旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
イカれ神父との戦いの後、当方は旧校舎の一角で特訓に励んでいた。
というのもイカれ神父から奪取した銀の銃の使い心地を試すためだ。
引き金に手をかけ、標的に向かって放つ。
無音で弾き出された光弾は寸分違わす標的を撃ち抜いた。
「……これってレーティングゲームで使えるのかな?」
どうやら、当方の魔力を使って装填されるようで弾数は当方の魔力次第。
しかも、当方は魔力を使った技は覚えていないので《
ただ、威力がイカれ神父が使っていた時より高い。
《
威力も確かめれたので部室に戻ってみる。
その時、当方の耳に届いたのは……
パンッ
という頬を叩いた時になる乾いた音だった。
※※※
「何度言ったらわかるの?ダメなものはダメよ。あのシスターの救出は認められないわ」
ユートに聞いたところによると先日、イカれ神父と戦闘した際に見かけたシスター《アーシア》を堕天使の手から救うためにイッセーは堕天使の拠点に攻め込もうとしているのだとか。
部長はこの件に対し、一切関わらないことを明言したが納得できないイッセーが詰め寄ったところを叩かれたらしい。
「なら、俺一人でも行きます。やっぱり儀式ってのが気になります。堕天使が裏で何かするに決まってます。アーシアの身に危険が及ばない保証なんてどこにもありませんから」
「あなたは本当に馬鹿なの?」
そのような会話をしている二人。
部長はイッセーをむざむざ殺すわけにはいかないので堕天使たちのところに行かせるつもりはなく、かといってイッセーは部長の言うことを聞く気はないらしい。
「俺はアーシア・アルジェントと友達になりました。アーシアは大事な友達です。俺は友達を見捨てれません!」
「……それはご立派ね。そういうことを面と向かって言えるのはすごい事だと思うわ。
それでもこれとそれは別よ」
あくまでも冷徹に判断する部長。
悪魔と堕天使の関係は簡単ではない。隙を見せれば即殺される。
それがイッセーのようななりたてなら尚更だ。
少しだけ論争が続いた。
しかし、終わりもすぐ来た。姫島先輩が部長に耳打ちをした。
「大事な用ができたわ。私と朱乃はこれから少し外へ出るわね」
「ぶ、部長!話はまだーーー」
「イッセー、あなたには話しておくことがあるわ。まず、ひとつ。あなたは《兵士》を弱い駒だと思っているわね?どうなの?」
※※※
イッセーを諭す様に部長は《兵士》の特徴と《神器》の扱い方を教えると魔法陣を使い去って行った。
部室に残ったのは当方、ユート、イッセーそして小猫ちゃんだ。
イッセーは息を大きく吐いた後にこの場から去ろうとした。
「兵藤くん」
去ろうとした。というのはユートがイッセーを呼び止めたからだ。
「行くのかい?」
「ああ、行く。行かないといけない。アーシアは友達だからな。俺が助けなくちゃならないんだ」
「間違いなく殺されるぞ。神器を持っていてもプロモーションを使っても堕天使と祓魔師の集団を1人で相手にするなんて不可能だ」
そこで当方も口を挟む。
「それでも行く。たとえ死んでもアーシアだけは逃がす」
「いい覚悟……だがそれは無謀すぎるんじゃないか?」
「だったら、どうすりゃいいってんだ!」
怒鳴るイッセーに当方たちは顔を見合わせて答えた。
「「僕(当方)達も行く」」
「なっ……」
イッセーは予想外だと言わんばかりに絶句した。
「僕はアーシアさんをよく知らないけど、君は僕の仲間だ。部長はああおっしゃったけど、僕は君の意志を尊重したいと思う部分もある。
それに個人的に堕天使や神父は好きじゃないんだ憎いほどにね」
「当方は……いや、この方がわかりやすいか。
友達が困っているなら手を貸すのが友達だろう?」
当方はそう言いながらサムズアップしてみる。
「それに部長はこう言っていた
『私が敵の陣地と認めた場所の一番重要なところへ足を踏み入れたとき、王以外の駒に変ずることができる』と。
これは『件の教会をリアス・グレモリーの敵のいる陣地だと認めた』と解釈できないか?」
「あっ」
「だね、部長は君に遠回しに行ってもいいと認めてくれたんだよ。
もちろん、僕達にフォローをさせる気ではあっただろうけどね」
ユートは苦笑する。
イッセーは部長の言葉の真意を理解したのか感嘆していた。
そこで小猫ちゃんが一歩前へ出た。
「私も行きます」
「なっ、小猫ちゃん?」
「……3人だけでは不安です」
「感動した!俺は猛烈に感動しているよ、小猫ちゃん!」
「あ、あれ?ぼ、僕らも一緒に行くんだけど?」
「安心しろユート。あれがイッセーだ」
落ち着いたイッセーは戸を開け放ちこう言った。
「んじゃ、ちょっくら4人で救出作戦と行きますか!待ってろ、アーシア!」
※※※
既に外は暗く、街頭の光が道を照らす時間帯になっていた。
当方たち4人は教会が見える位置で様子を窺っていた。
人の出入りはない。
「リヴィ」
「わかってる」
戦車の駒を魂に収納し悪魔化する。
悪寒がした。悪魔特有の悪寒だ。
恐らくは堕天使が教会の中にいるのだろう。
ユートは図面を広げイッセーと会議中。
当方と小猫ちゃんはそれを見ている。
「……堕天使……一体何人いるんだ?」
「大丈夫です。私とリヴィ先輩が役目を果たしていれば勝てます」
寡黙な小猫ちゃんにしては饒舌だ。恐らくは緊張を紛らわそうとしてくれたのだろう。
月明かりに照らされた教会の入口。
当方たちは顔を見合わせ頷き合う。
覚悟はとうにできている。
戦闘開始だ!
