旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話   作:何処でも行方不明

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うわぁぁぁぁ!?
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第6話 《けっせん!ディアボロス!》

イカれ神父のフリードを倒し、武装を奪い無力化する。

無闇に殺すのはアイツと同類になるためしない。

光の刃を出す柄だけの剣も《騎士の誉(ナイト・オブ・オーナー)》で奪取させて貰った。

そして、祭壇の下にあった地下への階段を下った。

どうやら地下まで電気が来ているようだ。

当方が先頭、小猫ちゃんが殿を務め進んで行く。

階段を下り終えると奥へ続く一本道だけが存在していた。両脇の壁には複数のドアがあるが……

 

「たぶん、この道の奥……。あの人の匂いがするから……」

 

つまり、儀式場はこの奥か。

小猫ちゃんの言葉を信じ、ひたすら進む。

最奥には大きな扉があった。

 

「あれか」

 

「おそらく、奥には堕天使と祓魔師の大群が存在すると思う。覚悟はいい?」

 

ユートの言葉に当方たち3人は頷いた。

 

「わかった。じゃあ、扉を」

 

ユートと当方がドアに手をかけようとしたとき、ひとりでに扉が開き出した。

重い音を立てながら、儀式場とやらの内部が見えてくる。

 

「いらっしゃい。悪魔の皆さん」

 

そこには件の堕天使レイナーレがいた。

他の人物は全員はぐれ祓魔師だろう。

光の刃を発生させる剣を手にしていた。

 

「……!アーシアァァ!!」

 

イッセーが奥の十字架に磔にされている少女を見て叫ぶ。

イッセーの声に気がついたのか少女はこちら側に顔を向けた。

 

「……イッセーさん?」

 

「ああ、助けにきたぞ!」

 

「イッセーさん……」

 

イッセーの言葉に涙を流すアーシア。

その状況を卑しい笑みで見るレイナーレ。

 

「感動の対面だけれど、遅かったわね。いま、儀式が終わるところよ」

 

儀式が終わる?

一足遅かったということか!?

突然、アーシアの体が光りだした。

 

「……あぁあ、いやぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」

 

アーシアが絶叫を放つ。とても苦しそうに。

 

「アーシア!」

 

イッセーは駆け寄ろうとするが神父たちはそれを囲む。

 

「邪魔はさせん!」

 

「悪魔め!滅してくれるわ!」

 

「どけ!クソ神父ども!おまえらに構っているヒマはねぇんだ!」

 

バン!

大きな音、小猫ちゃんが神父の1人を殴り飛ばした音だ。

 

「……触れないでください」

 

ユートも闇の剣を抜き放つ。

 

「最初から最大でいかせてもらおうかな。僕、神父が嫌いだからさ。こんなにもいるなら、遠慮なく光を喰わせてもらうよ」

 

ユートは冷徹な声とともに剣に闇とともに殺気を纏わせる。

 

「当方も本気を出していく」

 

今までの《騎士の誉(ナイト・オブ・オーナー)》は第一解放段階。当方の体で制御できるだけの出力で発現させなければ体が振り回されてしまうのでいつもはこの状態だ。

だが

 

「《騎士の誉(ナイト・オブ・オーナー)》第二解放!」

 

今の当方なら脚に黒鎧を纏わせる第二解放段階も使いこなせる。

この状態ならひとつずつしか取り出せなかった武器が2つ以上同時に取り出せる。

銀の銃と魔剣を出現させ装備する。

 

「いやぁぁぁぁ……」

 

そうこうしているうちに、アーシアの体から大きな光が飛び出した。

 

「これよ、これ!これこそ、わたしが長年欲していた力!神器(セイクリッド・ギア)!これさえあれば、私は愛を!」

 

狂喜に彩られた表情でその大きな光をレイナーレは抱きしめた。

途端に眩い光が儀式場を包み込んだ。

光が止んだ時、緑色の光を全身から発する堕天使がそこにいた。

 

