---相沢祐介---
クリスマスが徐々に近づいて来た。麻衣がトークショウの構成を考え始めた頃、俺は悟さんの元を訪ねた。
「どうしたのかな?問題でも起きたのか?」
俺のことを、心配してくれる悟さん。
「養子縁組しても、母さんは母さんで良いんですよね?」
「勿論だよ。相沢夫妻に感謝しているし。今まで通りで良いんだよ」
「じゃ、俺の養子縁組を進めて下さい。悟さんに渡せるプレゼントって、こんなことしか無いから…」
「そんな素晴らしいプレゼントを貰えるのか?」
「本当にこれくらいしか、恩返しができません」
「だから、恩と思わないで良いのだよ。私も伊集院も君のことを甥だと認識しているから」
「伊集院さんには、どうしましょう」
「君が元気で育つことが、一番嬉しいんじゃないかな?」
それだけでいいのかな?
---羽島伊月---
ディナーショー…来週かぁ…
「ねぇ、兄さん、訊いている?」
「あぁ、すまん、妄想していた」
ちっひーと二人きりの部屋。彼女に何かしようという気は起きない。俺にとっては弟だし。
「じゃ、ディナーショーの後は、祐介君の部屋でパーティーだよ」
「分かっているって」
「みゃーさんも、一緒にだよ」
「大丈夫だ。みゃーに連行されるんだろうから」
春斗はアヘ顔先生とお付き合いをしているようだ。あの巨乳感がたまらないって、自慢されたし。二人で聖夜を愉しむらしい。
「ところで、ちっひーは祐介のことを、どう思っているんだ?」
「どうって…う~ん…」
ちっひーがモジモジしだした。うん?俺の部屋だからモジモジしていた訳では無く、祐介といたからでは無いのか?そうなると、勘違いしているのは、俺でなくて、祐介の方である。
「いいお友達かな…」
「友達でいいのか?」
「麻衣さんがいるんだよ、祐介君には…ボクは祐介君を護れなかった。結果、祐介君はボクのクラスからも追い出されてしまったんだよ」
哀しそうな顔をするちっひー。
「う~ん…ソース顔が好きなのか?」
「そういう訳では…たまたまだよ。どこか兄さんに似ているし…」
好きなことを否定しないちっひー。うん?待てよ。俺もソース顔って言えば、そっち系か?
「祐介は俺の代わりってことは無いよな?」
「えっ…それは…」
真っ赤な顔で俯くちっひー。おいおい…否定しないのか。まいったなぁ~。
「兄さんも祐介君も好きだよ…同じくらいに。祐介君を兄さんの代わりって思ったことは…」
肝心な部分になると真っ赤になって俯くちっひー。
「俺と寝るか?」
それは俺の最後の賭けであった。お願いだ、拒否してくれ、ちっひー…
「いいの?」
断らないのか?どこか、嬉しそうなちっひー。俺は自分で自分の首を絞めている気がしてきた。
---相沢祐介--
伊月さんに呼び出された。何かをやらかしたようだ。梅をみゃーさんに預けて、急いで伊月さんの家へ向かった。
「悪いなぁ。来てもらってさぁ~」
どこか神妙な面持ちの伊月さん。深刻そうな問題なのか?
