旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
「どこかで感じたことのある気配だと思ったら、円卓の末裔じゃねーか。それに……グレモリー眷属の王様と赤龍帝もそろい踏みか」
「やはり仙術か……」
美猴が姿を現しリアス姉さんとイッセーの気配を感知したのかそう言った。
「バレていたのか……」
「リヴィと小猫の力のことを考えたらやっぱりと思ったけど、やはりあなたも仙術を使えるのね?」
「おうよ。気の流れをちょっと把握すりゃ強大な妖怪の力を持つやつなら誰でも出来るぜ?」
当方に銃を向けられてもヘラヘラとした調子で喋る美猴。
……そう言えば仙術で誤魔化された気配は熱探知などで看破できたりするのだろうか。
「ところで姉さま、話とは?」
「予想以上に白音がたくましいにゃん……」
「ねえ……黒歌知ってる?」
「なんでグレモリーのお嬢様がしゃべるんだにゃん……」
「恋を知った乙女は無敵らしいわよ」
「……にゃ!?」
姉さんがそう言うと小猫がいつの間にか黒歌の後ろに回り込み……首根っこに手を回し……
チョークスリーパーを決めた。
「……え?」
「さすがは小猫ね……」
「仙術で気配は完全に消してたはずにゃのに……」
「姉様、私がなんであの力を使わないと思ったのですか?」
キリキリと黒歌の首が〆落とされる音が聞こえてくる。怖い。
「なんで……」
「!!」
そこで小猫は黒歌を離しこちらに飛び退いてきた。
「悪いな、ここで簡単に黒歌を落とさせる訳には行かねぇんだわ」
「……邪魔が入りました」
そんなことを言う小猫の頭には白い猫耳、そして尾骶骨辺りには白い尾がある。
「小猫ちゃん……それ……」
「これですか?……リヴィ先輩の力と同じタイミングでお披露目するつもりだったんですけど……時期尚早でしたでしょうか?」
「かわいいからいいんじゃないか?」
「そうですか」
そう会話をするとこちらも改めて戦闘態勢を取る。
手にいつものジュワユース、そして背には光の翼。
イッセーも赤龍帝の篭手を出現させやる気満々の様子。
「はぁ〜……面倒になってきたにゃん」
「どうする?」
「もちろん。めんどいから殺すにゃん♪」
その瞬間、周囲の気配が異質なものに急変した。
……感知能力が今のままだと心もとない。少し、本気出してしまうか。
「単眼解放」
例のキーワードを呟き左目を炸裂させる。
そして当方の在り方が元に戻る。
半龍神の力を持って今から全力で相手を倒してやる。
「おお? 龍神の気配……お前さん、そんな力持ってたのか?」
「今まで忘れてはいたがな。尋常ではない死合と洒落込むか?猿」
「ははっ!龍王クラスの首に英雄の末裔、グレモリーの次期当主!こんだけあればあの龍神様も黙るぜ!やるしかねぇよなぁ!」
「嬉しそうね。お猿さんは好きにすればいいにゃ」
「ああ!そうさせてもらうぜ!如意棒ッ!」
そう言うと猿は棍を構え突撃してくる。
「お前の相手はラッセルかアーサーだと思っていたが……こうなった以上は満足のいくまで戦ってもらうぜ!」
「勝手に言ってろ!」
当方は光の翼を翻し、手に魔力を貯める。
水流を暴風でコーティングし正拳突きの要領で解き放つッ!
ゴオゥ!
