ネタなので、細かいところはご勘弁を。
気が付いたら、結構長くなってました(笑)
登場人物を思い描きながら、読んでいただけると幸いです。
某マイナーSNSに日記として投稿したものと内容は同じです。
出会い頭。
「痛ぁ!」
「うぉっ!」
二人の頭に星が飛んだ。
最初の悲鳴は、夜野魁利。
次の悲鳴は、朝加圭一郎。
転がった二人。
「大丈夫。魁利…。」
初美花が直ぐ様、しゃがみ手を伸ばす。
「大丈夫か? 圭一郎。」
つかさも、しゃがみ手を伸ばす。
「あれ!」
驚きと喜びの声を上げる咲也。
「初美花ちゃん!?」
「お巡りさん…。」
冷静な声は、透真。
転がったのも同時なら、起き上がるのも同時。
「済まない。」
深々と頭を下げる圭一郎。
「前方不注意だった。」
「こっちこそ。」
軽く頭を下げる魁利。
「ごめんよ。」
「だから、言ったじゃないのよ。」
初美花の嗜(たしな)める言葉は続く、
「ちゃんと前見て走りなさいって。」
思い出される魁利の走り方。
後ろ向きは当たり前。
時に、道の縁(へり)にある一段高い場所を平均台の様に両手を広げ歩く。
まるで、子供の様であった。
「わぁーったよ。」
返事まで、子供じみていた。
「ところで、お巡りさんもランニングですか?」
透真の質問。
「ああ。最近、ギャングラーの動きが無いから…。体が鈍ってはなとね。」
圭一郎が答え、
「それに…。」
溜め。
「ギャングラーの事だ。大人しいんじゃ無くて、何か企んでいるに違いない!」
気合が入っている。
透真は、圭一郎の後ろの二人の半ば呆れ顔がしっかりと見えていた。
「で、初美花ちゃん達は?」
基準が初美花なのは、咲也ならでは。
「私達はね…。」
同じくギャングラーの動きが無く、『体が鈍っては』との透真の提案でランニングしているとは言えず。
助け舟を求め、視線が透真へ。
「俺達は…。」
刹那。考え、
「美味い料理は、基礎体力と言う事でランニングを始めたんだ…。」
「そ、そうなのよ。」
乗った初美花。
「そうなんだね! 初美花ちゃん。」
やはり、基準は初美花の咲也。
そんなやり取りを後から観察する鋭い視線を投げかけるのは、つかさ。
「本当にすまなかった!」
また、頭を下げ差し出した右手は握手を求める圭一郎。
「もう、いいって…。」
気が付かなかったのでは無く、無視…。
それが魁利の握手への回答。
気にする風も無く、手を引き、
「それでは!」
圭一郎を先頭に敬礼するパトレンジャーの三人。
「んじゃね〜。」
魁利のは、敬礼では無くのり。右の人差し指と中指を立て『ヒョイ』とした。
互いの三人組は、背中合わせに距離が離れる。
それは、まるで決して近付く事の無い者達だと語るかの様に。
国際特別警察機構(GSPO)日本支部。
ランニングより戻る三人。
「いいところへ、戻られました。」
ジム・カーターが出迎える。
「ナイスタイミング!」
ヒルトップ管理官は、サムズアップ。
「これを見てください。」
リモコンを操作し、録画を映し解説する。
「先程のニュースなのですが…。」
記者会見。
男女混合のスポーツ選手の一団にフラッシュが浴びせられる。
そして、一人ずつのアップ。
「ここです!」
ジム・カーターが一時停止のボタンを押す。
「これは!」
驚く三人。
「確率は五分五分と言ったところですが…。」
ジム・カーターがキーボードを操作し、一人の女性選手の胸元をアップ。
「いや、間違いない…。」
圭一郎の拳に力が入り、
「これは、ルパンコレクションだ。」
断定した。
「何でも、お祖母さんの形見だとか…。」
ジム・カーターが続け、
「前にも、こんな形でルパンコレクションが見付かった事がありましたよね。」
「ああ…。」
返事は決してだが、思い出したのは三人。
「今度は、我々が…。」
圭一郎の決意。
ジュレ。
「たっだいまぁ〜。」
魁利が無人と知っていて扉を開く。
「お帰りなさいませ。」
立ち上がり迎える人物。
「コグレさん。来てたんだ。」
初美花が人物を特定した。
「情報ですか?」
透真の冷静な分析。
「はい。」
懐に手を入れるコグレさん。
「これを…。」
テーブルの上に並べる写真。
覗き込む三人の頭が合わさり、三つ葉のクローバーの様に見える。
「こりゃあ!」
「これって!」
「これは…。」
魁利、初美花、透真の順に驚く。
「ルパンコレクション!」
今度は同時に。
「はい。今度の駅伝の招待選手でございます。」
