その日、テュリウス将軍やスカイリム諸侯、連合軍将兵が見守る中、セラーナは群集の眼前で黒い太陽を射った。アーリエルの弓から放たれた太陽神の矢は、漆黒の太陽を見事に射抜き、再び世界に明るい昼を齎した。
ソリチュード陥落、そして太陽の復活によって、3年に及び世界中を巻き込んだ第2次レッド・ダイヤモンド戦争は終焉を迎えた。エルフ、人間、吸血鬼、ドラゴン。あらゆる種族が分断され、団結し、破壊と殺戮によって世界中を荒廃させた世界大戦がついに終わったのである。
そしてタムリエル皇帝の座を巡る醜い権力闘争が行われることになりそうなものなのだが、事はあっさりと決着が付いた。太陽を蘇らせ定命の世界を取り戻したセラーナを、人々は救世主と称え始めたからだ。セラーナが自らポテマに止めを刺したことも、その座を射止めるに十分な貢献と言えただろう。少なくともスカイリム上級王バルグルーフは、元老院に対し、スカイリムはセラーナの戴冠に関して好意的な立場を取るとの意見を表明した。
この議題はインペリアル・シティで再建された元老院で、三日三晩議論が続いた。と言ってもセラーナの主な対立候補はメイビン・ブラック・ブライアか、今は無きサルモールのオンドルマールくらいだったため、セラーナの皇帝就任は最初から決まっていたようなものだった。この戦争で最大の貢献をした者は誰かと言えば、疑う余地もなくセラーナであったからだ。ドーンガードを率いていたイスランや、戦術的な貢献が大きかったリディアやジョディスもその地位を主張できるかもしれない立場にはあったが、彼らは帝位には無関心で、政治に関わることを拒絶していた。セラーナも政治に積極的に参加することは望まなかったが、民衆、とくにスカイリム市民からの支持は厚く、ストーム・クラウンを巡る再びの内戦を回避することが出来るならと、その地位を引き受けることにしたのだ。
戴冠式は翌年、第4期203年星霜の月、白金の塔で行われた。アレッシア以前のノルドであるセラーナが、タムリエルの最も新しい皇帝として君臨することになったのだ。ポテマによって統一された帝国は、セラーナによって引き継がれ、タムリエルには再び平和な日々が戻ってきた。壊滅したサルモールはオンドルマールが一応復興させたが、彼はセラーナとの争いは望まず白金協定も自ずから白紙化されたため、新帝国では信教の自由が保障されることとなった。
後世の歴史家は書き記した。『ドラゴンボーンが復活させたのはポテマではない。タムリエルの救世主、聖セラーナなのだ』と。
2014年くらいに書き始めたものなので読み返したらいろいろと矛盾している……
まあこれはどこかの誰かが書いた架空の歴史書なので史実とは一切無関係です