旧編:湖の騎士の力を何故か得ていた転生者の話 作:何処でも行方不明
……また星1評価ついた
……グォォォォッッ!!
LP2000→1000
第8話 《不死鳥襲来》
「「部長のお悩み?」」
堕天使レイナーレとの戦いから数日後。
授業も終わり疎らに部活に行くもの、自宅に帰るもの、はたまた校内に用があるもので忙しなく音で溢れている駒王学園。
当方たちはオカ研部室がある旧校舎に向かうために廊下を歩いていた。
たまにイッセー、アーシアと合流する。
今日は渡り廊下で合流したがイッセーがこう問いかけた。
「部長が最近、心ここに在らずって感じなんだけど悩みとかあるのかな?」
当方はうーんとうなる。
そもそも当方は部長とはそんなに付き合いが長くない。
ほとんどイッセーと同レベルだ。
だから、何に付いて悩んでいるのかとかさっぱりわからない。
当方はユートの方をチラっとみる。
聞くところによると4年の付き合いらしい。
ユートならわかるのではないだろうか?
「部長のお悩みか……たぶん、グレモリー家に関わることじゃないかな」
「ユートでこれだから当方には全く検討がつかないな……まあ、朱乃さんなら何か知ってそうではあるけどな」
「朱乃さんは部長の懐刀な訳だしね……」
呼び名が変わったことについては……まあ、色々あったと言っておこう。
堕天使を倒した後は本当に色々あった。
鎧武者(外国人女性)と騎士(転生悪魔の騎士ではなくマジモンの西洋の騎士)のラブラブ大合戦やアーシアの悪魔としての初仕事、あとは……ああ、突如当方の家に大量の銃火器が送り付けられた事件もあったが、まあいつか話すとして今はいいだろう。
そんなことを考えていたらいつの間にか部室の前。
だが、普段は感じない気配を部室の中から感じた。
ユートと顔を見合わせ頷く。
「……?どうしたんだ、二人とも?」
イッセーはそんなことつゆ知らず、部室の扉を開けていた。
室内には部長、朱乃さん、小猫ちゃん。
そしてあと1人。確か部長のお兄さんにあたる現魔王サーゼクス・ルシファー様の《女王》グレイフィアさんだ。
部長は機嫌の悪そうな面持ちで、朱乃さんはニコニコしながらも冷たいオーラを漂わせている。
小猫ちゃんは部屋の隅の椅子に座っていた。
会話のない張り詰めた空気が室内を支配している。
ユートが「まいったね」と小さく呟いた。
「…まったく、その通りだな」
当方も小さく呟いたところで部屋に入る。
まあ、もちろんこんな空気なら挨拶が来ることもない。
余裕が無いのかそれとも……
「全員揃ったわね。では、部活をする前に少し話があるの」
「お嬢様、私がお話ししましょうか?」
部長はグレイフィアさんの申し出を断ると話を続ける。
「実はねーー」
部長が口を開いた瞬間だった。部室の床に描かれた魔法陣が光り出す。
転移現象だ。
魔法陣の一部……グレモリーの紋様が変化し別の家の物に変わる。
たしかあれは…
「フェニックス」
つい、ポロリと出てしまった。
なぜ知っているかというと、一応の知識は全て頭に叩き込んだからだ。
室内を眩い光が覆い、魔法陣から人影が姿を現す。
ボワッ!
魔法陣から炎が巻き起こる。火の粉がチリチリと肌を焼く。
炎の中には男性のシルエット。それが腕を横に薙ぐと、周囲の炎が振り払われた。
「ふぅ、人間界は久しぶりだ」
そこには赤いスーツを着た男が1人。
スーツは着崩されておりネクタイもせずシャツをワイルドに開いている。
男は部屋を見渡し、部長を捉えると口元をにやけさせた。
「愛しのリアス。会いに来たぜ」
…なんだろ、魂胆が見えてきた感じがする。
婚約者で部長が好意的に思っているのなら早く当方たちに言うはずだ。つまりは…部長が婚約に反対しているということになる。
当方の予想は当たっていたようだ。式場がどうのこうのいいながら部長の腕をつかんだ男は部長の低く迫力のある声で手を振り払われていた。
「この方はライザー・フェニックス様。純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男にあらせられます」
とグレイフィアさんが紹介してくれた。
上級悪魔…つまり爵位持ち。当方が目標として設定したところにコイツはいると……
「そして、グレモリー家次期当主の婿殿でもあらせられます」
やっぱりか〜……
「ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!?」
どうやらイッセーからした衝撃的な出来事だったようだ。
うん、まあ衝撃的ではある。
※※※
そこからは……まあ、大変なことになった。
純血悪魔の血筋を絶やさないようにするためにお家同士の婚約があるそうだが部長はそれが嫌なようだ。
確か先の戦争とやらで純血悪魔の家系《七十二柱》と呼ばれた悪魔達は半数が死に絶えたようだ。
……ん?確か《ブエル》も七十二柱の悪魔の内の1人だったような……ま、今はたぶん関係ないか。