「うふふ…アハハハハハ!ついに手に入れた!至高の力!これで、これで私は至高の堕天使となれる!私をバカにしてきた者達を見返すことができるわ!」

 

高笑いする堕天使。

その時、イッセーが駆け出した。

当方たちはイッセーに立ちふがろうとする神父どもを吹っ飛ばす。

ユートの魔剣が光を喰らい、小猫ちゃんが武装を無力化された敵を怪力一発で打倒する。

当方は神父どもの足を狙い、行動を阻害する。

無音で放たれる弾丸を避けるためには目線や銃口で弾道を見る必要があるが、そんな暇はない。

洗練されたコンビネーションにより神父は次々に戦闘不能になる。

 

「サンキュー!3人とも!」

 

磔にされたアーシアに駆け寄るイッセー。

手足の拘束具を解き、彼女を抱きかかえていた。

 

「……イ、イッセーさん……」

 

「アーシア、迎えにきたよ」

 

「………はい」

 

返事をする彼女の声はあまりにも弱々しい。

それもそのはず

 

「無駄よ。神器(セイクリッド・ギア)を抜かれた者は死ぬしかないわ。その子、死ぬわよ」

 

「ーーっ!なら、神器(セイクリッド・ギア)を返せ!」

 

怒鳴るイッセー。そんなことで堕天使は神器を返すはずも無く。嘲笑を向けた。

 

「これを手に入れるために私は上を騙してまでこの計画を進めたのよ?返すわけないじゃない。あなたたちも殺して証拠は残さないわ」

 

「……くそ、夕麻ちゃんの姿が憎いぜ」

 

その一言を聞いて堕天使は高笑いをする。

 

「ふふふ、それなりに楽しかったわよ?あなたとの付き合いは」

 

「……初めての彼女だったんだ」

 

「えぇ、見ていてとても初々しかったわ。女を知らない男の子はからかいがいがあったわ」

 

「……大事にしようと思ったんだ」

 

「うふふ、大事にしてくれたわね、私が困ったことになったら、即座にフォローしてくれた。私が傷つかないように。でも、あれ全部私がわざとそういう風にしてたのよ?」

 

「……初デート、念入りにプランを考えたよ。絶対にいいデートにしようって思ったから」

 

「アハハハ!そうね!とても王道なデートだったわ!おかげでとてもつまらなかったわよ!」

 

「……夕麻ちゃん」

 

「うふふ、あなたを夕暮れに殺そうと思っていたから、その名前にしたの。素敵でしょ?ねぇ、イッセーくん」

 

今まで自分に聞かせるように言っていたイッセーの声が怒声に変わった。

 

「レイナーレェェェェェェェェェェェッ!!」

 

「アハハハハハ!腐ったクソガキが私の名前を気安く呼ぶんじゃないわよ!」

 

嘲笑するレイナーレ。

なんだ、こいつもただの悪党ってわけか。

 

「兵藤くん!ここでその子を庇いながらでは形勢が不利だ!一度上にあがってくれ!僕たちが道を開ける!さあ、早く!」

 

ユートと共に当方も神父を薙ぎ払う。

まだまだ神父はいる。この場で人1人守りながら戦うのは至難の業だ。

 

「リヴィ、小猫ちゃん、兵藤くんの逃げ道を作るぞ!」

 

「ああ!」

 

「……了解」

 

3人でイッセーの邪魔をしようとする神父を倒す。

武器を切り替えながら効率的に対処していく。

既にイッセーから入口までは道ができている。

 

「木場!リヴィ!小猫ちゃん!」

 

「先に行くんだ!ここは僕たちで受け止める!」

 

「さっさとそのお姫様を避難させとけ!」

 

「……早く逃げて」

 

「でも!」

 

「いいから行け!」

 

イッセーは入口前で少し葛藤していた。だがすぐに顔を上げた。

 

「木場!小猫ちゃん!帰ったら、絶対に俺のことはイッセーって呼べよ!絶対だぞ!俺たち、仲間だからな!」

 

それだけを言い、去っていった。

……当方は?

