泥棒一家の器用貧乏   作:望夢

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超絶短くて申し訳ない。


燃えよ斬鉄剣 -後編-

 

 ワニワニパニック(本物)は冷や汗ものだったぜ。

 

 桔梗の情報から陳の屋敷に忍び込んだおれたちは広大な屋敷を足で探すことになった。

 

 ルパンの発信器が使えれば良かったんだが、今回は別行動だからそこも別で周波数がわからないから使えなかった。

 

 だから陳珍ちゃんが楽し気に語った竜の置き物の秘密は聞けないし。ワニワニパニックのところでようやくルパンと鉢合わせたくらいだ。

 

「ルパン!!」

 

 不二子を連れた柘植の幻斎の変装をしたルパンを擦れ違い様に斬って変装を解いた。

 

「五ェ門、敵はあっちだろ!」

 

「どちらだろうと同じこと。竜を返せ」

 

 変装を解くために斬られたルパンが本物の幻斎を指差して文句を口にする。今回はちょっとタイトな五ェ門。目的のためにはどんな手段も辞さない雰囲気を持っていた。

 

「みんな死ねぇ!!」

 

 幻斎が壁の火災報知器のボタンを押す。だがそれは火災報知器ではなく、侵入者撃退様に作られただろう床の開閉ボタンだった。

 

 ルパンが落ちる咄嗟にアンカーを天井に突き刺してなかったら、今頃全員仲良く床下の水路に何故か居るワニの群れの中に落ちる所だった。

 

 ちなみに床が開くのを知っていた自分は床が開く直前でサオリを引っ張って落ちる事を回避した。

 

「ルパン、お主!」

 

「どうってことねぇよ…!」

 

 斬りかかられながらもルパンは五ェ門を見捨てなかった。その事で五ェ門の心に何かか響いたのだろう。

 

「しつこい奴らだ。だが、そこまでだ!!」

 

 幻斎がルパンたちにトドメを誘うと刀を構えるが、此処にはおれも居るのを忘れちゃ困る。

 

「させるかよ!」

 

 素早く引き抜いたマグナムの早撃ちで、幻斎の刀を撃ち落とすと、ワルサーの銃声が響いて幻斎の額を撃ち抜いた。

 

 そのまま幻斎はワニの群れの中に落ちていった。

 

「ふぅ…。助かったぜ」

 

「さすがノワールね。良い早撃ちだったわよ」

 

「あれくらいどってことねぇよ」

 

 さてはて、本当なら幻斎が落ちながら手にしていた刀で服を斬られて巻物が落ちたのを拾う為に勢いを付けすぎた桔梗もワニの群れに落ちる筈だったが。

 

 その原因である刀はおれが撃ち落とした。だから何事もなく桔梗は無事だったが、然り気無く桔梗に睨まれているのは敢えて気にしない。

 

 桔梗が落ちるだけなら手出しはしなかっただろうが、ルパンたちも危険だったからその後の展開が読めなくなっても手出ししたことに後悔はない。

 

 その後は些か定員オーバーになりながら次元が助けに来た車に乗り込んで陳の屋敷から脱出した。

 

 その後はホテルに部屋を取って一段落したが、空気は固い。

 

「それで。竜の置き物についてだけども。ルパンはどうする?」

 

 落ち着いたところでおれから竜の置き物の扱いについて切り出した。

 

「このお宝が大したもんだってのは陳珍ちゃんから直接聞いたから解ったけどもな。まぁ、じっちゃまが盗めなかったコイツを手にしたってだけで満足はしたし。五ェ門とやり合う気もねぇから、五ェ門にやっちまっても構わないぜ」

 

「ルパン…」

 

「そんな、ルパン考え直して! 折角海の底まで行って苦労してまで取ってきたお宝なのよ? あげちゃうなんて勿体ないわ」

 

「とは言ったってなぁ不二子。陳のやろうみたいな危なっかしいヤツが居たんじゃ、下手に処分するより五ェ門に預けるのが筋ってもんじゃないの?」

 