と解き放たれた魔力は猿に向かって真っ直ぐ、そして広域を巻き込むように広がりつつ進んでいく。
「はっ!」
猿はそれを鼻で笑い、棍を高速で回転させることで逆向きの竜巻を起こし風を無力化、水流のみになったところを飛び越えてくる。
まあ、予測済みなので前もって展開した輝剣から発射されたミサイルの弾幕があるのだが。
「うおっ!?」
ミサイルが爆発し爆煙が辺りに立ち込める。
「姉さん、イッセー。あの猿は当方が相手する。黒猫は任せる!」
当方はそう言いながら上空に戦場を移す。
「筋斗雲!」
猿は雲に乗り爆煙の中から突撃してくる。
棍をジュワユースで受け止め鍔迫り合いのようなものをする。
「ハハッ!結構強くなってんじゃねぇか!」
「おほめに預かりどうも!」
鍔迫り合いしている最中に暴風を展開し攻撃を行うが猿は物ともしていない。
「
筋力を大幅に増強させ猿を棍ごと弾き飛ばす。
「それが騎士の鎧ってやつか?」
「せっかくだから、その本懐を今から見せてやるよ。
風と水が圧縮され当方の鎧が強化される。
ジュワユース、祐斗の聖魔剣、光の翼
それらが全て混同しひとつの物語として昇華される。
「
所々に龍の意匠が施された紫苑の鎧を身に纏う。
一見すると白龍皇の禁手と形状は似ているが、こちらは常に水と風が周りに渦巻いており、そもそもの色が違うのでかなり見分けがつきやすいだろう。
「
猿はまたもや接近してくる。だが……
この鎧に付加された能力は端的に言えば《考えうる限りの最優》
聖剣元来の悪魔特攻や聖槍とされたロンギヌスの槍の能力。さらには当方の中にある
ゴボボッ!と音を立て水が辺りに出現し始める。
地上にいる3人と黒猫からは空に湖が出来たと錯覚するだろう。
「誰が空中戦を挑むと言った?」
「なに!?」
魔力をフル回転させ水を生み出し続ける。黒猫が貼ったであろう結界らしきものの上半分は水に満たされた。
そのおかげで当方と猿はどっぷりと水に全身が浸かっている。
水の中では陸上の生物だと上手く動けない。その分こちらは不満点はない。なぜなら、元より水中が当方のホームグラウンドであり、水を司る神性を持っているため呼吸を必要としないからだ。厳密には皮膚呼吸で水中から酸素を補っているだけだが。
『では、遠慮なく蹂躙させてもらうぞ』
鎧の1部分を暴風を吹かし加速させる。ラムジェットだったか?それと似たようなものだ。多分。
水中では火器や剣が使いづらくなるがそれはあの猿も同じ。特殊な方法を取らない限りは地上や空中のようには動けないはずだ。
手始めに暴風を纏わせた光の翼から水中に適応させた光のナイフを射出する。
まあ、もちろん猿は対応出来てないのだが。
ジェットで近づいたあとは水中用に加工した剣で一閃。
猿の血がでるがすぐさま水に溶けることで見えにくくなる。
なお、水の成分はほとんど海水。つまり、血が流れやすくなる。
このまま出血多量で死んでくれれば楽なんだがな……
ふむ?仙術かなにかで傷を塞いだか?
そして……発勁?で急激に加速。ゴボゴボ言わせながら近づいてくる。
……ヨクモヤッテクレタナ?
と言ってるのか?
なに、勝てば官軍。負ければ賊軍。
負けたヤツが悪い。
そんなことを考えつつ、猿を遠距離からのミサイル群で牽制し本命の一撃をさらに叩き込む。
そんな時
『ムラジの倅、少しいいか?』
頭の中に直接そんな声が響いてきた。
『ドライグ……?なんで当方の頭に……』
『お前の中にある龍の因子を通じて直接語りかけている』
『……?まあ、いいか。なんだ?』
『相棒から質問があるみたいでな』
『質問?』
『とりあえず、繋げるぞ』
音声が切り替わりイッセーの声が聞こえてくる。
『なあ、リヴィ。部長の胸、どっちをつつけばいいと思う?』
『……はぁ!?そっちどういう状況なんだ!?』
『とりあえず答えてくれ!