そういうわけで部長の家系であるグレモリー一族はお兄さんのサーゼクス・ルシファー様は家を出られた。
だからグレモリーが潰えるかもしれないから早々に婚約を決めたいらしい。
まあ、部長は反対してるけど
まあ、当方は部長の下僕(仮)だ。部長の決定に従うだけだし、そもそも家の問題に口出しできると思っていない。
「私は家を潰さないわ。婿養子だって迎え入れるつもりよ。でもそれはライザー、あなたじゃないわ。私は私が良いと思った相手と結婚する。
古い家柄の悪魔にだって、それぐらいの権利はあるわ」
その言葉を聞いてライザーは機嫌をわるくする。
そりゃあね、婚約者からそんな言葉を聞くとそうもなる。
「……俺もな、リアス。フェニックス家の看板背負った悪魔なんだよ。この名前に泥を塗るわけにはいかないんだ。俺は人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては、耐えがたいんだよ!」
ライザーの周囲を炎が駆け巡る。
それと共に大きなプレッシャーを放った。
「俺はキミの下僕を全部燃やし尽くしてもキミを冥界に連れ帰るぞ」
殺意と敵意が室内に充満する。
何故だろう。体が昂ってきた。
体中の毛穴がざわつく。何かが体にまとわりつく感覚。
これほどの強敵を倒せたらどれだけ心地いいんだろうか。
当方は口角を上げいつでも騎士の誉を起動できるように待機しておく。
部長はライザーと対峙し、赤い魔力のオーラを薄く発し始めている。
ライザーも体に炎を纏い始めた。
魔力が高まりあい、室内は一瞬即発の空気に包まれた。
だが、そこでグレイフィアさんが冷静に介入した。
「お嬢様、ライザーさま、落ち着いてください」
鶴の一声で両者の魔力が収まり始める。
それ程までにサーゼクス・ルシファー様の影響力があるということだろう。
殺気を巧妙に隠すグレイフィアさん。
それが一番怖い。
「こうなることは、旦那様もサーゼクス様もフェニックス家の方々も重々承知でした。正直に申し上げますと、これが最後の話し合いの場だったのです。これで決着がつかない場合のことを皆様方は予測し、最終手段を取り入れることにしました」
そこからはさらに簡単。
グレイフィアさん曰く
「意見を通すならばレーティングゲームでライザーに勝て」
とのこと。
レーティングゲームとは下僕同士を戦わせて競い合う爵位持ちの悪魔たちのゲームだ。
……当方ってどうなるのだろうか
というか、その前に成人前では参加出来ないんじゃなかったっけか?
ところがどっこい。グレイフィアさんの説明を聞くと非公式の純血悪魔同士のゲームなら半人前の悪魔でも参加できるのだとか。
部長もライザーも純血悪魔。条件は満たしている。
もちろん部長はレーティングゲームを受けることにした。
ライザーはレーティングゲームに勝ったら部長と即結婚という条件でその要求を飲んだ。
当たり前のことだが二人とも負ける気はさらさらないようだ。
「なあ、リアス。まさか、ここにいる面子がキミの下僕なのか?」
「だとしたらどうなの?」
部長は若干イラつきながらもライザーに答えた。
ライザーはクククと面白いものでも見たかのように笑い出す。
「これじゃ、話にならないんじゃないか?キミの《女王》である《雷の巫女》ぐらいしか俺のかわいい下僕に対抗できそうにないな」
そう言いながら、ライザーは指をパチンと鳴らした。
魔法陣が輝き出す。紋様はやはりフェニックス家。
魔法陣から続々と人影が現れる。
……総計15人。あっちはフルメンバーか。
「と、まあ、これが俺のかわいい下僕たちだ」
鎧を着込んだ騎士、フードを深く被った魔導師、チャイナ服の闘士に十二単をしている人まで十人十色だ。
こちらの戦力は部長含めて7人。対してライザーは眷属だけで15。倍以上の人数差だ。
まあ、それも重要なのだが……特筆することはあとひとつあった。
ライザー眷属、全員女性なのだ。
しかも、全員が美少女もしくは美女。
全員女性であるということはそれ相応の理由があるはずなのだが……
まさか、全員が朱乃さん級なはずがないし……というか、全員が朱乃さん級だったら勝ち目がない。
そこでふと横に目をそらすとイッセーが号泣していた。
……そう言えばハーレムを作るのが夢とか言っていたな。
当方は……うん。ハーレムなんて烏滸がましいので先に20人ほど友達を作りたいです。ハイ
「なぜ全員女性なのか」
「ライザーが女好きだからだろ?」
「それにしても何か理由があるはずだろ……さては……」
「…レヴィが長考に入ったね。僕達だけで終えてしまおうか」
「だな。というか、大量の銃器事件は書かなくていいのだろうか」
「あとで書くつもりではあるらしいよ?」
次回
第9話 《特訓 とりあえず強くなろう》
「おい、サブタイ」
「まあ、的確にやることは表してるんじゃないかな?」