旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
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唐突だが当方の身の上話をしよう。
当方は日本人の父とドイツ人の母との間に生まれた。
年は16歳で高校2年生。彼女いない歴=年齢のよくいる男子高校生だ。
部活は2年生からオカルト研究部に所属するようになり、人間の身でありながらグレモリー眷属に入っている。
当方の父は名のある実業家で世界を飛び回っている。
連絡もよく来るし1ヶ月に1度は家族3人で外食に連れて行ってくれる。それに困った時は大体いつもそばにいてくれた。自慢の父だ。
さて、問題の母だ。
おばあちゃんから付けられた渾名は《抜刀妻》
働いているらしいがどこでなにをして稼いでいるかは不明。いつもニコニコしており目は糸目。
見開かれた瞳は一言で言うと《怖い》
当方は母の手ほどきで様々なことを覚えた。
包丁の握り方から剣の振り方まで。
なんで剣の振り方を母から教わっているのかはよくわからない。
たしか当方が幼い頃に「強くなりたい!」と言ったのが原因だった気がする。
とにかく、何らかの武術に精通しており免許皆伝級の腕を持っているのだ。
我が家の教育方針は自由主義なのだが……
「……リヴィ、あなた最近力を使っているようね」
「へ?」
今日の家に帰ってからの母との会話はこうやって始まった。
※※※
結果だけ言おう。
バレていた。中学校の時にチョーシに乗って黒鎧を出してしまった時はかなりこっぴどく怒られた。
その例を考えるに今回も怒られるのだろう。
「あ、別に叱ろうって訳じゃないのよ?」
母はそう言いながら体を解していた。
「リヴィの行動の理念は《楽しむ》だけどそれで人が傷つかないのは知ってるし、無駄な事をする子じゃないと思うの」
「じゃあなんで……」
「母親とのスキンシップよ♪どうやら誰かから《
それならソレがちゃんと扱えるかのチェックは必要でしょ?」
当方の母は一体何者なのか。
普通の人は神器とか知らないはずだが?
たしかに幼少期に突然現れた黒鎧のことは真っ先に母に相談した。だからといって神器の名前もわかっているのはおかしくないか?
※※※
「ということがあった」
「おめーの母ちゃん何者だよ……」
「当方もよくはわからない……イテテ」
昨日の晩、母に付けられた傷が痛む。
なんでユートから貰った魔剣を使ってるのに木刀で当方を圧倒できるのか?
理由を聞いたら「オカンは最強の種族らしいわよ?」
と答えられた。
意味がわからん。
昼を過ぎてもまだ痛んだので昼休みからは悪魔化して治癒能力を高めたのだが何故か一向に治らない。
「さて、今日も契約の割り当てをするわよ」
部長の一声ですっかり日課になった悪魔活動が始まる。
※※※
『何か嫌な予感がするわ。イッセーについて行ってくれないかしら?』
今夜は契約がないので暇だから良かった。主の命を聞かなかったらどんなペナルティがあるかわからない。
にしても、部長はイッセーに対して過保護じゃないか?
さすがに大丈夫だと……
そこで異常な気配を感じた。
触れてはいけない予感。殺気や敵意ではない。
触れることですら今の当方には危険となる。
最悪なのは……
それがイッセーが向かった家の方からしたんだ。
「死ね死ね悪魔!死ね悪魔!塵になって、宙を舞え!全部、俺様の悦楽のためにぃ!」
鋭くなった聴覚がイカれた声を拾った。
不味いだろ、これは!
「間に合ってくれよ!」
自転車から飛び降り、《
そして駆け出す。
走っている最中に先日パクった槍を構え家屋に突撃する。
家に住んでいる人がいたらごめんなさい!
ドガァァァという音と共に壁が砕ける。
「オヒョ!新しい悪魔さんの登場ですか!いいねぇ今日は豊作の予感!」
煙が晴れる前にイカれた声の持ち主が当方に接近してくる。持っているものは……光の剣!?
