転スラに転生したら『最強』だった件   作:村田雄介先生の女の子絵好き野郎

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本当に久しぶりに更新。



第5撃目「ガビル参上!」

 

 

 異世界人が協力し合うこと事態珍しいことではない。

 しかし、お互い協力関係になるまでどれだけ長い道のりで関係を築いていけるかが問題だった。

 『言葉を交わし、意思を確かめ合え、利益を考える』のが思考を持った生き物の特権であり、弱点でもある。

 そこをどうにか円滑に進めていきたいと考えるのが上に立つ者の役割ともいえる。

 それ故に、

 

「リムル様と大鬼族(オーガ)の代表、サイタマ様が夫婦となることになったのですか?」

 

 ゴブリン族代表の筋骨隆々とした男、リグルドがリムルとサイタマに確認するように訊ねる。

 

()()()()()()()() 余り大々的には言い伝えないで欲しいけど、お互いの利用価値を熟慮した上で……」

「ここに永遠の愛を誓おう!! 我が妻のリムルちゃん♡♡」

「は・な・れ・ろぉぉぉ」

 

 青色長髪の美少女然とした人物、リムルは禿頭(とくとう)とヒーローに拵えたマントと衣装を着ている男、サイタマにハグを受けていた。

 

「良かったですな。サイタマ様、リムル様」

 

 そう呼んできたのは、燃えるように赤い髪と、角を生やした青年からだった。

 

「ベニマル、ありがとう」

 

 心底嬉しそうに言うサイタマを横に、リムルは頭を抱えていた。

 

「いいのか? サイタマが(かしら)だったのなら、サイタマに名付けをしてもらった方が……」

「勿論、それも考えましたが、これはサイタマ様と相談した結果です。サイタマ様と夫婦となったリムル様は我らの主とも変わりませぬ」

 

 跪くベニマルに、サイタマが続く。

 

「無気力で、力だけある危険な主より、皆のことを考えて行動するリムルの方が良いと思ったんだよおれは。それにどうやら……」

 

 サイタマは手をリムルに向け、

 

「おれは強さの変わりに無気力になる呪いみたいなものがあるのを確信した」

「なにぃ?」

「いや、頑張れば動くことも可能だけど、これはヤバイな。脳と言うか、体からというか、そこかしこから『怠慢に生きろ』と押し寄せてくる」

 

 サイタマに言うには、何かしらサイタマの関心があれば力は発揮されるが、それでも『無気力』に襲われるらしい。それが力の代償。

 

『予測、強大な力に対する世界の抑止力として用いられた対価と思われます』

(対価、か)

 

 大賢者による予測を聞きながらも、何かしら枷があったことに人知れず安堵するリムル。あのサイタマの力はひょっとするとリムルの《捕食者》や《大賢者》並か、それ以上の反則級特典(チート)かもしれない。

 

「それにな……俺といるより、リムルと一緒にいた方が仇には会えると思ったんだ」

「……そういえばその問題があったな。お前のせいで次々と忙しいかも」

 

 生き残りの大鬼族6人を名付け、そしてそこから得た情報だと、大鬼族の里が豚頭族(オーク)に襲われて、滅ぼされたと聞く。

 その豚頭族(オーク)の軍団の進撃は止まらず、ジュラの大森林周辺を荒らしているという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サイタマとリムルが結婚したことは、知る人が知るだけになった。リグルドが仲間たちに教えたい様子だったが、リムルの精神衛生上よしてくれ、と頼み込んだので余り広く知れ渡ることもなさそうだった。

 しかし、サイタマがリムルに対して愛情表現が止まらないので嫌でも知れ渡るが、リムルは己の感情より、強大な戦力が加わることを思って我慢していた。

 そんは折りに、戦闘経験豊富な剣鬼・ハクロウに稽古をつけてくれ、と頼んだリムルたちは鬼コーチの指導のもと、鍛えられていた。

 訓練をしている中、ベニマルは一緒にハクロウの木刀とは思えぬ切れ味を避けつつ、リムルに語る。

 

豚頭帝(オークロード)? なんだそりゃ?」

「まぁ簡単に言うと、化物です。サイタマ様に比べれば赤子ですが……」

「うぇぇ……サイタマそんなにかよ」

 