いつの間にか、席に付きティーカップを手にしていたコグレさん。
「それに…。」
含みのある言い方。
「ギャングラーも狙っているとの情報もあります。」
「どうする?」
透真の質問。
「確か、一般参加の駅伝だよね…。」
初美花の情報。
「一般参加か…。」
思い付く魁利。
「俺らも出て、隙きを見て盗めば…。」
「それは無理だ…。」
透真が否定。
「駅伝は六人で交代だからな…。」
「あちゃ…。」
大袈裟な魁利。
「それに、ターゲットが何番目に走るかは判らない。」
透真の止めの一言。
「じゃ…、どうするかな…。」
台詞は悩んでいるが、態度はお気楽な魁利。
一時間後。
ジュレの扉が、勢いよく開く。
「あっ!」
慌てる初美花。
「まだ準備中です!」
快盗の仕事の打ち合わせ中だったために広げた資料に覆い被さる透真と初美花。
「いや、客では無い。」
先頭で入って来るつかさ。
「じゃ何よ。」
魁利が聞く。
「今度の駅伝大会に出たいのだが…。」
後の二人を確認し、
「我々は三人しか居ないのだ。」
「なるほど!」
『ピンと来た!』そんな顔になる魁利。
「俺らと組もうって言うんだろう。」
右の人差し指がつかさを指す。
「そう言う事だ。話が早くて助かる。」
(快盗もコレクションには気が付いているだろう。もし、この三人が快盗なら監視できる。一石二鳥だ。)
「オッケー!」
軽いノリでサムズアップする魁利。
「ちょっと魁利ぃ!」
初美花が引っ張る。
「勝手に決めないでよ。」
「そうだ。見張られるかもしれないぞ。」
慎重な透真。
「とりあえず、コレクションに近付かないと駄目しょ。」
軽口だが、目は真剣と語る。
考える二人。
「解った。」
透真の賛同。
「仕方ないな…。」
初美花の同意。
「皆も良いってさ。」
答えたのは魁利。
「やったー!」
喜び、
「初美花ちゃんと一緒に走れる!」
飛び跳ねる咲也。
視線を反らし、
「駅伝だから、一緒には走らないよね。」
画面に向って呟いた初美花。
「では、順番等の細かい事を、少し打ち合わせしよう。」
つかさが纏めた。
大会当日。
受付。
「結構、多いな…。」
辺りを確認する魁利。
「ああ。まだ、区間への移動前だからな。」
透真の解説。
「そういう事か…。」
魁利が、本当に判ったのかは不明。
それぞれの三人の作戦会議が始まる。
快盗側。
「どうやら、コレクションを持った選手は第六区のようだ。」
透真が、潜り込み調べてきていた。
「じゃあ…、狙うなら魁利がタスキを渡すタイミングね。」
初美花の意見。
「でもなぁ…。」
困り顔の魁利。
「タスキ渡すのは圭ちゃんだしな…。」
続け、
「それに、付いて行けてるかな…。」
「それは、大丈夫だ。招待選手達は、大会を盛り上げるのが目的だから本気では走らない事になっている。」
透真の下調べは完璧。
「それなら、何とかなりそうね。」
安心する初美花。
「それと…。」
小箱を取り出し魁利に渡す透真。
「ダミーだ。コグレさんに頼んで作ってもらった。」
「おーっ!」
二人がハモる。
「流石! 透真。」
褒める初美花。
「やっぱ透真は頼りになるぜ。」
賛同する魁利。
「ほめても何も出ないがな…。」
照れ隠しなのか、冷たい返事の透真。
「んじゃ。一丁やってやるか!」
気合を入れる魁利。
「頼んだわよ。」
「任せたぞ。」
警察側。
「コレクションを持っている選手は、第六区のようだ。」
つかさの報告。
「圭一郎。警護は任せたぞ。」
「ああ、今度は快盗にはやられない。」
気合の入る圭一郎。
「初美花ちゃんと一緒に走れないなんて…。」
落ち込む咲也。
「最初から言っていただろう。一緒には走れないと。」
つかさが追い打ち。
「では、移動しよう。」
圭一郎の指示。
スタート。
大会は何事も無く進む。
順調に渡されるタスキ。
迎えた第五区も終わりに差し掛かる。
(たく。本気じゃ無いって言ってたけど、付いて行くのが精一杯だぜ。)
心の中に愚痴を溢す魁利。
(余裕の顔してさ…。)
「優勝争いは、二組に絞られた!」
大会のアナウンスが盛り上げる。
「もう直ぐ、最終第六区の選手へとタスキが渡る!」
アナウンスの通りに、見え始めた圭一郎の背中。
(渡す時が、チャンスだ。)
魁利が作戦を確認した。
「ほぼ、同時にタスキが最後の選手に渡る!」
伸ばした手に握られたタスキが魁利から圭一郎へ。
「頼んだよ。圭ちゃん。」
「任せろ。魁利くん。」
(今だ!)
