旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
就職のための書類やらなんやらしてたら半月があっという間で……申し訳ありません
ホールでの大惨事?が片付き、軽く次期当主様たちの紹介を終えた後、当方たち若手悪魔は異様な雰囲気が漂う場所に案内された。
かなり高いところに席が置かれ、そこにいかにも偉そうな方々が座っている。さらにその上段にも同じように偉そうな悪魔の方々。もうひとつ上には……我らが魔王様がいた。四名全員だ。とりあえずセラフォルーさま、この場で当方だけにピンポイントで謎殺気を放つのはやめてください。いつも思うのですが、当方をそんなに目の敵にする理由がないと思います。
まあ、それはいつもの事だから置いておいて。
……いつもの事?……いや、あの殺気は数えて二回目だ。そんなはずはない。うん。
とりあえず、今の当方たちはお偉いさんたちに見下ろされている状態だ。魔女裁判とかを彷彿させるな。
もちろん、当方たち眷属悪魔は部長たち主の後ろに並んで待機してる。することはないがポーッとしていてもかなり暇だ。イメージトレーニングでもしとくかな。
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あれ?サーゼクスさまのお話終わってる?
ちゃんと聞いとけばよかったな……
「最後にそれぞれの今後の目標を聞かせてもらえないだろうか?」
サーゼクスさまの問いかけにはじめに答えたのはサイラオーグさまだった。
「俺は魔王になるのが夢です」
言い切った……それほどの自信があるってことか。
「大王家から魔王が出たら前代未聞だな」
「いや、しかし……」
「待て、サイラオーグ・バアルよ。どうすれば魔王になれるかわかっておるのか?」
お偉いさんは口々に言う。
「俺が魔王になるしかない。と冥界の民が感じれば、自ずとそうなるでしょう」
またもや言い切った。……だが、ありえない話じゃないように思えてくるのがすごい。
すぐさまサアラオーグさまに続きアミティエが口を開いた。
「ボクの目標はブエルの次期当主として冥界の文明の成長を推し進めることにあります」
文明の成長……?どいうことだ?
「今でも冥界の文明レベルは高いと思うが?」
「これからは天界や堕天使の文明も入ってくるでしょう。それらをいち早く解析、我らの文明に取り入れ昇華し独自の成長を行う。さすれば、人間界の文明レベルを超えることも夢ではない。ボクはそう考えます」
スラスラとアミティエは言葉を繋いだ。
「ほう……ならば、何をすべきかわかっておるのだろうな?」
「もちろんです。先程も申し上げましたがまずは天界、堕天使の技術を我がものにすることを優先すべきと考えます」
アミティエはそれだけ言うと他の次期当主に目配せをした。
すると部長……や、この場合は我が主とかのが妥当か。
我が主が言い始める。
「私はグレモリーの次期当主として生き、そしてレーティングゲームの各大会で優勝するのが近い将来の目標ですわ」
それが我が主の目標……堅実だ。当方たち眷属はそれに向かって頑張ればいいのか。
その後もシーグヴァイラさま、ゼファードルさま、ディオドラさまが自分たちの夢を語った。
そして最後にはソーナさまが残った。
「冥界にレーティングゲームの学校を建てることです」
学校の設立か……ソーナさまらしいと言えばらしいか。
ただ……
「レーティングゲームを学ぶところならば、すでにあるはずだが?」
そう既にそういう施設はある。
「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行くことが許されていない学校です。私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔てのない学舎です」
……ソーナさまらしいが、今の悪魔の情勢ではまだまだ平等とは言い難いのではなかったのだろうか?
