旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
すいません、執筆遅れました。
明日からまた頑張ります。
拝啓お父様。
今もどこかで事業に励んでいると思います。
お父様は常に先を読み、家族のため、会社のために行動してきたと思います。
そこで、ひとつ質問です。
昨日知り合ったばかりの女友達から《子作り》を強ばられた場合、どのように対処すればいいですか?
回答者には知恵コインを500枚贈呈しようと思います。
※※※
「いっち、に、いっち、に」
当方は小猫ちゃんの手を持って彼女のバタ足練習に付き合っていた。
小猫ちゃんは泳ぐのが苦手で学校の授業よりも先に練習しておくことで慣れたいようだ。
当方は部長に小猫ちゃんの面倒を見るよう言われたが、そんなことを言われずとも声をかけるなりしたと思う。
なお、隣のレーンではイッセーがアーシアの練習に付き合っている。
個人的には試してみたいことがあったのだが、まあいい。
「ぷはー……先輩、付き合わせてしまってゴメンなさい……」
「いやいや、別にいい。当方も別段退屈しているわけじゃない」
本音と言えば本音だ。
母の「自分で勇士を育て上げるって楽しくない?」という言葉の意味がわかったような気がする。
「ついたよ。終点だ」
二十五メートルをバタ足で泳ぎきった小猫ちゃんは勢い余って、当方にぶつかってしまう。まあ、こうなるだろうとは思ったけど。とりあえず、構図が小猫ちゃんが抱きついているようになってしまっている。
イッセーなら殴り飛ばされ……いや、当方も無事ではすまない可能性が大か?小猫ちゃんも年頃の女性だ。好きでもなんでもない相手に触れられたくはないだろうな。
……うん、覚悟しておこう。
「すいません、リヴィ先輩……」
うん?
なんか覚悟してたのと違うような……まあ、いいか。
「大丈夫、大丈夫。なんてことは無い」
少し小猫ちゃんの頬が赤い気がするが……運動のしすぎ?いや、まだその段階では……
まあ、それはさておき当方は小猫ちゃんの頭を撫でながら言った。
「頼られるのも悪い気分じゃないし、後輩に何かしたいっていう考えは当方にもある。だから、小猫ちゃんは好きなようにしたらいいよ」
ザバン!誰かがプールに飛び込む音が聞こえてくる。
音の方を向くと部長が優雅に泳いでいた。
綺麗なフォームだな。当方はどちらかというと陸上競技の方が得意で水泳は実はあまり得意じゃない。
だから、水泳の上手な人の泳ぎを見るとついついその技術をパクるために凝視してしまうことがある。
母曰く、技術は盗むものだからしかたない。
「ほほ〜……上手く泳ぐものだ……」
「……私だって、練習すればあれぐらい」
※※※
「……きゅぅぅぅ、疲れましたぁ」
プールサイドに敷いたビニールシートの上でアーシアが項垂れている。
バタ足練習を張り切っていたせいか体力を使い果たしたみたいだ。小猫ちゃんは体力はあるが練習のしすぎも問題なので適度に休憩をしている。
そんな光景の中、イッセーが部長の方へ走り去っていった。
イッセーのせいで部長は顔しか確認できてないがご本人で間違いないだろう。
当方も休憩していたので静観していたのだが……
「ダメよ!その子は私のよ!絶対にあげたりしないのだから!」
「こんなに素敵でかわいい男の子、他にめったにいませんわ。たまにエッチにかわいがるぐらい、いいですわよね?」
部長と朱乃さんが口喧嘩を始めていた。イッセーの貞操の話まで飛躍し、口喧嘩はさらにヒートアップしている。
なにか不穏な空気が……
ヒュッ!ボンッ!