 デコピン程度でしかサイタマの強さを把握していないリムルにとって、それは重大だった。

 

「数百年に一度、豚頭族(オーク)の中に生まれるといわれている特殊魔物(ユニークモンスター)です。なんでも、味方の恐怖の感情すらも喰らうため異常に高い統率能力を持つんだとか」

「うへぇ」

「里を襲った豚頭族(オーク)どもは仲間の死にいたるまで怯むこともなく進軍してきました。あれにはこちらも精神にきましたね……」

「なるほど……」

「まぁ可能性でいや非常に低い話です」

「他になにか心当たりは無いのか? 里が襲われた理由」

「……そうですね」

 

 ベニマルは思い出す。リムルと衝突する理由となった原因を。

 

「関係あるか分かりませんが、襲撃の少し前にある魔人が里にやって来て『名をやろう』だとか言ってきたんです。俺を含め全員から突っぱねられて結局、悪態をつきながら帰って行きましたがね」

「魔人ねぇ。そいつから恨みを買ってるかもしれないってことか」

「仕方ありませんよ、主に見合わなけりゃこっちだって御免だ。名を付けてもらうのも誰でも良いってやけじゃありませんからね」

 

 笑顔でそう言ってくるベニマルに、リムルは恥ずかしがる。

 

「そいつの名前はたしかなんだったっか……ゲレ……ゲラ……ゲロ……」

「ゲルミュッドだ」

「そう、それだ」

 

 名前が出てこないベニマルの変わりに、影から現れた大鬼族の一人、ソウエイが変わりに答えた。

 

(ゲルミュッド……なんか聞いたことあるような気がする……あっ)

 

 それは、ゴブリン族の代表であるリグルドの息子、リグルと会話していた記憶。リグルの兄の話だった。

 リグルの兄は、通りすがりの魔族・ゲルミュッドに名付けしてもらった話だ。

 

(魔王軍の幹部ゲルミュッド、同じやつっぽいな。あちこちで名前を付けてるのか? なぜ?)

 

「報告がございます、リムル様」

「お、そうだったソウエイ、どうかした?」

「リザードマンの一行を目撃しました。湿地帯を拠点とする彼らがこんなところまで出向くのが異常ですので、取り急ぎご報告をと」

「リザードマン? 豚頭族(オーク)じゃなく?」

「はい、なにやら近くのゴブリン村で交渉に及んでいるようでした。ここにもいずれ来るかもしれません」

「そうか……リザードマンが……」

 

 熟考するリムル。

 取り合えず、いい予感は全然してこなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シオン、大鬼族の長身でスタイル抜群の女鬼にその名を授けたリムルは、大変なつかれていた。

 強きものに仕えるのは鬼の戦士として光栄、とかんがえる種族性かもしれないが、スライムで抱き心地最高なリムルは可愛くて尊敬できる主となっていた。しかし、これは別にリムルだけに対してだけではなかった。

 

「サイタマ様とリムル様にお食事を用意しました! 是非とも食べてくださいね♡」

 

 満面な笑顔を向けるシオンに、リムルは何か違和感を。サイタマは無表情にそれを迎える。

 

 そのしっかりした見た目のイメージと合わさって、秘書としてリムルの側に仕えることになったシオンに、思わぬ一面が見れた。

 そう、それは、

 

「お待たせしましたー♪」

 

 出されたのは食材の冒涜だった。一体どうしたら、食材を青と紫と黒の色と化すドロドロの液状に溶かすことができるのか疑問が浮かんでは消えていった。

 リムルの表情は死んでいく。せっかく手に入れた味覚を失わせるこのイベントは、間違いなく死亡フラグだった。冗談抜きにしても。

 

(漫画みたいな展開だけど、どうしてリアルに直面しないといけないメシマズイベント! い、いやだナニコレ!? 食材の冒涜だぞ!?)

 

 溶かされた食材の悲鳴が聞こえてくるこのシオンの料理を、リムルとサイタマは食べないといけなくなったのだ。

 これこそ、主としての役割とも言える。

 食堂の端に座るベニマルとハクロウは静かにこの光景を眺めていた。

 

(いや、助けろ!?)