「いえ…で、何をやらかしたんですか?」
「う~ん…」
ふと、ゴミ箱に目がいった。ゴムを使用した形跡があった。誰かと部屋でヤッタのか…みゃーさんでは無い。普段通りだったし。那由多さんかな?しかし、もう1つの選択肢が、脳裏に浮かんだ。固まる俺。この言い淀み感…まさか…
「義妹と?」
「なんで、お前は、そういうのを理解するのが早いんだ」
ちっひーと寝たのか…
「無理ヤリ?同意の上?」
「同意の上だよ。今朝、嬉しそうに帰っていったよ。お前の読み通りだ。お前は俺の代用品だったらしい」
やはり…そうなると、俺は麻衣にとっても、代用品なのかな。あの日、あんな状態にならなければ、麻衣とは出会ってはいなかったし。悟さんにしても、伊集院さんにしても、俺は代用品なんだろう。
俺は本物では無く、代用品に過ぎないのだ。まぁ、汚物よりは出世したかな。
「なぁ、俺はどうすれば良いと思う?」
ヘタレな伊月さん。
「結婚すれば?両親が変わらないし、問題は両親の気持ちだけだし」
「そうなるよな。ちっひーのあんなに喜ぶ顔って、見た事なかったし」
「じゃ、クリスマスパーティーは婚約発表かな?」
「おい!まだしないぞ」
「春斗さんとWピース先生も順調なようだし」
「祐介はどうなんだ?」
「梅が治らないと無理ですよ。遥はあんな感じだし」
「麻衣がいるだろ?」
「麻衣にとって、俺は代用品なのかなって。俺と出会わなかったら、誰と付き合っていたのかなって…興味無いですか?」
「お前、人に好かれ慣れていないのか?麻衣は祐介に一途だぞ。遥は怪しいけど」
「伊月さんの言うように、好かれ慣れていないんですよ。俺は汚物ですからね」
汚物を好きな人はいないと思う。
◇
伊月さんに、明るく話したものの、孤独感が俺に襲い掛かって来た。このまま、消えたい。そんな気になる。どうするかな。消えるか?でも悟さん達に迷惑が掛かりそうだし。俺はきっとカゴの鳥かもしれない。自由に飛べるのは妄想と作品の中だけなんだろうな。そうだ、梅が残ってしまう。いっそ、梅と一緒に消えるか?
「祐介君!」
誰かに呼び止められた。振り返ると詩羽さんがいた。
二人で、詩羽さんの定宿に向かった。週末に缶詰になる為の宿だと言う。
「たまには違うホテルもいいんじゃない?」
って、二人でチェックインをした。部屋に入ると、詩羽さんが抱きついて来た。
「私をオトしてみなさい」
って、挑発的である。なにかの取材か?
「俺は一度も、口説きオトしたことは無いですよ。麻衣の時は成り行きだし、遥には振られたし」
詩羽さんの香り…良い香りだ。胸も気持ちいい。妄想の世界へと旅立つ俺。
---霞ヶ丘詩羽---
挑発しすぎたか…ベッドに押し倒された。制服を着たまま、下着だけを脱がされた。彼は全裸になり、前戯なしで…そんなシチュエーションが、私をメスにしていく。彼のモノを頬張り、自分で自分の準備をしていく。そして、スカートを捲られて、バックから突かれた。力強い、振動が脳ミソさえも揺らしていく。性行為って、こんなに気持ちがいいの?
これが私にとっての初体験である。今まで自慰だけだった。制服の裾から手を入れ、胸を揉まれている。それも突きながら…制服が汚れちゃ…
意識が朦朧としている。頭部に袋を被せられて、どこに吊り下げられている。両足を広げられ、突かれている。見ない恐怖、想像するプレイ内容。それだけでも、私の身体は感じ捲っているのに、更に力強く突かれている。恐怖と快楽は紙一重か?いい勉強になったわ。
やられているだけなのに、体力がもう無い。こんなに疲れる行為なのか。未だ、彼の行為は終わらない。気に入って貰えたようだ、私の身体を…全身の筋肉に力が入らない。もう、祐介君専用のダッチワイフ状態なのかな。下半身の感覚が薄れていく。
◇
朝日を浴びながら、祐介君の上で踊っている。彼は疲れて寝ているけど、足り無い私は、彼の身体で愉しんでいた。彼により、前後の穴それぞれを初開通された。その上、前後の穴に出された。注入された物が逆流する感覚が気持ち良い。クセになりそうだ。これはこれで、新たな発見である。
「まだ、やっているの?」
「ユースケ中毒かな。もっと欲しいの…」
「溜まり過ぎだな。適度に抜かないと」
「じゃ、適度に抜いてね。今後も…」
その日、祐介との性行為により、学校を休んだ…
---相沢祐介---
部屋に戻ると、梅が走り寄り、頬を重ねて来た。
「お兄ちゃん、おかえり~」
「泣かなかったか?」