当方の目の前にあるプールの飛び込み台が部長の魔力によってひとつ消滅していた……
「……イッセー頑張れ、当方は戦線を離脱する!」
こちらを若干涙目で見るイッセーに対して当方はそう言い切り近くにあったプール用具室の中に避難した。
「待ってくれリヴィ!お前からも見放されたら俺は!」
「無理!無理!レベルが違いすぎる!あんなところにいたら一瞬で塵になる!」
※※※
ふっーー……
当方は無事用具室に入り、その中で安堵の息を浮かべていた。
さすがはグレモリー眷属の《王》と《女王》迫力が段違いだ。というか、女性の恋のトラブルなんてゴメンだ!
イッセーを巡る争いなら別のところでやってください、お願いします!こっちの命が足りる気がしません!
「……ん?誰……というか、ゼノヴィアか。なんでここにいる?」
当方はふとここ数日で見知った気配を感じ声をかける。
「リヴィか……どうしたのかな?と、外が騒がしいようだけど?」
「今は外に出ない方がいい。で、ゼノヴィアはなんでここに?」
「初めての水着でね。ニーナさんと一緒に買いに行ったんだけど、着るのに時間がかかってね。似合うかな?」
女子更衣室という文化を知らないのか?
さすがに外国でも男女別の着替え場所は用意されてると思うのだが……
ちなみにいうとゼノヴィアの水着は前だけ見ると布面積が大きいが、後ろ姿の布面積はほとんどビキニ。それがピッチリと体に張り付いており体の凹凸を強調している。
なお、ニーナとは当方の母の名前だ。
「当方はさほどファションセンスがあるわけではないが似合うと思うぞ。それにして水着が初めて……教会の規則で破廉恥なものは禁じられていたのか?」
「まあ、そうだね。というよりもこういうものに私自身興味がなかったんだ。周囲の修道女たち、女性の戦士はその手のものに触れられなくて不満を漏らしていたけどね」
ゼノヴィアは「戦闘している方が性に合う」とかいうタイプだから問題ないのか?
「だけど、私も身の上が変わった以上、多少なりとも女らしい娯楽を得たいと思うんだ。と、最近思い始めてね」
さいですか。間違ってもその手の話は母とするなよ。あの人は「最高の愛の形は何?」と聞いたら「略奪愛ね」とか答えるから見本にするのは間違っているからな。
「リヴィ。折り入って話がある」
「なんだ?また手合わせか?」
「そうではない。私と子供を作らないか?」
………。誰に何を相談したらそうなった?
「……いま、なんと?」
「私と子作りをしよう」
んー。ん?……なにか変な言葉が聴こえたような…
「リヴィ、私と子作りをしよう」
「はあああぁぁぁぁぁ!?むがっ!」
驚きのあまり大声を上げる当方の口をゼノヴィアが塞ぐ。
「しーっ。大声を出してはいけない。気づかれる」
大声を出すな?無理な相談だ!何考えてんだコイツ!
「……なにがあってその考えに至った聞いてみようか。話はそれからだ」
内心ドギマギしている当方の言葉にゼノヴィアはうなづく。
「わかった。順に話そう」
コホンと軽く咳払いしゼノヴィアは語り始めた。
「子供の頃から、これといって夢や目標というのが、すべて神や信仰に絡んだものでね。この辺りは家にいた時に話したと思うが、悪魔になったいま、私の夢や目標は無くなったと言えるんだ」
「ああ、それは前聞いた」
と言っても世間話の延長上で聞いてみただけなんだけどな。
「覚えていてくれて助かるよ。神に仕えていた時は女の喜びを捨てることにした。我が身、我が心は全て信仰のために封印したんだ。けれど、今はこの通り悪魔の身だ。何をしていいか最初はわからなかった。現主であるリアス部長とニーナさんにそれを訪ねたら……」
「訪ねたら?」
「悪魔は欲を持ち、欲を叶え、欲を与え、欲を望む者。好きに生きてみな。と双方から言われてね。だから、ひとまずは私に封印されていたものを解き放ち、それを堪能しようと思う」
「……それで女性の喜びを解放する……と?」
「ああ、今の私の目標はね。子供を産むことなんだ」
「へぇ〜……で、それで子作りをしようと?色々とぶっ飛んでないか?」
「だね。子作りのためには男を知る必要があるが、それは子作りを通して知ることができるだろう?」
何を言ってんですかね、この子は。
「話はわかったが、納得できない。彼氏彼女の関係ではない当方となぜ?」
「ふーむ……この話をするのはリヴィか兵藤一誠かの二択だった。君たち二人の中で仲が良いのはリヴィの方だと思ってね。ちなみにニーナさんの合意は既に得ている」
母よ。あなたはなんてことをして下さいましたのでしょうか。子供とかこの歳で考えたことないぞ。
まず、恋人云々も雲の上の話だと思っていたのだが!?
