ついでに本編始まる前に力尽きたよ…これもアレも全部スルトくんが魅力的なのが悪いよ~(責任転嫁)
──ああ、オレの最期はいつも、この
世界を滅ぼす為に産まれた
産まれた瞬間から世界の敵として、恐れられ、怨まれ、怒りの目をもってオレを殺そうとしてきた。襲い来る神々の群れ。無力ながら何かを成そうと足掻く人間共。オレが何かをしようとせずとも彼らはオレを殺そうとしてきた。──だから、燃やした。近づく奴等を残らず燃やし尽くした。
──何故世界を焼く。
そんな事、オレが知ることか。
──何故、我らを滅ぼそうとする。
そんな事、オレが知ったことか。
何時だったか、神々の残り滓がそんな事を言っていた。
ああ、そうだ。オレは何も知らない。生まれ、意識を持った時から燃やす事以外、何も知らない。美しい景色も、言葉を交わす意味も、……心と言うモノも。
オレには何もない、何も。
ただ燃やすことしか知らないから燃やした。この力があるから星を滅ぼそうと言う、理由も意味もない単純な行動だった。
オレに在るのは全てを燃やすこの炎の体と、燃える大地、崩れ落ちる世界。そして、先程まで命だったものの燃え滓。オレの目に映る景色は何時も変わらず、炎だけだった。
焦燥感に駆られ、あの氷の獣を喰らい、大神を消し去っても、何も変わりはしなかった。
ああ、オレには、何もないのか。
力は有った。
全てを焼く炎の体も世界を滅ぼす炎の剣も。
けれど、たったそれだけしか無かったのだ。
その思考の隙を狙って、最後の力を振り絞った大神の力により肉体は太陽として
──ああ、呆気ない最後だったな。
破壊を続けた炎の巨人は、偉大な神により終止符を打たれたのだ。人々は歓喜に湧き、唯一生き残った、ただ一柱の女神を残し、けれど誰もが明日に希望を見出だした。
失ったものは多いけれど、ここからがようやく始まりだ!と、笑って。
──けれど世界は、その奇跡の様な勝利を遂げたこの世界に見切りをつけた。
まるで全てが無駄だったと告げるように、無価値に、世界は閉じようとしていた。
────……ああ、下らない。人間も、神々も、巨人も、このオレも、全ては無価値だったのか。
それは失望だったのか。それとも絶望だったのか。偽なる太陽に揺蕩う火炎を大本とするモノは、体の炎が燻るのを感じながら世界が閉じるのをただ見守っていた。
そして全てが終わる瞬間、ふと誰かの視線を感じた。
「…………誰だ。」
返ってくる声はないと知りながらも、気が付けばそんな言葉を口に出していた。しかし、返ってこないと思っていた問いに、声が届いた。凛々しくも、弱々しく、小さな存在に感じる女の声だ。
「……私は、──────。」
その瞬間、その奇跡を、オレは決して忘れないだろう。
初めてオレの目を見てくれたヒトだった。その目に恐怖は無く、また怒りも憎しみも無かった。
──そんな目を向けられたのは初めてだった。
「──そう、じゃあ。私達は一緒だわ。」
「……一緒だと?…炎の化身たるオレと、脆弱な人間の貴様が」
「ええ、そうよ。世界を救おうとして、何も成せないまま炎に包まれ死んでいく女と。世界を滅ぼそうとして、何も成せないまま炎として死んでいく貴方。」
不思議な人間の女だった。オレよりも遥かに弱く、この炎の体に触れること無く近づいただけで死んでしまいそうな存在は、笑いながら初めての同類に会えた喜びの声に満ちていた。
────そうか。この女もオレと同じく、巨大な力を持ちながら、その力を振るう意味も理由も見出だせなかった存在なのか。
「……女、貴様の名は何と言う。」
「──私の名前はオフェリア。オフェリア・ファムルソローネ。」
このヒトとの会話は不思議と嫌ではなかった。あれほど荒れ狂っていた炎の体は凪いでいて、今までの様な苛立ちから来る熱ではない、けれど満たされる熱を彼女から感じたのだ。こんな感情は初めてだった。だから、この感情のままに彼女に何かをしてあげたくて、けれどオレには破壊しか無かった。この名前も分からない衝動のままにオレはオレの持てるもの全てを見せてあげることを、誓った。
「──オレの名はスルト。炎の身体を持つ巨人の王スルト。女、オフェリア。もしも、もう一度貴様と相見える事が有るならば──」
そんな有り得ない夢を言葉に乗せて放つ。互いに
「──貴様に星の終焉を見せよう。オフェリア。」
それがオレがお前にあげられるモノだから。
そして、奇跡は起こった。
巨人王スルトと人間の魔術師オフェリアは再会を果たした。オレは歓喜に震え、生まれて初めて、オレがオレとして産まれてきた事に感謝した。
忌々しくも別の身体での再会ではあったが。オレ本来の肉体は偽の太陽として大神の牢に閉じ込められている為にそう易々と持って来ることが出来なかったのだ。
それから様々な事が起こり、ようやくオレの
…けれど、ヒトと巨人。生命と破壊の化身ではどうあっても分かりあえるものではなかったのだ。
大神の牢を破り、炎の巨人として復活したオレの前には死して青ざめていくオフェリアの姿があった。…彼女は命を全て使ってオレを殺そうとしてきたのだ。
何故、何故、何故。
オレの中で疑問が頭を占める。オレの身体を英雄達と盾を持った混ざり物、そして無力な人間が攻撃してくるがそんな事はどうでも良かった。
オレにとっては何故オフェリアはオレを殺そうとしてきたのか。
ただ、その答えが知りたかった。
ふと、あの間男のアーチャーを思い出す。あの男の宝具『可能性の虹』を見てから彼女はオレを殺そうとしてきた。……可能性。それはオレには無いものだ。炎しかないオレは可能性と言う多様性は無く、ただ破壊しか出来ない。
……つまり、彼女は、オフェリアは
その答えはとても納得の出来るものだった。
生まれた瞬間から存在を否定されてきたオレは、同じだと、そう言ってくれた彼女にすら拒絶された。
──けれど、それは意味があった。
……ああ、そうか。世界から拒絶されたこの世界は、ただ
彼女の決死の行動は、世界に失望したオレに答えを出してくれた。…また彼女からオレは貰ってしまった。
────ピキッ
炎の巨体を形作る霊核に今まで無視してきた英雄達の攻撃が遂には届いた。
「──ぐぅ……っ!!」
このチャンスを逃すものかと雑魚共が一斉に攻撃してくる。
──ピキッピキッピキッ
────ああ、オレの最期はいつも、この
世界から拒絶され、他の生命から存在を否定され殺される。孤独で空虚な最期。
炎の体から熱を奪われ、四肢は徐々に動きを止める。
けれど、世界が閉じようとしていたあの時とは違い、オレは何処か満足していた。
あの時、命を懸けた神々の戦いに意味はあったのだと。
…命を懸けたオフェリアの生に意味はあったのだと。
ただ一つ悲しいとするなら、結局
オレが倒れこの世から消える瞬間、盾持つ混ざり物の隣に立っていた人間がオレを見ていた。あの矮小な生物は世界を救いに来ていたのだったか。
──そう言えば、オフェリアも最初は世界を救おうとしていたと言っていたな。
……もしも、またもう一度が有るのなら、次は
──そうしてオレは世界から消えた。
はずだった。
「………………………………。……………………………………。…………何だ、これは。」
またしても英霊シグルドの体を借りて
続かない。続きがないとも言う。fate×オーバーロードの小説誰か書いて下さい!何でもしますからぁ!