また、今回は3人称視点で物語が進んでいくので多少読み辛いかもしれません
後書きにて今話の解説があります
お手数ですが、一度目を通していただけるとありがたいです
感想にて作者自身直した方がよいと思う部分があるので書き直します
本のページを捲るように時間もまた進む。ゴブリンスレイヤーと女神官が幾度かのゴブリン退治を終えギルドに帰還した。彼らを待ち受ける新たなクエストとは・・・?
ゴブリンスレイヤーを名指しし3人の冒険者がギルドを訪れた。一目その顔を見れば釘づけになるであろう美貌を持つエルフ。恰幅のいい身体を持つドワーフ。3人組の中で一番特異な容姿をしながらも一番落ち着いているリザードマン。彼らは、己が種族の領主の命を受けゴブリン退治を行うべく、ゴブリンスレイヤーを勧誘しに来ていた。
その様子を誰にも気づかれることなくギルドの2階から見ているフードを目深に被った冒険者が一人。奇妙な一座の行く末を楽しみにしているかのように、僅かに見える口元は緩んでいた。そんな彼が、ゴブリンスレイヤーと組んでいた神官娘に、新人であろう2人組みが近づいていることに気付いたのは単なる偶然といえよう。2人組みは、神官娘に自分たちと組まないかと勧誘をしているが、その理由は何も知らないのであれば当然のことであった。要約すれば、銀等級であるのにゴブリン退治しかしないことを不審に思い新人を囮にしているのではないかと考え誘っている。本来ならば、この町一番の魔術師の女がやんわりと煙にまくが、それより先に傍観者が手を出した。
「少しいいかい?」
―そう静かだが確かな重みを持つ声が神官娘と2人組みの後ろから掛けられた
「な、なんだよあんた?」
―2人組みのうち前衛を担っているだろう男の方がそう答えた
「いや、先程から君達の発言を聞いていたが、少し釘を刺しておこうと思ってね。先ず、囮を使うような奴を冒険者ギルドが銀等級として認めることはないよ。更に言えば、そちらの神官は曲がりなりにもあの変なのと依頼を達成している。そんな彼女が否定しているんだ。間近で確認した訳ではない君たちが難癖つけるのはお門違いじゃないか?」
―ぐうの音も出ないような正論。しかし、声を掛けた手前このまま下がる訳にはいかないのか反論する2人組み
「た、確かにあんたの言う通りだけど!俺たちが話しかけたのは彼女なんだから俺たちの話に入ってくるなよ!」
「そうよ!彼女いつもあの変なのに連れられてゴブリン退治ばっかりやってるんだから、心配するのは当然でしょう!?」
―多少の下心はあるのだろうが、それでも純粋に神官娘のことを心配しての発言だったことに笑みを深くする男
「なるほど確かにその通りだ。だが、君たちはゴブリン程度と思っているな?その認識は少し変えた方がいいぞ?」
―穏やかに2人組に注意するが、逆に勘に障ったのか声を荒げる2人組み
「まだやったことないが、ゴブリンなんて村の力自慢でも倒せる雑魚だろ!装備さえ用意できれば直ぐにでも殺してやるよ!」
―思った通りの答えが返ってきたことに男はため息を一つ吐いてその考えを是正する
「その甘い考えは捨てた方がいい。質問を変えよう。仮に敵対しているのが田舎者や術師だったとしたらどう対処する?」
―男が問いかける
「仮にそんなのが居たとしてもどうせゴブリンでしょ?奇跡の一発で終わりよ!」
―連れに触発されたのか強気に言いはる神官であろう女
「やはり考えが甘い。だが、未来ある若者をむざむざ死なせないために一つ教えておこうか。いいかい?君達が知っているゴブリンなど、群れから追い出された只の雑魚でしかない。そんな奴は痩せ細り、村から家畜を奪うなどしてどうにか命を繋いでいる状態だ。家畜に手を出される可能性はあっても直接人命に関わる事態にはなりにくい。
だが、そんなものでもモンスターを倒したと思いこんでしまう奴はいる」
―君達はどうかな?そう告げる男の質問「似たようなものです・・・」と片割れの少女が応える
「意気揚々と冒険者になり、たかがゴブリンと見下し慢心する。そしてゴブリン如き見逃しても問題ないと考え子供だけは見逃してやろうなどと宣う「お優しい莫迦」が出てきてしまうの一種当たり前なのかもしれないね。
だが、この世界で一番人に被害を与えているのがゴブリンなんだよ。奴らは腐ってもモンスター、莫迦であっても間抜けではないよ」
―鼠や虫との違いは何かわかるかい?とまたもや質問をしてくる男
え?うーん・・・なんだ?
