読んで頂いた方の中には、これじゃない感を覚える方もいるかもしれませんが、作者にはこれが限界です。
許して下しさい
小さいころ私の故郷は無くなった。あの日、叔父さんの牧場で牛の出産のお手伝いをして町を見に行くと言った時彼と喧嘩した。そして、泣きながら叔父さんの牧場に行って帰って来た時には、故郷は無くなっていて、お父さんとお母さん。村の人たちは誰もいなくなっていた。中に誰も入っていない棺を埋めて、お葬式をしたことは覚えているけど実感なんて無かった。その後は、叔父さんの下で暮らしながら牧場のお手伝いをしてたっけ。ある日、牧場の外を歩いている全身鎧姿の彼を見た時は嬉しかったな。あの日以来会えてなくて、死んじゃったと思っていた彼が生きていたことが嬉しくて、同時にまた会えなくなることが恐ろしくて必ず帰ってきてとお願いしちゃった。そして、彼は帰って来てくれた。住む場所がないという彼が牧場にいるように叔父さんにお願いしたら、すごく渋られたけど泣きながらお願いしたら許してくれたっけ・・・。
でも、村で一緒に遊んでいた時の様にはいかなかった。彼は、ゴブリンを殺すことを目的として生きていたから、冒険をしに行ってボロボロになって帰ってくることも多かった。それなのにあまり休まずに、時にはそのままゴブリンを退治に行くこともあった。全く心配するこっちの身にもなってほしいというものだ。でも、一緒に暮らし始めて分かったこともある。彼は、あのころのように明るくはなくなってしまったが、本質は全く変わっていなかった。口数は少なくなっても、言葉に詰まると話題を変える。言葉が出なくなると黙り込む。昔から変わらずシチューが好きだってことも分かった。私にはそれがたまらなく嬉しくて、彼に絡むことが増えていった。最も、彼はあまり反応してくれないんだけどね?
彼と暮らし始めて2年くらい経ったときに、あの日何があったか彼に聞いてみた。彼が怒るんじゃないかって思ったけど、意外にも言葉を荒げることもなく、しかし淡々と語ってくれた。あの日ゴブリンに襲われていた彼と彼のお姉さんを助けてくれた人がいたのだという。その人は、冒険者の位階で最上位に位置する存在で、畏敬をもって「生きる伝説」と呼ばれるほどの人だと言うのだけれど、私としては、彼のお姉さんが生きていたということの方が重大だった。だって、私も彼のお姉さんにはよく面倒を見て貰っていたし、あの日も彼と喧嘩した時に仲裁してくれたのはお姉さんだったから。彼が一度も口にしなかったからてっきり既に亡くなっているのだと考えていたらこれだ。流石に彼に詰めよっちゃったっけ。
「もう!どうして君はそういう大事なことを聞かないと教えてくれないのかな!?」
「む・・・。すまん」
「すまんじゃないよ!私てっきりお姉さん死んじゃったんだと思ってたんだよ!?生きているなら挨拶とか君がここで暮らしていることとかいろいろ伝えることがあるのに!」
「大丈夫だ。姉には既に伝えてある」
「だから!そういうことじゃなくて!わ、わたしだってまた会いたいの!!」
こんなやりとりが有ったのだけど、後半はもう私が泣きながら彼に言葉をぶつけ続けていたから会話というのはおかしいかもしれない。彼も彼で、泣いている私に対して言葉を掛けることもできず、かといって話題を変えることもできずで困惑しながら受け入れていたのだと思う。
・・・。今思い出してもやっぱりこれは彼が悪い!だってこんな大事なことを私が聞くまで教えてくれなかったのだから、ある意味当然の結果だったのだ!誰が何と言おうと私は考えを変えないよ!
