
「兵藤!ハルトマン!あとは頼むぜ!」
「ああ!……って、なんでサジは少し腰が下がってるんだ?」
「……まあ、匙、お前は尻のダメージでも気にしてろ」
「言うな!言われるとかさらに痛く感じる!おまえこそ、尻は?」
「ふふふ……部長の愛が痛い。まあ、いまの状況はまさに尻に火がついた感じだ」
「いやいや笑えねぇよ。ーーで木場はまだか?」
「ああ、無事だと信じてるさ。だろ、リヴィ?」
「もちろん」
「そうだな。俺も信じるよ」
当方たち三人は拳を合わせ、互いの健闘を祈った。
さて、決戦だ。
今の当方の全てを持って相手になってやる!
※※※
学園に入ってすぐにイッセーは《女王》に昇格、当方も《騎士の誉》を第二解放にした。
当方の手にはイリナから(勝手に)借りた《擬態の聖剣》水を纏わせて戦闘準備は万端だ。
そこに白髪の少年神父……イカれフリードが現れた。
「いやはや、俺のボスは人使いが荒いぜぇ。でも、まあ?俺たちが持っていた二本のエクスなカリバーちゃんの合成剣はスペシャルな一品でね。ちょっくら、試し斬りにお堅い悪魔様をリッパーさせてちょ!」
「部長たちは先に行ってください。こいつの相手は当方がします。《
黒鎧を全身に纏いフリードと対峙する。
「わかったわ。先に行って待ってるわね」
部長たちは当方とフリードの脇を通る。
フリードは部長たちを見過ごした。
「余裕だな」
「リヴィくんがスキを見せないからね。それがなければ斬殺してたかな?」
「そうかい」
鎧から溢れる瘴気を水に変換させる。
ゴポポと辺りの音がどんどんかき消されていく。
これで当方自体が武器と化した。表面を常に渦巻く水の激流で覆うことで視認しにくくし、さらにある程度の攻撃を減殺できる。
「いくぞ」
その声は気泡とかしフリードには届いていない。
だが、フリードは感じ取ったのかニヤリと笑った。
次の瞬間、当方たちは打ち合っていた。
エクスカリバーとエクスカリバーがぶつかり合う。
鞭のように《擬態の聖剣》を扱うが《天閃の聖剣》の力を使いフリードは全てを弾く。
それは予想しているのでフリードの足元に魔力式徹甲弾を撃ち、爆裂させるがフリードは飛び退いてそれを回避。当方はそのまま追撃にうつる。
懐に潜り込んで《天閃の聖剣》の力を使われる前に剣自体を止めれば……
と!危ない、騙されるところだった!
後に振り向くとフリードが狂笑を浮かべ斬りつけてきていた。
《夢幻の聖剣》による幻覚か!
「およよ?これを躱すなんてさすがですなぁ」
なんて言ってるかはわからないが兎に角倒すことに集中する。
《擬態の聖剣》の剣先を幾つも増やし同時に攻撃を仕掛ける。
しかし、それもフリードは跳ね除けてしまう。
こうなったら力押ししかないか?
そう考えた当方は距離を取り魔力を剣に集中させる。
当方が纏っていた水は剣に集まり音が戻った。
この集めた水をビームのように放ちフリードごと辺りを攻撃すれば《天閃の聖剣》では防ぎきれないだろう。
が、フリードは自身の幻影を増やし対抗しようとする。
だが、《擬態の聖剣》の力により激流は幾重にも別れその全てが蛇のようにフリードの群像に襲いかかった!
ザバァァァァァン!!
激流の音が辺りに響く。
これが今の当方の全力。
技名は……《ハイドロブラスト》とでもしておこう
「ハイドロポ○プ」
「ハイドロカ○ン」
「ハイドロゲ○ン」
「おい、最後のはネタが違うぞ」
「別に問題ないでしょ」
次回
第21話 《聖魔剣爆誕》
「俺はここで《ボディングーH○O》を発動」
「何してんだ。神宣」
「リヴィも何してんのさ……」