「それは……」

 

 竜の置き物の為とはいえ、手を出した事に負い目のある五ェ門の返事は弱い。

 

 不二子は竜の置き物でどうにか利益を引っ張り出したいらしいものの、陳を例に上げて危なっかしいお宝の処分を腹に決めているルパンを説得するだけの言葉がなかった様だ。

 

「そういうことだ。コレはお前のもんだ」

 

「…かたじけない」

 

 竜の置き物を譲って貰った五ェ門は感謝と共に頭をさげた。

 

 不二子はがっかりと言った様子でルパンをジト目で見つめていた。一先ず解散となったので、サオリと一緒に取った部屋に退散する。

 

「なにか考えてるの?」

 

「ん? まぁな。斬鉄剣以上の合金に興味があるだけさ」

 

 純粋な興味と、そしてこれから桔梗がどう動くのか考えていると、サオリに声を掛けられた。

 

 合金の製法は諦めるしかない。五ェ門を説得する言葉を自分は持たないからだ。

 

 それに桔梗に関しても今は怪しい所もないためどうにもならない。

 

 そう思っていると、遠くでガラスの割れた音が響いて聞こえた。

 

「なに、今の?」

 

「五ェ門の部屋だ!」

 

 位置からして五ェ門の部屋で何かあったのだろう。

 

 ドアを蹴破る勢いで五ェ門の部屋に入ると、窓ガラスは割れていて、外に落ちていく桔梗が見えた。その先には不二子を抱えた幻斎の乗るボートがあった。

 

「桔梗? なんで」

 

「大丈夫か五ェ門?」

 

「うぐっ、竜と巻物を奪われた…っ」

 

 脇腹から血を流す五ェ門に様子を訊ねれば、1度にしてふたつの獲物を盗まれたという。桔梗も良くやるもんだまったく。

 

「おい、どうした!?」

 

 ルパンと次元も五ェ門の部屋に入ってきた。

 

「桔梗に竜と巻物を盗まれた!」

 

「桔梗が!? やっぱりあの女、やってくれちゃって」

 

「ルパン!!」

 

 次元が叫ぶと壁に突き刺さる爆弾クナイに全員の目が向く。

 

「こっちだ!」

 

 下の階へ斬鉄剣で穴を開けて飛び込めば、頭上で大爆発が起きるものの、なんとかやり過ごせた。

 

「どうする? これから」

 

「拙者は竜と巻物を取り戻す」

 

「おれは五ェ門に付くぜ」

 

「わたしも。どうして桔梗がそんなことをしたのか訊きたい」

 

「んじゃ、目的は同じってことで俺たちも行きますか。連れ去られた不二子も連れ戻さにゃ」

 

「しゃーねぇな」

 

 満場一致で桔梗を追うことに決定した。

 

 まだ使えたルパンの発信器で陳の居場所は把握できた。幻斎と合流していたところから桔梗も陳の仲間だとあたりを付けて陳の元に向かった。

 

 そしてたどり着いたのは陳の所有する島だ。もちろん普通の島ではなく、組織の兵器工場だ。

 

 警報が鳴り響いて侵入したのがバレた。

 

 見つかる前に入った部屋に鎖で繋がれた不二子が居た。

 

「五ェ門。そこの鎖を斬ってくれ」

 

「うむ。…てやっ」

 

 鎖を斬って不二子を助けたが、急に部屋に強い明かりが点いて、怯んでしまう。

 

「な、な、な、なんだなんだ? 身体が動かねぇぞおい」

 

「影縫いか、くそっ」

 

 影に刺さるクナイを見てオカルトもいい加減にしろと思いたくなる。なんだよ影縫いの術で身体が本当に固まるって、五ェ門の影の中から幻斎も出てくるし、ナルトかよ!