……状況はよくわからないが……酷いということがわかった。
『至れるならさっさとやったらどうなんだ!』
『初ブザーなんだぞ!さっさとなんてできるか!』
『知るか!』
頭が痛い会話をしている。なお、この間も猿は完封している。面倒だから。そろそろ溺れてくれはしないだろうか。
『あぁ!もう!なら両方でいいんじゃないか!』
『そ……』
……ん、どうした?念話が切れ
『ソレだァァァァァァ!』
『ウルセェェェ!』
『答えは得た……』
『お前何言ってんの?』
そこでカッと辺りに赤い閃光が満ちる。水の中でも真下が光っていると感じる。
『ワハハ!至りやがったぞ!俺はそろそろ本格的に泣くからな!』
『エッチでごめんね!
なかなかに酷いな……あ、いよいよ猿がゴボッと口から息を吐き出した。
勝てるな雑に、楽に。
そして、魔力の塊がいきなり膨れ上がったかと思うと、それが上空、つまり水溜まりに向かって放たれた。
ゴゥゥゥゥンと轟音を上げながら結界を粉砕し、水も蒸発した。
……維持するのも面倒だからそろそろ解除するか。
大量の水を雨に変え徐々に霧散させていく。
そこには傍目から見るとあまたの雨粒と同時にゆっくりと降下する紫苑の龍鎧と地上に赤い閃光を煌めかす龍鎧がいる。
かたや一目連
かたや赤龍帝
一時は人に恐れられた2体の龍の現在の姿だ。
その姿は人によっては畏怖も覚えるだろう。
猿の死体が土煙を上げ地面に激突し、黒猫も余裕が無いのか表情が青ざめている。
「どうした?それで終わりか?」
「このクソガキがッ!」
黒猫のその目に少しの怯えが見え始めた。
……全身鎧と龍が放つ特有のプレッシャーが原因だろう。
「はいはい、そこまでそこまで」
「ええ、ラッセルの言う通りですとも。2人とも悪魔たちが感付きましたよ」
ふたつの声が聞こえたと思うと雨が降る中にひとつの海賊船が現れ、ゴホゴホ言ってる猿と黒猫を鎖で回収し船に積んだ。
「その見た目……なるほど、
「その声……まさか……アーサーか?」
「覚えてますか。ええ、あなたの昔馴染みのアーサーですよ」
「情報では聞いていたが本当にヴァーリの所にいるなんてな」
「どうやら、その身にある力を全て使いこなせるようになったようで」
「お!つまりは略奪のしどきかい!?」
「まあ、そうなりますね。リヴィ、昔馴染みと言えど立ちはだかるのなら容赦はしません。この『コールブランド』と『
あいつらはそんなことを言いながら船を来た時と同じように突如として消しその場をあとにした。
「リヴィさん、大丈夫ですか?」
「至って無事だ。それよりも姉さんと小猫……いや、もう白音か……白音は大丈夫なのか?」
「ええ。あのお猿さんをリヴィさんが引き付けてくれてエッチな先輩が姉様と戦ってくれたので私も部長も無傷です」
「そうか……なら良かった」
そこで当方はようやく地に足をつけ、武装を解除した。
イッセーも部長と言葉を二三言交わし禁手を解いた。
「何はともあれ……イッセーも
姉さんのその言葉でこの場は一旦お開きとなった。その後急行してきたタンニーン含む悪魔の方々に当方たちは救助という名目で連行され、事情聴取のようなものを受けたのだがそれはまったくと言っていいほど別の話。
……今は目下の問題
VSソーナさんたちに備えないとな……
「……まだ5巻分終わらねぇのか?」
「それに作者自身もどこまでやるか考えてないらしいよ。原作が続く限りやるかもね」
「まさに終わりが見えないとはこのこと」
次回
第44話 《開幕!VSシトリー眷属》
「それにしても新しいタイトル不評だね」
「作者自身も最近のなろう風のあれに乗っかってみた。と言っていたからな。深くは考えずにつけ、その後にセンスの無さに絶望したとかしてないとか」
「とりあえず震えたらしいな。悪い意味で」
「そして元に戻すという。キチンハートめ……」
リヴィ強い?
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バカ強い
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強い
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普通
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弱い
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かなり弱い