 

「とまあ、格好つけたものの……」

 

「少し量が多いね」

 

「骨が折れそうだ……な!」

 

そんな軽口を言いながら当方とユートは別々の方向に駆け出す。

走りながらもひとつまたひとつと敵を倒していく。

時に銃を命中させ、時に足で蹴り飛ばし、時に剣で切り伏せる。

小猫ちゃんも小猫ちゃんで敵を吹き飛ばしていた。

みるみるうちに神父たちは地に伏せる。

そして最後には

 

「後はお前だけだな。腐れ堕天使」

 

「あなたたち下級悪魔に私が倒せると思って?」

 

「もちろん」

 

当方はそう言いながら、戦いの最中で踏みつけ回収した光の刃を発生させる剣を何本も投擲した。

踏んづけて回収したせいか、ボロボロなのが多い。

 

「悪魔であるまいし、そんなもので倒せるとでも?」

 

「思ってねぇーよ、ばーか!」

 

本命は槍だ。《戦車》で強化された筋力で投げる槍はちとばかし早いぞ?

 

「ユート、行けるよな!」

 

「もちろん!」

 

魔剣だけを構えてユートとともに突撃する。

その間にどうやら槍は避けられたようだ。

まあ、いい。

 

「こしゃくな!」

 

光の槍を投擲する堕天使。闇の魔剣にはそんなものは脅威ですらない。

 

「さっさと!」

 

「倒れちまえ!」

 

二人で堕天使に向かって剣を振る。

だが、堕天使は体を逸らして直撃を避けた。

 

「あら?なかなかに痛いわね?」

 

堕天使はそう言いながら傷口に手をかざす。

傷口は緑色の光に包まれ綺麗に消えてしまう。

 

「…!!」

 

「長期戦は不利になりそうだね」

 

「だな」

 

魔剣を構え直す。最悪、イッセーが帰ってくるまでもしくは部長たちが来るまで持ちこたえればいい。

 

「イッセーに因縁がある相手だ。最後は主人公様に譲れるように活躍できるところは残さないとな!」

 

※※※

side イッセー

 

「俺が悪魔になったから、ダメなんスか!?この子の友達の俺が悪魔だからナシなんスか!?」

 

悔しさに歯噛みした。

力がない。

俺には力がなかった。もっと、悪魔としての力があれば……。

アーシアを救えるだけの力があれば……。

そんな後悔を今更しても、彼女は再び微笑んでくれない。

俺は立った。

彼女を失った俺にできることはリヴィたちが足止めしてくれているレイナーレを倒すことだけだ。

俺は再び地下への階段に向かっていた。

 

side out

※※※

 

光の槍を魔剣で逸らし攻撃を与え続ける。

小猫ちゃんには後ろで機を伺ってもらっている。

《騎士》であるユートと《騎士の誉》第二解放で敏捷性が上がっている当方でないと光の槍を受けて死んでしまうかもしれない。

もっとも、小猫ちゃんが受け切る可能性だってあるが。

 

「一撃で倒さないと……キツいね」

 

はっきりいって物凄いジリ貧だ。

ゲームで無限に回復する相手を突破法がわからずに倒せない感覚に似てる。

 

「槍を投げても心臓をピンポイントで狙わないと無理か……」

 

闇の魔剣を使い続けると魔力が消費されて行く。

しかも、神父を倒していた時から全開だったのでそろそろ当方もユートも魔力が尽きる頃合だ。

そして、既に二人ともボロボロだ。

小猫ちゃんは戦車としての力が守っているのか当方たちほどの損傷はない。

 

「……返せよ」

 

その時、1人の男が儀式場に入ってくる。

 

「アーシアを返せよォォォォォォッ!!」

 

『Dragon booster!!』

 

イッセーの叫びに答えるようにイッセーの神器が動き出す。

手の甲に嵌められた宝玉が眩い光を放つ。

 

「堕天使だとか、神様だとか、悪魔だとか……そんなもの、あの子には関係なかったんだ」

 

『Boost!!』

 

「あの子は静かに……普通に暮らせたはずなんだ……!!」

 