こんなやりとりが有ったからか、次に牧場の品をギルドに納品に行ったときに彼がお姉さんがいるという神殿に案内してくれた。今でも綺麗とは言い難い薄汚れた全身鎧の冒険者と汚れてはいないが、なんども着てすっかりよれてしまっている作業服を着た女の子が一緒に神殿に行った時の神官さんたちの目は忘れない。物珍しいものを見るような目。よく考えれば、お姉さんに会うというのならもう少し身に着ける者に気を配るべきだったなと思う。彼はよく来るのか気にしないようだったが、一緒にいる私は恥ずかしかった。
彼がいつものように「姉に会いにきた」と神官に言うと、もはや恒例となっているのか全く疑問も抱かずにお姉さんを呼びに行ってくれた。少し待っているとパタパタと走りながら一人の女性が私たちの下に来た。衣服は神官服になっていたが、小さい頃村の子どもたちの面倒を見てくれたお姉さんのままで私は気付かず泣いてしまっていたらしい。久しぶりの再会だというのに言葉もなく泣いていた私をお姉さんは優しく抱きしめてくれて、「よかった。元気そうで安心したわ」と言ってくれた。その言葉に感極まった私はお姉さんに抱き着いたまま声を上げて泣き出してしまった。彼はそんな私達を見て気を使ったのか、それとも面倒に思ったのかは分からないが神殿を後にした。まぁ、その時は私は彼がいなくなったことにも気づかずにお姉さんに抱き着いていたっけ・・・。
「グスっ。お久ぶりです。また、また会えて嬉しいです!」
「えぇ。本当に久しぶり。あの日貴方が叔父さんの牧場に行くのを見送った時以来ね。
今は叔父さんの牧場で暮らしているんでしょ?元気にやってる?」
「はい。叔父さんも良くしてくれるし、彼も何かと気にかけてくれますから」
「そう。それは良かった。心配していたの。弟から貴方が無事で叔父さんの牧場で暮らしていることを聞いても、ある日突然故郷が無くなって、家族もいなくなってしまって。元気にしているのか気になっていたから安心したわ」
「お姉さんこそ。私生き残ったのは彼だけで、お姉さんは亡くなったものとばかり思ってました。この前、彼に聞かなければ今でもそう思ったままだったと思います」
「あらあら。あの子はそういうところがあるからね。今度報告に来たときはお説教ね♪」
「ひっ!あ、あのお手柔らかに・・・」
「貴方も!あの子はもう感情が表に出てくるのは難しくなってしまったからもっとぐいぐい行っていいのよ?」
「ええ!?それはその・・・どういう?」
「だって貴方あの子のこと好きでしょう?」
「え!?あ、いや、その、そう・・ですけど・・・」
「私の未来の妹になるかもしないのだから、もっとあの子に我儘言って、言いたいことを伝えて、振り回してもいいの。
大事な人が出来れば、あの子も冒険者を辞めるかもしれないし・・・」
「お姉さんは彼が冒険者を、ゴブリン退治を続けることには反対なんですか?」
「勿論。できればすぐにでも辞めて欲しいと思ってるわ。いつどんな危険があるか分からないし、もしあの子が命を落とすことがあれば私ももう立ち直れないから・・・」
「お姉さん・・・」
「だから、貴方には勝手だけど期待しているの。あの子が無茶しないように気をかけてくれると姉としても嬉しいわ。貴方は妹になってくれるのならもっと嬉しい」
「も、もう!お姉さん昔とちっとも変わってない!また私のこと揶揄って・・・」
「いいえ。貴方が妹になってくれると嬉しいというのは本当。無茶ばかりする弟に家族が出来ることは嬉しいことだから。
無茶なお願いかもしれないけど、弟のことよろしくね」
「はい!」
こんなやり取りがあったのは彼には秘密かな?だってすごく恥ずかしいから。
でも、私が彼の居場所になれるなら、それはとても嬉しいことだって思う。
