旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
『Divide!』
何度目かの音声。
コカビエルの動きは既に当方たちが容易に相手にできるほどにまで落ち込んでいた。
「もはや、中級堕天使並か。つまらない。もう少し楽しめると思ったんだが……終わらせるか」
フッ
視界から消え去り、光の軌跡を生み出しながら、《白い龍》がコカビエルへ直進する。
ドゴッ!バキッ!
《白い龍》の拳がコカビエルの腹部にねじ込まれ、続けざまに放たれたかかと落としによりコカビエルは地面に突っ伏した。
十もの翼を生やした堕天使の幹部がこうも呆気なく……
「フリードは……そうか、《邪の主》に取り込まれたか。始末は後でいいだろう」
《白い龍》はコカビエルの体を肩に担ぎ空へ飛び立とうとする。
『無視か、白いの』
初めて聞く声だ。
発生源は……イッセーの赤龍帝の篭手についてある宝玉だ。
つまり《赤い龍》ドライグの声か?
『起きていたか、赤いの』
《白い龍》の宝玉も声を放つ。
こちらはアルビオンか?
『せっかく出会ったのにこの状況ではな』
『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういうこともある』
『しかし、白いの。以前のような敵意が伝わってこないじゃないか』
『赤いの、そちらも敵意が段違いに低いじゃないか』
『お互い、戦い以外の興味対象があるということか』
『そういうことだ。こちらはしばらく独自に楽しませてもらうよ。たまには悪くないだろう?また会おう、ドライグ』
『それもまた一興か。じゃあな、アルビオン』
会話は赤龍帝と白龍皇のもので間違いない。
何にせよ、柔和に収まって何よりだな。
「おい!どういうことだ!?お前は何者で、何をやっているんだよ!?てか、お前のせいで部長のお乳が吸えなくなっちまったんだぞ!」
緊張感が仕事を放棄した。
イッセー……言葉は選ぼうか。
「すべてを理解するには力が必要だ。強くなれよ、いずれ戦う俺の宿敵くん……それと、《
白き閃光と化して飛び去っていった。
誰も彼もが……いや、カレン以外が予想外の戦の終焉に言葉を失っていた。
……当方の目覚めた力が手持ち無沙汰なのだが?
どうしよ、このブレードライフル。
バシッ
「やったじゃねぇか、色男!へー、それが聖魔剣か。白いのと黒いのが入り混じっててキレイだな」
「見てるだけ強そうなのがわかるな……ユート、一本くれないか?」
当方たちはユートの頭を軽く叩き、興味津々に聖魔剣を凝視する。
「イッセーくん、リヴィ……僕は」
「ま、いまは細かいのは言いっこなしだ。とりあえず、一旦終了ってことでいいだろう?聖剣もさ、おまえの仲間のこともさ」
「うん」
「なら良かった。また一緒に学校行けるよな?」
「……木場さん、また一緒に部活できますよね?」
「だいじょ……」
「祐斗」
その時、部長がユートを呼んだ。
「祐斗、よく帰ってきてくれたわ。それに
「……部長、僕は……部員の皆に……。何よりも、一度命を救ってくれたあなたを裏切ってしまいました……。お詫びする言葉が見つかりません……」
部長の手が優しくユートの頬を撫でる。
「でも、あなたは帰ってきてくれた。もうそれだけで十分。彼らの想いを無駄にしてはダメよ」
「部長……。僕はここに改めて誓います。僕、木場祐斗はリアス・グレモリーの眷属《
「うふふ、ありがとう。でも、それをイッセーの前で言ってはダメよ」
「俺だって、《騎士》になって部長を守りたかったんだぞ!でも、お前以外に部長の《騎士》が務まる奴がいないんだよ!責任持って、任務を完遂しろ!」
「うん、わかってるよ、イッセーくん」
そんな会話を経て、今回の出来事は終息……してなかった。
ブゥゥゥンと危険な音を立てて、部長の手が赤いオーラに包まれた。
部長はニッコリ微笑んで言った。
「さて、祐斗。勝手なことした罰よ。お尻叩き千回ね」
祐斗に刑が執行された。当方は苦笑いでそれを見ていたのだが……
「リヴィも祐斗たちを止めなかったのだから同罪よ」
部長は相変わらずの笑顔でそう言った。
魔王の加勢がくるまで当方とユートは部長にお尻を叩かれながら過ごしていた。
※※※
「くぅぅーー!」
当方は目が覚めた。
久々に何も考えずに熟睡できたと思う。
昨日で終わらせたので今日もまだ休日だ。
このまま一日寝てしまおうか?