「今更何を言うかと思えば!そんなこと、叶うはずがないわ!異質な《神器(セイクリッド・ギア)》を宿した者はどこの世界でも組織でも爪弾き者になるのよ!」

 

「……なら、俺が。俺が、アーシアの友達として守った!」

 

「アハハ!無理よ!だって死んだじゃない!」

 

とりあえず、分かったことがある。

人が死んだのに……自分が楽して認められるために人を殺したのに殺した人間のことを笑うやつっていうのは

 

当方も許せない。

 

「……お前に……あの子を笑う資格はない!」

 

神器は思いの力で動き出し、その力が決定する。

 

あと少しだけでいい!動き回れるほどの力を貸してくれ!

 

「「うおおおおおおおおおお!!」」

 

イッセーの咆哮と当方の咆哮が重なる。

当方たちは同時に動いていた。

 

「ヘぇ!少し力が増したの?でもまだね!」

 

イッセーの拳も当方の剣も両方とも避けられる。

次の瞬間、レイナーレの両の手に光が集まりだし、何かを形成していく。

 

「力を込めてあげたわ!食らいなさいな!」

 

放たれたのは二本の光の槍。

両方ともイッセーに向かっている。

光の槍は悪魔にとって劇毒の武器。

擬似悪魔であり《戦車》の恩恵で防御力が上がっていても相当の痛みを感じる。

だから、今の当方たちにはそれだけで決定打になってしまう可能性の方が高い。

だが!

 

「しゃらくせぇぇぇぇ!!」

 

魔剣に最後の魔力を全て込め、解き放つ。

光を食らう闇を持って光の槍を二本同時に打ち消した。

だが、その欠片が当方たちに降り注ぐ。

 

「「ぐああああ!!」」

 

ものすごく熱い。前に受けた光弾とは桁違いの痛みが全身を突き刺す。

当方の体がいよいよ力を使い果たし地に伏せる。

 

「だけどこんな痛み!」

 

「!?」

 

「あの子が!アーシアが苦しんだものに比べたらなんだってんだよ!」

 

イッセーはそれでも立っている。

槍の欠片が体に入り内側から光という毒に蝕まれているにも関わらず。

 

「なあ、俺の《神器(セイクリッド・ギア)》さん。あの腐れ堕天使をぶっ飛ばすほどの力はあるんだろうな?トドメとシャレこもうぜ!」

 

『Explosion!!』

 

その時、当方は何故かその機械的な声に力強さを感じた。

 

「下級悪魔風情が!この私に勝てるといきがるなぁァァ!!」

 

レイナーレは片手で槍を形成し投擲しようとする。

だが

 

その槍は取り落としたように消えてしまった。

理由はかんたん

 

「正真正銘、今の当方の最後の魔力だ。文字通りの残り香でもこんなことができるんだぜ?」

 

当方が銀の銃でレイナーレの腕を撃ったからだ。

 

「行け、イッセー!ぶっとばせぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!」

 

イッセーの拳は吸い込まれるようにレイナーレの顔面に直撃する。

そして、力強く押し出しぶっ飛ばした。

 

ガッシャァァァァァン!

 

大きな破砕音を立てて、堕天使は壁に叩きつけられる。

堕天使は壁にめり込んだままピクリとも動かない。

死んだかどうかはわからない。だが…

 

「ざまーみろ」

 

堕天使は倒したと言っていいだろう。

その言葉を聞いた時、魔力の使い過ぎだろうか。

当方の意識は闇の中に消えた。




「戦闘が終わったな」

「終わったね」

「リヴィは《戦車》じゃなくて《騎士》っぽいと今更ながら思った」

「そんなこと言われても適正は《戦車》だったからしゃーない」

「原作との相違点で大きいのってイッセーの覚醒が早いことと、フリードが銃を使えなかったこととか今のところはまだ少しだけど……」

「でぇじょうぶだ。時期に増える」

次回
第7話 《疲れた日にはミルクココアを》

「次回で一巻分終わるのかな」

「終わるだろ。たぶん」
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