旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話   作:何処でも行方不明

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遅れて本当に申し訳ありません。
とある騎士王の末裔とかの下り考えてたらめちゃくちゃ時間経ってました。
…………無印完結するのにどれくらい時間かかるんだろ

今後とも頑張って更新していくので是非最後までお付き合いしてください。


第41話 《黒猫と白猫》

翌日夕刻、当方は光の翼を伸ばしながら夕焼けを見ていた。

 

「リヴィどうしたんだい?」

 

宙に浮かぶ当方の横に祐斗が悪魔の羽を広げて並ぶ。

 

「祐斗か。いや、帰ってきたんだって思ってさ」

 

「心做しか口調変わった?」

 

「昔の癖が少し出てるだけだ。気にするな」

 

そこで二人して黙って夕焼けを見る。

人間界の夕焼けの方が綺麗と感じるあたり、当方はかなりあちら側に感化されてるな。

 

「昔もこんな感じだったね」

 

「……飛べるようになった二人の悪魔が調子乗って飛行してたら主に怒られただけだろ?」

 

「まあ、そうなんだけどさ。それでも思うことがあるよ。僕が言うのも変かもしれないけどさ」

 

「ん?」

 

祐斗は握り拳を突き出す。

 

「おかえり、リヴィ」

 

当方はその拳に自分の拳をコツンとぶつける。

 

「ああ、ただいま、祐斗」

 

二人して軽く声を上げ笑う。実は祐斗とは眷属メンバーの中では今年になって加入したゼノヴィア、イッセー、アーシアの次に付き合いが短かったりする。

初めは警戒されていたが、親友になれた今だから警戒されていた頃は昔の思い出になっている。

……ギャスパーはいつ頃に眷属入りしたかわからない。いつの間に眷属入りしてたんだろあいつ。

 

「そろそろ戻ろうか」

 

「だな。マスターリアスたちの準備も終わる頃だろう」

 

※※※

 

当方たちが待ち合わせ場所である客間に行くとそこにはイッセーと椅子に力なく座っているサジがいた。

 

「サジ、どうした?」

 

「さっきから呼びかけてるんだが反応がないんだ」

 

「イッセーくん何したのさ……」

 

「いや、俺はただ部長とどういう風に過ごしてるかの話をだな……」

 

「そんなのでサジはダウンしたのか?」

 

「ほんとにそれだけなのかい?流石に考えにくいんだけど……」

 

当方と祐斗はダウンしてるサジに対して考察を並べ始めた。

イッセーはなにやら苦笑いしてるが……

そこで数々の気配がこちらに向かってくるのを感じる。全てが見知った気配。いや、見知ってない気配だらけだと色々と問題ではあるが。

 

「どうやらマスターリアスたちが来たみたいだぞ」

 

「その感知力も半龍神のことが関係あるのかな?」

 

「気の流れみたいなのを常時感知してる……んだと思う」

 

ガチャリと扉が開かれる。

 

「お待たせ、イッセー、リヴィ、祐斗。あら、匙くん来てたのね」

 

そこにはドレスアップした女性陣がいた。

いやまあ、全員気配でわかってたけど。

問題があるとすれば……女装癖があるギャスパーも着飾っていることだろうか。理解はしていたつもりだが、なんだかな……

 

「リヴィ、どうだろうか?私には似合わないと思うんだが……」

 

ゼノヴィアは少し照れくさくしつつも当方に意見を求めてきた。

 

「当方はそういうのには疎いが……似合ってると思うぞ」

 

「そうか……」

 

ポリポリと頬を掻きながら答えた当方にゼノヴィアはそう返した。心做しか表情は嬉しそうに見える。

ちなみにゼノヴィアだけに反応した理由はソーナさん以外のドレス姿は焼き鳥パーティーで見たからだ。

まあ、朱乃さんは珍しく洋装だがな。

 

「……あいつらの距離感変だよな」

 

「僕もそう思うけど……二人とも無自覚なの面白いしいいんじゃない?」

 

※※※

 

「ヒトツメノムラジの倅はこっちだ」

 

元龍王タンニーンにそう言われ当方はタンニーンの頭にイッセーと共に座らされた。

初対面の元龍王に呼ばれるようなことは…………いや、そういえば、父は龍神だったか。その関連のことか?

それにしてもドラゴンの上から見る景色はなかなかにいい。絶景とはいかないが……いや、飛行機に初めて乗った時の感覚に似てるか?