「あらあら、リヴィの同級生を、ですか?」
「はい、リヴィのお母様。ぜひとも、あなたに育てて貰いたい子がいるのです」
着替えてリビングに降りると何故か部長と母が会談していた。
……そして、部長の横にはゼノヴィアがいる。
「あら?おはよう、リヴィ。朝ご飯は適当に食べてね」
「おはよう母さん……これは?」
「リアスさんがちょっとお願いがあったの。それについて話しているわ」
「は、はあ……」
当方の母は笑顔を絶やさずにいる。
……何故だろうか、その笑顔にはゴゴゴと凄みのある効果音が似合いそうだ。
「わかりました。では、我が家でゼノヴィアちゃんを預かるわ」
「ご厚意、感謝します」
「はあ!?」
※※※
そして、数日が経過した。
最近日にちが飛ぶのが早い。
秋の日は釣瓶落とし……いや、まだ春だぞ。
ともかく、我が家に家族?が増えた。
神がいないことを知り、やぶれかぶれで悪魔に転生したゼノヴィアだ。
母にしごかれることによってデュランダルを使いこなすのが目的らしいが……当方との距離感が何故か近いのも気になる。
「で、ここがオカルト研究部がある旧校舎だ」
「ほう、そうか」
当方とゼノヴィアの距離、約5cm。
近い近い。先日知り合ったものの距離感ではない。
最近、手合わせを行っているのだがソレは全く持って関係ないだろう。うん。
というか、何考えてるんだ当方は?
少し女性の距離感が近いからと錯乱しスぎだト思うぞ。
うン。
「……というか、やぶれかぶれで悪魔に転生できるものなのか?」
「神の死を知ったので異端扱いされたのでな……今思うと、この選択が合っているかどうかはわからないが……だが、元敵の悪魔に降るというのはどうなのだろうか……いくら、相手が魔王の妹だからといって」
「はあ……」
ゼノヴィアは当方のクラスに転入してきた。
先日、アーシアがイッセーのクラスに転入してきたから妥当だろうな。
イリナとカレンはエクスカリバーの破片を持ってヴァチカンに帰ったそうだ。
《擬態の聖剣》?もちろん返した。
本音をいえば、聖剣欲しかったな……だって、エクスカリバーってカッコイイじゃん。なのだがな!
「それにして、リヴィの新しい力。凄まじいな」
「あぁ……なにか名前でもつけてやるかな?当方では上手くかんがえられないのだが」
「そうか……なら《
「ふむ……それでいいか。ありがとうな」
「これぐらい何ともないさ」
そんな会話しているうちにオカ研部室前についた。
「さて、こう言うかな。
オカルト研究部、並びにグレモリー眷属にようこそ!」
「最後の方適当過ぎないか?」
「俺はオッPとアクペでペンデュラムスケールをセッティング!天空の虹彩の効果でペンデュラムゾーンのオッPを破壊し、山札からオッドアイズカードをサーチ!そして、アクペの効果、チェーン2で発動!デッキからオッドアイズモンスターを特殊召喚する!何かありますか?」
「いいえ、ありません。手札誘発引けてないから好きにしてよ」
「了解。特殊召喚するのはファンタズマ。手札にはペルソナを加える。そして、ペルソナをペンデュラムゾーンに……」
「何お前ら遊○王してんだよぉぉぉ!!」
「あ、悪い。次回予告中だったか」
「俺も後でやらせろ!」
「え、そっちなのかい?」
次回
第24話 《プール掃除と堕天使首脳》
「俺は未来融合を発動!真・究極青眼を見せて青眼を3枚デッキから墓地に送る!」
「手札を一枚切ってツイツイ!」
「なんでそんなもんオッドアイズに入ってるんだよ!」
「えと……ま、いいか」