敵は祓魔師か!?
光の攻撃ではいささかこの槍は相性が悪い。
すぐに槍を収納し魔剣に持ち替える。
「あの駄悪魔と違ってこっちは殺りがいがあるねぇ!」
「イッセー逃げろ!」
「こんな時にお仲間の心配ですかい!」
声の主は神父服を来ていた。その声からは悦楽を感じる。
酔狂で悪魔狩りをしている祓魔師もいるとは聞いていたが……
ガキン!
光の剣と魔剣が打ち合う。
打ち合いなら《戦車》である当方に分がある!
「…!よけろリヴィ!」
「は?」
その瞬間、下腹部に傷みが走った。
じわじわと毒に汚染されるような傷み。
イカれ神父の左手には銀の銃が握られていた。
硝煙が出ている事から撃たれたのは光の弾を放つ祓魔弾が装填されたものだと理解できる。
視界の端にはイッセーと修道服を着た外国人らしき少女がいる。
イッセーが庇うように立っていることから少女も守った方がいいだろう。
「こいつ……効力が薄い……てめぇ何もんだ!?」
「この国の礼儀に則って先に名乗ったらどうだ!」
当方が擬似悪魔であるからだろう。痛みはあるが激痛という程じゃない。
数合打ち合いどちらからともなく後に飛ぶ。
「キハハ!おもしれぇ!効力が薄いなら普通の奴らよりも楽しめんじゃね!?」
「狂ってるな……」
ただ、当方よりも相手が格上だ。天性の才能と培った経験。《
だが、ここで諦めてはいけない。
祓魔師は悪魔の仇敵。
ここで当方が倒れたら神器の能力を解放していないイッセーだけが残る。
「……守ってられてばかりじゃいられねぇ。庇ってくれた女の子に共に戦う仲間もいるんだ……逃げられるかよ!」
イッセーが当方の隣に立ち戦う構えをとる。
それを見たイカれ神父は嬉しそうに口笛を吹いた。
「え?え?マジ?マジ?俺と戦うの?死んじゃうよ?苦しんで死んじゃうよ?」
「当方としては……このまま黙って負けるつもりは毛頭ない!」
「ああ、もちろんだぜ!」
イカれ神父が飛び出してくる
その時、床が青白く光出した。
「何事さ?」
青い光はイカれ神父の事なんて気にせず魔法陣を構成していく。
「まったく……当方の身にもなってくれ……」
「あれって……グレモリー眷属の魔法陣か!」
イッセーの声で魔法陣が光り出す。
光が晴れた先にいたのは……
見知った悪魔達。
「リヴィ、兵藤くん、助けに来たよ」
スマイルを送るユート。
「あらあら、これは大変ですわね」
「……神父」
姫島先輩に小猫ちゃん。
イカれ神父の声が聞こえた時に既にメールを送っておいた。
メールの内容は
《援軍求》
「ひゃっほう!悪魔の団体さんに一撃目!」
イカれ神父はもちろん構わず切ってくる。
瞬間、ユートが飛び出した。
ガキン!という金属音が辺りに響く。神父の一撃をユートが止めたのだ。
「悪いね。彼らは僕の仲間でさ!こんなところでやられてもらうわけにもいかないんだ!」
「おーおー!悪魔の癖に仲間意識バリバリバリューですか?悪魔戦隊デビ…」
「いけ、小猫ちゃん!」
小猫ちゃんを新しく出現させたハンマーに乗せフルスイング。
小猫ちゃんはまっすぐ飛び、イカれ神父に一撃を入れる。
「ぐへぇ!」
イカれ神父の腹に小猫ちゃんの拳がクリーンヒット。
そのまま倒れてくれたら楽だったがそういう理由には行かなかった。
ユートは小猫ちゃんを回収し戻ってきた。
「即席でやってみたけど上手くいくもんだな……」
「え?あれって即席だったのかい?」