彼と一緒にギルドに牧場の品を納品に行くと、彼に陰口をたたく人もいる。銀等級なのにゴブリンしか退治しない臆病者だって。彼は気にしないのかもしれないけど、私は嫌だった。彼がゴブリンを退治してくれるから平和に過ごすことができる人がいる。その事実は変わりないのに、たかがゴブリンだと言って評価しようとしない。同じ銀等級の冒険者なら分かるが、新人だと分かる人たちにまで言われるのは面白くない。まぁ、彼の事をちゃんと評価してくれる受付嬢さんがいるからいいんだけど、あの受付嬢さんの彼の事を見る目は、明らかに違っている。それに対してはやっぱり面白くない・・・。前はあの受付嬢さんだけだったのに、最近は新人の神官の女の子の面倒を見始めた。新しく組んだパーティには、同性の私でも見惚れる位綺麗なエルフの冒険者までいる。何時から彼はこんなにも女の子に囲まれるようになったのか・・・。
冒険に行って帰ってきたら、いきなり倒れ込んで3日も寝続けていた時は、そのまま死んじゃうんじゃないかって考えちゃって余り寝れなかった時もあったっけ?最も、彼は目が覚めればけろりと牧場周辺にゴブリンが来ていないか確認していて、私の心配を返せ!ってことも多々あったど・・・。
そんな私にとっての幸せな日常を過ごしていたら、彼が朝いきなりゴブリンが来る。と言って私に逃げるように告げてきたあの日。ぶっきらぼうだけど、どこまでも私を心配してくれる彼の思いやりが嬉しくて、同時に、彼の居場所がなくなるのが怖くて無茶を言っちゃった。彼は、ギルドの冒険者に依頼をして私たちを助けてくれた。私が、思っていたより彼はギルドの冒険者から受け入れられていたというのは嬉しかったけど、同時に彼が遠くに行ってしまったようで寂しかったな。私の世界は、牧場とギルドのある町くらいしかないのに、彼はもっと多くのものを見ているというのが分かって言葉にできないけど寂しく感じた。
彼が他の人と仲良くすることを勧めているのに、いざ自分の知らない世界に彼が赴くというのは余り良い気がしないって、嫌な子だなって自己嫌悪したこともあったかな?それだけ私にとって彼は大きな存在だったから・・・。
私はたった一度だけ白金等級の冒険者に会ったことがある。
月明りの綺麗な夜に彼と話して、もう寝るだけだって時に牧場の牛たちが少し鳴いていたのを不思議に思って、牛舎に足を運んだら、牛たちを撫でているあの人に出会った。
貌は月明りで見えなかったけど、首から見える認識票は白金等級を示していて、そんな人がこんな夜に何故ここにいるのか不審に思って警戒していた。その人は、私が警戒していることなんて気づいていたのだろうけど、特に態度を変えることもなく私に話があるから少し時間を貰えるかと言ってきた。私がどう返答するか迷っていると、彼のことについてだと話始めて、色々と彼のことを話してくれた。伝えることは伝え終わったと私に言い、最後に告げてきたのは・・・。
「もし君が彼を失いたくないと思っているなら、君の心の中で燻っているもの全てを彼にぶつけるといい。それで何かが変わるという保証はないが、何も変わらないという事は絶対にない。自分の心に正直になれ」
私の心を読んだかのような発言に驚きながら視線を向けると、薄く笑いながら「君たちの行く末に幸せがあることを願っている」と言って、また牛を一撫でして夜の闇に消えるように姿を消した。あの人が誰なのか分からなかったけど、私には彼が言っていた「生きる伝説」と呼ばれる人だという確信があった・・・。
この出来事から数年。彼は大怪我を負って帰ってきた。パーティでゴブリン退治に行った際、神官の子を庇って大柄なゴブリンからの攻撃を何度も受けたのだという。どうにか退治することに成功して、応急処置を施して命を繋ぎとめることはできたが、意識が何日も戻らないという。彼を背負いながら牧場に連れてきたリザードマンの僧侶と彼のパーティが目を伏せながら説明してくれた。彼をあまり好意的に見ていない叔父さんも、意識が戻らないからか何も言わずに世話を買って出てくれて、彼の容体を聞きつけたお姉さんも合流して看病すること数日。彼がようやく目を覚ました。しかし、目が覚めたからといって元通りとはいかない。彼は、ゴブリン受けた攻撃で血を流し過ぎた上に、呼吸も幾度か止まっていたらしく、体が思うように動かなくなっていた。勿論日常生活を送るのには十分に動くのだが、冒険者を続けることは不可能だと、彼を見てくれたお医者様が言っていた。そう告げられた時の彼の顔は忘れられない。全てに絶望したような暗い表情をしていた。お姉さんも彼に掛ける言葉が見つからないのか言葉を失っていたが、叔父さんが珍しく彼に言葉を掛けた。