 

「フフフ、そうよ。伊賀に伝わる影縫いの術だよ。一緒に修行したじゃないか、五ェ門、サオリ」

 

「くっ、桔梗、何故裏切った!」

 

「裏切ったわけじゃないよ。最初からこういう筋書きだったのさ」

 

「てぇ事は。あの竜がタイタニックの中にあるのを陳に教えたのはお前なんだな」

 

「フッ、そうよ」

 

「くっ、なにぃ!」

 

「あの伊賀の忍者屋敷から竜を盗み出し、アメリカに売り込みに行った男こそ、アタシの曾祖父なのさ。それを知った時、アタシの望みは竜を手に入れて世界を屈服させることだった。際限なく金の引き出せる陳というパートナーを見つけて、ついにそれが実現するのさ。フフフ、ハッハッハッハッ」

 

 実に悪党に似合いな高笑いを上げる桔梗にサオリは信じられないと言った表情を浮かべていた。

 

「そんな。そんなことのためにみんなを騙していたの、桔梗」

 

「アンタも甘ちゃんだねサオリ。目的のためなら手段を選ばないヤツなんてごまんと居るのさ。さてノワール、サオリを殺されたくなかったらアタシたちに協力しな。アンタの持つ斬鉄剣の製法を陳が欲しがってるのさ」

 

「なるほど。おれを襲ったのはその為だったか。サオリに近づいたのもその為か?」

 

「それは単なる偶然さね。まぁ、判ってからはってヤツさ」

 

「はん。外道め」

 

 サオリを人質に取られ、斬鉄剣の製法を寄越せと言われたらノーと言いたいところだが、影縫いで身動きが出来ないんじゃどうにもならない。

 

 部屋の壁が上へ上がって開いていくと、そこには陳と椅子に拘束された不二子が居た。

 

「ルパン!」

 

「あの爆発でも死なないとは。中々しぶといですねルパンさん」

 

「爆風ってのはな。主に上と横に広がんだよ。下に逃げさえすりゃどうってことないのよ」

 

「フフフ、なるほど。お陰で諸君は歴史の証人となれたのだね。見たまえ、たった今完成した私の最高芸術品を」

 

 そうして見せびらかしたのは一機の白いステルス爆撃機だった。縁が刀の刃の様に鋭くなっているという特長が見て取れる。

 

 不二子の椅子がルパンたちの方へ流れて行く。自分とサオリは桔梗と幻斎に連れられて陳の元へと歩かされた。

 

「残念ながら此処で第1部のエンドマークだ。君たちが第2部を見ることはない」

 

「どうかなぁ? 第1部の終わりで、大どんでん返しがあるかもよ?」

 

「フハハハ! 世の中そう甘くはないですよルパン。もう幕が降りる」

 

 どんでん返しを予告するルパンに陳が答えたあと、頭上から壁が降りてくる。なにやらガスを伴って。

 

「ちょ、ちょっと、なによ!」

 

「そのガスを嗅ぐと誰でも狂暴になる。そして互いに殺し合う。地獄の苦しみを味わうが良い」

 

「クソっ」

 

 ルパンが悪態を吐くが、身動き出来ないのではどうしようもない。

 

「イヤよ! 助けてミスター陳! なんでも言うこと聞くから」

 

「私も残念だよ。君には時間をやったつもりだがもう手遅れだ。このステルスでニューヨークを地図から消して来なければならんのでね。そうなれば世界中がパニックに陥り、全人類が私の前に平伏すだろう」

 

「ハーッ!!」

 

 陳の言葉が終わると、幻斎が気を送ってルパン達が壁に叩き付けられる。不二子の拘束も解かれたが、下がっていた壁は完全に降りてしまう。

 

「はじめましてノワール君。君ともゆっくりと話したかったが、それは事を終えてから改めてするとしよう」

 

「ルパン達を甘く見ないこったぜ陳さんよ」

 

「無駄なことだ。あのガスを吸って今まで生きていた者は1人もいないのだから。幻斎、あとは頼んだぞ」

 

「はい」

 