入口を一息で潜り、一気に聖堂まで駆け抜ける。
入口に入った瞬間から当方たちの侵入は気付かれている。
後戻りはできないしするつもりもない。
前に見えた扉に対し槍を投擲し破壊する。
破壊された扉の向こう側には聖堂が見える。
聖人の彫刻の頭が砕かれていたがそれ以外は至って普通の聖堂だ。
しかし、異常な気配も感じた。
「ご対面!再開だねぇ!感動的だねぇ!」
イカれ神父。たしか名前はフリード。
相変わらずのふざけた笑みを浮かべている。
「俺としては二度会う悪魔なんていないことになってるんだけど!初見でチョンパなわけですよ!」
「言いたいことはそれだけか?」
「はぁ?」
当方はフリードに接近する。その途中で床に突き刺さった槍を回収し魔剣を構えた。
「人が話している時に割り込むなんてやっぱり悪魔様は悪魔様様ですねぇ!人が話している時は聞いておくことって習わなかったのかぁ?だめだよねぇ〜礼儀がなってないのは。人の話は最後まで聞いた方がいいよ!
だからさぁ、ムカつくわけで!死ねと思うわけよ!」
「ならお前が死ね」
間髪入れずにフリードに剣を振るう。フリードはソレを光の刃で受け止めた。
「てめぇら、アーシアたんを助けに来たんだろう!」
「それがどうかしたか!」
「ハハ!あんな悪魔も助けちゃうビッチな子を救うなんて悪魔様はなんて心が広いんでしょうか!というか、悪魔に魅入られている時点であのクソシスターは死んだ方がいいよね!」
数合打ち合う。やはり、経験差から少しづつ追い詰められている。
「アーシアをどこにやった!」
フリードを弾き飛ばしたタイミングでイッセーがそう聞いた。
「んー、そこの祭壇の下に地下への階段が隠されてございます。そこから儀式が行われている祭儀場へ行けますぞ」
「……余裕だな」
後に飛びのき3人の元まで下がる。
「セイクリッド・ギアァ!」
イッセーは神器を装着、ユートは剣を鞘から抜き打ち、小猫ちゃんは……
「……潰れて」
自身の何倍もある長椅子を投げた。
……当方も結構、あれの似たような事してるからなんとも言えないな。
「わーお!しゃらくせぇ!」
フリードは長椅子を光の剣で一刀両断にした。
両断された長椅子が床に叩きつけられる。
「そこだ」
ユートが飛び出し剣と剣で火花を散らす。
「ん!んー!邪魔くせぇ!しゃらくせぇ!てめぇら、なんでそんなにウザイのよ!もうチョベリバ!死語でごめんね!死後に許してちょ!」
当方は武器を銀の銃に持ち替え偏差射撃で援護するがそれすらもフリードは見切っている。
「ユート!少しは本気出せ!」
「わかった……よ!」
撃ち合う最中にユートの魔剣が闇を放出する。
闇は剣を覆い、闇の剣へと性質を変化させた。
「な、なんだよこりゃ!」
フリードの驚く声が心地いい。驚くのも無理はない。自身の武装が闇の剣に侵食されているのだから。
「
『Boost!!』
「おっとぉ!?これはなかなかに不味いですぞ!」
「それならさっさと倒れちまえ!プロモーションッ!《
「な!《
「《
イッセーの拳がフリードの顔面に食い込む。その時、硬い音がした。
当方はそれを聞いた瞬間に魔剣を手に駆ける。
フリードはその時、既に吹き飛ばされていた。
「文字通りの馬鹿力だ」
イッセーは笑っている。だが、まだ敵は健在だ。
よろよろと立ち上がる瞬間に魔剣のヘリでさらにぶっ飛ばす。
神父は壁にめり込みズドンと床に伏せる。
「…そこで…寝てろ!」
「原作が崩壊しないのだろうか、これ」
「死亡キャラは死んだままで生存キャラは生存させたままにするつもりらしいよ。過程に違いはあるだろうけど」
「……アンケートで死亡キャラをハーレムに組み込む意見がでてるぞ」
「あくまでアンケート、意見を求めるものだから問題ないと思うよ」
「それは炎上の種になるぞ」
次回
第6話 《けっせん!ディアボロス!》
「次回のサブタイ適当過ぎるだろ……」
「知らないねぇ」