「・・・。もう冒険者を続けるのは無理なんだろう?受け入れて新しい生活を見つけなさい」
ぶっきら棒だが、彼のことを案じた言葉。彼も小さくはいと返事をしたが、胸中どのような思いが有ったのかは私達には分からない。あの夜、彼にこれからをゆっくり考えようと提案したが、突然これからを考えなくてはならなくなるとは露にも思っていなかった・・・。
それから、彼はギルドに認識票を返還し冒険者を辞めた。周りの人たちもまさか彼が辞めるとは思わなかったのかざわめいていた。特に受付嬢さんは、この世の終わりのような表情をしていたっけ。彼がゴブリン退治を出来なくなり、周辺の村の被害が増えるという問題も出ていたが、彼が現役の時に行ったゴブリン退治の教訓と彼に助けられた村の冒険者が彼の後を継いでくれるらしい。安心したのと同時に彼がいる場所がなくなってしまったようで、悲しかった。
冒険者を辞めた彼は、叔父さんが雇うという形で牧場に住み込みで働き始めた。前から手伝ってくれていたから手際はいいのだが、時折遠くを眺めことが多くなった。彼もこれからをどうするか悩んでいるのだろう。だから彼を支えようと決心した次の日に叔父さんが新たな火種を創りだした。それは、私のお見合いだった・・・。
叔父さんから見れば私は娘も同然で、この牧場の跡継ぎとして婿を取って欲しいのだという。そして、婿を取るのなら嫁の近くに男がいるのは問題があるから彼に出て行って欲しいと言ってきた。当然反対したが、叔父さんは意思を変えることはなく、牧場の仕事は叩き込んだから他所の牧場でもやっていけると彼に言い放った。そして、一月以内に次の就職先を見つけて出て行ってくれと言ってその場を去った。彼からしても突然のことで動揺しているのが見て取れるが、私も現状を飲み込めずに困惑していた。暫く一言も話さずに静寂がその場を支配していたが、彼が外の空気を吸ってくると言ってその場を後にした。
残された私の心境は荒れていたが、何よりも彼と離れてしまうという事実が私の心を締め付ける。故郷が無くなって、喧嘩別れをしてしまった彼ともう二度と会えないと思い絶望した。環境の変化に漸く追いついた時に偶然彼と再会できて、もう会えないと思っていた彼のお姉さんとも再会できて、毎日が大変で彼がゴブリン退治の冒険に出掛ければ無事に帰ってくるように願う。そんな日々が続き、彼の周りに仲間が出来たことに安心と寂しさを感じながらも楽しいと思える毎日を送ってきた。それが、そんな私の大切な日常が壊れる?そんなの嫌だ!もう彼の帰れる場所が無くなることが嫌だ。私の周りから人がいなくなることが嫌だ。お見合いをすると言われても見ず知らずの人と結婚するなんて考えられない。一回で決まる訳がないのに、彼が私の下からいなくなってしまうなんて認めたくない!それに結婚するのなら何も他の知らない人とするんじゃなくて牧場の仕事も出来て、ずっと私たちと過ごしてきた彼でもいいのに・・・。
(ん?私と彼が結婚する?・・・それでいいんじゃないかな?私は彼が好きだし、彼もなんだかんだ私を気にかけてくれた。最近だと私の着替えを間違えてみてしまった時に顔を赤くしてくれたし意識されてないってことはないはず。
・・・お姉さんにも弟のことを頼むってお願いされた。障害は叔父さんだけ。感情論じゃ叔父さんは説得できないから何か引くに引けない理由があればいい。牧場を継いで残す為には跡継ぎがいる・・・。)
思考が早くなりここまで考えが纏まるまで数秒程度だったと思う。私と彼の間に子どもが出来れば叔父さんも文句は言えない。牧場の跡継ぎだって子どもたちに託すことが出来る。
私が彼と離れる必要も無くなる。いいこと尽くしじゃないか。問題があるとすれば彼の貞操観念がお姉さんの教えで固いということ。私から迫っても断られる可能性が高い。ならば彼から迫ってもらうにはどうすればいい?そう考えていた私が目にしたのは、町で買ってきた桃のブランデーが入った瓶。彼は普段深酒はしないが、こんな状態だ。気分を緩めるためと言えばいつもより多く飲んでくれるのではないか?