「聞くところによると、この国には《既成事実》というものがあるそうだね。それを作ってしまえば、結婚という女の喜びも感じれると思ってね。ほら、一度に何個も得する。これをこの国じゃ《一石二鳥》っていうんだっけか?」
ゼノヴィアはそういいながら当方に近寄ってくる。
当方は後にさがるがいよいよ壁際に到達してしまい逃げ道を失った。
「それに、私は子供を作る以上、強い子に育って欲しくてね。《
……?《湖の騎士》の末裔?
いったいなんの話……!?!?
当方の口に柔らかい感触が伝わった。
「ニーナさんにまずはこうするのがいいと聞いてね。何事も早めがいい。ちょうどここは人気もないみたいだしね」
そういいながらゼノヴィアは水着をずらす。
見ちゃダメだ。なにか、色々と不味いことになりそうな気がする。ファーストキスを奪われ、当方の心臓の鼓動がおかしい。
わかっていると思うが当方の本質はシャイだ。
って、誰に言ってるんだ?
「悪魔の出生もよく知っている。なかなか、子供ができないそうだ。純血同士は特に難しいらしいが、私は転生悪魔でリヴィは未だ人間の身だ。ベースは人間だから毎日行っていれば数年には妊娠できるのではないかと思うのだよ。ああ、子供の方は問題ないよ。基本的に私が育てる。ただ、父親からの愛を子供が望んだら、その時だけは遊んでやって欲しいんだ。やはり、子に父と母は必要だからね」
なにその未来予想図。それを考える前に日本の法律を学んでくれない?
「残念なことに私は男性経験はない。リヴィも女性経験はないのだろう?これから二人で覚えていこうじゃないか」
……………
「抱いてくれ。子作りの過程をちゃんとしてくれたら好きにしてくれても構わない」
……………
色々と当方のキャパシティを超えていて受け入れたくないのだが?
その時、ガチャ、バタン!
と音がする。その方向にはイッセーの気配がした。
「やっと入れた……全く命からがらだったぜ……って、ゼノヴィア?ということはそこで追い込まれてるのはリヴィか!?」
ああ、助かった。
とりあえず、これで大事には至りそうに……
なお、この後、女性陣が用具室に駆け込み事なきを得たが。プールからの帰り際ゼノヴィアには「私との子作り。考えておいてくれ」と言われイッセーには睨まれるわ、小猫ちゃんから冷ややかな視線で見られるわ、部長とアーシアは「私達も!」と意気込むわ、大変だった。
朱乃さんだけ「あらあらまあまあ」といつもの様子だった。
その余裕が当方は欲しいです。
「あぁぁぁぁぁっっ!?!?」
「リヴィがゴロゴロと辺を転がっているね」
「あの時のリヴィの顔って考えたら、助けを求める顔してたな」
「がぁぁぁぁぁ!!」
「あ、今度は机に向かってヘドパン始めたよ」
「そっとしておこうぜ。原作の俺の苦労の一部を背負っただけなんだ。今はそっとしておこう」
「うぉぉぉぉぉぉっっ!!」
次回
第26話 《参観日》
「ぜーはーぜーはー。水くれないか」
「一通り暴れたら気が済んだかい?」
「この後、すこしラウ○ン行ってくる」