当方が思ったことは間違っていなかった。
なぜなら
「フハハ……」
「「ハハハハハハ!」」
『『『ハハハハハハハハハハハハッ!!』』』
一人の笑い声が伝染するかのように周りに伝わり醜悪な合唱を始めたからだ。
「それは無理だ!」
「ああ、傑作だ!」
口々に出来るわけがないと言うお偉いさんたち。その中にはソーナさまが若いということを理由にバカにしているものも多数だ。
「発言よろしいでしょうか」
そんな中、アミティエがお偉いさんたちに対して声を上げた。
「……なにかな。アミティエ・ブエル」
恐らくは一番偉い人かそれに準ずる人の内の誰かだろう。その人の一言により場の注目はアミティエに向かった。
「この場はボクたち若手悪魔を見極める場。この場において若手を吊し上げにして嘲笑するのは間違いです。であれば、あなた方が行うべきはなぜソーナ・シトリーがこの志しを持つようになったかを聞き、彼女を見極めることだとボクは考えますが」
「……総裁家の次期当主でも許される発言とそうでない発言は「またれよ」」
そう一声をかけたのはサイラオーグさまやアミティエの目標に対して疑問を投げかけた方だ。
その方の鶴の一声によってこの場が再び沈黙した。
「たしかにアミティエ・ブエルの言うことに一理ある。話してみせよ、ソーナ・シトリー」
「はっ。皆様が考えられていることは理解できます。下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔たる主に仕え、才能が見出されるのが世の常だと。私が設立しようとするような養成施設を建てては伝統と誇りを重んじる旧家の顔を潰すことになると。しかし、だからこそです。そのような伝統は廃するべきなのです。これは今までの悪魔の歴史や人類の歴史にも言えます。人間界の日本という国ではその昔、学舎に通えるのはほんの一握りであったそうです。しかし今はほとんどの人間が学舎を通っている。これは悪魔界にも言えることではないでしょうか。今はほんの一握りしかレーティングの学舎の門を叩けなくとも、次の世代ではこの冥界にいる悪魔すべてに学舎の門を叩く資格がある未来を作る。そのための一歩として私は学舎を設立したいのです」
「ふむ……なるほど……人間という先達の発展を見てそう考えると」
「そうです」
「なかなかに面白いではないか。そうは思わぬか?皆の衆」
その方の声によって他の方々の意見も否定的だったものから少しだけだが肯定的なものに変わっている。
「ふむ、それではこうしないか」
そこでサーゼクスさまが口を開いた。
「この場にいる若手悪魔によるレーティングゲーム。君たちが今話した目標に対してのどの程度本気なのか示すにはいい案だと思うが、どうだろうか?」
レーティングゲーム……たしかアザゼル先生は近々我が主のレーティングゲームをセッティングすると……えっ?この展開読んでたの?
※※※
『対戦の日取りは、人間界の時間で八月二十日。それまで各自好きに時間を割り振ってくれて構わない。詳細は後日送信する』
サーゼクスさまはそういいあの場をお開きにした。
グレモリー家に帰ってきてから送られたものには大きく
グレモリーVSシトリー バアルVSグラシャラボラス アガレスVSアスタロト
と書かれていた。どうやらブエル家は今回は戦わないらしい。
「それにしても修行に使えるのは二十日ほどか……」
なお当方たちは今、グレモリー私有の温泉に入っている。
当方は口元辺りまでをお湯に沈めボコボコと泡を立てていた。
「どうしたのリヴィ、今から不安?」
「……もちろん。当方はユートやイッセーと違って
「そんなに難しく考えなくてもいいと思うけど……」
ドポーーーンッ!
「わぷ!」
何かが着水する音と共に当方に水の波が襲ってきた。
突如、何者かが何かを湯船に投げ入れたようだ。
「湯船にものを投げ入れんな!」
投げられた先を見るとそこにはイッセーがいた。
「わっ悪い!」
「問答無用!」
当方は条件反射という感じで投げ入れられたソレを掴んで投げ返そうとするが……
「リヴィ……それギャスパーくんだよ」
「へ?あ、悪い」
「ふぇぇぇ……」
掴んでいたギャスパーの頭を放しその代わりに手に魔力を集める。ゴポゴポと音を立て水の球を形成する。
「これ喰らって反省しろ!簡易版ハイドロブラスト!」
ザパァァァァン!
「ぐぁぁぁ!」
イッセーを上に飛ばす。落下地点は温泉の上に調整してるし大事にはならないだろう。
「ところでリヴィよ」
「なんですか先生」
「お前は女性の胸を触ったことがあるか?」
「ないです。イッセーじゃあるまいし」
「俺はあるぜ!」
イッセー復活はや!さっきハイドロブラスト喰らって伸びてなかったか?