そこまで考えた私は既に他の考えなどないというかのように瓶を手に持ち彼を探すために外に出た・・・
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「おはよう。直ぐに朝ごはん作るから待っててね。あ!あの子ももう起きなきゃいけないから起こして来てくれる?」
「分かった。他に手伝うことはあるか?」
「ふふっ。ありがとう!なら食器を出してくれるかな?」
「それだけでいいのか?食後に皿を洗うなどやってもいいが」
「嬉しい申し出だけど、今は忙しい時期でしょ?私はあんまり動けないから君が頼りなんだよ?だったら君が力を発揮するのはどこか分かるよね?」
「そうか。そうだな。だが、何か手伝って欲しいことがあればいつでも言ってくれ。お前とお腹の子に何かあったら大変だからな」
こんなやり取りが出来ることに幸せを噛みしめる。あの日彼も困惑していたのだろう、私がお酒を進めても疑問も口に出さずにグビグビ飲んでくれた。いつもは酔いが回る前に止めるのに傍から見ても酔っていると分かるのに飲むのを止めなかった。酔っぱらった彼に私のことをどう思っているのか聞いてみれば
「目が離せない。子どもの時に言ってしまったことを謝りたいと思っていた。一緒に過ごすことに安堵をと安らぎを覚えている。端的に言えば好き・・・なんだと思う。
だから、俺はお前と離れたくない。だが、叔父さんの思いも分かる。
どうすればいいと言うんだ!」
感情のまま言葉を放つ彼。そんな言葉に私への思いが込められ、好きと言われたことに嬉しさを感じる。彼がこういう風に思ってくれているのなら問題はないだろう
「・・・私も君と離れるのは嫌だよ。だから離れなくする方法があるんだけど、私一人だと駄目だから手伝ってくれないかな?」
私が伝えると
「分かった。俺は何をすればいいんだ?」
彼は二つ返事で応えてくれた。彼が使っている小屋に2人で向かって。その後は・・・。
私は無事に彼の子を宿すことが出来た。これで問題はないと叔父さんに報告すれば、やれやれと言った表情で
「漸くお互いの気持ちに素直になったか」
と言ってきた。なんでも私のお見合いの話はまだやろうかなという段階だったが、私と彼の仲が一切進まないことにしびれを切らして進むようにしてくれたのだという。勿論私達がくっ付かなかった時には本当にお見合いをする予定だったのだという。
「私はお前の親としてちゃんとした相手を見つけて欲しかった。彼も冒険者を辞めたから問題はないが、心ここにあらずといった具合だったからな。娘と結ばれるのであればちゃんと娘のことを見るようにすべきだと思ったまでだ」
と言われたらもう何とも言い返すことが出来なくなってしまった。横に居た彼は気まずそうに顔を掻いていたけど、思い当たる節があったのかもしれない。そんなこんなで私たちは叔父さんとお姉さん公認で結婚することが決まり、その後はとんとん拍子で進んでいった。
盛大に結婚式をする訳にもいかないから、彼と私の知り合いを招いてささやかな結婚式を挙げた。参列してくれた人たちは祝ってくれたけど、一部焦った表情をしていたり、ハンカチを噛みしめている人がいたこともいい思い出だ。
私は故郷と家族がいなくなってしまったけど、育ててくれた叔父さん。再会できた彼のお姉さん。よく話をした冒険者さん達。そして、私が大好きな彼と愛すべき子どもがいてくれてとても幸せです。
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これは特別な者を持たないが神々に賽子を振らせない冒険者とその幼馴染のお話。
彼と彼女はこれからもお互いを助けあいながら、一生を過ごしていきます。
願わくば彼と彼女の人生が穏やかなものでありますように
過去最長にして難産でした。
なんとか今年中にendの一つは書きたかったのでひとまず安心しております。
アニメも最終回を迎えましたが、とてもよかったと思います。
そして最後に意味深な告知があったので2期を期待せずにはいれません!
次回のendは受付嬢を予定しております。牛飼い娘endと分岐をした物語を予定しているのでいくつか言い回しなどが被ることもあるかと思いますが、そこな広い心で許してやってください