旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話   作:何処でも行方不明

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区切りが悪く、しかも長考しました……
遅れて申し訳ありません……


停止教室のヴァンパイア
第24話 《プール掃除と堕天使首脳》


「冗談じゃないわ」

 

部長がなにやらご不満のご様子。当方は今日は契約がなかったのでゼノヴィアとともに鍛錬をしていた。

そこを小猫ちゃんに呼び出され鍛錬を切り上げて部室に戻ってきたらこれだ。

一体何があったのだろうか?

 

「……イッセー先輩の契約相手が堕天使の総督《アザゼル》だったそうです」

 

「へぇ〜……イッセーもビックネームと……って、小猫ちゃんなんて?」

 

「イッセー先輩の契約相手があのアザゼルだったそうです」

 

なんで、先日堕天使とどんちゃかやったのにどうしてこうも絡んでくるんですかね?

定期的に堕天使と会っている気がするぞ。

そこでイッセーが男子組を集めコソコソ話を始めた。

 

「……やっぱ、俺の神器(セイクリッド・ギア)を狙っているのかな。堕天使の総督なんだろう?」

 

イッセーは不安を口にしている。アザゼルに捕まったらただではすまなそう。と考えているな。

 

「確かにアザゼルは神器(セイクリッド・ギア)の造詣に深いと聞くね。そして、有能な神器(セイクリッド・ギア)所有者を集めているとも聞く。でも大丈夫だよ」

 

「ん?なにか考えでもあるのか?ユート?」

 

「僕がイッセーくんを守るからね」

 

「……いや、あの、う、うれしいけどか……。なんていうか、真顔で男に言われると反応に困るぞ……」

 

「真顔で言うに決まっているじゃないか。キミは僕を助けてくれた。僕の大事な仲間だ。仲間の危機を救わないでグレモリー眷属の《騎士(ナイト)》は名乗れないさ」

 

ユート……それって、ヒロインとかに向けるセリフなんじゃ……

 

「問題ないよ。僕の《禁手(バランス・ブレイカー)》となった神器(セイクリッド・ギア)とイッセーくんのブーステッド・ギア、リヴィの進化した騎士の誉(ナイト・オブ・オーナー)が合わさればどんな危機でも乗り越えられるような気がするんだ」

 

「それについては当方も同意だな。ユートの聖魔剣、イッセーの倍加、当方の結合が合わされば堕天使の総督でも相手にできるだろうな」

 

「だろう?……ふふ、少し前まではこんな暑苦しいことを口にするタイプではなかったんだけどね。キミたちと付き合っていると心構えも変わってしまう。けれども、それが嫌じゃないのはなぜだろう……これが、リヴィの言っていた《男同士の友情》ってものなのかな?」

 

「むー……どうなんだろうな。イッセーはどう思う?」

 

「まあ、確かに熱い展開ではあるな」

 

そこで話が一段落した。

 

「しかし、どうしたものかしら……。あちらの動きがわからない以上、こちらも動きづらいわ。相手は堕天使の総督。下手に接することもできないわね」

 

やはり、悪魔と堕天使の関係はこじれているな……これ以上、当方たちが介入して掻き乱すわけにはいかないだろうし。

あちらが攻撃してきた場合は正当防衛ができるのだが……

 

「アザゼルは昔からああいう男だよ、リアス」

 

突然、この場の誰でもない声が聞こえる…って、この声は!

声のした方に視線を向けると……

四大魔王のサーゼクス・ルシファー様がいらっしゃっていた。

当方は即跪き、頭を垂れる。

イッセーとアーシアは対応に困り、ゼノヴィアは「?」と疑問符を出しながらも当方たちに習って跪いた。

 

「お、お、お、お兄さま」

 

部長は驚愕の声を出していた。まあ、いきなり魔王様が訪問してきたら例え実の兄でもそうなるだろうな。

 

「先日のコカビエルのようなことはしないよ、アザゼルは。今回みたいな悪戯はするだろうけどね。しかし、総督殿は予定よりも早い来日だな」

 

とサーゼクス様がおっしゃった。

その横にはサーゼクス様の《女王》であるグレイフィアさんともう一人、青いローブに身を包んだ人物がいた。

……お二人の護衛か?