「うん、梅、小学校5年生だもの。泣かないよ」
中学3年生の筈だが…
「麻衣は?」
「おしごと」
「みゃーは?」
「おしごと。一人でお留守番出来るんだよ。エラいでしょ?」
「あぁ」
梅の頭を撫でてあげた。
昨日の15時頃チェックインして、今日の10時頃のチェックアウトって、どんだけやったんだ?腰が抜けない詩羽さんは、熟練しているなぁ。
仕事部屋に入り、仕事をしていく。取り敢えず、詩羽さんとのプレイで、気づいたことをメモしていく。今後の作品に生かす為でる。そう、女性とスルことは、取材でもあるのだ。
「お兄ちゃん、お腹減ったよ」
って、梅。時計を見るとお昼であった。
「食堂へ行くか?」
「うん」
---永見涼花---
兄さんが、私に土下座をしていた。
「なぁ涼花、新作を書いてくれよ」
って。担当者からも、あの女王様からも、新作の催促を受けたそうである。
「兄さんが、自分で書けばいいでしょ?永遠野誓のペンネームは兄さんに差し上げます。あの女王様との婚約祝いでね!」
週末、お兄ちゃんと過ごしている間、兄さんはあの女と知らない女を、家に連れ込んでいたのだった。
「不潔です」
金曜の夜に綺麗にした台所が、日曜の夜には、ゴミ溜めようになっていたのだ。
「舞は料理しないから…」
「ゴミの分別くらい出来るでしょ?!」
ゴミ箱にはゴミ袋無しで、ダイレクトにゴミが入っていた。ゴミ袋を入れて置いたのに…
「兄さん、反省するまで、書けません」
いや、新作をお兄ちゃんの部屋で書いている。違うペンネームで、お兄ちゃんの出版社から出して貰えるそうだ。
「では、自分の部屋に戻ります」
これ以上の激怒は精神衛生上、良く無い。あぁ、お兄ちゃんに逢いたいなぁ。週末が遠い…ベッドに横になり、お兄ちゃんを思い浮かべ、自慰をちょっとだけ…
---永見祐---
マズい。涼花を怒らしてしまった。食事を作って貰えないし。どうする?洗濯もしない宣言されたし。どうする?マズいだろう。
ゴミ箱のゴミ袋は舞が捨てた。ゴミの日では無いのに…翌日、ゴミ袋をセットせずに、ゴミを投げ込んでいた。舞の気迫に圧され、注意出来なかった俺。
一番、怒りを買ったのは、舞のSNSの投稿である。永遠野誓とお付き合いしていると、投稿してしまったのだ。涼花の怒りは頂点に達した。
どうするかな…俺には涼花のような文才はないし。そもそも、妹萌えしていないし。妹好きの人に相談するか。そうだ!妹物の大家の羽島伊月先生に、教えてもらうかな。
と、言っても、俺には伊月先生とのコネが無い。どうするか?舞に相談出来ないし。
もう一度、涼花に謝る為、涼花の部屋へ…部屋の中は静かであった。もう寝ているのか?耳を澄ますと、涼花の喘ぎ声がする。なんとの色っぽい声である。一人エッチをしているのか?なんか、ムラムラした俺は、一瞬の気の迷いで、涼花の布団へ入り、スキンシップを試みた。
「え!何をするの…やめてよぉぉぉぉぉ~!」
抵抗する涼花。力で勝る俺。
バチーン!
頬を一発叩くと、静かになった涼花。ビンビンな俺と一人エッチで準備が出来ている涼花…こんなに気持ちがいいんだ。涼花の身体って…
---永見涼花---
私の上で兄というケダモノが寝ている。私はケダモノに喰われた。お兄ちゃんだけって、決めていたのに…私の心をことごとく粉砕するケダモノ。ケダモノは安眠しているので、起こさないように抜け出し、家出の準備をして、家を出た。そして、家の外から、親に連絡をして、昨晩の出来事を訴えた。その上で、今後知り合いの家にルームシェアすることを、一方的に伝えた。
足はお兄ちゃんの部屋へ向かっていた。お兄ちゃんの部屋に置いて貰う為である。
「どうした?」
平日の昼間の訪問で、私の訪問に驚いていた。事情を話した私。優しく抱き締めてくれたお兄ちゃん。
「そうか…じゃ、梅と同室でいいかな?」
「わかりました。梅ちゃんのお世話係ですね」
「いいかな?」
「家賃の代わりになるか、わかりませんけど、承ります」
精一杯の笑顔をお兄ちゃんへ向けた。優しく抱き締め、頭を撫でてくれた。心の重荷が減っていく気分である。
「訳有り女性の逃げ込み寺みたいになってきたわね」
って、麻衣さん。
「困っている知り合いは、助けてあげたいんだよ?ダメかな?」
「ダメじゃない。私もその一人だから。じゃ、仕事に行ってくるわね」
「あぁ」
麻衣さんが、仕事へと出掛けた。今日の仕事はディナーショーの打ち合わせで、ホテル内だと言う。