「ほう……なら」
先生は人差し指を横に突き立て言う。
「女の乳首をつついたことはあるのか?」
「ない」
当方はもちろん即答。そもそも乳房を直視したこともない。
「ーっ!……い、いえ、まだです」
当方たちの反応を見て先生が嘆息する。
「なんだ、イッセーもないのか。乳首をな『ポチッ』とじゃなくて『ズムッ』とつつくんだよ。指が胸に埋没していく様は圧巻だぜ」
いやうん。イッセーならわかる。イッセーはなんやかんやでそういうので強くなっていってるからな。
でも当方にそういう話をするのはどうなの?
その後も二三言話したが何故かイッセーは感嘆してる。
だから、その話当方にする意義あるのか?
「リヴィは何も感じないか?」
「……そういうのってお互いの合意がいると思うんですよ。当方はそういう相手はいないので話はまだまだ先だと……」
「らしいぞー!聞いたかゼノヴィア!リヴィはそういう相手がいたらやるらしいぞ!」
『なに!ホントかイッセー!!』
突如イッセーが声を張り上げ女湯の方に呼びかける。それに返事をしたのはゼノヴィアだ。
「え?なに?伏兵!?」
「はっはっはー!ゼノヴィアからどうやったらリヴィをその気にさせるか相談されてな!なんでそういうのを求めるか聞いた時は胸焼けを起こしかけたが墓穴掘ったな!」
「イッセー、文おかしいぞ。一旦落ち着け」
「なんでこの状況で落ち着いてられるんだこいつ!」
「落ち着くしかないだろ。変に焦ったら思うつぼだし」
「ははーん?つまりお前むっつりか」
「なんでそうなる!」
ワイヤワイヤと言い合いを始める。あー頭痛い。なんでこんな馬鹿な会話してるんだろ。
「よし、折角だ。今からおまえ達を一流のスケベにしてやる」
「おお、一流のスケベ!それはなにをしたらなれますか!」
「そりゃおまえ」
アザゼル先生も変なテンション……いや、この人はいつもと同じか。そのテンションで当方とイッセーの腕を掴んだ。
「……猛烈に嫌な予感が」
顔を青ざめながらいう当方の言葉なんて聞いてないと言わんばかりに握られた腕に力を込める。そして……
「混浴に決まってんだろ!」
ぶぅぅぅぅうううんっっ!投げ飛ばしやがったよこの人!このままだと変質者扱いされる!あわよくばグレモリー家に殺される!浮遊感に襲われてるが、これが無くなるとついでのように当方の大切ななにかがなくなる気がする!こうしてはいられない。すぐさま軌道を修正して男湯に戻らないと……水を放出するときの反作用で戻れるか?いや、やるしかない!
「あ、そういうのいいから」
「へ?」
バキュュュュンン!!
先生の羽から一筋の光が放たれる。その光はまっすぐ当方に向かっていき……
「ぐぁぁぁぁ!」
当方に直撃!そのまま当方はどう足掻いても男湯に戻れないように軌道を修正され女湯の湯船に叩きつけられる。
「ゲホッゴホッ!器官に入った……ゴホッ!」
湯船のそこに手を付きとりあえず空気を確保。器官に水が入ったので咳き込んで水を追い払おうとするが……
「大丈夫か?リヴィ?」
「一応大丈夫……」
なかなか上手くいかない。確かこういう時は前屈姿勢になって……そこで始めて目を開いた。
そこには……全裸で傍から見れば当方に押し倒されているゼノヴィアがいた。
「その……流石の私もここでするのは恥ずかしいのだが……」
「……もう、勘弁してください」
当方の記憶は一旦ここで無くなっている。
「全2007件中、242位」
「なんだそれ?」
「このサイトで公開されている原作ハイスクールD×Dの小説内のこの小説の順位」
「それって高いのか低いのか……」
「低いんじゃない?作者は『やっぱり、向いてないのかな……もう小説書くのやめようかな……』とか思ったらしいよ」
「心よわっ!」
《おっと、心は硝子だぞ》
「うわっ!なんか出てきた!」
第38話 《目覚めろ騎士の力(目覚めない確率の方が高い)》
《なにも考えないで書くのって楽だよね……》
「これは作者の思念みたいなもんだな。これがあるからこんな後書きでメタい話が出来たりする」
「追い出さなくていいんですか?」
「ん?少ししたら勝手に消えるから問題ねぇよ」