 

 だがきっとこの料理を食べたことがあるのだろう鬼の戦士たちは、一切こちらを助ける様子がなかった。

 

「ささ! リムル様どうぞ♪ サイタマ様も!」

「……そ、そうだな」

「今回もすごいな、シオン」

 

 なんだと!? と隣に座る傑物を見るリムル。

 この未元物質(ダークマター)を食べたことがあると言った男を見る。

 

「(アーン、してくれるなら食べるぞ、リムル)」

 

 小声で助け船を出してくれたサイタマだったが、それはそれでリムルの精神を削る行為だった。最早、現世というか元人間だった記憶は思い出さない方が簡単なのかもしれないと錯覚し始めた。

 しかし今問題なのはそこじゃなかった。

 

(くっ! 俺がサイタマにアーンする以外の方法は無いのか大賢者(あいぼう)!!)

『解。視覚を閉ざし右斜め後方にスプーンを突き出せば、命は助かります』

(よく分からんが分かった!)

 

 こうして、リムルはサイタマにアーンすることもなく、偶然通りかかったゴブタに食わせたことで、リムルは生き残ることとなった。

 今後、シオンが人に出す飲食物はベニマルが確認して許可してから出すようにと決められてしまった。

 ゴブタは多大なトラウマと共にお開きとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんは一幕がある中でも、問題の豚頭族(オーク)進撃の話はリムルたちが住む村にまで及んでくる。

 

「アイツらか?」

「はっ」

 

 場所は変わって、何気なくソウエイと一緒に付いてきたサイタマは、木の上から蜥蜴人族(リザードマン)の一行を監視していた。

 

「近隣のゴブリンの村から協力を取り付けてきたリザードマン。先程、交渉していた村から情報を掴んできましたが、あの一行の代表はガビルと名乗っていたそうです」

名前持ち(ネームド)かよ」

「はっ。実力は不明ですが」

 

 目立つ格好のサイタマなのだが、ソウエイに負けず劣らずのその場で身につけた見様見真似の気配を殺し方で様子を見ていると、どうやら次はリムルたちが住む村に向かって行った。

 

「戻るか」

「承知しました」

 

 サイタマとソウエイはすぐにその場から消えるように移動した。

 アマリ時間をかけず、すぐに村に着くと、

 

「帰ってきたか、サイタマにソウエイ」

 

 スライム状態でリグルドの肩に乗っているリムルに声をかけられる。

 

「今ちょうど、リザードマンの使者が来たらしくてな。会いにいくところだ」

「意外と早かったなソウエイ」

「別動隊が居たのでしょう」

 

 うん? と可愛らしく疑問に思っているリムルに軽く説明をしながら、リザードマンの使者のところに向かう。そこにベニマルたち大鬼族たちも気になる思惑を感じていたのか、同行することになった。

 最早、村の主要人物たちとなった者たちでそこに向かうと、一人のリザードマン、兵士のような格好の者が一人立っていた。

 一人なのかと思っていると、奥から部下を引き連れたリザードマン一行が妙に芝居かかった演出でやって来た。

 

ご尊顔をよーく覚えておくが良いぞ、この方こそ次代のリザードマンの首領となられる戦士!

 

「我が名はガビル! お前らにも我輩の配下になるチャンスをやろう!!」

 

 おおー! いいぞー! パチパチパチパチ!

 ガビルの部下たちは盛大な名乗りを上げた戦士に称賛の嵐を送るが、

 

「はぁ?」

 

 リムルたちは凪の如く、静かにガビル(それ)を見た。

 




だいたい一年ぶりに更新?
まだ待ってくれているヒトがいるかな?
アニメ二期やりはじめたら急にやり始めた作者。アニメは既に魔王となったリムルがクレイマンと戦い始めようとしてる中、やっとリザードマンたちを出したこの作品。
感想やコメントなどでご指摘された通り、サイタマがいることにより原作ブレイクする場面がありますが、そこは二次小説ということもあり、好き勝手解釈しちゃうし改変すると思います。それが苦手な方は読まない方がよろしいかもしれませんね(汗)
でも天スラ好きだから、このまま突き走ると思います。

そこで少し、前もって伝えたいのですが、もしかしたらオリキャラ出すかもしれません。
サイタマの抑止力というか、原作をそのままにしながら進めさせる為のオリキャラ。
サイタマだけ出して欲しかった人には申し訳ありません。
本当に(汗)
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