狙いを付けた魁利が、獲物に手を伸ばす。
悲鳴。
連鎖的に起きる爆発。
現れたのは、
「ギャングラー! やはり、来たか!」
圭一郎が市民の盾となるべく前に出る。
「魁利君! すまないが、皆の誘導をしてくれないか…。」
振り向き頼んだ。
「一般市民の君に頼むのは、筋違いだとは思うが…。」
「何言ってんの。友達として、善良な一般市民として、警察に協力するよ。」
魁利のウインク。
「では、友達として頼んだ!」
圭一郎の口元が笑う。
「早く、避難してください!」
大声を上げた。
「圭一郎くん。これを。」
観客席に待機していたヒルトップ管理官が駆け付け、VSチェンジャーを渡した。
「ありがとうございます。」
構え、
「ヒルトップ管理官も早く避難を。」
「ああ。」
離れるヒルトップ管理官。
「俺様は、ラビッオット。」
ギャングラーが名乗る。どうやら、兎と戦車(チャリオット)がベースの様だ。
「昔は兎が亀に負けたが、今回はそうはいかない!」
腕を振りアピール。
「コレクションは俺様が貰う!」
「そんな事はさせない!」
VSチェンジャーにセット。
変身!
「パトレン1号!」
決めるポーズ。
「国際警察の権限により実力を行使する!」
「早く、こっちだ!」
魁利の避難誘導。
そして、自らも観客席へ。
『ピョコピョコ』
車の陰から、白い手が魁利を呼ぶ。
「コグレさん。お疲れ。」
魁利がコレクションを渡す。
「上手くすり替えられたよ。」
「いえいえ。私はこんな事しか出来ませんから。」
受け取り、代わりにVSチェンジャーを渡す。
「ありがちゅー。」
構え、
「さっさと倒して来るぜ。」
変身!
車の陰から、戦いの場へ赴(おもむ)くルパンレッド。
パトレン1号とラビッオット戦い。
銃撃。
怯むパトレン1号とラビッオット。
「誰だ!」
探すパトレン1号。
撃った者は、近くのビルの上だと判る。
そして、見上げたパトレン1号が見たのは、
「やはり、来たな!」
「ルパンレッド!」
名乗りを上げ、飛び降りたのはパトレン1号の横。
「何やってんの。お巡りさん。」
からかう。
「ルパンレッド。邪魔をするな!」
怒る。
ギャングラーは、
「赤い奴が二人…。」
間。
「ややこしい!」
怒り。
「ニンジン・ミサイル発射!」
ラビッオットの両肩より発射されたミサイル。
大爆発。
吹き飛ばされる二人のレッド。
「おのれ! ギャングラー!」
上半身を起こす圭一郎。
「やるな、ギャン…。」
続く、魁利の言葉を口に押し戻した初美花の両手。
「今、ギャンって言ったのか?」
つかさ先輩が聞き逃さなかった。
「えっと…。」
焦る初美花。
「ぎゃん…、なっちゃうなって…。」
誤魔化した。
「そうか…、確かにな…。」
見下ろしたつかさ先輩の目に映るのは…。
地面に座る二人。
先程までは、倒れていた二人。
「痛っ…。」
頭を押さえた圭一郎。
「いててて…。」
同じく頭を押さえた魁利。
「何が起きたんだ…。」
圭一郎の質問。
「圭一郎と魁利くんが出会い頭に衝突した。」
冷静に答えたつかさ。
「な、なんだって!」
驚き立ち上がる圭一郎。
「すまない!」
頭を下げる。
「いやぁ…。」
初美花が反応。
「魁利もふざけてて…。」
正直に言った。
「本当。」
頭を押さえながら立ち上がる魁利。
「ごめんよ。圭ちゃん。」
「まあ、気が付いたのなら大丈夫だろう。」
観察する透真。
「いや、市民を守る警察官としては…。」
圭一郎を押さえるつかさ。
「解ったから、少し大人しくしていろ。」
「魁利くん。本当に大丈夫か?」
つかさが確認。
「大丈夫だって。」
体を動かし、
「ピンピンしてるだろ。」
アピール。
「それなら、良かった。」
安堵のつかさ。
通信。
「何! ギャングラー出現だと!」
インカムに手を当て、
「すぐに戻る!」
圭一郎が魁利に向き直り、
「改めて謝罪に行く。」
敬礼。
「今は、市民を守らねば。」
「頑張って、お巡りさん。」
魁利が送り、
「ああ。」
圭一郎が受けた。
「ほら、行くぞ! 咲也!」
耳を抓(つね)るつかさ。
「まだ、見てたいのに!」
抗議。
咲也は、初美花のランニングスタイルに見惚れていたのだ。
「もう、やだ!」
言われ気付き恥ずかしがる初美花。
「いい加減にしろ!」
つかさの指の力が増す。
「いだだだだ…。」
引っ張られる咲也。
「また、後でね…。」
手を振った。
去り行く警察の三人を見送りながら、
「俺達も、行くぜ。」
魁利の宣言。
「ああ。」
透真の賛同。
「オッケー!」
初美花の同意。
向かう六人は、己の戦いの場所へ。