でも、サーゼクス様とグレイフィアさんがいたらある程度の存在は圧倒できると思うんだ。

そこでようやくイッセーとアーシアが跪いた。

 

「くつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ている」

 

手をあげて、俺たちにかしこまらなくていいと促してくださった。全員がそれに従い立ち上がった。魔王様のご厚意は無駄にできないからな……

 

「やあ、我が妹よ。しかし、この部屋は殺風景だ。年頃の娘たちが集まるにしても魔法陣だらけというのはどうだろうか」

 

部屋を見渡しながら魔王様は苦笑された。

すると、そばに控えていた青フードが声を出した。

 

「サーゼクス様。ここはオカルト研究部の部室。オカルトとはすなわちわ私たち悪魔のような非科学的存在とされるもののこと。それを研究するのであれば魔法陣があるのはやむなしかと」

 

「グリンガムはよく知ってるね。まあ、確かに一理あるね」

 

どうやら青フードの人はグリンガムと言うらしい。

 

「お兄さま、ど、どうして、ここへ?」

 

怪訝そうに部長が聞いた。

まあ、魔王様がプライベートで人間界の学舎の部室に顔を出すなんてそうないだろうからな。

すると、サーゼクス様は一枚のプリントを取り出した。

 

「何を言ってるんだ。授業参観が近いのだろう?私も参加しようと思っていてね。ぜひとも妹が勉学に励む姿を間近で見たいものだ」

 

そうだった……もうすぐ授業参観だった。……む?

ということは父が帰ってくるということか?

確か、父は「授業参観の日には仕事休んででも行くから」と言っていたような……

まあ、それはさておき。

グレイフィアさん経由で授業参観のことを知ったサーゼクス様は休暇を入れて部長のことを見に来たのだとか。

 

「それにこれは仕事でもあるんだよ、リアス。実は三すくみの会談をこの学園で行おうと思っていてね。会場の下見に来たんだよ」

 

へぇ……会議の下見にいらしたのですか……えっと、三すくみって言えば……えぇぇぇぇ!?

そんな重要な案件をたかが人間界の学園で執り行っていいものなのか!?

周りを見るとオカ研メンバーは例に漏れず全員が驚いていた。

 

「ーーっ!ここで?本当に?」

 

もちろん部長も驚いていた。再度聞くのも無理はない。

 

「ああ。この学園とはどうやら何かしらの縁があるようだ。私の妹であるおまえと、伝説の赤龍帝、聖魔剣使い、聖剣デュランダル使い、湖の騎士(ランスロット)の力を継ぐものに魔王セラフォルー・レヴァアタンの妹が所属し、コカビエルと白龍皇が襲来してきた。これは偶然では片付けられない事象だ。様々な力が入り混じり、うねりとなっているのだろう。そのうねりが加速度的に増しているのが兵藤一誠くん、つまりは赤龍帝だとは思うのだが?」

 

※※※

 

「ふーーっ」

 

湯船につかり、長く息を漏らす。

あの後、サーゼクス様とグレイフィアさんはイッセーの家に行くことになった。なお、グリンガムさんは別件で他のところに行ったらしい。

深夜11時頃に家に着いた当方とゼノヴィアは疲れを癒すために(といっても、ゼノヴィアは大して疲れていないらしいが)風呂に入っている。

もちろん、別々にだ。

パシャとお湯を手で掬い顔にかける。

最近、自分自身でも体に疲れが溜まっているのを感じる。

母がいう風には疲れではなく、溜まっているのはもっと別のものらしいが……

風呂から上がり、リビングの方に行くとゼノヴィアがノートを開け頭を悩ましていた。

 

「何してるんだ?」

 

「リヴィ……いや、漢字がよくわからなくてな。現国の宿題に苦戦しているんだ」

 

「なるほど……でも、現国の宿題って提出日は明明後日じゃなかったか?今やる必要は……」

 

「前もってやっておくにこしたことはない。それにリヴィは休み時間で既に終わらしているのだろう?」

 