「それじゃあね、サオリ。ニューヨークを消したらまた会いましょう」

 

「桔梗…」

 

 陳と桔梗はステルスに乗るために去っていった。陳の部下に拘束されて銃も取り上げられて別室に監禁されたが、直ぐに騒ぎが起こった。

 

「なんの騒ぎ?」

 

「そりゃ決まってるだろ」

 

 服の首襟の裏から針金を出して即席の鍵を造り出す。電子ロックとかじゃなくて助かったぜ。見張りも出払って堂々と鍵を開けて奪われた武器も取り返す。

 

「な、お前たち!」

 

「おせえっ」

 

 戻ってきた見張りが銃を構える前に撃ち落として、さらにおまけで頭に剃り込みを入れてやれば、見張りはその場に倒れた。

 

 監禁されていた牢屋から出て走っていると、ルパンと出会した。

 

「ルパン!」

 

「おー、子犬ちゃんに子猫ちゃんじゃないの。無事脱出出来たか」

 

「子犬じゃねぇよったく」

 

「え、えーと、にゃ~?」

 

「素直に反応すな。それで? 爆弾仕掛けてとんずらか」

 

「おうよ。今次元と五ェ門が囮になってドンパチ中よ」

 

「ノワール、サオリも無事ね。良かったわ」

 

 爆弾を仕掛け終わった不二子とも合流できた。

 

 あとは陽動で暴れてる次元と五ェ門と合流して逃げるだけだ。

 

「爆弾をセットした。急げ!」

 

 退散しようとしたおれたちの前に幻斎が現れた。

 

「此処は通さん!」

 

「通さんって、爆弾が」

 

「ルパン、此処は拙者が」

 

「待て五ェ門。お前は最後の切り札だ」

 

「そういうことだ。此処はおれがやるよ」

 

「おう、やったれ」

 

「気をつけて、ノワール」

 

「頑張って」

 

 声援を受けながら後ろ腰の小太刀をいつでも抜けるように構える。

 

「アンタが最後の幻斎か?」

 

「フフン。今までの影とワシは一味違うぞ?行くぞ、でやああああっ」

 

「ちぇりおおおおっ」

 

 引き抜いた小太刀は一撃で幻斎の刀を切り裂き、返す刃は峰打ち、それでも倒れない幻斎の顎を蹴り上げ、たたらを踏ませたところに素早く真っ向から唐竹割り。勿論峰打ち。

 

「ちぇぇぇすとおおおおっ」

 

 それでも倒れない幻斎を返す刃で斬り伏せた。

 

 殺さないと止まらないなら殺すしかない。不殺も絶対守らないとならない縛りじゃないってわけだ。

 

「さて。あとはステルスを片付けるだけだな」

 

「あとはそうだな。不二子、子猫ちゃんと別口で脱出してくれ。俺たちは陳を追って来る」

 

「あの飛行機でこの人数じゃ定員オーバーですものね。解ったわ。こっちは気にしないで行ってちょうだい」

 

「みんな気をつけて」

 

 不二子とサオリは別で脱出して貰うことになった。おれたちの方はルパンの複葉機で陳のステルスを追う事となった。

 

 斬鉄剣の因縁、ケリを付ける為に。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 陳のステルスが大西洋艦隊を相手にした事で複葉機でもなんとか追い付いた。挨拶代わりのミサイルをお見舞いしたがてんで効いてなかった。

 

「ミサイルのご挨拶はてんで効いてねぇみたいだな」

 

「そんじゃまぁ、切り札の出番と行きますか? 斬鉄剣でアレが斬れるか?」

 

「斬る!」

 

「相手は技量もヘチマもないただの飛行機だ。勝算があるとすればその人の技だぜ五ェ門」

 

「うむ」

 

 五ェ門が複葉機の羽に登る。おれは座席の間に陣取って機を待つ。

 

「ノワール、お主なにを」

 