 

「しかし、強大なドラゴンで現役なのは俺を含めて4匹か……いや、俺は悪魔になったし、ヒトツメノムラジは人間社会に溶け込んだから元の姿を保っているのはオーフィスとティアマットぐらいか」

 

「質問だが、そんなに当方の父は強大なドラゴンなのか?」

 

「ああ、極東の地に生まれたドラゴンだがその力は俺を軽く超える」

 

「オッサンを!?」

 

「あいつは蛇神信仰の影響で神のような特性を有していてな。天候を司りどのような劣悪な環境であろうとも十全の力を振るう。龍神と称されるだけの力を有している。その力はオーフィスに勝るとも劣らないとまで言われたこともある」

 

そんなに大それた存在なのか当方の父は……

もしかしなくてもハルトマン家は人外魔境なのか?

母は円卓の騎士の末裔で悪魔である当方とゼノヴィアが二人がかりでも1本が取れないほどの剣士

父はそもそも人外。龍神と呼ばれるドラゴン……

考えるのはやめた方がいいな。

 

「あの龍神の血が体の半分に流れているとすればお前も気をつけなければならないな。いつの時代も強いドラゴンは恐れられ退治される」

 

「万が一でも暴走したら……という話か」

 

「俺にもそれは言えるのか……」

 

『ああ、そうなるな。赤龍帝に一目連。強大なドラゴンの力を持つものが二人も暴走したらその区域は間違いなく廃墟となるだろう』

 

「なんか嫌なことを聞いた気分だぜ……」

 

「ま、完全にものにすれば暴走の危険もないだろう」

 

「そう上手く行けばいいがな」

 

そこで話が一段落し数秒沈黙が訪れた。

 

「ところでムラジの倅」

 

「ん?」

 

「聞くところによるとお前は目標がないみたいだな」

 

「……確かにないな」

 

「若いうちからそれでは苦労するぞ。少しはイッセーを見習え」

 

「ふむ……なら……」

 

そこで当方は考えた。イッセーを参考にして思いつくことと言ったら…………

 

「ならば当方も上級悪魔を目指すとしよう。当方に対し好意を持っている女性を全員娶ってやる。ま、イッセーほどはいないとは思うが」

 

そんなことを話しているといつの間にか会場についていた。

今回のパーティは各御家の交流会みたいなもの。社交会と違いかなり軽いパーティのようで次期当主たちの顔合わせの名目の下、数年に一度の頻度で行われている。ちなみに当方は八年前にリアス姉さんの付き添いできたことがある。

部長はイッセーを引き連れ挨拶回りに向かい、祐斗は既に女性悪魔に囲まれた。助けを求める目を向けてくるが…………当方の予想だとこちらもそれどころでは無くなる可能性がある。記憶が戻った素振りを見せるとそれを訝しんで同期の悪魔に囲まれる可能性が…特に昔「僕、ソーナさんの旦那さんになる!」と言ったことがあるからセラフォルー様にはなるべく会いたくない。記憶か戻ったのになにかしらの超パワーでソーナさんと関わったことを忘れさせられそうだ…とりあえずサムズアップしておこう。

あ、アイコンタクト帰ってきた。

 

ア ト デ オ ボ エ テ ロ

 

後で覚えてろ…………か。なら

 

ツ ゴ ウ ヨ ク ワ ス レ ト ク

 

と。

 

「ゼノヴィア、少し見て回らないか?」

 

「いいぞ。私はこういう場で客として来るのは初めてだからエスコートは任せる」

 

「……客として……他としてなら来たことあるみたいな言い方だな」

 

「昔、祓魔師時代に悪魔の会合に殴り込みに行ったことならあるからな」

 

「なるほど」

 

そう返すと当方は膝をつきゼノヴィアの手を取る。数年前テレビでみたように。

 

「それではエスコートさせて頂こう。お嬢様」

 

「ああ、任せたぞ」

 

※※※

 

と、雰囲気を作ったところで当方にそんなことができるはずがない。とたかを括っていたら以前、ヴェネラナ母様に叩き込まれた貴族としての立ち振る舞いが幸をなし、なんとか様にはなっていた。

 

「どうだ?楽しいか?」

 

「好きな男性と一緒にいるんだ。楽しくないわけが無い」

 

「…………素面でそういうこと言うのは反則だと思うんだが」

 

「なに、いつものことだろう?」

 

「それもそうなんだが…………ん?」

 

感じたことの無い気配。悪魔の気配だが…………なにか小猫と似ているようだが異質な気配。

場所は会場の外……ふむ。

 

「少し席を外す。イッセーたちがそろそろくたびれる頃だろう。何か持って行ってやれ」

 