―いきなりの質問だが、答えを出そうとする少年
「正解は、考えて動いているということだよ。一般にゴブリンは人間の子どもと同じくらいのことしか考えらないと言われている。だが、逆に考えてみれば、子どもが出来ること、出来るようになることはゴブリンも出来るということだ。
誰しも子供の頃にあった嫌な出来事はいつまでも覚えているだろう?ゴブリンも同じように恨みを永遠に忘れることはない。まぁ、これはモンスター全般に言えることだが、人間よりも執念深い。見逃して後で報復されて殺されるということがないようにちゃんと息の根は止める。これを徹底すべきだね」
―2人組みに言い含めるように言う男
「そ、そうだな。不意打ちで死にたくないし・・・」
「虫なんかは、死んだと思っても足が動いていることもあるもんね・・・」
―思い当たる節があるのか若干青ざめる2人組み
「話をゴブリンに戻そう。経験を重ね生き延びたゴブリンは「渡り」と呼ばれる存在になり成長していく。奴らは成長と共に力が増していき。、術が使えるようになればそれを使い恨みを晴らす。「渡り」は巣穴の長や用心棒となり、近くにある村から家畜を奪い女子供をさらい喰らい、犯し、数を増やしていく。
慢心と傲慢からくる甘さは君たちだけじゃなく、近隣の村や集落も危険に陥れてしまうことあるんだよ」
教師が生徒に教えるかのように丁寧に説明していく男。たかがゴブリンと見ていた周囲の冒険者も一人また一人と耳を貸していく。
「ゴブリンスレイヤーがやっているゴブリン退治はこの世界に大きな変化を与えるものではない。だが、彼がゴブリン退治の依頼を受けることで本来助かること叶わない小さな村の小さな命を救われているということもちゃんと理解すべきだと俺は思う。
だからと言ってゴブリン退治だけするというのはそれはそれで問題だろうがね。」
―苦笑しながらも確かにゴブリンスレイヤーに対して尊敬を抱いている様子が見受けられた
「勿論、自らの等級にあった依頼、振る舞いをすることは大切だ。依頼をしに来たものが、彼の様子を見れば銀等級は全員あんなのかと勘違いを起こしてしまうかもしれない。それでは本末転倒だからね。でも、確かに銀等級となったからには彼にも等級に相応しい評価がされたということさ」
―先程より落ち着いた2人組みが最後に訪ねてきた
「なぁ。アンタはどこでそんなことを知ったんだ?ゴブリンスレイヤーに関してやけに詳しいし・・・」
「ん?あぁ、彼に関して詳しいのは調べたからさ。私の村も彼に助けてもらったんだよ。だが、再興するにはどうしても金が必要だからまだ動ける私が冒険者となった次第さ。いざギルドに登録しようとした時に偶々彼が目に入ってね。これも何かの縁かと思って依頼を果たし行った先でいろいろ聞き込んださ
ゴブリンの知識に関しては、彼にゴブリン退治の助っ人を頼んだ際に教えて貰ったんだ」
―そう笑いながら、長話に付き合わせて申し訳ないと男は去っていった。
男の話を聞き終えた後、女魔術師が神官娘を連れて離れた。他の冒険者も同じように散らばっていたが、ある一人の冒険者が溢した一言がその場に残ったのであった
―あれって史上最高齢で冒険者になって銀等級まで上り詰めた、噂に聞く銀の教育者じゃないか?
これにより何かが変わるということはない。だが、確かにゴブリンスレイヤーと共にあるく小さな神官娘の覚悟が本来の物語よりも強くなったこと。そして、ギルド内でゴブリンスレイヤーがやっていることの凄さが僅かばかり伝わった程度の変化はあった・・・。
傍観者にちょっとゴブリンスレイヤー贔屓させ過ぎたかと迷っております。意見などがあれば聞きたいです。
ここまでオリ主しか出てないようですが、次話からゴブスレ君と多少話すようになりますよ
3人称は難しいですね
読者の方から質問があり、その質問の内容から今回のお話しにて混乱を招いてしまう可能性があることが分かりました。故に後書きにて少しばかりの解説をさせて頂きます。
オリ主の目的はゴブスレ君を人生の墓場にぶち込むことです。
しかし、ゴブスレ世界に転生された際の役割は世界の存続です。
白金等級として活動することがほとんどですが、時としてそれより下の位階の冒険者として活動することが必要な場合が出てきます。そんな折にオリ主は、自分の能力を使い全く別の人間として振る舞う場合があります。
例としては、悪魔やドラゴンよりは弱いがそれでも位階4位以下だと手に負えないモンスターが大量発生した場合等に手が足りないからと白金等級を送り込み問題を解決してしまうと、本来世界の未来を決める戦いをすることを望まれている白金等級を様々な場面で送り込めると思われてしまう可能性があります。そんな時に銀等級として振る舞い、他の同業者と共にモンスターを倒すといった具合です。
何が言いたいのかと言えば、オリ主は白金等級として世間に広まっている顔以外に様々な位階、職業の人間としての顔を持っています。