ユートはそう言いながら当方にひとつの武器を手渡してきた。
「これ、リヴィなら使えるんじゃない?」
手渡されたのはイカれ神父が持っていた銀の銃。
どうやら、あの一瞬で拾ったようだ。
「その通りだな。ありがとうユート」
すぐさま銀の銃を奪取。収納する。
これで相手に武器の有利がひとつ減った。
ゆらりと、人影が立ち上がる。イカれ神父はケタケタ不気味に笑っている。
「一番厄介なタイプだ。悪魔を狩ることが生き甲斐……いや、悪魔を狩ることで快楽を得るタイプ。僕達にとって1番有害だ」
「悪魔さまがそれを言うかぃぃぃぃ?俺ちゃんだって精一杯一生懸命まいにちをいきてるんだぜぇぇ?」
頭から血を流しながら笑う姿は狂気が溢れ出ていた。
もとおり、隠すつもりはなかっただろうがな。
「悪魔にだって、ルールはあります」
姫島先輩が微笑みながらいう。
だが視線は鋭い。
「いいよ、その熱視線。お姉さん最高!俺を殺そうって思いが伝わってくる。
これは恋?違うね。俺は思うよ。これは殺意!最高!マジ最高!殺意は向けても向けられてもいいもんだねぇ!」
「なら、消え去るといいわ」
スっとイッセーの横に現れたのは部長だった。
「イッセー、リヴィ、ゴメンなさいね。まさか、この依頼主のもとに《はぐれ悪魔祓い》の者が訪れるなんて計算外だったの」
謝る部長はイッセーと当方の姿を見るなり、目を細めた。
「二人とも、ケガをしたの?」
「あ、すみません……。そ、その、撃たれちゃって」
「獲物が剣だけだと油断してました。申し訳ありません」
もっとも、その銃は今は当方のものだがな。
意趣返しとしてあいつは銃で殺したい。
「私のかわいい下僕たちをかわいがってくれたみたいね?」
部長は低く怖い。
多分キレていらっしゃる。
「はいはい。かわいがってあげましたよぉ。本当は全身くまなくザクザクに微塵切りにする予定でしたが、どうにも邪魔が2回ほど入りましてぇ、それは夢幻となってしまいましたぁ」
ボンッ!と音がしてイカれ神父の後方にあった家具の一部が消し飛んだ。
部長が魔力の球を発射したのだ。
「わたしは、私の下僕を傷つける輩を絶対に許さないことにしてるの。特にあなたのような下品極まりない者に自分の所有物を傷つけられることは本当に我慢できないわ」
空気さえ凍えるような迫力だ。
殺気がリビングを包み込む。部長の周囲には魔力の波動らしきものが発生している。
だが…
「部長!この家に堕天使らしきものが複数近づいていますわ。このままではこちらが不利になります!」
何かを感じたのか姫島先輩がそう言った。
遅れて気配を察知できた。
数は恐らく4。
足でまといを3人抱えていてはさすがに対処できないだろう。
「……朱乃、イッセーを回収しだい、本拠地へ帰還するわ。ジャンプの準備を」
「はい」
一番良い手は逃げ。
次点で当方たちを切り捨て堕天使ごとイカれ神父を倒すことだが部長の性格上、その作戦は絶対に取らないだろう。
当方はジャンプする瞬間までイカれ神父を睨みつけていた。
「あのビームサ〇ベルほしい」
「すっかりリヴィはコレクターだね」
「あのハンマーどこから取ってきたんだよ……」
「はぐれ悪魔から取ったに決まってんじゃん」
「まあ、リヴィの座右の銘は《泥でも投げて生きて帰る》だからね」
次回
第5話 《打倒堕天使》
「そういえば、リヴィは銀の銃取れたから遠距離できるのか?」
「※持っているのと使いこなせるのは別問題です」