「……ああ。わかった。気をつけろよ」

 

「もちろんだ」

 

ゼノヴィアも大方察してくれた模様。持つべきは心の通じる仲間だな。

即座に駆け足で会場のバルコニーに向かい……

 

騎士の誉(ナイト・オブ・オーナー)脚部第一解放」

 

別につぶやく必要はないが神器を起動させ森の方に文字通り飛んでいく。

気配は薄らとしか感じられないがそれだけでも充分だ。

地面に着地する前に光の翼を展開して一瞬浮遊。そしてスタッと着地する。

内心、上手く行ってよかったと思っている。

さて、異様な気配はどこだろうか、と。

 

「?」

 

そんな中にこちらに真っ直ぐ向かってくる気配を感じる。例の異様なものとは違い見知った気配だ。

 

「そんなに慌ててどこに行くんだ?小猫?」

 

「……リヴィ……先輩」

 

「もしかするとだが、先程から感じている小猫にどこか似ている異様な気配と関係してるのか?」

 

「……はい」

 

「そうか……ということは黒猫繋がりか?」

 

黒猫。当方が知りうる限りの情報からわかることは小猫を捨てた小猫の姉。そもそも小猫は元種族は人間ではなく猫魈という猫又の上位種族の妖怪だ。在り方はグレモリー眷属の中では一目連と英雄の末裔のハーフである当方が1番近い。

だからか、昔は当方によく力を制御するための努力の仕方を聞いてきたりしていた。そんなこんなで猫魈の姉のことも知っているのだが……

 

「ヴァーリチームの一員がパーティ会場に…………か。テロという線もあるな」

 

転生者カレンからの情報でソイツは禍の団に所属しヴァーリチームに加入していると聞いている。

そんな奴と小猫を二人っきりで会わせるわけにはいかない……元姉妹だったとしてもだ。

 

「当方も同行しよう。元よりそのつもりだったからな。それに、黒猫に小猫を1人だけで会わせるわけにはいかない」

 

「……わかりました」

 

渋々といった様子で小猫が返事をした。

当方がついてくる理由もわかっているからだろうか強く拒否はしない。

 

「全く、せっかく姉妹二人っきりで落ち着いたお話ができると思ったのに……彼氏連れだとか聞いてないにゃ」

 

「……っ!」

 

声のした方を振り向くと黒い着物に身を包んだ女性がいた。頭には猫耳が生え、着物の影から2つの尻尾がゆらゆらと揺れている。

こいつが件の……

 

「黒歌姉さま……リヴィさんは彼氏じゃありません」

 

そう。件の黒猫、小猫の姉『黒歌』……なんだけど、小猫が意外と落ち着いてる……

と、そこで小猫を追ってきたのかリアス姉さんとイッセーの気配が付近に到着した。

 

「姉さま。これはどういうことですか?」

 

落ち着きながらも怒気を含んだ言葉で口に出す小猫。だが、黒歌はその言葉を予想してたのか微笑んでいる。

 

「怖い顔しないで。ちょっとした野暮用なの。悪魔さんたちがここで大きな催しをしているっていうじゃない?だからぁ、ちょっと気になって。会場に放った黒猫一匹だけでここまで来てくれるなんてお姉ちゃん、感動して泣いちゃいそうになるにゃん♪」

 

とりあえず抱いた印象は疑惑。まあ、あんまりよろしいものでは無い。とにかく、敵であることは間違いないのだからな。

それに敵はまだいる。あと一人……以前感じた美猴の気配を感じる。

 

「とりあえず要件を聞こうか。小猫はともかく当方はお前たちと小話をするためにここに来た訳では無いのだからな」

 

そう言いながら美猴の気配を感じる方向に騎士の誉で作成した強化型光線銃を向ける。

 

「嫌だにゃあ。私はただ……」

 

「小猫なら渡すつもりは毛頭ない。小猫は当方の大事な仲間であり家族だからな」




「あぁ…………」

「なんだあれ?」

「ゲームのイベント限定ウェディングゼノヴィアに心を奪われたらしいよ」

「あいつ純情だもんな(適当)」

「アアァァ……」

「なんかデ○サバの天使みたいな声になってきてね?」

「ちなみに唸ってるのはリヴィだよ」

次回
第42話 《猿と半龍と赤龍帝》

「それじゃあ今回もアンケートです。まあ、意見を求めるだけなんだけどね!」

「それはアンケートというのか?」

「オオォ……」

「言ってやれ木場」

「もう六月終わったよ?」

「「それいっちゃあ、お終いよ」」
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