「まあそうだけど……で?どこが読めないんだ?」

 

「すまない。この部分なんだが……」

 

だいたい当方たちの夜はこうして更けていく。

ついでに言うと

気がついたら当方は寝落ちしていることが大半だ。

というか、当方は自分の部屋で寝ること自体がレアケースだ。

 

※※※

 

サーゼクス様御一行が来日してから数日間。

当方は何故かイッセーに巻き込まれてサーゼクス様に付き添っていた。

ゲーセンに行って競い合ったり、ハンバーガーショップで全メニュー制覇したり、神社に行ったり……一見外遊……いや、ほとんどは日本を楽しもうと来てるんだろうな……

ソーナ会長曰く四大魔王の皆様はオフの時はとてつもなくノリが軽いみたいだし……

まあ、それはさておき。今日は日曜だが部活はある。

我が家から駒王学園はそこそこ遠く、当方は自転車通学をしている。

それは同じ家に住んでいるゼノヴィアも同じだ。

ただ……

 

「まだゼノヴィアちゃんの自転車ないから今日はリヴィのに二人乗りしてくれないかしら?」

 

「いえ、お母さん。私は別に自転車は大丈夫です」

 

「でもここから走るのはかなり時間がかかるわよ?」

 

「なら、当分はリヴィの自転車の後に乗せてもらいます」

 

「それがいいわね。駒王学園はバイク通学は禁止されてるから」

 

という会話がゼノヴィア登校初日にあり、当方とゼノヴィアは自転車を二人乗りして通学している。

学校の前では先生の目があるのでゼノヴィアには降りてもらっているが……それよりも、距離感が異常に近いので毎朝ドギマギしている。

母もなぜ止めてくれないのだろうか……

 

「ほら、行くぞリヴィ」

 

と、いくら考えても現状は変わるわけもなく当方の自転車の後にはゼノヴィアが乗っている。

 

「ああ、わかった」

 

ゼノヴィアの鞄と当方の鞄をカゴに入れ、ペダルを漕ぎ始める。

ゼノヴィアは当方の腰に手を回しギュッと力を入れる。

……まあ、横を向いてもらっているから何とはいわないが背中にはあまり触れていない。何とは言わないが。

十数分ほど自転車を漕いでいるとイッセー、部長、アーシアの後ろ姿が見えた。

自転車のスピードを緩め3人に併走する。

 

「おはよう」

 

「おう、リヴィ、ゼノヴィア。おはよう」

 

軽く挨拶を交わしそこから当方は自転車を押した。

もちろん、ゼノヴィアには降りてもらっている。

 

「さて、あなたたち。今日は私たち限定のプール開きよ」

 

そう、今日が日曜日にも関わらず学園に向かっている理由は本日はオカルト研究部が学園のプールを貸切にできるからだ。

といっても、ソーナ会長の依頼で最初に当方たちがプールを使うことを条件にプール掃除をしたからだ。

そろそろ授業でもプールを扱う頃合い。他校なら水泳部などがやるのだろうが駒王学園には水泳部がないようだ。だから、当方たちが掃除を行った。

水を抜き、苔を落としピカピカにした。

そう言えばそろそろ夏休みだ。

宿題は貰った日に計画を立ててできるだけ手早く終らせて……ゼノヴィアが現国が苦手みたいだから一緒にやった方がいいかな。

それはそうと、今日はユートは来れないらしい。

 

「ま、楽しむことにしますか」

 

当方は夏の陽射しを受けながらそう言った。




「夏休みの宿題は計画的に」

「けど、今は12月だよ?」

「なら、冬休みの宿題は計画的に。当方は30日までには終わらせるかな。年末年始はゆっくりしたいし」

「劇中は夏なのに冬の話するなよ…」

次回
第25話 《初プール。そして、ゼノヴィア無事暴走》

「てか、リヴィはゼノヴィアがくっつくことに文句言わないのな」

「………」

「完全にそのこと忘れてたみたいだね」

「リヴィは結構純真だからテンパってるだろうな」

「知ってるなら聞くなよ……」
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