「コイツも一応は斬鉄剣だ。おれを狙った借りは返さねぇとな。ルパン、風の隙間を縫うから上から仕掛けてくれ!」

 

「オーライ。頼むぜ五ェ門、ノワール」

 

 ルパンが機首を上げて複葉機を上昇させる。そして木の葉落としの様に機体を翻してステルスの上から急降下する。

 

「やべぇ撃ってきた!」

 

「行くぞっ!!」

 

「応とも!」

 

 ステルスが機銃を撃ってくるが、複葉機から飛び出してその中を切り抜ける。

 

 五ェ門の太刀筋をさらに深くする様に同じところに刃を差し込む。鉄の擦れる甲高い音に耳を苛まれながらも一撃を切り抜けた。

 

 そしてボロボロの複葉機に降り立つ。

 

「手応えは?」

 

「ある。次で勝負だ」

 

 斬鉄剣を握るもの同士。五ェ門の言葉に返して手応えを伝える。

 

 3度目で斬れたのだから今2発入れた状態だ。あと一撃でステルスは斬れる筈だ。

 

「陳のやろう。まーた厄介なのだしやがって」

 

 機銃では仕留めるのに確実ではないと判断したのか、ステルスから赤外線ホーミングミサイルが発射されたのだった。

 

「掻っ捌いたところにあのミサイルをぶつけて撃ち落としてやるんだ。ルパン!」

 

「わぁったよ。んじゃ正面から行くぜ!」

 

 機体を旋回させて正面にまわる。五ェ門も次の決着に意識を研ぎ澄ましている。

 

 ステルスが再び機銃を撃ってくるが、それを五ェ門は弾き落とす。

 

「勝負っ!!」

 

「いけぇぇえええっ!!」

 

 五ェ門と同じタイミングで飛び上がり、先程と同じ場所に刃を立てればすんなりと刃が沈んで行く。

 

 勝負あった。

 

 コーンッと音を立ててステルスは真っ二つになり、そこにステルスから放たれたミサイルがやって来て爆発した。いくら頑丈でも中身から焼かれたら一溜りもないし、そもそももう斬鉄剣で斬られたステルスの運命は終わりだ。

 

「むっ、桔梗…!」

 

 爆煙の中から桔梗の姿が現れた。至近距離でミサイルの爆発を身に受けたのだ。もう手遅れだ。

 

「桔梗ーーーーーっ!!」

 

 五ェ門の悲しい叫びが桔梗の名を呼ぶ。

 

「一寸の狂いもなく同じところを斬った五ェ門とノワールの技の勝利よ」

 

「絶対沈まねぇ筈のタイタニックが沈む海に、絶対撃ち落とされねぇステルスが墜ちるか」

 

「桔梗。曾祖父さんのところへ行って、ゆっくりと眠りな」

 

 今回もどうにか終ったと思いながら軍用ヘリに乗ってやって来たとっつぁんから逃げることになった。

 

 此処でエンディングに入って、中々良い歌だったと思い出しながら、パッパに席に戻れと勧められたが、その席は下がこれから外れるのを知っていたから遠慮した。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 桔梗が死んだことをノワールから告げられて、それでもわたしの心の痛みはほんの少しだった。

 

 むしろ自分の手で決着をつけられなかった残念さが込み上げて来るほどだった。わたしはそんなに薄情だったのかと自分で驚いてしまう。

 

 いや、たぶんそれは桔梗の事よりもノワールの事が気掛かりで仕方がなかったからだと思う。

 

 わたしがいつから騙されてたのかなんてあまり興味はなかった。

 

 でもノワールを襲ったのは許せない。そしてノワールの事をペラペラ喋ってしまった自分も許せない。

 

 ノワールは許してくれたけれども、やっぱりわたしが余計なことを言わなければ良かったと思ってしまう。

 

 ノワールに嫌われたくない、捨てられたくない。

 

 だからノワールに害が及ばないように言葉に気をつけようと思った。

 

 

 

 

 

to be continued…


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